>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 9528

:2013

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  種類 

2

4

  性質 

2

4.1

  性状  

2

4.2

  定性方法  

2

5

  品質 

3

6

  試験方法  

3

6.1

  一般事項  

3

6.2

  純度[(C

3

H

7

)

2

O

](GC  

3

6.3

  密度(20  ℃)  

4

6.4

  屈折率 n

20

D

  

4

6.5

  水分  

4

6.6

  不揮発物  

4

6.7

  酸(CH

3

CH

2

COOH

として)  

4

6.8

  過酸化物(H

2

O

2

として)  

7

7

  容器 

9

8

  表示 

9


K 9528

:2013

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 9528:1992 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 25 年 9 月 20 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS マ

ーク表示認証において,JIS K 9528:1992 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

9528

:2013

ジイソプロピルエーテル(試薬)

Diisopropyl ether (Reagent)

[(CH

3

)

2

CH]

2

O    FW:102.17

序文 

この規格は,1976 年に制定され,その後 2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1992 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるジイソプロピルエーテルについて規定する。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,SDS(安全データシート)

,MSDS(化学物質等安全データシート:JIS Z 

7250

‐2012 年廃止,猶予期間 2016 年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健

康に対する適切な措置をとらなければならない。

なお,ジイソプロピルエーテルは,引火性が強いので火気を避け,また,有害なので,蒸気

の吸入,粘膜・皮膚への付着などを避ける。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0061

  化学製品の密度及び比重測定方法

JIS K 0062

  化学製品の屈折率測定方法

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフィー通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 1107

  窒素

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8102

  エタノール(95)

(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)


2

K 9528

:2013

   

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8603

  ソーダ石灰(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8637

  チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)

JIS K 8659

  でんぷん(溶性)

(試薬)

JIS K 8780

  ピロガロール(試薬)

JIS K 8842

  ブロモチモールブルー(試薬)

JIS K 8913

  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 9007

  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS R 3505

  ガラス製体積計

種類 

種類は,特級とする。

性質 

4.1 

性状 

ジイソプロピルエーテルは,

無色透明の液体で,

エタノール及びジエチルエーテルに極めて溶けやすく,

水に溶けにくい。沸点は,約 68  ℃である。

安定剤として 2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール,ヒドロキノンなどを含む。

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 に従って測定すると,波数 2 972 cm

-1

,2 936 cm

-1

,2 879 cm

-1

1 468 cm

-1

,1 379 cm

-1

,1 368 cm

-1

,1 327 cm

-1

,1 169 cm

-1

,1 126 cm

-1

,1 112 cm

-1

,1 015 cm

-1

,904 cm

-1

び 795 cm

-1

付近に主な吸収ピークを認める。試料調製を JIS K 0117 の 5.4 a)(液膜法)によって行い,窓

板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を

図 に示す。


3

K 9528

:2013

図 1−赤外吸収スペクトルの例 

注記  図 は,独立行政法人産業技術総合研究所の SDBS から引用したものである。

品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質 

項目

規格値

試験方法

純度[(C

3

H

7

)

2

O](GC)

質量分率 %

99.0 以上

6.2 

密度(20  ℃) g/ml

0.720∼0.734

6.3 

屈折率 n

20

D

1.366∼1.371

6.4 

水分

質量分率 %

0.1 以下

6.5 

不揮発物

質量分率 %

0.02 以下

6.6 

酸(CH

3

CH

2

COOH として)

質量分率 %

0.01 以下

6.7 

過酸化物(H

2

O

2

として)

質量分率 %

0.001 以下

6.8 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2 

純度[(C

3

H

7

)

2

O

](GC 

純度[(C

3

H

7

)

2

O](GC)の試験方法は,次による。

a) 

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1) 

マイクロシリンジ又は試料導入装置  少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導

入するマイクロシリンジ又は装置。

2) 

ガスクロマトグラフ  JIS K 0114 に規定するもの。


4

K 9528

:2013

   

b) 

分析条件  分析条件は,次による。

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用

いてもよい。

1) 

検出器の種類  水素炎イオン化検出器

2) 

固定相液体名  ポリエチレングリコール

3) 

固定相液体の膜厚  0.25 μm

4) 

カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ  石英ガラス,0.25 mm,30 m

5) 

設定温度  カラム槽    30∼50  ℃

          試料気化室  120  ℃

          検出器槽    120  ℃

6) 

キャリヤーガスの種類及び流量  ヘリウム,5.0∼10.0 ml/min

7) 

試料の導入方式  全量注入法

8) 

試料の導入量  0.2

μl

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1) 

試料の導入及び記録  試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導

入してクロマトグラムを記録する。

なお,あらかじめジイソプロピルエーテルの保持時間を確認しておく。

2) 

ピーク面積の測定  クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114 の 11.3 a)(データ処理ソフ

ト又はデータ処理装置を用いる方法)による。

d) 

定量法  各成分のピーク面積を測定し,JIS K 0114 の 11.5(面積百分率法)によって純度[(C

3

H

7

)

2

O]

(GC)を求める。

6.3 

密度(20  ℃) 

密度(20  ℃)の試験方法は,JIS K 0061 の 7.2(比重瓶法)又は 7.3(振動式密度計法)による。

6.4 

屈折率 n

20

D

屈折率 n

20

D

の試験方法は,JIS K 0062 による。

6.5 

水分 

水分の試験方法は,JIS K 0068 の 6.3(容量滴定法)又は,6.4(電量滴定法)による。ただし,容量滴

定法の場合,試料 10 g(13.7 ml)をはかりとり,溶媒はメタノールとする。電量滴定法の場合,試料 1 g

(1.4 ml)をはかりとる。

6.6 

不揮発物 

不揮発物の試験方法は,JIS K 0067 の 4.3.41

(第 1 法  水浴上で加熱蒸発する方法)による。ただし,

この場合,試料 20 g をはかりとる。

6.7 

酸(CH

3

CH

2

COOH

として) 

酸(CH

3

CH

2

COOH として)の試験方法は,次による。

a) 

試薬,ガス及び試験用溶液類  試薬,ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

エタノール(95)  JIS K 8102 に規定するもの。

2) 

ソーダ石灰  JIS K 8603 に規定するもの(必要な場合に用いる。)。

3) 

窒素  JIS K 1107 に規定するもの。

4) 

塩酸(0.05 mol/l)  JIS K 8180 に規定する塩酸 90 ml をはかりとり,水を加えて 1 000 ml とし,混

合する。その 10 ml をはかりとり,水を加えて 200 ml とし,混合する。気密容器に入れて保存する。


5

K 9528

:2013

5) 

水酸化カリウム溶液(250 g/l)  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 29.4 g を水に溶かして 100 ml

にする(必要な場合に用いる。

。ポリエチレン製瓶などに保存する。

6) 

二酸化炭素を除いた水  次の 6.1)6.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。

6.1)

水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから 5 分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ

ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却

したもの。

6.2)

水をフラスコに入れ,水の中に窒素を 15 分間以上通じたもの。

6.3)

二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて水から二酸化炭素を除いたもの。

6.4) 18

MΩ・cm 以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取したも

の。ただし,採水後,速やかに用いる。

7)  pH 6.8

の緩衝液(りん酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液)  pH 6.8 の緩衝液は,次に

よって調製する。

7.1) 0.1 

mol/l 

りん酸二水素カリウム溶液  JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウム(pH 標準液

用)6.80 g(質量分率 100 %としての相当質量)を全量フラスコ 500 ml に入れ,適量の二酸化炭素

を除いた水で溶かし,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。ほうけい酸ガラス製瓶,

ポリエチレン製瓶などに保存する。

7.2) 0.2 mol/l 

水酸化ナトリウム溶液(NaOH:8.00 g/l)  調製は,次による。

7.2.1) 1 

mol/l 

水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/l)  1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液の調製,標定

及び計算は,次による。

注記 1

mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び計算は,JIS K 8001 の JA.5.2(滴定用

溶液の調製,標定及び計算)r) 1)と同じである。

7.2.1.1) 

調製  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 165 g をポリエチレン製などの気密容器 500 ml

にはかりとり,二酸化炭素を除いた水 150 ml を加えて溶かした後,二酸化炭素を遮り 4∼5 日

間放置する。その上澄み液 54 ml をポリエチレン製などの気密容器 1 000 ml にとり,二酸化炭

素を除いた水を加えて 1 000 ml とし,混合した後,ソーダ石灰管を付けて保存する。

7.2.1.2) 

標定  標定は,認証標準物質

1)

又は JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を

用い,次のとおり行う。

7.2.1.2.1)

認証標準物質

1)

のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。

7.2.1.2.2)

容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いた後,上

口デシケーター(減圧デシケーター)に入れ,上口デシケーター内圧 2.0 kPa 以下で約 48 時

間乾燥する。

7.2.1.2.3)

認証標準物質

1)

又は容量分析用標準物質のアミド硫酸 2.4∼2.6 g を 0.1 mg の桁まではかりコ

ニカルビーカー100 ml に移し,水 25 ml を加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモール

ブルー溶液数滴を加え,7.2.1.1)で調製した 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点

は,液の色が黄から青みの緑になる点とする。

1)

  容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国

際単位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標

準物質を入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることが


6

K 9528

:2013

   

でき,その説明書に従って使用する。

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標

準総合センター(NMIJ)

,米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及

び認証標準物質生産者がある。

7.2.1.3) 

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

100

09

097

.

0

A

V

m

f

×

×

=

ここに,

f

1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとったアミド硫酸の質量(g)

A

アミド硫酸の純度(質量分率  %)

V

滴定に要した 1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液の体積(ml)

0.097 09: 1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液 1 ml に相当するアミド硫

酸の質量を示す換算係数(g/ml)

7.2.2) 0.2 

mol/l 

水酸化ナトリウム溶液の調製  ファクターから計算した 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶

液の必要な体積を全量フラスコ 100 ml に正確に入れ,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて

混合し,ソーダ石灰管を付けてポリエチレン製などの気密容器に入れる。

7.3) pH 

6.8

の緩衝液の調製  0.1 mol/l  りん酸二水素カリウム溶液 50 ml 及び 0.2 mol/l  水酸化ナトリウ

ム溶液 11.82 ml を全量フラスコ 100 ml に正確に入れ,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混

合する。ほうけい酸ガラス製瓶,ポリエチレン製瓶などに保存する。

8) 

ブロモチモールブルー溶液  JIS K 8842 に規定するブロモチモールブルー0.10 g をエタノール(95)

50 ml に溶かし,水で 100 ml にする。褐色ガラス製瓶に保存する。

9) 0.05 

mol/l 

水酸化ナトリウム溶液(NaOH:2.00 g/l)  1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液 10 ml を全量フ

ラスコ 200 ml に正確に入れ,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。使用時に調製し,

ポリエチレン製などの気密容器に入れる。ファクターは,1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液のファクタ

ーを用いる。

b) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

メスピペット  JIS R 3505 に規定する最小目盛 0.01 ml のもの。

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,あらかじめ窒素を約 200 ml/min の流量で約 2 分間通じて空気を置換した三角フ

ラスコ 200 ml などに,試料 20 ml 及び二酸化炭素を除いた水 50 ml をとり,ブロモチモールブルー

溶液 3 滴を加え,窒素を液面に通じながらメスピペットを用いて液の色が中間色

2)

になるまで 0.05

mol/l  水酸化ナトリウム溶液又は塩酸(0.05 mol/l)で中和した後,試料 10 g(12.8 ml)を速やかに

加え,共通すり合わせ三角フラスコの側面から液の色を観察する。

2)

試料溶液が中間色から酸性側の色(黄)の場合は,液面に窒素を通じながらメスピペットを用いて

0.05 mol/l  水酸化ナトリウム溶液 0.34 ml を加え,共通すり合わせ三角フラスコの側面から液の色を

観察する。ただし,0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクターが 1.00 でない場合は,加える体

積を補正する。

2)

  共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml などに pH 6.8 の緩衝液約 70 ml を入れ,ブロモチモー

ルブルー溶液 3 滴を加えたときの緑。

d) 

判定  c)によって操作し,次の 1)又は 2)に適合するとき,

“酸(CH

3

CH

2

COOH として)

:質量分率 0.01 %

以下(規格値)

”とする。


7

K 9528

:2013

1)

試料溶液の色は,中間色からアルカリ性色(青)になる。

2)

試料溶液から得られた液の色は,中間色からアルカリ性色(青)になる。

注記  酸(CH

3

CH

2

COOH として)の含有率(質量分率  %)を求める場合は,次の式によって計算

する。

100

704

003

.

0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに,

A

酸(CH

3

CH

2

COOH として)の含有率(質量分率  %)

V

0.05 mol/l  水酸化ナトリウム溶液の体積(ml)

f

0.05 mol/l  水酸化ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとった試料の質量(g)

0.003 704: 0.05 mol/l  水酸化ナトリウム溶液 1 ml に相当する

CH

3

CH

2

COOH の質量を示す換算係数(g/ml)

6.8 

過酸化物(H

2

O

2

として) 

過酸化物(H

2

O

2

として)の試験方法は,次による。

a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

よう化カリウム  JIS K 8913 に規定するもの。

2) 

でんぷん溶液  JIS K 8659 に規定するでんぷん(溶性)1.0 g に水 10 ml を加えてかき混ぜながら熱

水 200 ml 中に入れて溶かす。これを約 1 分間煮沸した後に冷却する。

3) 

硫酸(11)  水の体積 1 を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951 に規定する硫酸の体積 1 を徐々

に加える。

4) 

硫酸(115)  水の体積 15 を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951 に規定する硫酸の体積 1 を徐々

に加える。

5) 

水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 30.9 g を水に溶かして

100 ml にする。ポリエチレン製瓶などに保存する。

6) 

ピロガロール・水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8780 に規定するピロガロール 10 g を水酸化ナトリウ

ム溶液(300 g/l)80 ml に溶かし,更に水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)を加えて全量を 100 ml にす

る(必要な場合に用いる。

。この溶液は使用時に調製する。

7) 

溶存酸素を除いた水  次の 7.1)7.5)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。

7.1)

水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから 5 分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶にピロガロー

ル・水酸化ナトリウム溶液を入れたものを連結するなどして空気中の酸素を遮り,冷却したもの。

7.2)

水をフラスコに入れ,水の中に JIS K 1107 に規定する窒素を 15 分間以上通じたもの。

7.3)

酸素分離膜をもつガス分離管を用いて水から溶存酸素を除いたもの。

7.4)

水を超音波振動装置で十分に脱気を行ったもの。

7.5) 18

MΩ・cm 以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取したも

の。ただし,採水後速やかに用いる。

8) 0.01 

mol/l 

チオ硫酸ナトリウム溶液(Na

2

S

2

O

3

・5H

2

O:2.482 g/l)  0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶

液の調製,標定及び計算は,次による。

注記  0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の調製,標定及び計算は,JIS K 8001 の JA.5.2(滴定用

溶液の調製,標定及び計算)t) 3)と同じである。


8

K 9528

:2013

   

8.1) 

調製  JIS K 8637 に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物 2.6 g と JIS K 8625 に規定する炭酸ナト

リウム 0.2 g とをはかりとり,溶存酸素を除いた水 1 000 ml を加えて溶かした後,気密容器に入れ

て保存する。調製後 2 日間放置したものを用いる。

8.2) 

標定  標定は,認証標準物質

1)

又は JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウ

ムを用い,次のとおり行う。

8.2.1)

認証標準物質

1)

のよう素酸カリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。

8.2.2)

容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いて,

130  ℃で約 2 時間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。

8.2.3)

認証標準物質

1)

又は容量分析用標準物質のよう素酸カリウム 0.3∼0.4 g を 0.1 mg の桁まではか

り,全量フラスコ 1 000 ml に移し,水を加えて溶かし,水を標線まで加える。その 25 ml を正確

にはかりとり,共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml などに移し,水 100 ml を加えて溶かす。次

に,よう化カリウム 1 g 及び硫酸(1+1)2 ml を加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗

所に 5 分間放置する。指示薬としてでんぷん溶液を用い,8.1)で調製した 0.01 mol/l チオ硫酸ナ

トリウム溶液で滴定する。この場合,でんぷん溶液は,終点近くで液の色が薄い黄になったとき

に約 0.5 ml を加える。終点は,液の青が消える点とする。

別に,

共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml に水 100 ml 及びよう化カリウム 1 g をはかりとり,

硫酸(1+1)2 ml を加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗所に 5 分間放置し,同一条件

で空試験を行って滴定量を補正する。

8.3) 

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

(

)

100

7

6

6

5

3

000

.

0

000

1

/

25

2

1

A

V

V

m

f

×

×

×

=

ここに,

f

0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとったよう素酸カリウムの質量(g)

A

よう素酸カリウムの純度(質量分率  %)

V

1

滴定に要した 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(ml)

V

2

空試験に要した 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(ml)

0.000 356 67: 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液 1 ml に相当するよ

う素酸カリウムの質量を示す換算係数(g/ml)

b) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

メスピペット  6.7 b)による。

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 5 g(7.0 ml)をはかりとり,三角フラスコ 100 ml などに入れ,水 50 ml を

加えて,よう化カリウム 1 g,硫酸(1+15)5 ml 及びでんぷん溶液 1 ml を加えてよく振り混ぜる。

2)

メスピペットを用いて,0.01 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液 0.30 ml を加え,三角フラスコ 100 ml

などの側面から下層(水相)の色を観察する。ただし,0.01 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液のファ

クターが 1.00 でない場合は,加える体積を補正する。

d) 

判定  c)によって操作し,次に適合するとき,“過酸化物(H

2

O

2

として)

:質量分率 0.001 %以下(規

格値)

”とする。

試料溶液から得られた水相は,無色である。

注記  過酸化物(H

2

O

2

として)の含有率(質量分率  %)を求める場合は,次の式によって計算す


9

K 9528

:2013

る。

100

05

70

1

000

.

0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに,

A

過酸化物(H

2

O

2

として)の含有率(質量分率  %)

V

0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の体積(ml)

f

0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとった試料の質量(g)

0.000 170 05: 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液 1 ml に相当する

H

2

O

2

の質量を示す換算係数(g/ml)

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。

表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称  “ジイソプロピルエーテル”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

純度

f)

安定剤の名称及びその量

g)

内容量

h)

製造番号

i)

製造業者名又はその略号