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日本工業規格

JIS

 K

8676

-1995

L

−トリプトファン(試薬)

L-Tryptophan

C

11

H

12

N

2

O

2

FW :204.23

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いる L−トリプトファンについて規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 0063

  化学製品の旋光度測定方法

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級

4.

性質  L−トリプトファンは,次の性質を示す。

(1)

性状  L−トリプトファンは,白い結晶又は結晶性粉末で,水にやや溶けにくく,エタノール及びジ

エチルエーテルにほとんど溶けない。

酸性溶液及び塩基性溶液は右旋性,中性溶液は左旋性を示す。

(2)

定性方法  試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 によって測定すると,波数 3 410cm

1

1 670cm

1

1 590cm

1

,1 460cm

1

,1 360cm

1

及び 740cm

1

付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製は,JIS 

K 0117

の 6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を

図 に示す。


2

K 8676-1995

図 1  赤外吸収スペクトルの一例

5.

品質  品質は 6.によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 1  品質

項目

規格値

純度 99.0%以上

塩酸溶状

試験適合

比旋光度  [

α

]

20
D

−30.5∼−32.5°

乾燥減量 (105℃) 0.2%以下

強熱残分(硫酸塩) 0.05%以下 
塩化物 (Cl)

0.01%

以下

硫酸塩 (SO

4

) 0.02%

以下

重金属(Pb として) 0.001%以下 
ひ素 (As)

1ppm

以下

鉄 (Fe)

0.001%

以下

アンモニウム (NH

4

) 0.02%

以下

他のアミノ酸

試験適合

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

純度  99.0%以上

試料 0.3g(0.1mg のけたまではかる)+ぎ酸 (98%) 3ml→溶かす+酢酸(非水滴定用)50ml→0.1mol/l

過塩素酸(酢酸溶媒)で JIS K 0113 の 5.(電位差滴定方法)によって滴定を行う。この場合,指示電

極はガラス電極,参照電極は銀−塩化銀電極とする。


3

K 8676-1995

別に同一条件で空試験を行い,滴定量を補正する。

0.1 mol/l

過塩素酸(酢酸溶媒)1ml は,0.020 423g C

11

H

12

N

2

O

2

に相当する。

(2)

塩酸溶状

試料 1g+塩酸 (1+10) (→20ml)  ……澄明。

(3)

比旋光度  [

α

20
D

  −30.5∼−32.5°

試料 0.5g(0.1mg のけたまではかる)+水 40ml→加熱して溶かす→冷却→全量フラスコ 50ml に入れ

る→水を標線まで加える→直ちに JIS K 0063 の 3.4(操作)による。この場合,測定は液温 15∼25℃

で行い,測定後直ちに液温  (t)  を測定し,温度係数  (+0.10)  を用いて次の式によって 20℃に換算す

る。

[

α

]

20
D

=  [

α

]

t

D

+0.10× (20−t)

(4)

乾燥減量 (105)    0.2%以下

JIS K 0067

の 4.1.4(1)(第 1 法  大気圧下で加熱乾燥する方法)による。この場合,試料 1.0g(0.1mg

のけたまではかる)を用い,3 時間乾燥し,減量 2mg 以下。

(5)

強熱残分(硫酸塩)  0.05%以下

JIS K 0067

の 4.4.4(4)(第 4 法  硫酸塩として強熱する方法)による。試料 2.0g を用い,残分 1mg 以

下。

(6)

塩化物 (Cl)   0.01%以下

試料側溶液:試料 0.3g+水  (→20ml)。

標準側溶液:塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 3.0ml+水  (→20ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.7(1)(比濁法)による。

(7)

硫酸塩 (SO

4

  0.02%以下

試料側溶液:試料 0.3g+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→25ml)。

標準側溶液:硫酸塩標準液 (0.01mgSO

4

/ml) 6.0ml

+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→25ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.15(1)(比濁法)による。

(8)

重金属(Pb として)  0.001%以下

試料側溶液:試料 4g→石英ガラス製蒸発皿にとる+硝酸マグネシウム・エタノール溶液 10ml→点火→

燃焼→炭化→+硫酸 1ml→徐々に加熱→500±50℃で強熱灰化→放冷+塩酸 (2+1) 2ml+水 10ml→水

浴上で加熱して溶かす→冷却→[必要ならばろ紙(5 種 C)でろ過→水で洗う→(ろ液+洗液)

]+水

(

→40ml)(A 液)

(10)の試験にも用いる]

A

液 10ml(試料量 1.0g)+水  (→15ml)。

標準側溶液:石英ガラス製蒸発皿に硝酸マグネシウム・エタノール溶液 10ml をとる→点火→燃焼→炭

化→+硫酸 1ml→徐々に加熱→500±50℃で強熱灰化→放冷+塩酸 (2+1) 2ml+水 10ml→水浴上で加

熱して溶かす→冷却→[必要ならばろ紙(5 種 C)でろ過→水で洗う→(ろ液+洗液)

]+水  (→40ml)

(B 液)

(10)の試験にも用いる]

B

液 10ml(試料量 1.0g)+鉛標準液 (0.01mgPb/ml) 1.0ml+水  (→15ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.24(3)(硝酸マグネシウム処理硫化ナトリウム法)による。

(9)

ひ素 (As)   1ppm 以下

試料側溶液:試料 3g→水素化ひ素発生瓶 100ml に入れる+水  (→40ml)。

標準側溶液:ひ素標準液 (0.001mgAs/ml) 3.0ml→水素化ひ素発生瓶 100ml に入れる+水  (→40ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.19(3)(AgDDTC 法)による。


4

K 8676-1995

(10)

 (Fe)   0.001%以下

試料側溶液:(8)の A 液 10ml(試料量 1.0g)+水  (→15ml)。

標準側溶液:(8)の B 液 10ml+鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 1.0ml+水  (→15ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.22(2)(1, 10−フェナントロリン法)による。

(11)

アンモニウム (NH

4

  0.02%以下

試料側溶液:試料 0.5g+酸化マグネシウム 1g+水約 80ml。

標準側溶液:アンモニウム標準液 (0.01mgNH

4

/ml) 10ml

+酸化マグネシウム 1g+水約 80ml。

操作:JIS K 8001 の 5.11(5)(減圧蒸留−インドフェノール青法)による。

(12)

他のアミノ酸

JIS K 8001

の 5.25.1(薄層クロマトグラフ法)による……主スポット以外のスポットを認めない。

(a)

固定相固体の種類  シリカゲル

(b)

試料溶液調整法  試料 0.20g+水  (→50ml)  →その 5

µl(試料量 20µg)。

(c)

展開溶媒  1−ブタノール 2+酢酸 1+水 1(体積比)。

(d)

展開距離  約 10cm

(e)

発色方法  薄層板を風乾した後,100℃で約 30 分間乾燥する。これに発色液を噴霧し,80℃で 10

分間加熱して発色させる。

(f)

発色液  ニンヒドリン・アセトン溶液

参考  L−トリプトファンの移動率  (R

f

)

は,約 0.6 である。

7.

容器  気密容器とする。

8.

表示  容器には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称  “L−トリプトファン”及び“試薬”の文字

(2)

種類

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号

(7)

製造業者名又はその略号


5

K 8676-1995

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

久保田  正  明

物質工学工業技術研究所計測化学部

地  崎      修

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

津  田      博

通商産業省機械情報産業局計量行政室

倉      剛  進

工業技術院標準部繊維化学規格課

喜多川      忍

通商産業検査所化学部化学標準課

野々村      誠

都立工業技術センター無機化学部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

石  橋  無味雄

厚生省国立衛生試験所

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

柳  瀬  斉  彦

社団法人日本化学工業協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

鶴  田  利  行

硫酸協会

中  村      靖

日本鉱業協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

日  暮  喜八郎

第一化学薬品株式会社

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社

飛  田  和  彦

米山化学工業株式会社

山  岡      宏

片山化学工業株式会社

山  田  和  夫

関東化学株式会社

(事務局)

平  井  信  次

日本試薬連合会