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K 8800:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 3 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 エタノール溶状 ············································································································· 3 

6.3 水酸化ナトリウム溶液溶状 ······························································································ 4 

6.4 吸光度(5 mg/l,pH 8.4) ································································································ 6 

6.5 乾燥減量(105 ℃) ······································································································· 7 

6.6 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 7 

6.7 変色範囲(pH) ············································································································ 7 

7 容器······························································································································· 8 

8 表示······························································································································· 8 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8800:1992は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成24年12月20日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS

マーク表示認証において,JIS K 8800:1992によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

JIS 

K 8800:2012 

フェノールレッド(試薬) 

Phenol red (Reagent) 

C19H14O5S  FW:354.38 

OH+

HO

-O3S

序文 

この規格は,1951年に制定され,その後6回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1992年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるフェノールレッド1)について規定する。 

注1) 化学名:α-(4-ハイドロキソニオ-2,5-サイクロヘキサジエン-1-イリデン)- α-(4-ハイドロキシフェ

ニル)-2-トルエンスルホナート 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 1107 窒素 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8121 塩化カリウム(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

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JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬) 

JIS K 8842 ブロモチモールブルー(試薬) 

JIS K 8863 ほう酸(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬) 

JIS Z 8802 pH測定方法 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

フェノールレッドは,緑みの赤から赤の結晶性粉末で,すりつぶしたときには赤である。エタノールに

やや溶けにくく,水に溶けにくく,ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。うすい水酸化ナトリウム溶

液に溶ける。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数3 050 cm-1,1 585 cm-1,1 518 cm-1,

1 366 cm-1,1 313 cm-1,1 165 cm-1,917 cm-1及び614 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。試料調製をJIS 

K 0117の5.3(粉体)のa)(錠剤法)によって行い,錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収

スペクトルの例を図1に示す。 

図1−赤外吸収スペクトルの例 

注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したものである。 

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品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

エタノール溶状 

試験適合 

6.2 

水酸化ナトリウム溶液溶状 

試験適合 

6.3 

吸光度(5 mg/l,pH 8.4) 

0.53以上 

6.4 

乾燥減量(105 ℃) 

質量分率 % 

3.0以下 

6.5 

強熱残分(硫酸塩) 

質量分率 % 

0.5以下 

6.6 

変色範囲(pH) 

(黄)6.8〜8.4(赤) 

6.7 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

エタノール溶状 

エタノール溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(体積分率50 %) JIS K 8101に規定するエタノール(99.5)50 mlに水を加えて100 ml

にする。 

2) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合す

る。 

3) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス

製瓶に保存する。 

4) 塩化物標準液 

4.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

4.1.1) 計量標準供給制度[JCSS2)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。 

4.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液が入手できない場合

は,市販の標準液を用いる。 

4.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにはかりとり,水を加えて

溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

4.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準(“澄明”)は,次による。 

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 mlを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水10 ml,硝酸

(1+2)1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから15

分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次のものを用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無を確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量50 ml,直径約23 mmのもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.10 gを0.1 mgの桁まではかりとり,全量フラスコ100 mlに入れ,適量

のエタノール(体積分率50 %)で溶かし,更にエタノール(体積分率50 %)を標線まで加えて混

合する(A液)(A液は,6.4の試験にも用いる。)。 

2) 試料溶液を共通すり合わせ平底試験管に20 mlをはかりとり,濁りの程度をb)と比較する。また,

ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又は側方から観察する。 

e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“エタノール溶状:試験適合”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。 

6.3 

水酸化ナトリウム溶液溶状 

水酸化ナトリウム溶液溶状の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの。 

2) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水に溶かして100 ml

にする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。 

3) 二酸化炭素を除いた水 次の3.1)〜3.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。 

3.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ

ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却

したもの。 

3.2) 水をフラスコに入れ,水の中にJIS K 1107に規定する窒素を15分間以上通じたもの。 

3.3) 水から二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて二酸化炭素を除いたもの。 

3.4) 18 MΩ・cm以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取したも

の。ただし,採水後速やかに用いる。 

4) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをJIS K 8102に規

定するエタノール(95)50 mlに溶かし,水で100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。 

5) 0.02 mol/l 水酸化ナトリウム溶液 0.02 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製は,次による。 

5.1) 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び計算は,次に

よる。 

5.1.1) 調製 二酸化炭素を除いた水30 mlをポリエチレン製などの瓶100 mlにはかりとり,JIS K 8576

に規定する水酸化ナトリウム36 gを少量ずつ加えて溶かし,栓をして4〜5日間放置する。その

上澄み液10 mlをポリエチレン製などの瓶1 000 mlにはかりとり,二酸化炭素を除いた水1 000 ml

を加える(B液:0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液)。5.1.2)及び5.1.3)に従い,B液のファクター

を求めた後,B液を全量フラスコ500 ml(ポリプロピレン製などのもの)に標線まで入れ,それ

にファクターが1.000になるように計算した量の二酸化炭素を除いた水を正確に加える。ポリエ

チレン製瓶などに保存する。加える二酸化炭素を除いた水の体積は,次の式によって算出する。 

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500

)

000

.1

(

×

=f

V

ここに, 

V: 加える二酸化炭素を除いた水の体積(ml) 

f: 標定によって求められた0.2 mol/l 水酸化

ナトリウム溶液のファクター 

5.1.2) 標定 標定は,認証標準物質3)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を用

い,次のとおり行う。 

5.1.2.1) 認証標準物質3)のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

5.1.2.2) 容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いた後,上口

デシケーター(減圧デシケーター)に入れ,上口デシケーター内圧2.0 kPa以下で約48時間乾

燥する。 

5.1.2.3) 認証標準物質3)又は容量分析用標準物質のアミド硫酸0.4〜0.5 gを0.1 mgの桁まではかりとっ

てコニカルビーカー100 mlに移し,水25 mlを加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモー

ルブルー溶液数滴を加え,B液(0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液)で滴定する。終点は,液の

色が黄から青みの緑になる点とする。 

注3) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際

単位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物

質を入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,

その説明書に従って使用する。 

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準

総合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認

証標準物質生産者がある。 

5.1.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

419

019

.0

A

V

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとったアミド硫酸の質量(g) 

A: アミド硫酸の純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の

体積(ml) 

0.019 419: 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当する

アミド硫酸の質量を示す換算係数(g/ml) 

5.2) 0.02 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製 ファクターから計算した必要な体積の0.2 mol/l 水酸化

ナトリウム溶液を全量フラスコ500 mlに正確にはかりとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加

えて混合した後,ポリエチレン製瓶などに保存する。使用時に調製する。 

6) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 6.2 a) 4.2)による。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 6.2 b)による。 

c) 器具 主な器具は,次のものを用いる。 

1) 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。 

2) 乳鉢 固体を粉砕したり,2種以上の粉末を均一に混合するために乳棒とともに用いる鉢。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,乳鉢ですりつぶした試料0.10 gをビーカー300 mlなどに0.1 mgの桁まではかり

とり,0.02 mol/l 水酸化ナトリウム溶液15 ml及び水100 mlを加え,加温して溶かす。放冷後,水

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で250 mlにする(C液)(C液は,6.7の試験にも用いる。)。 

2) 試料溶液(C液)20 mlを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,濁りの程度をb)と比較する。

また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又は側面から観察する。 

e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“水酸化ナトリウム溶液溶状:試験適合”

とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。 

6.4 

吸光度(5 mg/l,pH 8.4) 

吸光度(5 mg/l,pH 8.4)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 二酸化炭素を除いた水 6.3 a) 3)による。 

2) pH 8.4の緩衝液(ほう酸−塩化カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液) pH 8.4の緩衝液(ほう酸

−塩化カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液)の調製は,次による。 

2.1) 0.1 mol/l ほう酸−0.1 mol/l 塩化カリウム混合溶液 JIS K 8863に規定するほう酸3.09 g(質量分

率100 %としての相当質量)及びJIS K 8121に規定する塩化カリウム3.73 g(質量分率100 %とし

ての相当質量)を全量フラスコ500 mlに入れ,適量の二酸化炭素を除いた水で溶かし,二酸化炭

素を除いた水を標線まで加えて混合する。 

2.2) 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液 6.3 a) 5.1)による。 

2.3) 調製 0.1 mol/l ほう酸−0.1 mol/l 塩化カリウム混合溶液250 ml及び0.2 mol/l 水酸化ナトリウム

溶液21.25 mlを全量フラスコ500 mlにはかりとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合

する。ポリエチレン製瓶などに保存する。 

なお,必要な場合は,pH標準液で校正したJIS Z 8802に規定するpH計(形式II以上の性能の

もの)を用い,この溶液を0.1 mol/l ほう酸−0.1 mol/l 塩化カリウム混合溶液又は0.2 mol/l 水酸

化ナトリウム溶液でpH 8.38〜8.42に調節する。 

3) pH標準液 JIS Z 8802の箇条7(pH標準液)による。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。 

2) 分光光度計 JIS K 0115に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,6.2 d) 1)で調製したA液1.0 mlを全量フラスコ200 mlに正確にはかりとり,調

製したpH 8.4の緩衝液を標線まで加えて混合し,約5分間放置する。 

2) 吸収セルを用い,分光光度計で波長558 nm付近の吸収極大の波長における試料溶液の吸光度を,調

製したpH 8.4の緩衝液を対照液としてJIS K 0115の6.(特定波長における吸収の測定)によって測

定する。 

d) 計算 吸光度(5 mg/l,pH 8.4)は,次の式によって算出する。 

m

A

A

10

.0

=

ここに, 

A: 吸光度(5 mg/l,pH 8.4) 

Am: 吸光度の測定値 

m: 6.2 d) 1)ではかりとった試料の量(g) 

K 8800:2012  

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0.10: 6.2 d) 1)で規定されたはかりとり試料量(g) 

6.5 

乾燥減量(105 ℃) 

乾燥減量(105 ℃)は,JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法  大気圧下で加熱乾燥する方法)による。ただ

し,この場合,試料1.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,2時間加熱乾燥する。 

6.6 

強熱残分(硫酸塩) 

強熱残分(硫酸塩)は,JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法  硫酸塩として強熱する方法)による。ただし,

この場合,試料0.40 gを0.1 mgの桁まではかりとる。JIS K 8951に規定する硫酸約0.2 mlを用い,    

(600±50) ℃で1時間強熱する。 

6.7 

変色範囲(pH) 

変色範囲(pH)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 二酸化炭素を除いた水 6.3 a) 3)による。 

2) pH 6.8の緩衝液(りん酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液) pH 6.8の緩衝液(りん酸

二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液)の調製は,次による。 

2.1) 0.1 mol/l りん酸二水素カリウム溶液 JIS K 9007に規定するりん酸二水素カリウム(pH標準液

用)6.80 g(質量分率100 %としての相当質量)を全量フラスコ500 mlに入れ,適量の二酸化炭素

を除いた水で溶かし,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶など

に保存する。 

2.2) 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液 6.3 a) 5.1)による。 

2.3) 調製 0.1 mol/l りん酸二水素カリウム溶液50 ml及び0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液11.82 mlを

全量フラスコ100 mlにはかりとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。ポリエチ

レン製瓶などに保存する。 

3) pH 7.6の緩衝液(りん酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液) pH 7.6の緩衝液(りん酸

二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液)の調製は,次による。 

3.1) 0.1 mol/l りん酸二水素カリウム溶液 a) 2.1)による。 

3.2) 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液 6.3 a) 5.1)による。 

3.3) 調製 0.1 mol/l りん酸二水素カリウム溶液50 ml及び0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液21.40 mlを

全量フラスコ100 mlにはかりとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。ポリエチ

レン製瓶などに保存する。 

4) pH 8.4の緩衝液(ほう酸−塩化カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液) 6.4 a) 2)による。 

b) 器具 主な器具は,次のものを用いる。 

共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,pH 6.8,pH 7.6及びpH 8.4の緩衝液10 mlをそれぞれ別の共通すり合わせ平底

試験管にはかりとり,6.3 d) 1)で調製したC液0.2 mlをそれぞれに加える。 

2) 白の背景を用いて,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面から試料溶液の色を観察する。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“変色範囲(pH):(黄)6.8〜8.4(赤)”とする。 

試料溶液を加えた緩衝液には,“pH 6.8で黄,pH 7.6で黄みの赤及びpH 8.4で赤”の色が現れる。 

K 8800:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称 “フェノールレッド”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 内容量 

f) 

製造番号 

g) 製造業者名又はその略号