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K 8817:2014  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 純度(NH4F・HF)(乾燥後)··························································································· 3 

6.3 乾燥減量(シリカゲル乾燥) ··························································································· 5 

6.4 加熱残分(300 ℃) ······································································································· 5 

6.5 塩化物(Cl) ················································································································ 5 

6.6 硝酸塩(NO3) ·············································································································· 6 

6.7 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 6 

6.8 鉛(Pb)及び鉄(Fe) ···································································································· 7 

6.9 ヘキサフルオロけい酸アンモニウム[(NH4)2SiF6] ······························································ 10 

7 容器······························································································································ 11 

8 表示······························································································································ 11 

K 8817:2014  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8817:1992は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成26年9月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8817:1992によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8817:2014 

ふっ化水素アンモニウム(試薬) 

Ammonium hydrogen fluoride (Reagent) 

NH4F・HF  FW:57.04 

序文 

この規格は,1953年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1992年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるふっ化水素アンモニウム1)について規定する。 

注1) 別名:酸性ふっ化アンモニウム 

警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,SDS(安全データシート),MSDS(化学物質等安全データシート:JIS Z 

7250−2012年廃止,猶予期間2016年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健

康に対する適切な措置をとらなければならない。 

ふっ化水素アンモニウムの性質の確認及び品質の試験において,試料に組成として含まれて

いるふっ化水素が発生する可能性があるため,試料の取扱いには注意する必要がある。 

主な取扱い上の注意として,下記のものがある。 

・ 試験に用いる容器などは,ポリエチレンなどの樹脂製のものを用いる。 

・ 必要に応じて,防護具(保護めがね,樹脂製手袋など)を着用する。 

・ 試料を取り扱う際には,局所排気装置の下又はドラフト内で行う。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 6202 化学分析用白金皿 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0116 発光分光分析通則 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS K 0970 ピストン式ピペット 

JIS K 1107 窒素 

K 8817:2014  

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JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8548 硝酸カリウム(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬) 

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬) 

JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬) 

JIS K 8842 ブロモチモールブルー(試薬) 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

ふっ化水素アンモニウムは,白い結晶性粉末で,水に極めて溶けやすく,エタノールに溶けにくい。水

溶液は酸性であり,ガラスを腐食する。 

4.2 

定性方法 

定性方法は,次による。 

a) 試料1 gを白金皿にとり,水10 mlを加えて溶かす(A液)。A液5 mlに塩化カルシウム溶液(100 g/l)

5 mlを加えると,白い沈殿が生じる。これに酢酸1 mlを加えても生成した沈殿は溶けない。 

b) A液5 mlに水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)5 mlを加えて加熱すると,アンモニアが発生する。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

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K 8817:2014  

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表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(NH4F・HF)(乾燥後) 

質量分率 % 

98.5以上 

6.2 

乾燥減量(シリカゲル乾燥) 

質量分率 % 

1.0以下 

6.3 

加熱残分(300 ℃) 

質量分率 % 

0.01以下 

6.4 

塩化物(Cl) 

質量分率 % 

0.001以下 

6.5 

硝酸塩(NO3) 

質量分率 % 

0.005以下 

6.6 

硫酸塩(SO4) 

質量分率 % 

0.005以下 

6.7 

鉛(Pb) 

質量分率 ppm 

5以下 

6.8 

鉄(Fe) 

質量分率 ppm 

5以下 

6.8 

ヘキサフルオロけい酸アンモニウム 
[(NH4)2SiF6] 

質量分率 % 

0.1以下 

6.9 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(NH4F・HF)(乾燥後) 

純度(NH4F・HF)(乾燥後)の試験方法は,次による。 

a) 試薬,ガス及び試験用溶液類 試薬,ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの(必要な場合に用いる。)。 

3) 窒素 JIS K 1107に規定するもの。 

4) 硝酸カリウム溶液(飽和) JIS K 8548に規定する硝酸カリウム33.4 gを水に溶かして100 mlにす

る。 

5) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水に溶かして100 ml

にする(必要な場合に用いる。)。高密度ポリエチレンなどの樹脂製の瓶に保存する。 

6) 二酸化炭素を除いた水 次の6.1)〜6.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。 

6.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ

ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却

したもの。 

6.2) 水をフラスコに入れ,水の中に窒素を15分間以上通じたもの。 

6.3) 二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて,水から二酸化炭素を除いたもの。 

6.4) 新鮮な18 MΩ・cm以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取

したもの。採水後,速やかに用いる。 

7) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをエタノール(95)

50 mlに溶かし,水で100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。 

8) ニュートラルレッド−ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー

0.10 g及びニュートラルレッド0.10 gをエタノール(95)に溶かして200 mlにする。褐色ガラス製

瓶に保存する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをエタノール(95)

90 mlに溶かし,水で100 mlにする。 

10) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/l) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び

計算は,次による。 

注記 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び計算は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液

の調製,標定及び計算)r) 1)と同じである。 

10.1) 調製 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム165 gを高密度ポリエチレンなどの樹脂製気密容

器500 mlにはかりとり,二酸化炭素を除いた水150 mlを加えて溶かした後,二酸化炭素を遮り4

〜5日間放置する。その上澄み液54 mlを高密度ポリエチレンなどの樹脂製気密容器1 000 mlにと

り,二酸化炭素を除いた水を加えて1 000 mlとし,混合する。必要ならば,ソーダ石灰管を付け

て保存する。 

10.2) 標定 標定は,認証標準物質2)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を用

い,次のとおり行う。 

10.2.1) 認証標準物質2)のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

10.2.2) 容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,試験成績書などに従って乾燥する。 

10.2.3) 認証標準物質2)又は容量分析用標準物質のアミド硫酸2.4 g〜2.6 gを0.1 mgの桁まではかりコニ

カルビーカー100 mlに移し,水25 mlを加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモールブルー

溶液数滴を加え,10.1)で調製した1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液の色が

黄から青みの緑になる点とする。 

注2) 認証標準物質を供給する者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合センタ

ー(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標準物質生産

者がある。 

10.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

09

097

0

A

V

.

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとったアミド硫酸の質量(g) 

A: アミド硫酸の純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml) 

0.097 09: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当するアミド硫酸

の質量を示す換算係数(g/ml) 

b) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料は,6.3の残分1.0 gをポリエチレンなどの樹脂製のビーカー200 mlなどに0.1 mgの桁まではか

りとり,水20 mlを加えて溶かし,硝酸カリウム溶液(飽和)10 ml,純水で作った氷約40 gを加え

る。 

2) 指示薬としてニュートラルレッド−ブロモチモールブルー混合指示薬を5滴加え,1 mol/l 水酸化ナ

トリウム溶液で滴定する。終点は,液の色が暗い緑を15秒間保つまでとする(滴定後の溶液は6.9

の試験に用いる。)。 

c) 計算 純度(NH4F・HF)(乾燥後)は,次の式によって算出する。 

100

04

057

0

×

×

×

=

m

.

f

V

A

K 8817:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, 

A: 純度(NH4F・HF)(乾燥後)(質量分率 %) 

V: 滴定に要した1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml) 

f: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.057 04: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当するNH4F・HF

の質量を示す換算係数(g/ml) 

6.3 

乾燥減量(シリカゲル乾燥) 

乾燥減量の試験方法は,JIS K 0067の4.1.4の(2)(第2法 大気圧下で乾燥剤を用いて乾燥する方法)

による。この場合,試料5.0 gを0.1 mgの桁まで白金皿にはかりとり,局所排気装置の下又はドラフト内

など(以下,“局所排気装置の下など”という。)で,シリカゲルデシケーター中で約18時間乾燥する(残

分は6.2の試験に用いる。)。 

6.4 

加熱残分(300 ℃) 

加熱残分の試験方法は,JIS K 0067の4.3.4の(2)(第2法 熱板上で加熱蒸発する方法)による。この

場合,試料10 gを0.1 mgの桁まで白金皿にはかりとり,局所排気装置の下などで,熱板上で300 ℃で加

熱する(残分は6.8の試験に用いる。)。 

6.5 

塩化物(Cl) 

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率 60 %〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合

する。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。溶液は,褐

色ガラス製瓶に保存する。 

3) 塩化物標準液 

3.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

3.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 3)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”

という。)。 

3.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の

認証標準液など”という。)。 

3.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。 

注3) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

3.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに

正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

1) 白金皿 JIS H 6202に規定するもの。 

2) 共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量50 ml,直径約23 mmのもの。 

c) 操作 操作は,局所排気装置の下などで,次のとおり行う。 

K 8817:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを白金皿にとり,水を加えて溶かし,水で15 mlにする。 

2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)2.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水

を加えて15 mlにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加えて15分間放置す

る。 

4) 試料溶液から得られた溶液は共通すり合わせ平底試験管に移し,水で25 mlにする。また,比較溶

液から得られた液も水で25 mlにする。 

5) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管

の上方又は側面から観察して濁りを比較する。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.001 %以下(規格値)”とす

る。 

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。 

6.6 

硝酸塩(NO3) 

硝酸塩(NO3)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸塩標準液 

1.1) 硝酸塩標準液(NO3:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

1.1.1) JCSSに基づく標準液 6.5 a) 3.1.1)に準じる。 

1.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.5 a) 3.1.2)に準じる。 

1.1.3) 110 ℃で2時間乾燥したJIS K 8548に規定する硝酸カリウム1.63 gを全量フラスコ1 000 mlに

とり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

1.2) 硝酸塩標準液(NO3:0.01 mg/ml) 硝酸塩標準液(NO3:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 石英ガラス製吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,材質が石英

ガラス製で光路長が10 mmのもの。 

2) 分光光度計 JIS K 0115に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを樹脂製の全量フラスコ100 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標

線まで加えて混合する(X液)。 

2) 比較溶液の調製は,硝酸塩標準液(NO3:0.01 mg/ml)5 mlを樹脂製の全量フラスコ100 mlにとり,

水を標線まで加えて混合する(Y液)。 

3) 石英ガラス製吸収セルを用い,水を対照液として分光光度計で波長213 nmにおける試料溶液(X液)

及び比較溶液(Y液)の吸光度をJIS K 0115の6.(特定波長における吸収の測定)によって測定し,

比較する。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“硝酸塩(NO3):質量分率0.005 %以下(規格値)”と

する。 

試料溶液(X液)から得られた吸光度は,比較溶液(Y液)から得られた吸光度より大きくない。 

6.7 

硫酸塩(SO4) 

硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。 

K 8817:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) 塩化バリウム溶液(100 g/l) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして

100 mlにする。 

3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。 

4) 硫酸塩標準液 

4.1) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

4.1.1) JCSSに基づく標準液 6.5 a) 3.1.1)に準じる。 

4.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.5 a) 3.1.2)に準じる。 

4.1.3) JIS K 8962に規定する硫酸カリウム1.81 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。 

4.2) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 白金皿 6.5 b) 1)による。 

2) 共通すり合わせ平底試験管 6.5 b) 2)による。 

3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。 

c) 操作 操作は,局所排気装置の下などで,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを白金皿にはかりとり,塩酸(2+1)2 mlを加え,水浴上で蒸発乾

固する操作を3回繰り返す。放冷後,塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて溶かし,共通すり合わせ

平底試験管に移した後,水で25 mlにする。 

2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)5.0 mlを白金皿にとり,塩酸(2+1)2 mlを

加え,水浴上で蒸発乾固する操作を3回繰り返す。放冷後,塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加え,共

通すり合わせ平底試験管に移した後,水を加えて25 mlにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 ml及び塩化バリウム溶液(100 g/l)2 mlをそれぞれ

加えて振り混ぜた後,1時間放置する。 

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“硫酸塩(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”とす

る。 

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。 

6.8 

鉛(Pb)及び鉄(Fe) 

鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,6.8.1又は6.8.2のいずれかを用いる。 

6.8.1 

第1法 原子吸光法 

第1法 原子吸光法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 塩酸(2+1) 6.7 a) 3)による。 

2) 硝酸(1+2) 6.5 a) 1)による。 

3) 鉛標準液及び鉄標準液 

3.1) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

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K 8817:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1.1) JCSSに基づく標準液 6.5 a) 3.1.1)に準じる。 

3.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.5 a) 3.1.2)に準じる。 

3.1.3) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:1 mg/ml)を調製する場合 

3.1.3.1) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml) JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを全量フラスコ1 000 ml

にとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

3.1.3.2) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水8.63 gを全

量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて

混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。 

3.2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 次のものを用いる。 

3.2.1) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に

はかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。 

3.2.2) 鉄標準液(Fe:0.01 mg /ml) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に

はかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に

保存する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 水浴 6.7 b) 3) による。 

2) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。 

c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。 

表2−分析種の測定波長の例 

単位 nm 

分析種 

測定波長 

鉛  Pb 

283.3 

鉄  Fe 

248.3 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,6.4の残分(試料量10 g)に,塩酸(2+1)1 mlを加え,水浴上で蒸発乾固す

る。さらに,塩酸(2+1)1 ml及び水約10 mlを加え水浴上で加温溶解し,全量フラスコ25 mlに

とり,水を標線まで加えて混合する(X液)。 

2) 比較溶液の調製は,全量フラスコ25 mlに,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)5.0 ml及び鉄標準液(Fe:

0.01 mg/ml)5.0 mlを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。 

3) 空試験用溶液の調製は,全量フラスコ25 mlに,塩酸(2+1)2 mlを加え,水を標線まで加えて混

合する(Z液)。 

4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表2に示す測定波長付近で吸光

度が最大となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸

光度を測定し,X液の指示値(n1),Y液の指示値(n2)及びZ液の指示値(n3)を読み取る。 

5) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いた(n1−n3)とY液の指示値(n2)とを比較す

る。 

e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“鉛(Pb):質量分率5 ppm以下(規格値),鉄(Fe):

質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。 

n1−n3は,n2より大きくない。 

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K 8817:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)を求める場合は,次の式によって計算する。 

6

2

3

1

10

000

1

×

×

×

=m

n

n

n

B

A

ここに, 

A: 分析種の含有率(質量分率 ppm) 

B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg) 

m: はかりとった試料の質量(g) 

6.8.2 

第2法 ICP発光分光分析法 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 塩酸(2+1) 6.7 a) 3)による。 

2) 硝酸(1+2) 6.5 a) 1)による。 

3) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 6.8.1 a) 3.2.1)による。 

4) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 6.8.1 a) 3.2.2)による。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) ピストン式ピペット JIS K 0970に規定するもの。 

2) 水浴 6.7 b) 3) による。 

3) ICP発光分光分析装置 装置の構成は,JIS K 0116に規定するもの。 

c) 分析種及び測定波長 分析種の測定波長の例を表3に示す。 

表3−分析種の測定波長の例 

単位 nm 

分析種 

測定波長 

鉛   Pb 

220.353 

鉄   Fe 

259.940 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,6.4の残分(試料量10 g)に,塩酸(2+1)1 mlを加え,水浴上で蒸発乾固す

る。さらに,塩酸(2+1)1 ml及び水約10 mlを加え水浴上で加温溶解し,全量フラスコ50 mlに

少量の水で移し,水を標線まで加えて混合する(X液)。 

2) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ50 mlに,塩酸(2+1)2 mlを加え,水を標線まで加えて混合

する(Z液)。 

3) 比較溶液の調製は,4個の全量フラスコ50 mlに,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:

0.01 mg/ml)をピストン式ピペットで表4に示す4段階にはかりとり,水を標線まで加えて混合す

る(それぞれ,Y0液〜Y3液とする。)。 

表4−採取する標準液の体積 

標準液 

mg/ml 

採取量 ml 

Y0 

Y1 

Y2 

Y3 

鉛標準液(Pb) 

0.01 

鉄標準液(Fe) 

0.01 

4) ICP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116の箇条4(ICP発光分光分析)による。 

5) ICP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって発光強度を測定できる状態にす

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K 8817:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。 

6) Z液,X液,Y0液からY3液をアルゴンプラズマ中に噴霧し,分析種の発光強度を測定する。 

e) 計算 JIS K 0116の4.7.3のa) 1)[検量線法(発光強度法)]によって検量線を作成し,分析種の含有

率を計算する。 

f) 

判定 d)によって操作し,e)によって計算し,次に適合するとき“鉛(Pb):質量分率5 ppm以下(規

格値),鉄(Fe):質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。 

計算して得られた含有率が,規格値を満足している。 

6.9 

ヘキサフルオロけい酸アンモニウム[(NH4)2SiF6] 

ヘキサフルオロけい酸アンモニウム[(NH4)2SiF6]の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸カリウム溶液(飽和) 6.2 a) 4)による。 

2) 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:4.000 g/l) 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定

及び計算は,次による。 

注記1 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び計算は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用

溶液の調製,標定及び計算)r) 3)と同じである。 

2.1) 調製 6.2 a) 10)に規定する1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液100 mlを全量フラスコ1 000 mlにはか

りとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合した後,ポリエチレン製気密容器に入れる。

必要があれば,ソーダ石灰管を付けて保存する。 

2.2) 標定 6.2 a) 10.2)による。この場合,アミド硫酸0.24 g〜0.29 gを0.1 mgの桁まではかりとる。 

2.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

709

009

0

A

V

.

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

A: アミド硫酸の純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml) 

m: はかりとったアミド硫酸の質量(g) 

0.009 709: 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当するアミド硫

酸の質量を示す換算係数(g/ml) 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

1) ろ紙(5種C) JIS P 3801に規定するもの。 

2) 漏斗 ポリエチレンなどの樹脂製のもの。 

3) メスピペット JIS R 3505に規定する,最小目盛が0.01 mlのもの。 

4) ミクロビュレット JIS R 3505に規定する,最小目盛が0.01 mlのもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 6.2の滴定後の溶液をろ紙(5種C)及びポリエチレン製などの漏斗を用いてろ過する。約0 ℃に冷

却した硝酸カリウム溶液(飽和)約100 mlで洗浄し,洗浄後のろ紙と沈殿をビーカー200 mlに移す。 

2) 水100 ml及びフェノールフタレイン溶液3滴を加え,約5分間かけて約80 ℃になるように加温し,

約80 ℃に保ちながら直ちに0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液で,メスピペット又はミクロビュレッ

トを用いて滴定する。終点は,液が微紅色を保つ点とする。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“ヘキサフルオロけい酸アンモニウム[(NH4)2SiF6]:質

量分率0.1 %以下(規格値)”とする。 

11 

K 8817:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

滴定に要した0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積は,0.22 ml以下。 

注記2 ヘキサフルオロけい酸アンモニウム[(NH4)2SiF6]の含有率(質量分率 %)を求める場合

は,次の式によって計算する。 

100

454

004

0

×

×

×

=

m

.

f

V

A

ここに, 

A: ヘキサフルオロけい酸アンモニウム[(NH4)2SiF6]の含有

率(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml) 

f: 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.004 454: 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当する

[(NH4)2SiF6]の質量を示す換算係数(g/ml) 

容器 

容器は,気密容器(材質は,ポリエチレンその他ふっ化水素酸に侵されないもの。)とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称 “ふっ化水素アンモニウム”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造年月又はその略号 

i) 

製造業者又はその略号