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K 8920:2008  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 一般事項························································································································· 1 

4 種類······························································································································· 2 

5 性質······························································································································· 2 

5.1 性状 ···························································································································· 2 

5.2 定性方法 ······················································································································ 2 

6 品質······························································································································· 2 

7 試験及び検査方法 ············································································································· 2 

7.1 試験及び検査方法の条件及びその結果················································································ 2 

7.2 純度 (I) ························································································································ 2 

7.3 不揮発物 ······················································································································ 2 

7.4 塩素及び臭素(Clとして) ······························································································ 2 

7.5 硫酸塩 (SO4) ················································································································· 3 

8 容器······························································································································· 3 

9 表示······························································································································· 3 

10 取扱い上の注意事項 ········································································································ 3 

附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 4 

K 8920:2008  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬

協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申

出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8920:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8920:2008 

よう素(試薬) 

Iodine (Reagent) 

I  AW :126.904 47 

序文 

この規格は,1987年に第1版として発行されたISO 6353-3を基に作成した日本工業規格であるが,対

応国際規格の規定の一部を技術的に改良をしたため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

警告 この規格の使用者は,試験室での作業に精通するように努めなければならない。また,この規

格の使用に関連して起こるすべての安全上の問題は記載していないので,MSDS(化学物質等

安全データシート)などを参考にして安全及び健康に留意した適切な措置をとらなければなら

ない。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるよう素について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 6353-3:1987,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−Second series (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示

す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8913 よう化カリウム(試薬) 

JIS K 8992 硫酸ヒドラジニウム(試薬) 

一般事項 

試験及び検査方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。 

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K 8920:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

5.1 

性状 

よう素は,黒紫の板状,葉状又は粒状の結晶で,金属光沢がある。また,特異なにおいがあり,エタノ

ール及びジエチルエーテルに溶けやすく,水に溶けにくい。エタノール溶液及びジエチルエーテル溶液は

褐色であり,クロロホルム溶液及び二硫化炭素溶液は紫である。 

5.2 

定性方法 

定性方法は,次による。 

a) 試料0.5 gを試験管にとり,水浴中で加熱すると紫の蒸気が発生する。 

b) 試料0.1 gに水50 mlを加えてよく振り混ぜ,上澄み液20 mlをとり,でんぷん溶液1 mlを加えると青

になり,この液を煮沸すると無色になり,冷却すると再び青になる。 

品質  

品質は,箇条7 によって試験及び検査したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

純度 (I) 
不揮発物 
塩素及び臭素(Clとして) 
硫酸塩 (SO4) 

質量分率 % 
質量分率 % 
質量分率 % 
質量分率 % 

 99.8  以上 
 0.005 以下 
 0.003 以下 
 0.005 以下 

試験及び検査方法 

7.1 

試験及び検査方法の条件及びその結果 

試験及び検査方法の環境は,JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は,

必要に応じて実施する。また,表1で規定する各品質項目は,次の各試験及び検査方法によって行う。得

られる測定値の計算方法及び規格値に対する判定は,JIS K 8001の3.5(測定値)によって行い,これに適

合しなければならない。 

7.2 

純度 (I) 

JIS K 8913に規定するよう化カリウム2 gを共通すり合わせ三角フラスコ200 mlにとり,水5 mlを加え

て質量を0.1 mgのけたまではかる。これに試料0.5 gを加えて溶かした後,再び質量を0.1 mgのけたまで

はかる。水50 ml及び硫酸(1+5)5 mlを加え,0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,終点の近く

ででんぷん溶液を指示薬として加え,滴定を続ける。終点は,液の色が青から無色に変わる点とする。こ

の場合,0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液1 mlは,0.012 690 g Iに相当する。 

別に,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。 

7.3 

不揮発物 

不揮発物は,JIS K 0067の4.3.4(操作)(1)(第1法 水浴上で加熱蒸発する方法)による。この場合,

試料20 gを用いる(不揮発物は,7.5にも用いる。)。 

7.4 

塩素及び臭素(Clとして) 

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K 8920:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

溶液の調製及び操作は,次による。 

a) 試料側溶液 JIS K 8992に規定する硫酸ヒドラジニウム1 gを三角フラスコ300 mlにとり,水80 ml

及び試料2.0 gを加えて溶液が無色になるまで水浴上で加熱した後,冷却する。これを水酸化ナトリウ

ム溶液(50 g/l)で中和(中和量を求めておく。)し,水を加えて100 mlにする。 

b) 標準側溶液 JIS K 8992に規定する硫酸ヒドラジニウム1 gを三角フラスコ300 mlにとり,水80 ml,

中和で用いた量の水酸化ナトリウム溶液(50 g/l)及び塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)6.0 mlを加え,

更に水を加えて100 mlにする。 

c) 操作 JIS K 8001の5.9[塩素化合物及び臭素化合物(Clとして)]による。 

7.5 

硫酸塩 (SO4) 

溶液の調製及び操作は,次による。 

a) 試料側溶液 7.3の不揮発物に塩酸(2+1)6 ml及び水を加えて100 mlにする。その溶液5 ml(試料

量1 g)をとり,水を加えて25 mlにする。 

b) 標準側溶液 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)5.0 mlをとり,塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 

mlにする。 

c) 操作 JIS K 8001の5.15[硫酸塩(SO4)](1)(比濁法)による。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 名称 “よう素”及び“試薬”の文字 

b) 種類 

c) 元素記号及び原子量 

d) 純度 

e) 内容量 

f) 

製造番号 

g) 製造年月又はその略号 

h) 製造業者名又はその略号 

10 取扱い上の注意事項 

よう素は,劇物であり,昇華するので蒸気を吸入しないようにし,粘膜,眼及び皮膚に付着しないよう

にする。 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS K 8920 :2008 よう素(試薬) 

ISO 6353-3:1987,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−Second 
series 

 
(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号及
び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 

試薬として用い
るよう素につい
て規定。 

化学分析用試薬57品目
の仕様について規定。 

変更 

JISは1品目1規格。 

試薬の規格使用者が各規格を多
く引用しやすくするために1品
目1規格としている。 

なお,対応国際規格は,20年

以上見直しが行われていないた
め市場の実態に合わない。国際規
格の改正提案を検討する予定。 

2 引用規格 

3 一般事項 

JIS K 8001によ
る。 

− 

− 

追加 

項目を追加。 
 

編集上の差異であり,技術的な差
異はない。 

4 種類 

− 

− 

追加 

種類の項目を追加。 

JISは種類として,“特級”だけ
なので,ISO規格と技術的な差異
はない。 

5 性質 

− 

− 

追加 

性質の項目を追加。 

一般的な説明事項であり,技術的
差異はない。 

6 品質 

R 68.1 
 

変更 

1) 品質に差異のある項目:

塩素及び臭素(Clとして) 

2) 追加した項目:硫酸塩 
 
 
 

ISO規格は,長期間内容の見直し
が行われず国際市場でISO規格
品が用いられることはほとんど
ない。また,技術的差異も軽微a)

b)c)である。 

3

K

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9

2

0

2

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0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号及
び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

− 

R 68.2 

試験溶液 

変更 

JISは,試験及び検査方法の該
当項目で個別に規定。 

編集上の差異であり,技術的な差
異はない。 

7 試験及び
検査方法 
7.1 試験及
び検査方法
の条件及び
その結果 

− 

− 

追加 

一般的な試験及び検査方法の条
件並びに結果に関する事項であ
り,技術的な差異はない。 

7.2 純度 (I) 

酸化還元滴定法 

R 68.3.1 

酸化還元滴定法 

変更 

1) 試料の量を変更。 
2) JISは,空試験を行う。 

技術的差異は軽微であり,対策は
考慮しない。 

7.3 不揮発
物 

水浴上で加熱す
る方法 

R 68.3.3 

強熱温度650±50 ℃ 

変更 

1) 加熱条件を変更。 
2) JIS K 0067を引用。 

JISは品質確保のためによう素を
気化させる温度を低い温度で規
定している。 
ISO規格の見直し時に,改正提案
の検討を行う予定。 

7.4塩素及び
臭素(Clと
して) 

比濁法 

R 68.3.2 

比濁法 

変更 

1) 試薬の量などを変更。 
2) JIS K 8001の5.9を引用。 

技術的差異は軽微であり,対策は
考慮しない。 

7.5 硫酸塩
(SO4) 

比濁法 

− 

− 

追加 

項目を追加。 

品質確保のために必要。 
ISO規格の見直し時に,改正提案
の検討を行う予定。 

8容器 

− 

− 

追加 

項目を追加。 

規格適合性を評価する関係で必
要な項目を追加。 

9表示 

− 

− 

追加 

項目を追加。 

10取扱い上
の注意事項 

− 

− 

追加 

項目を追加。 

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9

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0

2

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0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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注a) 理由:軽微な技術的差異。箇条6(品質)の(Ⅳ)欄の1)及び2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可

能性はほとんどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量
分率ppm〜質量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。 

なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。この(Ⅳ)の1)及び2)の品質項

目及び品質水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的に合致した高純度試薬など特殊用途の
試薬を使用することになる。 

b) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこた

えているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格とし
ての存在意義が乏しい。 

c) 今後の対策:注a)及び注b)の理由から,当面,対策を考慮しない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6353-3:1987,MOD 

被引用法規 

第十五改正日本薬局方(平成18年厚生労働省告示第285号) 
放射性医薬品基準(平成8年厚生省告示第242号) 
食品・添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号) 
飼料及び飼料添加物の成分規格(昭和51年農林省令第35号) 
普通肥料の公定規格(昭和61年農林水産省告示第284号) 附2 農業環境技術研究所法 

関連する法規 

毒物及び劇物取締法−劇物 

関連する外国規格 

アメリカ Reagent Chemicals−American Chemical Society Specifications ACS 10版(2006) 
イギリス British Standards BS 6376-3(1989) 
韓国 韓国産業規格(Korean Standards) KS M 8042(1996) KS M ISO 6353-3(2002) 
中国 国家標準(Guojia Biaozhum) GB/T 675(1993) 
チェコ Ceskych Technickych Norem(チェコ技術標準) CN 68-4910(1990) 
フランス Norme Française(フランス標準) NF ISO 6353-3(1988) 
ロシア Gosdarstvennye Standarty(国家標準) GOST 4159(1979) 

 
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 
  − 追加………………国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更………………国際規格の規定内容を変更している。 
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 
  − MOD………………国際規格を修正している。 
 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。