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K 8653:2018  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 1 

4 性質······························································································································· 1 

4.1 性状 ···························································································································· 1 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

6.1 一般事項 ······················································································································ 2 

6.2 窒素化合物(Nとして)·································································································· 2 

7 容器······························································································································· 5 

8 表示······························································································································· 5 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8653:1995は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成30年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8653:1995によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8653:2018 

デバルダ合金(試薬) 

Devarda's alloy (Reagent) 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるデバルダ合金について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8051 3-メチル-1-ブタノール(試薬) 

JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8548 硝酸カリウム(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬) 

JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬) 

JIS K 8798 フェノール(試薬) 

JIS K 8913 よう化カリウム(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

種類 

種類は,窒素分析用とする。 

性質 

4.1 

性状 

デバルダ合金は,49 %〜51 %の銅,44 %〜46 %のアルミニウム,4 %〜6 %の亜鉛の組成の合金で,灰色

の粉末又は小粒である。硝酸に溶け,塩酸及び水酸化ナトリウム溶液には,アルミニウム及び亜鉛が溶け,

銅が溶けない。 

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K 8653:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

定性方法 

定性方法は,次による。 

a) 試料約0.1 gに硝酸(1+1)10 mLを加え,加温して溶かす(A液)。冷却後,A液2 mLにアンモニア

水(2+3)を徐々に加えると,濁りを生じ,液の色は青くなる。 

b) A液3 mLにヘキサシアノニド鉄(III)酸カリウム溶液[ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム溶液](50 

g/L)1 mLを加えると黄みの褐色の沈殿が生じる。 

c) A液3 mLに水7 mLとアルミノン溶液1 mLとを加え加熱すると,紅色が現れる。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

窒素化合物(Nとして)  質量分率 % 

0.003以下 

6.2 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

窒素化合物(Nとして) 

窒素化合物(Nとして)の試験方法は,次のいずれかによる。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 吸収液 水150 mLを冷却し,かき混ぜながら,これにJIS K 8951に規定する硫酸10 mLを徐々に

加える。この液2 mLに水18 mLを加えたもの。 

2) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(インドフェノール青法用)[EDTA2Na溶液(イ

ンドフェノール青法用)] JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gを水60 mLに溶かす。これ

にJIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物5 gを加えて溶かし,

水で100 mLにしたもの。 

3) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質

量分率5 %〜12 %)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約1 %になるように水でう

すめたもの。冷暗所に保存し,30日以内に使用する。 

なお,有効塩素の定量は,次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %〜12 %)10 gを

0.1 mgの桁まではかりとり,全量フラスコ200 mLに移し,水を標線まで加えて混合する。その20 mL

を共通すり合わせ三角フラスコ300 mLに正確にとり,水100 mL及びJIS K 8913に規定するよう化

カリウム2 gを加えて溶かした後,速やかに酢酸(1+1)6 mLを加えて栓をして振り混ぜる。約5

分間暗所に放置後,指示薬としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定す

る。 

この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mLを加える。終

点は,液の青が消える点とする。別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。 

次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度は,次の式から求める。 

K 8653:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

200

20

)

(

3

545

003

0

2

1

×

×

×

×

=

m

f

V

V

.

A

ここに, 

A: 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %〜

12 %)の有効塩素濃度(Cl)(質量分率 %) 

V1: 滴定に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体

積(mL) 

V2: 空試験に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の

体積(mL) 

f: 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.003 545 3: 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当する塩

素の質量を示す換算係数(g/mL) 

また,酢酸(1+1),でんぷん溶液及び0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液を調製する場合は,次

による。 

− 酢酸(1+1)の調製は,JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。 

− でんぷん溶液の調製は,JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gをはかりと

り,水10 mLを加えてかき混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した

後に冷却する。冷所に保存し,10日以内に使用する。 

− 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物

及びJIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム又はJIS K 8051に規定する3-メチル-1-ブタノールを

用い,JIS K 8001のJA.6.4 t) 2)(0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液)に従って調製,標定及び計

算する。 

4) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム30.9 gを水に溶かして

100 mLにしたもの。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。 

5) ナトリウムフェノキシド溶液 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)18 mLをビーカー200 mLにとる。

冷水中で冷却しながらJIS K 8798に規定するフェノール12.6 gを少量ずつ加えた後,更にJIS K 

8034に規定するアセトン4 mLを加え,水で100 mLにしたもの。使用時に調製する。 

6) 窒素標準液(N:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,窒素標準液(N:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8548に規定する硝酸カリウム7.22 

gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この

液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。 

2) 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

3) 沸騰石 液体を沸騰させるとき突沸を防ぐために入れる多孔質の小片。 

4) 恒温水槽 20 ℃〜25 ℃に調節できるもの。 

5) 蒸留装置 例を図1に示す。 

6) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A: 

B: 
C: 

D: 

E: 

F: 

G: 
H: 

I: 

J: 

K: 

L: 

蒸留フラスコ 
連結導入管 
すり合わせコックK-16 
注入漏斗 
ケルダール形トラップ球(E':小孔) 
球管冷却器 
逆流止め(約50 mL) 
受器(有栓形メスシリンダー100 mL) 
共通すり合わせ 
共通テーパー球面すり合わせ 
押さえばね 
ヒーター 

図1−蒸留装置の例 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,蒸留フラスコAに試料2.0 gをはかりとり,水を加えて140 mLにする。 

2) 比較溶液の調製は,蒸留フラスコAに試料1.0 gをはかりとり,窒素標準液(N:0.01 mg/mL)3.0 mL

を加え,水を加えて140 mLにする。 

3) 空試験溶液の調製は,蒸留フラスコAに試料1.0 gをはかりとり,水を加えて140 mLにする。 

4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に沸騰石2,3個を入れる。受器Hに吸収液20 mLを入れ,逆

流止めGの先端を浸し,蒸留装置に連結する。これに水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)19 mLを注

入漏斗Dから加える。注入漏斗Dを水10 mLで洗い,すり合わせコックCを閉じる。加熱して蒸

留し,初留約75 mLをとり,水を加えて100 mLにする(試料溶液から得られた液をX液,比較溶

液から得られた液をY液及び空試験溶液から得られた液をZ液とする。)。 

5) X液10 mL,Y液10 mL及びZ液10 mLをそれぞれ共通すり合わせ平底試験管にとり,EDTA2Na

溶液(インドフェノール青法用)1 mL及びナトリウムフェノキシド溶液4 mLを加えてよく振り混

ぜる。これらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %)2.5 mLを加え,更に水を加

えて25 mLにし,20 ℃〜25 ℃の恒温水槽で15分間放置する。 

6) X液及びY液から得られた液は,Z液から得られた液を対照液とし,吸収セルを用いて,分光光度

計で波長630 nmにおける吸光度をJIS K 0115の6.(特定波長における吸収の測定)によって測定

し,比較する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 判定 c)によって操作し,X液から得られた液の吸光度が,Y液から得られた液の吸光度より大きく

ないとき,“窒素化合物(Nとして):質量分率0.003 %以下(規格値)”とする。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“デバルダ合金”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 内容量 

e) 製造番号 

f) 

製造業者名又はその略号