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K 9512:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 純度[(C2H5)2NCS2Ag] ·································································································· 3 

6.3 ピリジン溶状 ················································································································ 5 

6.4 ひ素分析適合性 ············································································································· 5 

7 容器······························································································································· 7 

8 表示······························································································································· 7 

K 9512:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 9512:1992は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 9512:2013 

N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀(試薬) 

Silver N,N-diethyldithiocarbamate (Reagent) 

(C2H5)2NCS2Ag  FW:256.14 

序文 

この規格は,1976年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1992年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるN,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8012 亜鉛(試薬) 

JIS K 8044 三酸化二ひ素(試薬) 

JIS K 8136 塩化すず(II)二水和物(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8374 酢酸鉛(II)三水和物(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8580 すず(試薬) 

JIS K 8723 ニトロベンゼン(試薬) 

JIS K 8777 ピリジン(試薬) 

JIS K 8830 ウラニン(試薬) 

JIS K 8913 よう化カリウム(試薬) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬) 

JIS K 9000 チオシアン酸アンモニウム(試薬) 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀は,僅かに薄い黄色から淡黄色の結晶,結晶性粉末又は粉末で,ピ

リジンにやや溶けにくく,クロロホルムに溶けにくく,水,エタノール及びジエチルエーテルにはほとん

ど溶けない。融点(分解)は,約175 ℃である。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数2 969 cm-1,2 930 cm-1,1 485 cm-1,

1 419 cm-1,1 353 cm-1,1 265 cm-1,1 199 cm-1,1 138 cm-1,1 075 cm-1,977 cm-1,901 cm-1,836 cm-1,777 cm-1,

558 cm-1及び430 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。試料調製をJIS K 0117の5.3 a)(錠剤法)によって

行い,錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。 

図1−赤外吸収スペクトルの例 

注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したものである。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

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表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度[(C2H5)2NCS2Ag] 

質量分率 % 

98.0以上 

6.2 

ピリジン溶状 

試験適合 

6.3 

ひ素分析適合性 

6.4 

 発色適合性 

吸光度 

 空試験適合性 

吸光度 

0.30以上 
0.02以下 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度[(C2H5)2NCS2Ag] 

純度[(C2H5)2NCS2Ag]の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) ニトロベンゼン JIS K 8723に規定するもの。 

2) ウラニン溶液 JIS K 8830に規定するウラニン0.20 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス製

瓶に保存する。 

3) 硝酸(2+1) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積2と水の体積1とを混合す

る。 

4) 硝酸(1+2) 硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合する。 

5) 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液 JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水10 gに硝

酸(1+2)10 ml及び水80 mlを加えて溶かす。 

6) 0.1 mol/l 硝酸銀溶液(AgNO3:16.99 g/l) 0.1 mol/l 硝酸銀溶液の調製,標定及び計算は,次によ

る。 

6.1) 調製 JIS K 8550に規定する硝酸銀17 gをはかりとり,水1 000 mlを加えて溶かした後,遮光し

た気密容器に入れて暗所に保存する。 

6.2) 標定 標定は,認証標準物質1) 又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリウム

を用い,次のとおり行う。 

6.2.1) 認証標準物質1) の塩化ナトリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

6.2.2) 容量分析用標準物質の塩化ナトリウムを用いる場合は,必要量を600 ℃で約60分間乾燥した後,

デシケーターに入れて放冷する。 

6.2.3) 認証標準物質1) 又は容量分析用標準物質の0.14〜0.17 gを0.1 mgの桁まではかりとり,コニカ

ルビーカー200 mlなどに移し,水50 mlを加えて溶かす。指示薬としてウラニン溶液数滴を加え,

6.1)で調製した0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定する。終点は,液の色が赤みを帯びる点とする。 

注1) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際単

位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物質を

入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,その説

明書に従って使用する。 

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総

合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標

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準物質生産者がある。 

6.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

844

005

.0

A

V

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 0.1 mol/l 硝酸銀溶液のファクター 

m: はかりとった塩化ナトリウムの質量(g) 

A: 塩化ナトリウムの純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/l 硝酸銀溶液の体積(ml) 

0.005 844: 0.1 mol/l 硝酸銀溶液1 mlに相当する塩化ナトリウムの

質量を示す換算係数(g/ml) 

注記 0.1 mol/l 硝酸銀溶液の調製,標定及び計算は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,

標定及び計算)のn)と同じである。 

7) 0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液(NH4SCN:7.612 g/l) 0.1 mol/l チオシアン酸アンモニ

ウム溶液の調製,標定及び計算は,次による。 

7.1) 調製 JIS K 9000に規定するチオシアン酸アンモニウム8 gをはかりとり,水1 000 mlを加えて溶

かした後,気密容器に入れて保存する。 

7.2) 標定 0.1 mol/l 硝酸銀溶液25 mlをコニカルフラスコ200 mlなどに正確にはかりとり,水25 ml,

JIS K 8541に規定する硝酸2 ml及びニトロベンゼン10 mlを加える。指示薬として硫酸アンモニ

ウム鉄(III)溶液数滴を加え,よく振り混ぜながら7.1)で調製した0.1 mol/l チオシアン酸アンモ

ニウム溶液で滴定する。終点は液の色が褐色となる点とする。 

7.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

V

f

f

25

1

×

=

ここに, 

f1: 0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液のファクター 

f: 0.1 mol/l 硝酸銀溶液のファクター 

V: 滴定に要した0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液の体積

(ml) 

注記 0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液の調製,標定及び計算は,JIS K 8001のJA.5.2

(滴定用溶液の調製,標定及び計算)のs) と同じである。 

b) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gをコニカルフラスコ200 mlなどに0.1 mgの桁まではかりとり,局所

排気装置の下又はドラフト内で,硝酸(2+1)7 mlを加え,赤褐色のガスが発生しなくなるまで穏

やかに加熱し,冷却する。 

2) 更に,水50 ml及びニトロベンゼン5 mlを加え,指示薬として,硫酸アンモニウム鉄(III)溶液を

数滴加え,0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液で滴定する。終点は液の色が褐色となる点とす

る。 

c) 計算 純度[(C2H5)2NCS2Ag]は,次の計算式によって算出する。 

100

614

025

.0

×

×

=

m

f

V

A

ここに, 

A: 純度[(C2H5)2NCS2Ag](質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液

の体積(ml) 

f1: 0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液のファクター 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.025 614: 0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液1 mlに相当す

る(C2H5)2NCS2Agの質量を示す換算係数(g/ml) 

6.3 

ピリジン溶状 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) ピリジン JIS K 8777に規定するもの。 

2) 硝酸(1+2) 6.2 a) 4)による。 

3) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス

製瓶に保存する。 

4) 塩化物標準液 

4.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

4.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 2)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”

という。)。 

4.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の

認証標準液など”という。)。 

4.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。 

注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

4.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準(“澄明”)は,次による。 

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 mlを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水10 ml,硝酸

(1+2)1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから15

分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量50 ml,直径約23 mmのもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.10 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,ピリジンを加えて溶か

し20 mlにする。 

2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通すり

合わせ平底試験管の上方又は側面から観察する。 

e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“ピリジン溶状:試験適合”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。 

6.4 

ひ素分析適合性 

ひ素分析適合性の試験方法は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 亜鉛(ひ素分析用) JIS K 8012に規定する粒径150〜1 400 μmのもの。 

2) ピリジン JIS K 8777に規定するもの。 

3) 塩化すず(II)溶液(N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀法用)[塩化すず(II)溶液(AgDDTC法

用)] JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物40 gをJIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分

析用)に溶かし,塩酸(ひ素分析用)で100 mlにする。小粒のJIS K 8580に規定する粒状のすず2

〜3個を加えて保存し,使用時に水で10倍にうすめる。褐色ガラス製瓶に保存する。 

4) 塩酸(ひ素分析用)(1+1) 塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積1とを混合する。 

5) 塩酸(ひ素分析用)(1+3) 塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積3とを混合する(必要な場合

に用いる。)。 

6) 酢酸鉛(II)溶液(100 g/l) JIS K 8374に規定する酢酸鉛(II)三水和物11.6 gを水に溶かして100 

mlにした後,JIS K 8355に規定する酢酸0.1 mlを加える。 

7) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして

100 mlにする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。 

8) よう化カリウム溶液(200 g/l) JIS K 8913に規定するよう化カリウム20 gを水に溶かして100 ml

にする。使用時に調製する。 

9) ひ素標準液 

9.1) ひ素標準液(As:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

9.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 4.1.1)に準じる。 

9.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 4.1.2)に準じる。 

9.1.3) JIS K 8044に規定する三酸化二ひ素1.32 gを水酸化ナトリウム溶液(100 g/l)6 mlで溶かし,水

500 mlを加え,塩酸(ひ素分析用)(1+3)でpH 3〜5に調節した後,水で全量フラスコ1 000 ml

に移し,水を標線まで加えて混合する。 

9.2) ひ素標準液(As:0.001 mg/ml) ひ素標準液(As:1 mg/ml)25 mlを全量フラスコ250 mlに正確

にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。その10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確にはか

りとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。 

2) ひ素試験装置 例を図2に示す。 

3) 分光光度計 JIS K 0115に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 発色適合性 

1.1) 試料溶液の調製は,試料0.50 gを褐色ガラス製全量フラスコ100 mlにはかりとり,ピリジンに溶

かし,ピリジンを標線まで加えて混合する。 

1.2) 別に,ひ素標準液(As:0.001 mg/ml)10 mlを正確に水素化ひ素発生瓶100 mlにとり,塩酸(ひ

素分析用)(1+1)10 mlを加え,水を水素化ひ素発生瓶100 mlの標線40 mlまで加える(A液)。 

1.3) 空試験溶液の調製は,水40 mlを水素化ひ素発生瓶100 mlの標線まで加える。 

1.4) A液及び空試験溶液に,よう化カリウム溶液(200 g/l)15 ml及び塩化すず(II)溶液(AgDDTC

法用)5 mlを加えて振り混ぜ,10分間放置する。次に亜鉛(ひ素分析用)3 gを加え,直ちに水素

化ひ素発生瓶100 mlと導管B(あらかじめ水素化ひ素吸収管Cに試料溶液5 mlを入れ,導管B

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

と水素化ひ素吸収管Cとを連結しておく。)とを連結する。水素化ひ素発生瓶100 mlを約25 ℃の

水中で約1時間放置した後,水素化ひ素吸収管Cを離しピリジンを5 mlの標線まで加える。 

1.5) A液から得られた液を,吸収セルを用い,分光光度計で波長519 nm付近の吸収極大波長における

吸光度を,空試験溶液から得られた液を対照液として,JIS K 0115の6.(特定波長における吸収

の測定)によって測定する。 

2) 空試験適合性 空試験溶液から得られた液の吸光度は,吸収セルを用い,分光光度計でA液と同じ

測定波長における吸光度を,ピリジンを対照液として,JIS K 0115の6.(特定波長における吸収の

測定)によって測定する。 

d) 判定 c)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“ひ素(As)分析適合性:発色適合性(吸

光度)0.30以上,空試験適合性(吸光度)0.02以下(規格値)”とする。 

1) A液から得られた液の吸光度は,0.30以上。 

2) 空試験溶液から得られた液の吸光度は,0.02以下。 

単位 mm 

A :水素化ひ素発生瓶100 ml 
B :導管 
C :水素化ひ素吸収管 
D :ゴム栓又はすり合わせ 
E :酢酸鉛(II)溶液(100 g/l)で

湿したガラスウール 

F :40 mlの標線 
G :5 mlの標線 

図2−ひ素試験装置の例 

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称 “N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号