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K 9521

:2014

(1) 

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  種類 

2

4

  性質 

2

4.1

  性状  

2

4.2

  定性方法  

2

5

  品質 

2

6

  試験方法  

3

6.1

  一般事項  

3

6.2

  純度[(C

6

H

5

)

4

BNa

  

3

6.3

  水溶状  

4

6.4

  アセトン溶状  

5

6.5

  乾燥減量(105  ℃)  

6

7

  容器 

6

8

  表示 

6


K 9521

:2014

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 9521:1992 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

9521

:2014

テトラフェニルほう酸ナトリウム(試薬)

Sodium tetraphenylborate (Reagent)

(C

6

H

5

)

4

BNa    FW:342.22

序文 

この規格は,1976 年に制定され,その後 2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1992 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるテトラフェニルほう酸ナトリウムについて規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0970

  ピストン式ピペット

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフィー通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 0124

  高速液体クロマトグラフィー通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8227

  過塩素酸ナトリウム一水和物(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8809

  フタル酸水素カリウム(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 0701

  包装用シリカゲル乾燥剤


2

K 9521

:2014

   

種類 

種類は,特級とする。

性質 

4.1 

性状 

テトラフェニルほう酸ナトリウムは,白い結晶又は結晶性粉末で,水,アセトン及びエタノールにやや

溶けやすく,ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。

4.2 

定性方法 

定性方法は,次による。

a)

炎色試験は,

直径約 0.8 mm の白金線を先端から約 30 mm まで塩酸

(1+1)

に浸し,

炎の長さ約 120 mm,

内炎の長さ約 30 mm 程度としたブンゼンバーナーの無色炎中に,内炎の最上部から約 10 mm の位置

に水平に入れた後,放冷する。この操作を炎に色が現れなくなるまで繰り返す。次に,白金線の先端

約 5 mm を,試料 0.5 g に水 20 ml を加えて溶かした液に浸し,ブンゼンバーナーの無色炎中に入れる

と黄色が現れる。

b)

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 に従って測定すると,波数 3 057 cm

-1

,1 579 cm

-1

,1 479 cm

-1

1 149 cm

-1

,1 030 cm

-1

,745 cm

-1

,713 cm

-1

,488 cm

-1

及び 467 cm

-1

付近に主な吸収ピークを認める。試

料調製を JIS K 0117 の 5.3 a)(錠剤法)によって行い,錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤

外吸収スペクトルの例を

図 に示す。

図 1−赤外吸収スペクトルの例 

注記  図 は,独立行政法人産業技術総合研究所の SDBS から引用したものである。

品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。


3

K 9521

:2014

表 1−品質 

項目

規格値

試験方法

純度[(C

6

H

5

)

4

BNa]

質量分率 %

99.5 以上

6.2 

水溶状

試験適合

6.3 

アセトン溶状

試験適合

6.4 

乾燥減量(105  ℃)

質量分率 %

0.2 以下

6.5 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2 

純度[(C

6

H

5

)

4

BNa

 

純度[(C

6

H

5

)

4

BNa]の試験方法は,6.2.1 又は 6.2.2 のいずれかによる。

6.2.1 

第 法  重量法 

第 1 法  重量法は,次による。

a) 

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

フタル酸水素カリウム溶液(50 g/l)  JIS K 8809 に規定するフタル酸水素カリウム 5.0 g を水に溶

かし,水で 100 ml にする。

b) 

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1) 

ガラスろ過器(G3)  JIS R 3503 に規定するもの。

2) 

吸引ろ過装置  物質を溶液から分離するためにガラスろ過器(G3)と吸引瓶とを組み合わせた装置。

3) 

デシケーター  乾燥剤として JIS Z 0701 に規定するシリカゲル(A 形 1 種)を入れた,物質を乾燥

する容器。

4) 

電気定温乾燥機  (105±2)℃に調節できるもの。

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 0.5 g を 0.1 mg の桁まで,ビーカー100 ml などにはかりとり,水 50 ml を

加えて溶かし,70  ℃から 80  ℃に加熱したフタル酸水素カリウム溶液(50 g/l)25 ml を一度に加え,

かくはんし,冷却する。

2)

あらかじめ 105  ℃で 2 時間乾燥し,質量をはかったガラスろ過器(G3)を用いて,試料溶液を吸引

ろ過し,約 5  ℃に冷却した水 10 ml で,沈殿を 2 回洗浄する。

3)

沈殿を含むガラスろ過器(G3)を 105  ℃で 2 時間乾燥後,デシケーター中で放冷後,沈殿を含むガ

ラスろ過器(G3)の質量をはかる。

d) 

計算  純度[(C

6

H

5

)

4

BNa]は,次の式によって求める。

100

0

955

.

0

×

×

=

m

m

A

p

ここに,

A

純度[

(C

6

H

5

)

4

BNa

(質量分率

  %

m

試料の質量(

g

m

p

沈殿の質量(

g

0.955 0

カリウム塩からナトリウム塩への換算係数
(=

C

24

H

20

BNa

の式量

/C

24

H

20

BK

の式量)

6.2.2 

第 法  高速液体クロマトグラフィー 

2

法  高速液体クロマトグラフィーは,次による。


4

K 9521

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a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

アセトニトリル  高速液体クロマトグラフィー用のもの。

2) 

過塩素酸ナトリウム溶液(0.1 mol/l)  JIS K 8227 に規定する過塩素酸ナトリウム一水和物

14.05 g

を全量フラスコ

1 000 ml

にはかりとり,水で溶かし,水を標線まで加えて混合する。

b) 

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1) 

マイクロシリンジ又は試料導入装置  少量の定容量の測定溶液を高速液体クロマトグラフのカラム

に導入するマイクロシリンジ又は装置。

2) 

ピストン式ピペット  JIS K 0970 に規定するもの。

3) 

高速液体クロマトグラフ  装置の構成は,JIS K 0124 に規定するもの。

c) 

分析条件  分析条件は,次による。

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いても

よい。

1) 

検出器の種類  紫外可視吸光光度検出器(測定波長

254 nm

2) 

クロマトグラフィー管の材質,内径及び長さ  ステンレス鋼,

4.6 mm

及び

150 mm

3) 

カラム充塡剤  オクタデシル基を結合させた高純度球状シリカゲル(質量分率

99.999 %

4) 

カラムの温度

40

5) 

溶離液  アセトニトリルの体積

75

と過塩素酸ナトリウム溶液(

0.1 mol/l

)の体積

25

とを混合する。

[アセトニトリルの体積:過塩素酸ナトリウム溶液(

0.1 mol/l

)の体積=

75

25

6) 

溶離液の流量

1.0 ml/min

7) 

試料溶液の導入量

5 μl

d) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1) 

試料溶液の調製  試料

5 mg

0.1 mg

の桁まではかりとり,

ピストン式ピペットを用いて溶離液

1 ml

を加えて溶かす。

2) 

試料溶液の導入及び記録  試料溶液をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いて高速液体クロマ

トグラフに導入してクロマトグラムを記録する。

なお,あらかじめテトラフェニルほう酸ナトリウムのピークの保持時間を確認しておく。

3) 

ピーク面積の測定  クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0124 の 10.3(ピーク面積の測定)

による。

e) 

定量法  検出したピークの面積を測定し,JIS K 0114 の 11.5(面積百分率法)によって,純度

(C

6

H

5

)

4

BNa

]を求める。

6.3 

水溶状 

水溶状の試験方法は,次による。

a) 

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

硝酸(12)  JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率

60 %

61 %

)の体積

1

と水の体積

2

とを混合

する。

2) 

硝酸銀溶液(20 g/l)  JIS K 8550 に規定する硝酸銀

2 g

を水に溶かして

100 ml

にする。褐色ガラス

製瓶に保存する。

3) 

塩化物標準液 

3.1) 

塩化物標準液(Cl1 mg/ml)  次のいずれかのものを用いる。

3.1.1)

計量標準供給制度[

JCSS

1)

]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し


5

K 9521

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た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。

3.1.2)

 JCSS

以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,

JCSS

以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる。

3.1.3)

JIS K 8150

に規定する塩化ナトリウム

1.65 g

を全量フラスコ

1 000 ml

にはかりとり,水を加えて

溶かし,水を標線まで加えて混合する。

1)

 JCSS

は,

Japan Calibration Service System

の略称である。

3.2)

塩化物標準液(Cl0.01 mg/ml)  塩化物標準液(

Cl

1 mg/ml

10 ml

を全量フラスコ

1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。

b) 

濁りの程度の適合限度標準  濁りの程度の適合限度標準“ほとんど澄明”は,次による。

塩化物標準液(

Cl

0.01 mg/ml

0.5 ml

を共通すり合わせ平底試験管[c)

参照]にはかりとり,水

10 ml

,硝酸(

1

2

1 ml

及び硝酸銀溶液(

20 g/l

1 ml

を加え,更に水を加えて

20 ml

とし,振り混

ぜてから

15

分間放置する。

c) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量

50 ml

,直径約

23 mm

のもの。

d) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料

0.5 g

を共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,水で

20 ml

にする。

2)

直後に,濁りの程度を b)

と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を,共通すり合わせ

平底試験管の上方又は側面から観察する。

e) 

判定  d)  によって操作し,次の 1)  及び 2)

に適合するとき,

“水溶状:試験適合”とする。

1)

試料溶液の濁りは,b)

の濁りより濃くない。

2)

ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。

6.4 

アセトン溶状 

アセトン溶状の試験方法は,次による。

a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

2) 

硝酸(12)  6.3 a) 1)  による。

3) 

硝酸銀溶液(20 g/l)  6.3 a) 2)  による。

4) 

塩化物標準液(Cl0.01 mg/ml)  6.3 a) 3.2)  による。

b) 

濁りの程度の適合限度標準  濁りの程度の適合限度標準“わずかな微濁”は,次による。

塩化物標準液(

Cl

0.01 mg/ml

1.2 ml

を共通すり合わせ平底試験管[c)

参照]にはかりとり,水

10 ml

,硝酸(

1

2

1 ml

及び硝酸銀溶液(

20 g/l

1 ml

を加え,更に水を加えて

20 ml

とし,振り混

ぜてから

15

分間放置する。

c) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  6.3 c)  による。

d) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料

1.0 g

を共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,アセトンを加えて溶かし,アセトンで

20 ml

にする。

2)

直後に,濁りの程度を b)

と比較する。


6

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e) 

判定  d)  によって操作し,次に適合するとき,“アセトン溶状:試験適合”とする。

試料溶液の濁りは,b)

の濁りより濃くない。

6.5 

乾燥減量(105  ℃) 

乾燥減量(

105

℃)は,JIS K 0067 の 4.1.41

(第

1

法  大気圧下で加熱乾燥する方法)による。この

場合,試料

1.0 g

0.1 mg

の桁まではかりとり,

105

℃で

2

時間加熱乾燥する。

容器 

容器は,気密容器とする。

表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称  “テトラフェニルほう酸ナトリウム”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

内容量

f)

製造番号

g)

製造業者名又はその略号