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K 9523

:2012

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  種類

2

4

  性質

2

4.1

  性状

2

4.2

  定性方法 

2

5

  品質

3

6

  試験方法

3

6.1

  一般事項 

3

6.2

  純度(CH

3

NO

2

)(GC

3

6.3

  密度(20  ℃) 

4

6.4

  屈折率 n

20

D

4

6.5

  水分

4

6.6

  不揮発物 

4

6.7

  農薬(有機りん)分析適合性

4

7

  容器

5

8

  貯蔵方法

5

9

  表示

5

10

  取扱い上の注意事項

5


K 9523

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 9523:1992 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 24 年 12 月 20 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS

マーク表示認証において,JIS K 9523:1992 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

9523

:2012

ニトロメタン(試薬)

Nitromethane (Reagent)

CH

3

NO

2

    FW:61.04

序文 

この規格は,1976 年に制定され,その後 3 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1992 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるニトロメタンについて規定する。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,MSDS(化学物質等安全データシート)などを参考にして各自の責任に

おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。

これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0061

  化学製品の密度及び比重測定方法

JIS K 0062

  化学製品の屈折率測定方法

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフィー通則

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8013

  亜鉛粉末(試薬)

JIS K 8019

  亜硝酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8101

  エタノール(99.5)

(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8197

  N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(試薬)

JIS K 8588

  アミド硫酸アンモニウム(試薬)


2

K 9523

:2012

   

JIS K 8848

  ヘキサン(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

種類 

種類は,特級とする。

性質 

4.1 

性状 

ニトロメタンは,無色からごくうすい黄の透明な液体で,特異なにおいがあり,空気中では着色しやす

い。エタノール及びジエチルエーテルに極めて溶けやすく,水にやや溶けやすく,水溶液は酸性である。

沸点は,約 101  ℃である。

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 に従って測定すると,波数 2 926 cm

-1

,1 564 cm

-1

,1 378 cm

-1

1 100 cm

-1

及び 659 cm

-1

付近に主な吸収ピークを認める。試料調製を JIS K 0117 の 5.4 a)(液膜法)によっ

て行い,窓板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を

図 に示す。

図 1−赤外吸収スペクトルの例 

注記  図 は,独立行政法人産業技術総合研究所の SDBS から引用したものである。


3

K 9523

:2012

品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質 

項目

規格値

試験方法

純度(CH

3

NO

2

(GC)

質量分率 %

96.0

以上

6.2 

密度(20  ℃) g/ml 1.135∼1.140

6.3 

屈折率 n

20

D

1.379

∼1.384

6.4 

水分

質量分率 %

0.2

以下

6.5 

不揮発物

質量分率 %

0.005

以下

6.6 

農薬(有機りん) 
分析適合性

吸光度 0.02 以下

6.7 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2 

純度(CH

3

NO

2

)(GC 

純度(CH

3

NO

2

(GC)の試験方法は,次による。

a) 

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1) 

ガスクロマトグラフ  JIS K 0114 に規定するもの。

2) 

マイクロシリンジ又は試料導入装置  少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導

入するマイクロシリンジ又は装置。

b) 

分析条件  分析条件は,次による。

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用

いてもよい。

1) 

検出器の種類  熱伝導度検出器

2) 

固定相液体名  ポリエチレングリコール

3) 

固定相液体の膜厚  1.0

μm

4) 

カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ  石英ガラス,0.53 mm,15 m

5) 

設定温度  カラム槽  50  ℃から,毎分 10  ℃の割合で 150  ℃まで昇温し,5 分間保持する。

試料気化室  200  ℃

検出器槽  250  ℃

6) 

キャリヤーガスの種類及び流量  ヘリウム,5 ml/min

7) 

試料の導入方式  スプリット法(スプリット比  1:20)

8) 

試料の導入量  1.0

μl

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1) 

試料の導入及び記録  試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導

入してクロマトグラムを記録する。

2) 

ピーク面積の測定  クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114 の 11.3(ピーク面積の測定)

a)

(データ処理ソフト又はデータ処理装置を用いる方法)による。

d) 

定量法  各成分のピーク面積を測定し,JIS K 0114 の 11.5(面積百分率法)によって純度(CH

3

NO

2


4

K 9523

:2012

   

(GC)を算出する。

6.3 

密度(20  ℃) 

密度(20  ℃)の試験方法は,JIS K 0061 の 7.2(比重瓶法)又は 7.3(振動式密度計法)による。

6.4 

屈折率 n

20

D

屈折率 n

20

D

の試験方法は,JIS K 0062 による。

6.5 

水分 

水分の試験方法は,JIS K 0068 の 6.3(容量滴定法)又は,6.4(電量滴定法)による。ただし,容量滴

定法の場合は,試料 10 g(8.8 ml)をはかりとり,電量滴定法の場合は,試料 1.0 g(0.88 ml)をはかりと

る。

6.6 

不揮発物 

不揮発物の試験方法は,JIS K 0067 の 4.3.41

(第 1 法  水浴上で加熱蒸発する方法)による。ただし,

この場合,試料 40 g を 0.1 mg の桁まではかりとる。

6.7 

農薬(有機りん)分析適合性 

農薬(有機りん)分析適合性の試験方法は,次による。

a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

亜鉛粉末  JIS K 8013 に規定するもの。

2) 

エタノール(99.5)  JIS K 8101 に規定するもの。

3) 

ヘキサン  JIS K 8848 に規定するもの。

4) 

亜硝酸ナトリウム(2.5 g/l)  JIS K 8019 に規定する亜硝酸ナトリウム 2.5 g を水に溶かして 1 000 ml

にする。使用時に調製する。

5) 

アミド硫酸アンモニウム(50 g/l)  JIS K 8588 に規定するアミド硫酸アンモニウム 5.0 g を水に溶

かして 100 ml にする。使用時に調製する。

6) 

塩酸(11)  JIS K 8180 に規定する塩酸の体積 1 と水の体積 1 とを混合する。

7)  N-1-

ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩溶液(10 g/l)  JIS K 8197 に規定する N-1-ナフチルエチレ

ンジアミン二塩酸塩 1.0 g を水に溶かして 100 ml にする。

b) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

1) 

分液漏斗 300 ml  JIS R 3503 に規定するもの。

2) 

共通すり合わせ球管冷却器  JIS R 3503 に規定するもの。

3) 

共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml  JIS R 3503 に規定するもの。

4) 

脱脂綿  脱脂,漂白などの薬品によって処理された綿花(純粋なセルロースに近い繊維から成る。)。

5) 

吸収セル  光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が 10 mm のもの。

6) 

水浴  沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。

7) 

分光光度計  JIS K 0115 に規定するもの。

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 17.0 g を分液漏斗 300 ml に入れ,ヘキサン 200 ml を加え,30 秒間激しく

振り混ぜる。放置後,下層(ニトロメタン相)を捨て,上層(ヘキサン相)を共通すり合わせ三角

フラスコ 200 ml に移し入れる。

2)

空試験溶液として,ヘキサン 100 ml を共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml にはかりとる。

3)

試料溶液及び空試験溶液それぞれに,エタノール(99.5)5 ml,塩酸(1+1)2 ml,水 8 ml 及び亜

鉛粉末 0.5 g を入れて,水浴上でヘキサンがなくなるまで加熱する。放冷後,エタノール(99.5)10


5

K 9523

:2012

ml

を加え,共通すり合わせ球管冷却器をつけて 5 分間煮沸する。放冷後,少量の脱脂綿を用いてろ

過し,更に水 6 ml で脱脂綿を 3 回洗浄し,ろ液と洗液とを合わせた液に,塩酸(1+1)1 ml 及び亜

硝酸ナトリウム(2.5 g/l)1 ml を加えて,10 分間放置する。さらに,アミド硫酸アンモニウム(50 g/l)

1 ml

を加えて,10 分間放置した後,N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩溶液(10 g/l)2 ml を加

えて,20 分間放置する(それぞれ X 液と Z 液とする。

4)

吸収セルを用い,分光光度計で波長 555 nm 付近の吸収極大の波長における X 液の吸光度を,Z 液

を対照液として,JIS K 0115 の 6.(特定波長における吸収の測定)によって測定する。

d) 

判定  c)  によって操作し,次に適合するとき,“農薬(有機りん)分析適合性:0.02 以下(規格値)”

とする。

X

液から得られた液の吸光度は,0.02 以下である。

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。

貯蔵方法 

製品は,火気に注意し,光を遮り保存する。

表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称  “ニトロメタン”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

純度

f)

内容量

g)

製造番号

h)

製造年月又はその略号

i)

製造業者名又はその略号

10 

取扱い上の注意事項 

ニトロメタンは,引火性があるので火気に注意する。また,有害なので,蒸気の吸入,粘膜,皮膚への

付着などを避ける。