>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 8825

:2012

(1) 

目  次

ページ

序文 

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  種類

1

4  性質

2

4.1  性状

2

4.2  定性方法 

2

5  品質

2

6  試験方法

3

6.1  一般事項 

3

6.2  純度[CH

3

(CH

2

)

4

CH

3

](GC) 

3

6.3  密度(20  ℃)

3

6.4  水分

3

6.5  不揮発物 

3

6.6  残留農薬・PCB 試験適合性

4

7  容器

6

8  表示

6

9  取扱い上の注意事項

6


K 8825

:2012

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8825:2004 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 24 年 12 月 20 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS

マーク表示認証において,JIS K 8825:2004 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

8825

:2012

ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)(試薬)

Hexane for pesticide residue and polychlorinated biphenyl analysis

(Reagent)

CH

3

(CH

2

)

4

CH

3

    FW:86.18

序文 

この規格は,1998 年に制定され,その後 2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 2004 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,残留農薬・PCB 試験用に試薬として用いるヘキサンについて規定する。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,MSDS(化学物質等安全データシート)などを参考にして各自の責任に

おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050  化学分析方法通則

JIS K 0061  化学製品の密度及び比重測定方法

JIS K 0067  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0068  化学製品の水分測定方法

JIS K 0114  ガスクロマトグラフィー通則

JIS K 0117  赤外分光分析方法通則

JIS K 1107  窒素 

JIS K 8001  試薬試験方法通則

種類 

種類は,残留農薬・PCB 試験に適合した濃縮倍率に対応して,濃縮 300,濃縮 1 000,濃縮 3 000 及び濃

縮 5 000 とする。

注記  濃縮とは,濃縮前後の溶媒の体積比を示し,100 の整数倍で表す。“濃縮倍率”ともいう。例と

して,

“濃縮 300”とは,濃縮前の溶媒 300 ml を 1 ml に濃縮したものをいう。


2

K 8825

:2012

   

性質 

4.1 

性状 

ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)は,無色の揮発性の液体で特異なにおいがあり,エタノール及びジ

エチルエーテルに極めて溶けやすく,水にほとんど溶けない。沸点は約 69  ℃である。

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 に従って測定すると,波数 2 958 cm

-1

,2 924 cm

-1

,2 860 cm

-1

1 460 cm

-1

,1 379 cm

-1

及び 725 cm

-1

付近に主な吸収ピークを認める。試料調製を JIS K 0117 の 5.4 c) 1)(ATR

法)によって行い,ATR プリズムに臭化タリウム・よう化タリウム(KRS5)を用いたときの赤外吸収ス

ペクトルの例を

図 に示す。

図 1−赤外吸収スペクトルの例 

品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質 

規格値

項目

濃縮

300

濃縮

1 000

濃縮

3 000

濃縮

5 000

試験

方法

純度[CH

3

(CH

2

)

4

CH

3

(GC)

質量分率 %  96.0 以上 96.0 以上 96.0 以上 96.0 以上

6.2 

密度(20  ℃) g/ml

0.658∼0.662

0.658∼0.662

0.658∼0.662 0.658∼0.662

6.3 

水分

質量分率 %  0.01 以下 0.01 以下 0.01 以下 0.01 以下

6.4 

不揮発物

質量分率 %  0.000 2 以下 0.000

2 以下 0.000

2 以下 0.000

2 以下

6.5 

残留農薬・PCB 試験適合性

試験適合

試験適合

試験適合

試験適合

6.6 


3

K 8825

:2012

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2 

純度[CH

3

(CH

2

)

4

CH

3

](GC 

純度[CH

3

(CH

2

)

4

CH

3

(GC)の試験方法は,次による。

a)  器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1)  ガスクロマトグラフ  JIS K 0114 に規定するもの。 
2)  マイクロシリンジ又は試料導入装置  少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導

入するマイクロシリンジ又は装置。

b)  分析条件  分析条件は,次による。

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用

いてもよい。

1)  検出器の種類  水素炎イオン化検出器 
2)  固定相液体名  ジメチルポリシロキサン 
3)  固定相液体の膜厚  5 μm 
4)  カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ  石英ガラス,0.32 mm,30 m 
5)  設定温度  カラム槽 50 ℃から 150  ℃に達するまで毎分 10  ℃で昇温する。

試料気化室 200 ℃

検出器槽 250 ℃

6)  キャリヤーガスの種類及び流量  ヘリウム,3 ml/min 
7)  試料の導入方式  スプリット注入法(スプリット比  1:100) 
8)  試料の導入量  0.2

μl

c)  操作  操作は,次のとおり行う。

1)  試料の導入及び記録  試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導

入してクロマトグラムを記録する。

なお,あらかじめ,ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)の保持時間を確認しておく。

2)  ピーク面積の測定  クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114 の 11.3(ピーク面積の測定)

a)(データ処理ソフト又はデータ処理装置を用いる方法)による。

d)  定 量 法   各 成 分 の ピ ー ク 面 積 を 測 定 し , JIS K 0114 の 11.5( 面 積 百 分 率 法 ) に よ っ て 純 度

[CH

3

(CH

2

)

4

CH

3

(GC)を算出する。

6.3 

密度(20  ℃) 

密度(20  ℃)の試験方法は,JIS K 0061 の 7.2(比重瓶法)又は 7.3(振動式密度計法)による。

6.4 

水分 

水分の試験方法は,JIS K 0068 の 6.3(容量滴定法)又は 6.4(電量滴定法)による。容量滴定法の場合,

試料 20 g(30.3 ml)をはかりとり,溶媒は,メタノールとする。電量滴定法の場合は,試料 5 g(7.6 ml)

をはかりとる。

6.5 

不揮発物 

不揮発物の試験方法は,JIS K 0067 の 4.3.41

(第 1 法  水浴上で加熱蒸発する方法)による。

ただし,

この場合,試料 500 g(758 ml)をはかりとり,用いる蒸発皿などの容量に応じて数回に分けて入れ,試料


4

K 8825

:2012

   

の全量を同一の蒸発皿などで蒸発させる。

6.6 

残留農薬・PCB 試験適合性 

残留農薬・PCB 試験適合性の試験方法は,次による。

a)  試薬及び試験溶液類  試薬及び試験溶液類は,次のものを用いる。

1)  ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)  この規格の品質(箇条 5)を満たすもの。 
2)  1,2,3,4,5,6-ヘキサクロロシクロヘキサン標準液(γ-HCH 標準液) 
2.1)
  γ-HCH 標準液(0.1 mg/ml)  1,2,3,4,5,6-ヘキサクロロシクロヘキサン(γ-HCH)(質量分率 99 %

以上)10.0 mg を正確にはかりとり,全量フラスコ 100 ml に入れ,ヘキサン(残留農薬・PCB 試

験用)を加えて溶かし,ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)を標線まで加えて混合する。

2.2)  γ-HCH 標準液(4 ng/ml)  調製は,次による。 
2.2.1)  γ-HCH 標準液(0.1 mg/ml)10 ml を,全量フラスコ 100 ml に正確にはかりとり,ヘキサン(残留

農薬・PCB 試験用)を標線まで加えて混合する(A 液)

2.2.2)  A 液 2 ml を全量フラスコ 100 ml に正確にはかりとり,ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)を標

線まで加えて混合する(B 液)

2.2.3)  B 液 1 ml を全量フラスコ 50 ml に正確にはかりとり,ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)を標

線まで加えて混合する。

b)  器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1)  マイクロシリンジ又は試料導入装置  6.2 a) 2)による。 
2)  マントルヒーター  電熱線をガラス繊維製の布などで覆い,器具の形状に応じて密着する加熱器具。 
3)  ロータリーエバポレーター  減圧下でフラスコを加熱し,回転させて蒸発濃縮を行う装置(必要な

場合に用いる。

4)  クデルナダニッシュ濃縮装置  例を図 に示す。 
5)  ガスクロマトグラフ  6.2 a) 1)による。

c)  分析条件  分析条件は,次による。

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用

いてもよい。

1)  検出器の種類  電子捕獲検出器 
2)  カラム充塡剤  粒径 150∼180

μm の酸洗浄・シラン処理けい藻土を担体に用い,それにフェニルメ

チルポリシロキサン系固定相液体を 2 %含浸させたもの,又はこれと同等の分離能をもつもの。

注記  酸洗浄・シラン処理けい藻土には,クロモソルブ W,AW-DMCS などがあり,フェニルメチ

ルポリシロキサン系(シリコーン系)固定相液体には OV-17,OV-1 などがある。

3)  カラム用管の内径及び長さ  2∼4 mm,2∼3 m 
4)  設定温度  カラム槽  190∼210  ℃

試料気化室 240∼260  ℃

検出器槽 240∼260  ℃

5)  キャリヤーガスの種類及び流量  JIS K 1107 に規定する窒素,40∼60 ml/min 
6)  試料溶液及び γ-HCH 標準液(4 ng/ml)の注入量  5

μl

7)  検出器の所要感度  γ-HCH 標準液(4 ng/ml)5

μl をガスクロマトグラフに注入し,得られたクロマ

トグラムにおいて,γ-HCH のピークの高さが記録紙の有効幅の 5 %以上になるように感度を調節す

る。


5

K 8825

:2012

d)  操作  操作は,次のとおり行う。

1)  試料溶液の調製は,表 の採取量の試料をはかりとり,蒸留フラスコ

1)

に入れ,クデルナダニッシ

ュ濃縮装置で減圧濃縮する。減圧濃縮は,マントルヒーターなどを用いて加熱するが,激しく沸騰

させてはならない。また,試料のほとんどが蒸発し,蒸留フラスコ内の試料が少量(10 ml 以下)

になったときに加熱をとめ,余熱で試料が 1 ml 以下に濃縮されるまで放置する。濃縮された溶媒の

入った受器を取り外し,ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)を加えて 1 ml とする。受器に栓をし,

よく振り混ぜる。

1)

  試料の採取量に応じた容積の蒸留フラスコを用いる。

なお,あらかじめ試料をロータリーエバポレーターなどで濃縮して蒸留フラスコに入れて

もよい。

表 2−種類及び試料の採取量 

単位  ml

種類

濃縮 300

濃縮 1 000

濃縮 3 000

濃縮 5 000

試料の採取量

300

1 000

3 000

5 000

2)  試料溶液,γ-HCH 標準液(4 ng/ml)それぞれ 5 μl を,マイクロシリンジ又は試料導入装置を用いて

ガスクロマトグラフに注入し,

60 分間のクロマトグラムを記録する。ただし,γ-HCH 標準液(4 ng/ml)

の場合は,γ-HCH のピークが記録されるまででよい。

なお,あらかじめ試料のヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)

,この規格に規定する箇条 を満足

するヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)及び γ-HCH の保持時間を確認しておく。 

3)  ピーク高さの測定は,JIS K 0114 の 11.2(ピーク高さの測定)によって,試料溶液のピーク高さ(h

1

γ-HCH 標準液(4 ng/ml)のピーク高さ(h

2

)を測定する。

4)  試料溶液の示すピーク高さ h

1

を,γ-HCH 標準液(4 ng/ml)の保持時間の 1/2 から 60 分間の間に示

す,γ-HCH 標準液(4 ng/ml)のピーク高さ h

2

の 1/2 の高さ(=0.5×h

2

)と比較する。

e)  判定  d)によって操作し,次に適合するとき,“残留農薬・PCB 試験適合性:試験適合”とする。

試料溶液の示すピーク高さ h

1

は,γ-HCH 標準液(4 ng/ml)のピーク高さ h

2

の 1/2 の高さを超えるも

のはない。


6

K 8825

:2012

   

A:蒸留フラスコ  500∼2 000 ml 
B:濃縮物の受器  1∼5 ml 
C:毛細管 
D:冷却器 
E:トラップ 
F:留液だめ  500∼2 000 ml 
G:共通すり合わせ 
H:水浴又はマントルヒーター 
    (ジャッキ式)

図 2−クデルナダニッシュ濃縮装置の例 

容器 

容器は,気密容器とする。

表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)  日本工業規格番号

b)  名称  “ヘキサン(残留農薬用・PCB 分析試験用)”及び“試薬”の文字

c)  種類

d)  化学式及び式量

e)  純度

f)  内容量

g)  製造番号

h)  製造業者名又はその略号

取扱い上の注意事項 

ヘキサン(残留農薬用・PCB 分析試験用)は,引火性が強いので火気を避け,また,有害なので蒸気を

吸入しないように注意し,皮膚,粘膜などに付着しないようにする。