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日本工業規格

JIS

 K

8899

-1994

クロロ酢酸(試薬)

Chloroacetic acid

CH

2

ClCOOH

    FW : 94.50

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いるクロロ酢酸について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級

4.

性質  クロロ酢酸は,次の性質を示す。

(1)

性状  クロロ酢酸は,無色の結晶で,潮解性があり,また,腐食性がある。水にきわめて溶けやすく,

エタノール及びジエチルエーテルに溶けやすい。その水溶液は,強酸性である。

(2)

定性方法  試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 によって測定すると,波数 1 720cm

1

1 430cm

1

1210cm

1

及び 790cm

1

付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117 の 6.2(1)(錠剤

法)による。

赤外吸収スペクトルの一例を,

図 に示す。


2

K 8899-1994

図 1  赤外吸収スペクトルの一例

5.

品質  品質は,6.によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 1  品質

項目

規格値

純度(乾燥後) 99.0%以上

水溶状

試験適合

融点 62.0∼64.0℃

乾燥減量 1.0%以下 
強熱残分(硫酸塩) 0.005%以下 
塩化物 (Cl)

0.003%

以下

硫酸塩 (SO

4

) 0.005%

以下

重金属(Pb として) 5ppm 以下 
鉄 (Fe)

1ppm

以下

硫酸着色物質

試験適合

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

純度(乾燥後)  99.0%以上

(4)

の残分 2.0g(0.1mg のけたまではかる)+水 50ml→1mol/水酸化ナトリウム溶液で滴定(指示薬:

フェノールフタレイン溶液。終点は,液の色がうすい紅色を 30 秒間保つ点)

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液 1ml は,0.094 50gCH

2

ClCOOH

に相当する。

(2)

水溶状  試料 2g+水  (→20ml)  ……澄明。

(3)

融点  62.0∼64.0℃。

JIS K 8001

の 5.4(融点及び溶融範囲)による。


3

K 8899-1994

(4)

乾燥減量  1.0%以下

JIS K 0067

の 4.1.4(2)(第 2 法  大気圧下で乾燥剤を用いて乾燥する方法)による。

試料 3g を用い,減量 30mg 以下[残分は保存し,(1)の試験に用いる]

(5)

強熱残分(硫酸塩)  0.005%以下

JIS K 0067

の 4.4.4(4)(第 4 法  硫酸塩として強熱する方法)による。

試料 20g を用い,残分 1mg 以下。

(6)

塩化物 (Cl)   0.003%以下

試料側溶液  試料 1.0g+水  (→20ml)。

標準側溶液  塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 3.0ml+水  (→20ml)。

操作  JIS K 8001 の 5.7(1)(比濁法)による。

(7)

硫酸塩 (S0

4

  0.005%以下

試料側溶液  試料 1.0g+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→25ml)。

標準側溶液  硫酸塩標準液 (0.01mgSO

4

/ml) 5.0ml

+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→25ml)。

操作  JIS K 8001 の 5.15(1)(比濁法)による。

(8)

重金属(Pb として)5ppm 以下

試料側溶液  試料 4.0g+水 5ml+アンモニア水 (2+3) (中和するまで)+塩酸 (2+1) 0.5ml+水  (→

20ml)

標準側溶液  アンモニア水 (2+3) (中和に用いた量)→水浴上蒸発乾固+塩酸 (2+1) 0.5ml+鉛標

準液 (0.01mgPb/ml) 2.0ml+水  (→20ml)。

操作  JIS K 8001 の 5.24(1)(硫化ナトリウム法)による。

(9)

 (Fe)   1ppm 以下

試料側溶液  試料 5g+水 5ml+アンモニア水 (2+3)  (中和するまで)+塩酸 (2+1) 1ml+水  (→

25ml)

標準側溶液  アンモニア水 (2+3)  (中和に用いた量)→水浴上蒸発乾固+塩酸 (2+1) 1ml+鉄標

準液 (0.01mgFe/ml) 0.5ml+水  (→25ml)。

操作  JIS K 8001 の 5.22(2)(1, 10-フェナントロリン法)による。

(10)

硫酸着色物質  試料 1g+硫酸 10ml→水浴中 80℃で 10 分間加熱……(0.005mol/よう素溶液 0.5ml+水

10ml

)の色より濃くない。

7.

容器  気密容器とする。

8.

貯蔵方法  クロロ酢酸は,湿気を避けて冷所に保存する。

9.

表示  容器には,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称  “クロロ酢酸”及び“試薬”の文字

(2)

種類

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号


4

K 8899-1994

(7)

製造年月又はその略号

(8)

製造業者名又はその略号

参考  取扱い上の注意事項  クロロ酢酸は,有害なので,皮膚及び粘膜への付着を避ける。

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

久保田  正  明

物質工学工業技術研究所計測化学部

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

津  田      博

通商産業省機械情報産業局計量行政室

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

喜多川      忍

通商産業検査所化学部化学標準課

野々村      誠

都立工業技術センター無機化学部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

石  橋  無味男

厚生省国立衛生試験所

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

柳  瀬  斉  彦

社団法人日本化学工業協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

鶴  田  利  行

硫酸協会

中  村      靖

日本鉱業協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

日  暮  喜八郎

第一化学薬品株式会社

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社

中  村      穣

森田化学工業株式会社

山  岡      宏

片山化学工業株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

山  田  和  夫

関東化学株式会社

(事務局)

平  井  信  次

日本試薬連合会