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日本工業規格

JIS

 K

8667

-1995

トリクロロ酢酸(試薬)

Trichloroacetic acid

CCl

3

COOH

    FW : 163.39

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いるトリクロロ酢酸について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級

4.

性質  トリクロロ酢酸は,次の性質を示す。

(1)

性状  トリクロロ酢酸は,無色の結晶で,潮解性がある。水,エタノール及びジエチルエーテルに極

めて溶けやすい。

(2)

定性方法  試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 によって測定すると,波数 1 740cm

1

1 400cm

1

1 220cm

1

,850cm

1

及び 680cm

1

付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製は JIS K 0117 の 6.2(1)

(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を

図 に示す。


2

K 8667-1995

図 1  赤外吸収スペクトルの一例

5.

品質  品質は,6.によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 1  品質

項目

規格値

純度(乾燥後) 99.0%以上

水溶状

試験適合

乾燥減量 1.0%以下 
強熱残分(硫酸塩)

0.02%

以下

塩化物 (Cl)

0.001%

以下

硝酸塩

試験適合

りん酸塩 (PO

4

) 5ppm

以下

硫酸塩 (SO

4

) 0.01%

以下

重金属(Pb として)

0.001%

以下

鉄 (Fe)

5ppm

以下

硫酸着色物質

試験適合

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

純度(乾燥後)  99.0%以上

(3)

の残分 4g(0.1mg のけたまではかる)+水 50ml→1mol/水酸化ナトリウム溶液で滴定(指示薬:

フェノールフタレイン溶液)

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液 1ml は,0.163 39gCCl

3

COOH

に相当する。

(2)

水溶状


3

K 8667-1995

試料 2g+水  (→20ml)  ……澄明。

(3)

乾燥減量  1.0%以下

JIS K 0067

の 4.1.4(2)(第 2 法  大気圧下で乾燥剤を用いて乾燥する方法)による。この場合,試料

5.0g

(0.1mg のけたまではかる)を用い,デシケーター中で 18 時間乾燥し,減量 50mg 以下[残分は

(1)

の試験に用いる]

(4)

強熱残分(硫酸塩)  0.02%以下

JIS K 0067

の 4.4.4(4)(第 4 法  硫酸塩として強熱する方法)による。試料 5g 及び硫酸 0.5ml を用

い,残分 1mg 以下。

(5)

塩化物 (Cl)   0.001%以下

試料側溶液:試料 2.0g+水  (→20ml)。

標準側溶液:塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 2.0ml+水  (→20ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.7(1)(比濁法)による。

(6)

硝酸塩

試料 2.0g+水  (→10ml)  →JIS K 8001 の 5.10(1)(インジゴカルミン法)による。この場合,インジ

ゴカルミン溶液 0.10ml を用いる(NO

3

:約 0.003%以下)

(7)

りん酸塩 (PO

4

  5ppm 以下

試料側溶液:試料 2.0g+水  (→20ml)。

標準側溶液:りん酸塩標準液 (0.01mgPO

4

/ml) 1.0ml

+水  (→20ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.13(1)(比色法)による。

(8)

硫酸塩 (SO

4

  0.01%以下

試料側溶液:試料 1.0g+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→20ml)。

標準側溶液:硫酸塩標準液 (0.01mgSO

4

/ml) 10ml

+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→20ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.15(1)(比濁法)による。

(9)

重金属(Pb として)  0.001%以下

試料側溶液:試料 2g+水 5ml→アンモニア水 (2+3)  で中和→冷却+塩酸 (2+1) 0.5ml+水  (→25ml)。

標準側溶液:アンモニア水(試料側で中和に用いた量)→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 0.5ml+

水 15ml+鉛標準液  (0.01mg Pb/ml) 2.0ml+水  (→25ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.24(1)(硫化ナトリウム法)による。

(10)

 (Fe)   5ppm 以下

試料側溶液:試料 2.0g+水 5ml→アンモニア水 (2+3)  で中和→冷却+塩酸 (2+1) 1ml+水  (→15ml)。

標準側溶液:アンモニア水(試料側で中和に用いた量)→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 1ml+鉄

標準液  (0.01mg Fe/ml) 1.0ml+水  (→15ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.22(2)(1,10−フェナントロリン法)による。

(11)

硫酸着色物質

試料 1.0g+硫酸 10ml→約 80℃の水浴中で 10 分間加熱……その色は,比色標準液(0.005mol/よう

素溶液 0.20ml+水 10ml)の色より濃くない。

7.

容器  気密容器とする。

8.

貯蔵方法  湿気を避けて冷所に保存する。


4

K 8667-1995

9.

表示  容器には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称  “トリクロロ酢酸”及び“試薬”の文字

(2)

種類

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号

(7)

製造年月又はその略号

(8)

製造業者名又はその略号

参考  取扱い上の注意事項  トリクロロ酢酸は,腐食性があるので,皮膚,粘膜に付着しないように

する。

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

久保田  正  明

物質工学工業技術研究所計測化学部

地  崎      修

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

津  田      博

通商産業省機械情報産業局計量行政室

倉      剛  進

工業技術院標準部繊維化学規格課

喜多川      忍

通商産業検査所化学部化学標準課

野々村      誠

都立工業技術センター無機化学部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

石  橋  無味雄

厚生省国立衛生試験所

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

柳  瀬  斉  彦

社団法人日本化学工業協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

鶴  田  利  行

硫酸協会

中  村      靖

日本鉱業協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

日  暮  喜八郎

第一化学薬品株式会社

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社

飛  田  和  彦

米山化学工業株式会社

山  岡      宏

片山化学工業株式会社

山  田  和  夫

関東化学株式会社

(事務局)

平  井  信  次

日本試薬連合会