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K 8586:2011  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 3 

6 試験方法 ························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 純度(C6H7NO3S) ········································································································· 3 

6.3 炭酸ナトリウム溶液溶状 ································································································· 5 

6.4 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 6 

6.5 塩化物(Cl) ················································································································ 6 

6.6 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 6 

6.7 亜硝酸塩(NO2) ··········································································································· 7 

7 容器······························································································································· 8 

8 表示······························································································································· 8 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬

協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8586:1992は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成23年12月21日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS

マーク表示認証において,JIS K 8586:1992によることができる。 

また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

日本産業規格          JIS 

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スルファニル酸(試薬) 

Sulfanilic acid(Reagent) 

C6H7NO3S  FW:173.19 

序文 

この規格は,1950年に制定され,その後5回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1992年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるスルファニル酸1) について規定する。 

注1) 別名 p-アミノベンゼンスルホン酸又は4-アミノベンゼンスルホン酸 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 1107 窒素 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8013 亜鉛粉末(試薬) 

JIS K 8019 亜硝酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8197 N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

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JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬) 

JIS K 8842 ブロモチモールブルー(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

スルファニル酸は,白からうすい紅色(又はうすい褐色)の結晶性粉末で,水に溶けにくく,エタノー

ル及びジエチルエーテルにほとんど溶けない。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数2 881 cm−1,2 648 cm−1,1 601 cm−1,

1 499 cm−1,1 246 cm−1,1 160 cm−1,1 124 cm−1,1 036 cm−1,1 010 cm−1,687 cm−1及び560 cm−1付近に

主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製はJIS K 0117の5.3(粉体)のa)(錠剤法)による。錠剤

の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。 

background image

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図1−赤外吸収スペクトルの例 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(C6H7NO3S) 

質量分率 % 

99.0以上 

6.2 

炭酸ナトリウム溶液溶状 

質量分率 % 

試験適合 

6.3 

強熱残分(硫酸塩) 

質量分率 % 

0.02以下 

6.4 

塩化物(Cl) 

質量分率 % 

0.002以下 

6.5 

硫酸塩(SO4) 

質量分率 % 

0.005以下 

6.6 

亜硝酸塩(NO2) 

質量分率 ppm 

0.5以下 

6.7 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(C6H7NO3S) 

純度(C6H7NO3S)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの。 

2) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水に溶かして100 ml

にする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。 

3) 二酸化炭素を除いた水 次の3.1)〜3.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。 

3.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

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ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ

ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却

したもの。 

3.2) 水をフラスコに入れ,水の中にJIS K 1107に規定する窒素を15分間以上通じたもの。 

3.3) 水から二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて二酸化炭素を除いたもの。 

3.4) 新鮮な18 MΩ・cm以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立

てないように採取したもの。 

4) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをJIS K 8102に規

定するエタノール(95)90 mlに溶かし,水で100 mlにする。 

5) ブロモチモールブル一溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをエタノール(95)

50 mlに溶かし,水で100 mlにする。 

6) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/l) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及

び計算は,次による。 

6.1) 調製 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム165 gをポリエチレン製などの気密容器500 mlに

はかりとり,二酸化炭素を除いた水150 mlを加えて溶かした後,二酸化炭素を遮り4〜5日間放置

する。その上澄み液54 mlをポリエチレン製などの気密容器1 000 mlにとり,二酸化炭素を除い

た水を加えて1 000 mlとし,混合した後,ソーダ石灰管を付けて保存する。 

6.2) 標定 標定は,認証標準物質2)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を用

い,次のとおり行う。 

6.2.1) 認証標準物質2)のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

6.2.2) 容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いた後,上口デ

シケーター(減圧デシケーター)に入れ,上口デシケーター内圧2.0 kPa以下で約48時間乾燥す

る。 

6.2.3) 認証標準物質2)又は容量分析用標準物質のアミド硫酸2.4〜2.6 gを0.1 mgの桁まではかりコニカ

ルビーカー100 mlに移し,水25 mlを加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモールブルー溶

液数滴を加え,6.1)で調製した液で滴定する。終点は,液の色が黄から青みの緑になる点とする。 

注2) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際単

位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物質を

入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,その説

明書に従って使用する。 

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総

合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標

準物質生産者がある。 

6.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

09

097

.0

A

V

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとったアミド硫酸の質量(g) 

A: アミド硫酸の純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml) 

0.097 09: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当するアミド硫

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酸の質量(g) 

b) 操作 操作は,次のとおり行う。 

試料5 gを共通すり合わせ三角フラスコ200 mlに0.1 mgの桁まではかりとり,水100 mlを加えて

混合する(懸濁状態にある)。これに指示薬としてフェノールフタレイン溶液5滴を加えて振り混ぜた

後,1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液のうすい紅色が30秒間持続する点とする。 

c) 計算 純度(C6H7NO3S)は,次の式によって算出する。 

100

19

173

.0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに, 

A: 純度(C6H7NO3S)(質量分率 %) 

V: 滴定に要した1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml) 

f: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.173 19: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当するC6H7NO3S

の質量(g) 

6.3 

炭酸ナトリウム溶液溶状 

炭酸ナトリウム溶液溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合す

る。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス

製瓶に保存する。 

3) 炭酸ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム10 gを水に溶かして100 ml

にする。 

4) 塩化物標準液 

4.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

4.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 3)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”

という。)。 

4.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の

認証標準液など”という。)。 

4.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。 

注3) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

4.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準(“ほとんど澄明”)は,次による。 

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.5 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水10 ml,硝酸(1+2)

1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから15分間放置

する。 

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c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 例として,容量50 ml,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)

10 mlを加えて溶かし,水で20 mlにする。 

2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb) と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通す

り合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。 

e) 判定 d) によって操作し,次の1) 及び2) に適合するとき,“炭酸ナトリウム溶液溶状:試験適合”

とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。 

6.4 

強熱残分(硫酸塩) 

強熱残分(硫酸塩)は,JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。この場

合,試料5 gをとり,残分は0.1 mgの桁まではかる。JIS K 8951に規定する硫酸を2 ml用い,強熱温度は,

600±50 ℃とする。 

6.5 

塩化物(Cl) 

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1) による。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/l) 6.3 a) 2) による。 

3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 6.3 a) 4.2) による。 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。 

2) ろ紙(5種C) JIS P 3801に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gをビーカー200 mlなどにとり,水70 mlを加えて1分間煮沸した後,

10 ℃以下に冷却し,水で100 mlにする。これを,ろ紙(5種C)を用いてろ過し,初めのろ液40 ml

は捨て,次のろ液を共通すり合わせ平底試験管にとる(A液)(A液は,6.6の試験にも用いる。)。

A液20 ml(試料量1.0 g)を共通すり合わせ平底試験管にとる。 

2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)2.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水

を加えて20 mlにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加えて振り混ぜた後,

15分間放置する。 

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管

の上方又は側方から観察して濁りを比較する。 

d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.002 %以下(規格値)”とす

る。 

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。 

6.6 

硫酸塩(SO4) 

硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。 

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a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) 塩化バリウム溶液(100 g/l) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして

100 mlにする。 

3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。 

4) 硫酸塩標準液 

4.1) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

4.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 4.1.1) に準じる。 

4.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 4.1.2) に準じる。 

4.1.3) JIS K 8962に規定する硫酸カリウム1.81 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。 

4.2) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,6.5 c) 1) のA液20 ml(試料量1.0 g)及び塩酸(2+1)0.3 mlを共通すり合わ

せ平底試験管にとり,水を加えて25 mlにする。 

2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)5.0 ml及び塩酸(2+1)0.3 mlを共通すり合

わせ平底試験管にとり,水を加えて25 mlにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 ml及び塩化バリウム溶液(100 g/l)2 mlを加えて振

り混ぜた後,1時間放置する。 

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管

の上方又は側面から観察して濁りを比較する。 

d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“硫酸塩(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”と

する。 

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。 

6.7 

亜硝酸塩(NO2) 

亜硝酸塩(NO2)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 酢酸(1+2) JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積2とを混合する。 

2) スルファニル酸-N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩溶液 この規格に規定するスルファニル

酸0.5 gに酢酸(1+2)150 mlを加えて溶かす(B液)。JIS K 8197に規定するN-1-ナフチルエチレ

ンジアミン二塩酸塩0.1 gに酢酸(1+2)150 mlを加え,加熱して溶かす(C液)。B液及びC液を

等量混合して用いる。もし,混合液が着色するときは,JIS K 8013に規定する亜鉛粉末を加えて振

り混ぜ,脱色して用いる。使用時に調製する。 

3) 亜硝酸塩標準液 

3.1) 亜硝酸塩標準液(NO2:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

3.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 4.1.1) に準じる。 

3.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 4.1.2) に準じる。 

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3.1.3) JIS K 8019に規定する亜硝酸ナトリウム1.50 g(質量分率100 %としての相当量)を全量フラス

コ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。 

3.2) 亜硝酸塩標準液(NO2:0.01 mg/ml) 亜硝酸塩標準液(NO2:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 

mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。 

3.3) 亜硝酸塩標準液(NO2:0.001 mg/ml) 亜硝酸塩標準液(NO2:0.01 mg/ml)100 mlを全量フラス

コ1 000 mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

共通すり合わせ平底試験管 例として,容量100 mlで目盛のあるもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gをビーカー200 mlなどにとり,水90 mlを加えて25〜30 ℃に温めて

溶かし,共通すり合わせ平底試験管100 mlに移し,水を標線まで加えて混合する(D液)。D液70 ml

(試料量0.7 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,水で100 mlにする。 

2) 比較溶液の調製は,D液20 ml(試料量0.2 g)を共通すり合わせ平底試験管100 mlにとり,亜硝酸

塩標準液(NO2:0.001 mg/ml)0.25 ml及び水を標線まで加えて混合する。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,スルファニル酸-N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩溶液5 mlを加え

て10分間放置する。 

4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を上方又は側面から観察して

赤を比較する。 

d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“亜硝酸塩(NO2):質量分率0.5 ppm以下(規格値)”

とする。 

試料溶液から得られた液の紅色は,比較溶液から得られた液の赤より濃くない。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本産業規格番号 

b) 名称 “スルファニル酸”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号