>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 8992

:2012

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  種類

2

4

  性質

2

4.1

  性状

2

4.2

  定性方法 

2

5

  品質

3

6

  試験方法

3

6.1

  一般事項 

3

6.2

  純度(N

2

H

6

SO

4

3

6.3

  水溶状

4

6.4

  強熱残分(硫酸塩)

5

6.5

  塩化物(Cl) 

5

6.6

  銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe

5

7

  容器

8

8

  表示

8

9

  取扱い上の注意 

8


K 8992

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8992:1992 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 24 年 12 月 20 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS

マーク表示認証において,JIS K 8992:1992 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

8992

:2012

硫酸ヒドラジニウム(試薬)

Hydrazinium sulfate (Reagent)

H

2

NNH

2

・H

2

SO

4

    FW:130.12

序文 

この規格は,1950 年に制定され,その後 5 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1992 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,試薬として用いる硫酸ヒドラジニウム

1)

について規定する。

1)

別名:硫酸ヒドラジン

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,MSDS(化学物質等安全データシート)などを参考にして各自の責任に

おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8085

  アンモニア水(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8284

  くえん酸水素二アンモニウム(試薬)

JIS K 8322

  クロロホルム(試薬)

JIS K 8377

  酢酸ブチル(試薬)

JIS K 8454

  N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)


2

K 8992

:2012

   

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8563

  硝酸鉛(II)

(試薬)

JIS K 8982

  硫酸アンモニウム鉄(III)

・12 水(試薬)

JIS K 8983

  硫酸銅(II)五水和物(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8802

  pH 測定方法

種類 

種類は,特級とする。

性質 

4.1 

性状 

硫酸ヒドラジニウムは,無色又は白色の結晶又は結晶性粉末で,熱水に溶けやすく,水にやや溶けにく

く,エタノールに溶けにくい。水溶液は酸性である。

4.2 

定性方法 

定性方法は,次による。

a)

試料 0.2 g に水 20 ml を加えて溶かし,塩酸(2+1)0.5 ml 及び塩化バリウム溶液(100 g/l)1 ml を加

えると,白い沈殿が生じる。

b)

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 に従って測定すると,

波数 1 510 cm

-1

,1 147 cm

-1

,1 032 cm

-1

966 cm

-1

及び 615 cm

-1

付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製は JIS K 0117 の 5.3(粉体)

の a)(錠剤法)による。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を,

図 1

に示す。

注記  図 は,独立行政法人産業技術総合研究所の SDBS から引用したものである。

図 1−赤外吸収スペクトルの例 


3

K 8992

:2012

品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質 

項目

規格値

試験方法

純度(N

2

H

6

SO

4

質量分率 %

99.0

以上

6.2 

水溶状

試験適合

6.3 

強熱残分(硫酸塩)

質量分率 %

0.05

以下

6.4 

塩化物(Cl)

質量分率 %

0.001

以下

6.5 

銅(Cu)

質量分率 ppm

2

以下

6.6 

鉛(Pb)

質量分率 ppm

2

以下

6.6 

鉄(Fe)

質量分率 %

0.001

以下

6.6 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2 

純度(N

2

H

6

SO

4

 

純度(N

2

H

6

SO

4

)の試験方法は,次による。

a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

クロロホルム  JIS K 8322 に規定するもの。

2) 

塩酸(31)  JIS K 8180 に規定する塩酸の体積 3 と水の体積 1 とを混合する。

3) 0.05 

mol/l 

よう素酸カリウム溶液(KIO

3

:10.70 g/l)  0.05 mol/l  よう素酸カリウム溶液の調製及び

計算は,次による。

3.1) 

調製

調製は,認証標準物質

2)

又は JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウ

ムを用い,次のとおり行う。

3.1.1)

認証標準物質

2)

のよう素酸カリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。

3.1.2)

容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いて,

130

℃で約 2 時間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。

3.1.3)

認証標準物質

2)

又は容量分析用標準物質のよう素酸カリウム 10.7∼10.8 g を 0.1 mg の桁までは

かりとり,全量フラスコ 1 000 ml に移し,水を加えて溶かし,更に水を標線まで加えて混合した

後,気密容器に入れて保存する。

2)

容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,

不確かさが算出され国際単位

系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物質を入手

できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,その説明書に

従って使用する。

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合

センター(NMIJ)

,米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標準

物質生産者がある。

3.2) 

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

100

700

.

10

A

m

f

×

=


4

K 8992

:2012

   

ここに,

f

0.05 mol/l

よう素酸カリウム溶液のファクター

m

はかりとったよう素酸カリウムの質量(g)

A

よう素酸カリウムの純度(質量分率  %)

10.700

0.05 mol/l

よう素酸カリウム溶液 1 000 ml 中のよう素酸

カリウムの相当質量を示す換算係数(g/ml)

b) 

操作  操作は,次のとおり行う。

試料 0.11 g を共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml に 0.1 mg の桁まではかりとり,塩酸(3+1)40 ml

を加えて溶かし,冷却した後,0.05 mol/l  よう素酸カリウム溶液で滴定する。クロロホルム 5 ml は,

終点間際に加え,終点は,絶えず振り混ぜながら有機層(クロロホルム相)の紅が消える点とする。

c) 

計算  純度(N

2

H

6

SO

4

)は,次の式によって算出する。

100

506

006

.

0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに,

A

純度(N

2

H

6

SO

4

(質量分率  %)

V

滴定に要した 0.05 mol/l  よう素酸カリウム溶液の体積
(ml)

f

0.05 mol/l

よう素酸カリウム溶液のファクター

m

はかりとった試料の質量(g)

0.006 506

0.05 mol/l

よう素酸カリウム溶液 1 ml に相当する

N

2

H

6

SO

4

の質量を示す換算係数(g/ml)

6.3 

水溶状 

水溶状の試験方法は,次による。

a) 

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

硝酸(12)  JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 60∼61 %)の体積 1 と水の体積 2 とを混合す

る。

2) 

硝酸銀溶液(20 g/l)  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 2 g を水に溶かして 100 ml にする。褐色ガラス

製瓶に保存する。

3) 

塩化物標準液 

3.1) 

塩化物標準液(Cl1 mg/ml)  次のいずれかのものを用いる。

3.1.1)

計量標準供給制度[JCSS

3)

]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,

“JCSS に基づく標準液”

という。

3.1.2)

 JCSS

以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS 以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる(以下,JCSS 以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,

“JCSS 以外の

認証標準液など”という。

3.1.3)

  JIS K 8150

に規定する塩化ナトリウム 1.65 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,

水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。

3)

 JCSS

は,Japan Calibration Service System の略称である。

3.2) 

塩化物標準液(Cl0.01 mg/ml)  塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。

b) 

濁りの程度の適合限度標準  濁りの程度の適合限度標準(“澄明”)は,次による。

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 ml を共通すり合わせ平底試験管にとり,水 10 ml,硝酸(1+2)


5

K 8992

:2012

1 ml

及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加え,更に水を加えて 20 ml とし,振り混ぜてから 15 分間放置

する。

c) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

1) 

共通すり合わせ平底試験管  濁り,ごみなどの有無を確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量 50 ml,直径約 23 mm のもの。

2) 

水浴  沸騰水浴として使用することができ,試験管などを浸せきできるもの。

d) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 0.5 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,水 10 ml を加え,水浴中で加熱

して溶かした後,冷却し,更に水を加えて 20 ml にする。

2)

直後に,試料溶液の濁りの程度を b)  と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通す

り合わせ平底試験管の上方又は側面から観察する。

e) 

判定  d)  によって操作し,次の 1)  及び 2)  に適合するとき,“水溶状:試験適合”とする。

1)

試料溶液の濁りは,b)  の濁りより濃くない。

2)

試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。

6.4 

強熱残分(硫酸塩) 

強熱残分(硫酸塩)は,JIS K 0067 の 4.4.44

(第 4 法  硫酸塩として強熱する方法)による。この場

合,試料 2.0 g を白金るつぼにはかりとり,2 時間強熱する。残分は 0.1 mg の桁まではかる。ただし,硫

酸約 0.2 ml は添加しない。

6.5 

塩化物(Cl 

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。

a) 

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

硝酸(12)  6.3 a) 1)  による。

2) 

硝酸銀溶液(20 g/l)  6.3 a) 2)  による。

3) 

塩化物標準液(Cl0.01 mg/ml)  6.3 a) 3.2)  による。

b) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  6.3 c) 1)  による。

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 1.0 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,水 10 ml 及び硝酸(1+2)5 ml

を加えて溶かし,水を加えて 50 ml にする。

2)

比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)1.0 ml 及び硝酸(1+2)5 ml を共通すり合わせ

平底試験管にとり,水を加えて 50 ml にする。

3)

試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加えて振り混ぜた後,15 分間放置する。

4)

黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。

d) 

判定  c)  によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl)

:質量分率 0.001 %以下(規格値)

”とす

る。

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。

6.6 

銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe 

銅(Cu)

,鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。

a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。


6

K 8992

:2012

   

1) 

酢酸ブチル  JIS K 8377 に規定するもの。

2) 

アンモニア水(23)  JIS K 8085 に規定するアンモニア水(質量分率 28.0∼30.0 %)の体積 2 と

水の体積 3 とを混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する(必要な場合に用いる。

3) 

塩酸(21)  JIS K 8180 に規定する塩酸の体積 2 と水の体積 1 とを混合する(必要な場合に用い

る。

4) 

くえん酸水素二アンモニウム溶液(100 g/l)  JIS K 8284 に規定するくえん酸水素二アンモニウム

10 g

を水に溶かして 100 ml にする。使用時に調製する。

5)  N,N-

ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム溶液(10 g/l)[NaDDTC 溶液(10 g/l)]  JIS K 8454

に規定する N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物 1.3 g を水に溶かして 100 ml にす

る。

6) 

硝酸(12)  6.3 a) 1)  による。

7) 

銅標準液,鉛標準液及び鉄標準液 

7.1) 

銅標準液(Cu1 mg/ml),鉛標準液(Pb1 mg/ml)及び鉄標準液(Fe1 mg/ml)  次のいずれ

かのものを用いる。

7.1.1) JCSS

に基づく標準液  6.3 a) 3.1.1)  に準じる。

7.1.2) JCSS

以外の認証標準液など  6.3 a) 3.1.2)  に準じる。

7.1.3) 

銅標準液(Cu1 mg/ml),鉛標準液(Pb1 mg/ml)及び鉄標準液(Fe1 mg/ml)を調製する

場合 

7.1.3.1) 

銅標準液(Cu1 mg/ml)  JIS K 8983 に規定する硫酸銅(II)五水和物 3.93 g を全量フラスコ

1 000 ml

にとり,硝酸(1+2)25 ml 及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

7.1.3.2) 

鉛標準液(Pb1 mg/ml)  JIS K 8563 に規定する硝酸鉛(II)1.60 g を全量フラスコ 1 000 ml

にとり,硝酸(1+2)25 ml 及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

7.1.3.3) 

鉄標準液(Fe1 mg/ml)  JIS K 8982 に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)

・12 水 8.63 g を全

量フラスコ 1 000 ml にとり,硝酸(1+2)25 ml 及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて

混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。

7.2) 

銅標準液(Cu0.01 mg/ml),鉛標準液(Pb0.01 mg/ml)及び鉄標準液(Fe0.01 mg/ml 

7.2.1) 

銅標準液(Cu0.01 mg/ml)  銅標準液(Cu:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に正確

にはかりとり,硝酸(1+2)25 ml を加え,更に水を標線まで加えて混合する。

7.2.2) 

鉛標準液(Pb0.01 mg/ml)  鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に正確に

はかりとり,硝酸(1+2)25 ml を加え,更に水を標線まで加えて混合する。

7.2.3) 

鉄標準液(Fe0.01 mg/ml)  鉄標準液(Fe:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に正確に

はかりとり,硝酸(1+2)25 ml を加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に

保存する。

b) 

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1) 

分液漏斗 500 ml  JIS R 3503 に規定するもの。

2) 

フレーム原子吸光分析装置  JIS K 0121 に規定するもの。

3) pH

計  JIS Z 8802 に規定する形式 II 以上の性能のもの。

c) 

分析種及び測定波長  分析種及び測定波長の例を,表 に示す。


7

K 8992

:2012

表 2−分析種及び測定波長の例 

単位  nm

分析種

測定波長

銅 Cu

324.8

鉛 Pb

283.3

鉄 Fe

248.3

d) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 10 g をビーカー500 ml などにとり,水 340 ml を加え,加熱して溶かした

後,冷却し,更に水を加えて 350 ml にする。

2)

比較溶液の調製は,試料 10 g をビーカー500 ml などにとり,銅標準液(Cu:0.01 mg/ml)2.0 ml,

鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)2.0 ml,鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)10.0 ml 及び水 320 ml を加え,加熱

して溶かした後,冷却し,更に水を加えて 350 ml にする。

3)

空試験溶液の調製は,水 5 ml とする。

4)

試料溶液及び比較溶液に,くえん酸水素二アンモニウム溶液(100 g/l)2 ml を加え,pH 計を用いて,

塩酸(2+1)又はアンモニア水(2+3)で pH 5.5 に調節し,更に NaDDTC 溶液(10 g/l)5 ml を直

ちに加え,水を加えて 400 ml にする。

5)

これらの溶液それぞれを,分液漏斗 500 ml に入れ酢酸ブチル 20 ml を加えた後,1 分間激しく振り

混ぜ,二層に分かれるまで放置する。この上層(酢酸ブチル相)を分離してとる。試料溶液からの

酢酸ブチル相を X 液とし,下層(水相)は保存する。比較溶液からの上層(酢酸ブチル相)を Y 液

とし,下層(水相)は捨てる。

6)

試料溶液からの水相を分液漏斗 500 ml にとり,酢酸ブチル 20 ml を加えて 1 分間激しく振り混ぜ,

二層に分かれるまで放置して下層(水相)を分離する。この場合の上層(酢酸ブチル相)は捨てる。

再び,水相に酢酸ブチル 20 ml を加えて 1 分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置して下層

(水相)を分離し,上層(酢酸ブチル相)は捨てる。ここで得た水相に 3)  の空試験溶液を加え,

更にくえん酸水素二アンモニウム溶液(100 g/l)2 ml を加えた後,pH 計を用いて,塩酸(2+1)又

はアンモニア水(2+3)で pH 5.5 に調節する。さらに,NaDDTC 溶液(10 g/l)5 ml を直ちに加え,

酢酸ブチル 20 ml を加えて 1 分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置し上層(酢酸ブチル相)

を分離して Z 液とする。

7)

フレーム原子吸光分析装置は,あらかじめ酢酸ブチルを噴霧してフレームの状態を最適にしておき,

Y

液をフレーム中に噴霧し,

表 に示す測定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X 液,

Y

液及び Z 液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X 液の指示値(n

1

,Y 液

の指示値(n

2

)及び Z 液の指示植(n

3

)を読み取る。

8)

測定結果は,X 液の指示値(n

1

)から Z 液の指示値(n

3

)を引いた(n

1

n

3

)と,Y 液の指示値(n

2

から X 液の指示値(n

1

)を引いた(n

2

n

1

)とを比較する。

e) 

判定  d)  によって操作し,次に適合するとき,“銅(Cu)

:質量分率 2 ppm 以下(規格値)

,鉛(Pb)

質量分率 2 ppm 以下(規格値)及び鉄(Fe)

:質量分率 0.001 %以下(規格値)

”とする。

n

1

n

3

は,n

2

n

1

より大きくない。

注記  分析種の含有率(質量分率  %)は,次の式によって求めることができる。

なお,分析種の含有率(質量分率 ppm)を求める場合は,に 10 000 を乗じる。


8

K 8992

:2012

   

100

000

1

1

2

3

1

×

×

×

=

m

n

n

n

n

B

A

ここに,

A

分析種の含有率(質量分率  %)

B

用いた標準液中の分析種の質量(mg)

m

はかりとった試料の質量(g)

容器 

容器は,気密容器とする。

表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称  “硫酸ヒドラジニウム”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

純度

f)

内容量

g)

製造番号

h)

製造業者名又はその略号

取扱い上の注意 

硫酸ヒドラジニウムは危険で有害なので,火気厳禁,衝撃注意の上,皮膚及び粘膜への付着を避ける。