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日本工業規格

JIS

 K

8561

-1994

硝酸トリウム四水和物(試薬)

Thorium nitrate tetrahydrate

Th (NO

3

)

4

.4H

2

O

FW : 552.12

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いる硝酸トリウム四水和物について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8007

  高純度試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級

4.

性質  硝酸トリウム四水和物は,次の性質を示す。

(1)

性状  硝酸トリウム四水和物は,白い結晶又は結晶性粉末で潮解性があり,水及びエタノールに極め

て溶けやすく,ジエチルエーテルに溶けやすい。

(2)

定性方法

(a)

試料 1g に水 20ml を加えて溶かす(A 液)

。A 液 10ml に硫酸 10ml を加え冷却した後,硫酸鉄 (II) 溶

液 (100g/l) 10ml を積層させると,二つの液の境界面に褐色の輪帯が現れる。

(b)  A

液 10ml にしゅう酸溶液 (100g/l) 10ml を加えると,白い沈殿が生じる。

5.

品質  品質は,6.  によって試験し,表 に適合しなければならない。


2

K 8561-1994

表 1  品質

項目

規格値

純度 98.0%以上

水不溶分 0.01%以下 
塩化物 (Cl)

0.002%

以下

硫酸塩 (SO

4

) 0.1%

以下

ナトリウム (Na)

0.001%

以下

カリウム (K)

0.001%

以下

銅 (Cu)

0.001%

以下

亜鉛 (Zn)

0.001%

以下

アルミニウム (Al)

0.01%

以下

チタン (Ti)

0.001%

以下

鉛 (Pb)

0.001%

以下

鉄 (Fe)

0.001%

以下

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

なお,第 1 法及び第 2 法を規定している場合は,いずれかの方法によって行う。

(1)

純度  98.0%以上

(a)

操作:

試料 2.5g(0.1mg のけたまではかる)→全量フラスコ 250ml に入れる→水を標線まで加える(試

料溶液)

ふっ化ナトリウム  [JIS K 8005 2. (10)] 0.50∼0.55g(0.1mg のけたまではかる)→全量フラスコ

250ml

に入れる→水を標線まで加える→その 25ml(正確にとる)+水 75ml+アリザリンレッド S

溶液 1ml

赤が現れる場合→0.1mol/塩酸を用いて中間色(赤みの黄色)まで中和。

黄色が現れる場合→0.1mol/水酸化ナトリウム溶液を塩基性色(赤)になるまで滴加→0.1mol/

酸を用いて中間色(赤みの黄色)まで中和。

+クロロ酢酸緩衝液(

1

)1ml

→試料溶液で滴定(終点は液の色が黄から懸濁したうすい紅色に変わる

点)

(滴定量 aml)

(

1

)

クロロ酢酸緩衝液の調製  クロロ酢酸9.45g+水酸化ナトリウム2.0g(NaOH100%として)+水

(

→100ml)  。

(b)

計算

100

250

250

25

2

3.287

×

×

×

×

×

a

S

C

B

A

ここに,

A

純度  (%)

S

はかりとった試料の質量  (g)

B

はかりとったふっ化ナトリウムの質量  (g)

C

ふっ化ナトリウムの純度  (%)

3.2872

ふっ化ナトリウム 1g の Th  (NO

3

)

4

・4H

2

O

相当量  (g)

(2)

水不溶分  0.01%以下

試料溶液:試料 10g+水 50ml→加熱して溶かす→冷却。

操作:JIS K 8001 の 5.3 (1)(水不溶分)による。残分 1mg 以下。


3

K 8561-1994

(3)

塩化物 (Cl)   0.002%以下

試料側溶液:試料 1.0g+水  (→20ml)  。

標準側溶液:塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 2.0ml+水  (→20ml)  。

操作:JIS K 8001 の 5.7 (1)(比濁法)による。

(4)

硫酸塩 (SO

4

  0.1%以下

試料溶液:試料 2.0g+水 1ml+塩酸 5ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸 5ml→再び水浴上で蒸発乾固+水

100ml

→沸騰するまで加熱+熱しゅう酸溶液  (100g/l)  30ml→18 時間放置→全量フラスコ 200ml に入

れる→標線まで水を入れる→ろ紙(5 種 C)でろ過→ろ液 100ml(正確にとる)

(試料量 1g)塩酸 1ml

→沸騰するまで加熱。

操作:JIS K 8001 の 5.15 (3)(重量法)による。残分 2.5mg 以下。

(5)

ナトリウム (Na)   0.001%以下

(a)

第 

試料側溶液:試料 2.0g+水 50ml→約 60℃で加熱して溶かす+過酸化水素 20ml+アンモニア水で pH3

∼5 に調節→水浴上で 1 時間加熱→冷却→ろ紙

(5 種 C)

でろ過→水で洗う

(ろ液+洗液)

+水  (→100ml)

(X 液)

(6)(9)の第 1 法による試験にも用いる]

標 準 側 溶 液 : 試 料 2.0g+ 水 50ml + ナ ト リ ウ ム 標 準 液  (0.01mgNa/ml) 2.0ml + カ リ ウ ム 標 準 液

(0.01mgK/ml) 2.0ml

+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 2.0ml+亜鉛標準液 (0.01mgZn/ml) 2.0ml+アルミニウム

標準原液 (1mgAl/ml) 0.2ml→約 60℃で加熱して溶かす+過酸化水素 20ml+アンモニア水で pH3∼5 に

調節→水浴上で 1 時間加熱→冷却→ろ紙(5 種 C)でろ過→水で洗う(ろ液+洗液)+水  (→100ml) (Y

液)

(6)(9)の第 1 法による試験にも用いる]

操作:JIS K 8007 の 9. (3)(誘導結合プラズマ発光分光分析法)により測定波長 589.0nm における X

液及び Y 液の発光強度を測定する。

X

液の指示値を n

1

, Y

液の指示値を n

2

とすると,n

1

は n

2

n

1

より大きくない。

(b)

第 

試料側溶液:試料 5g+塩酸 5ml→約 60℃で加熱して溶かす→冷却+水  (→100ml)  (X 液)[(6)(12)

の第 2 法による試験にも用いる]

標 準 側 溶 液 : 試 料 5g+ 塩 酸 5ml + ナ ト リ ウ ム 標 準 液   (0.01mgNa/ml)  5.0ml + カ リ ウ ム 標 準 液

(0.01mgK/ml) 5.0ml

+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 5.0m1+亜鉛標準液 (0.01mgZn/ml) 5.0ml+アルミニウム

標準原液 (1mgAl/ml) 0.50ml+チタン標準液 (0.01mgTi/ml) (

2

)

5.0ml

+鉛標準液 (0.01mgPb/ml) 5.0ml+

鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 5.0ml→約 60℃で加熱して溶かす→冷却+水  (→100ml)  (Y 液)

(6)(12)

第 2 法による試験にも用いる]

操作:JIS K 8001 の 5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。波長 589.0nm。

(

2

)

  JIS K 8001

4.3(標準液)(1)(一般用)による。

(6)

カリウム (K)  0.001%以下

(a)

第 

試料側溶液:(5)の第 1 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 1 法の Y 液。

操作: JIS K 8007 の 9. (3)により測定波長 766.5nm における X 液及び Y 液の発光強度を測定する。

X

液の指示値を n

1

,Y 液の指示値を n

2

とすると,n

1

は n

2

n

1

より大きくない。

(b)

第 


4

K 8561-1994

試料側溶液:(5)の第 2 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 2 法の Y 液。

操作: JIS K 8001 の 5.31 (1)(d)による。測定波長 766.5nm。

(7)

 (Cu)   0.001%以下

(a)

第 

試料側溶液:(5)の第 1 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 1 法の Y 液。

操作:JIS K 8007 の 9. (3)により測定波長 324.7nm における X 液及び Y 液の発光強度を測定する。

X

液の指示値を n

1

,Y 液の指示値を n

2

とすると,n

1

は n

2

n

1

より大きくない。

(b)

第 

試料側溶液:(5)の第 2 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 2 法の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31 (1)(d)による。測定波長 324.7nm。

(8)

亜鉛 (Zn)   0.001%以下

(a)

第 

試料側溶液:(5)の第 1 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 1 法の Y 液。

操作: JIS K 8007 の 9. (3)により測定波長 641.6nm における X 液及び Y 液の発光強度を測定する。

X

液の指示値を n

1

,Y 液の指示値を n

2

とすると,n

1

は n

2

n

1

より大きくない。

(b)

第 

試料側溶液:(5)の第 2 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 2 法の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31 (1)(d)による。測定波長 213.9nm。

(9)

アルミニウム (Al)   0.01%以下

(a)

第 

試料側溶液:(5)の第 1 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 1 法の Y 液。

操作:JIS K 8007 の 9. (3)により測定波長 396.2nm における X 液及び Y 液の発光強度を測定する。

X

液の指示値を n

1

,Y 液の指示値を n

2

とすると,n

1

は n

2

n

1

より大きくない。

(b)

第 

試料側溶液:(5)の第 2 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 2 法の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31 (1)(d)による。この場合アセチレン-一酸化二窒素フレームを用い,測定波長

309.3nm

(10)

チタン (Ti)   0.001%以下

(a)

第 

試料側溶液:試料 2.0g+水 20ml→約 60℃で加熱して溶かす+塩酸 6ml+硝酸 2ml→水浴上で加熱+ふ

っ化カリウム溶液 (100g/1) 20ml→冷却→ろ紙(5 種 C)でろ過→水で洗う(ろ液+洗液)±水  (→100ml)

(X 液)

(11)及び(12)の第 1 法による試験にも用いる]

標準側溶液:試料 2.0g+水 20ml+チタン標準液 (0.01mgTi/ml) (

2

2.0ml

+鉛標準液 (0.01mgPb/ml) 2.0ml


5

K 8561-1994

+鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 2.0ml→約 60℃で加熱して溶かす+塩酸 6ml+硝酸 2ml→水浴上で加熱+ふ

っ化カリウム溶液 (100g/1) 20ml→冷却→ろ紙(5 種 C)でろ過→水で洗う(ろ液+洗液)+水  (→100ml)

(Y 液)

(11)及び(12)の第 1 法による試験にも用いる]

操作:JIS K 8007 の 9. (3)により測定波長 337.3nm における X 液及び Y 液の発光強度を測定する。

X

液の指示値を n

1

,Y 液の指示値を n

2

とすると,n

1

は n

2

n

1

より大きくない。

(b)

第 

試料側溶液:(5)の第 2 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 2 法の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31 (1)(d)による。この場合,アセチレン-一酸化二窒素フレームを用い,測定波

長 364.3nm。

(11)

 (Pb)   0.001%以下

(a)

第 

試料側溶液:(10)の第 1 法の X 液。

標準側溶液:(10)の第 1 法の Y 液。

操作:JIS K 8007 の 9. (3)により測定波長 661.1nm における X 液及び Y 液の発光強度を測定する。

X

液の指示値を n

1

,Y 液の指示値を n

2

とすると,n

1

は n

2

n

1

より大きくない。

(b)

第 

試料側溶液:(5)の第 2 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 2 法の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31 (1)(d)による。測定波長 283.3nm。

(12)

 (Fe)   0.001%以下

(a)

第 

試料側溶液:(10)の第 1 法の X 液。

標準側溶液:(10)の第 1 法の Y 液。

操作:JIS K 8007 の 9. (3)により測定波長 519.9nm における X 液及び Y 液の発光強度を測定する。

X

液の指示値を n

1

,Y 液の指示値を n

2

とすると,n

1

は n

2

n

1

より大きくない。

(b)

第 

試料側溶液:(5)の第 2 法の X 液。

標準側溶液:(5)の第 2 法の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31 (1)(d)による。測定波長 248.3nm。

7.

容器  気密容器とする。

8.

表示  容器には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称“硝酸トリウム四水和物”及び“試薬”の文字。

(2)

種類

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号


6

K 8561-1994

(7)

製造年月又はその略号

(8)

製造業者名又はその略号

参考  取扱い上の注意事項  硝酸トリウムは放射性物質なので,取扱い後は手洗い及びうがいを十分

にする。

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

久保田  正  明

物質工学工業技術研究所計測化学部

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

津  田      博

通商産業省機械情報産業局計量行政室

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

喜多川      忍

通商産業検査所化学部標準課

野々村      誠

都立工業技術センター無機化学部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

石  橋  無味男

厚生省国立衛生試験所

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

柳  瀬  斉  彦

社団法人日本化学工業協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

鶴  田  利  行

硫酸協会

中  村      靖

日本鉱業協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

日  暮  喜八郎

第一化学薬品株式会社

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社

中  村      穣

森田化学工業株式会社

山  岡      宏

片山化学工業株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

山  田  和  夫

関東化学株式会社

(事務局)

平  井  信  次

日本試薬連合会