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日本工業規格

JIS

 K

8559

-1994

硝酸鉄 (III) 九水和物(試薬)

Iron (III) nitrate enneahydrate

Fe (NO

3

)

3

・9H

2

O

FW : 404.00

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いる硝酸鉄 (III) 九水和物について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級

4.

性質  硝酸鉄 (III) 九水和物は,次の性質を示す。

(1)

性状  硝酸鉄 (III) 九水和物は,うすい紫の結晶で潮解性があり,空気中で褐色に変わる。水及びエ

タノールに極めて溶けやすい。

(2)

定性方法

(a)

試料 1g に水 200ml を加えて溶かす

(A 液)

A

液 10ml に硫酸 5ml を加えた後,

硫酸鉄 (II) 溶液 (100g/l)

2ml

を積層させると,二つの液の境界面に褐色の輪帯が生じる。

(b)  A

液 10ml に塩酸 (1+3) 1ml を加え,ヘキサシアノ鉄 (II) 酸カリウム溶液 (10g/l) 1ml を加えると,

濃い青の沈殿が生じる。

5.

品質  品質は,6.によって試験し,表 に適合しなければならない。


2

K 8559-1994

表 1  品質

項目

規格値

純度 99.0%以上

水溶状

試験適合

塩化物 (Cl)

0.001%

以下

りん酸塩 (PO4)

0.005%

以下

硫酸塩 (SO4)

0.005%

以下

ナトリウム (Na)

0.005%

以下

カリウム (K)

0.005%

以下

銅 (Cu)

0.001%

以下

マグネシウム (Mg)

0.005%

以下

カルシウム (Ca)

0.005%

以下

亜鉛 (Zn)

0.002%

以下

鉛 (Pb)

0.001%

以下

ひ素 (As)

2ppm

以下

マンガン (Mn)

0.001%

以下

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

純度  99.0%以上

試料 1g(0.1mg のけたまではかる)→共通すり合わせ三角フラスコ 300ml にとる+水 50ml+塩酸 (2

+1) 10ml+よう化カリウム 3g→直ちに栓をして 30 分間暗所に放置+水 100ml→0.1mol/チオ硫酸ナト

リウム溶液で滴定(指示薬:でんぷん溶液)

  別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液 1ml は,0.04040gFe (NO

3

)

3

・9H

2

O

に相当する。

(2)

水溶状

試料 2g+水  (→20ml)……澄明。

(3)

塩化物 (Cl)    0.001%以下

試料側溶液:試料 3g+水  (→45ml)+硝酸 (1+2) 15ml(B 液)。

B

液 20ml(試料量 1g)

標準側溶液:B 液 20ml+硝酸銀溶液 (20g/l) 1ml→水浴中で 10 分間加熱→冷却→洗浄ろ紙(5 種 C)を

用いてろ過→水 5ml で洗う→(ろ液+洗液)

操作:JIS K 8001 の 5.7(2)[比濁法(着色試料の場合)](c)による。この場合,塩化物標準液 (0.01mgCl/ml)

1.0ml

を用いる。

(4)

りん酸塩 (PO

4

)

  0.005%以下

試料側溶液:試料 2.0g+水 10ml+塩酸 (2+1) 30ml→水浴上で蒸発乾固+水 10ml+塩酸 (2+1) 30ml

→分液漏斗にとる+“4-メチル-2-ペンタノン 20ml→振り混ぜる→放置→4-メチル-2-ペンタノン層を除

く”

(4 回行う)→水層→水浴上で蒸発乾固+水  (→20ml)(C 液)

。C 液 5ml(試料量 0.5g)+硫酸 (1

+5) 1ml+水  (→30ml)  。

標準側溶液:4-メチル-2-ペンタノン 20ml+塩酸 (2+1) 15ml→水浴上で蒸発乾固+りん酸塩標準液

(0.01mgPO

4

/ml) 2.5ml

+硫酸 (1+5) 1ml+水  (→30ml)  。

操作:JIS K 8001 の 5.13(2)(抽出比色法)(c)による。

(5)

硫酸塩 (SO

4

  0.005%以下


3

K 8559-1994

試料側溶液:試料 10g+水 50ml→沸騰するまで加熱→アンモニア水 (1+1) 100ml 中に注ぐ→冷却+水

(

→200ml)  →洗浄ろ紙(5 種 C)を用いてろ過→ろ液(D 液)

。D 液 40ml(試料量 2g)+炭酸ナトリウ

ム溶液 (100g/l) 5ml→水浴上で蒸発乾固→徐々に弱く加熱(アンモニウム塩を除く)→冷却+水 10ml

+塩酸 (2+1) 3ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→25ml)  。

標準側溶液:アンモニア水 (1+1) 20ml→水浴上で蒸発乾固+炭酸ナトリウム溶液 (100g/l) 5ml+塩酸

(2

+1) 3ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 0.3ml+硫酸塩標準液 (0.01mgSO

4

/ml) 10ml

+水  (→

25ml)

操作:JIS K 8001 の 5.15(1)(比濁法)(c)による。

(6)

ナトリウム (Na)    0.005%以下

試料側溶液:試料 1.0g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+水  (→100ml)  (X 液)[(7)(9)(11)及び(14)の試

験にも用いる]

標準側溶液:試料 1.0g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+ナトリウム標準液 (0.01mgNa/ml) 5.0ml+カリウ

ム標準液 (0.01mgK/ml) 5.0ml+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 1.0ml+マグネシウム標準液 (0.01mgMg/ml)

5.0ml

+亜鉛標準液 (0.01mgZn/ml) 2.0ml+マンガン標準液 (0.01mgMn/ml) 1.0ml+水  (→100ml)  (Y

液)

(7)(9)(11)及び(14)の試験にも用いる]

操作:JIS K 8001 の 5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長 589.0nm。

(7)

カリウム (K)   0.005%以下

試料側溶液:(6)の X 液。

標準側溶液:(6)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 766.5nm。

(8)

 (Cu)   0.001%以下

試料側溶液:(6)の X 液。

標準側溶液:(6)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 324.7nm。

(9)

マグネシウム (Mg)   0.005%以下

試料側溶液:(6)の X 液。

標準側溶液:(6)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 285.2nm。

(10)

カルシウム (Ca)   0.005%以下

試料側溶液:試料 10g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+水  (→100ml)  (X 液)[(12)の試験にも用いる]。

標準側溶液:試料 10g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+カルシウム標準液 (0.1mgCa/ml) 5.0ml+鉛標準液

(0.01mgPb/ml) 10ml

+水  (→l00ml)  (Y 液)

(12)の試験にも用いる]

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 422.7nm。

(11)

亜鉛 (Zn)   0.002%以下

試料側溶液:(6)の X 液。

標準側溶液:(6)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 213.9nm。

(12)

 (Pb)    0.001%以下

試料側溶液:(10)の X 液。

標準側溶液:(10)の Y 液。


4

K 8559-1994

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 283.3nm。

(13)

ひ素 (As)   2ppm 以下

試料側溶液:試料 0-5g→水素化ひ素発生瓶 100ml に入れる+水 10ml+塩酸(ひ素分析用) (1+1) 5ml

+塩化すず (II) 溶液(ひ素限度内試験用)

[硝酸鉄 (III) の黄色が消えるまで]+水  (→40ml)  。

標準側溶液:塩酸(ひ素分析用) (1+1) 5ml→水素化ひ素発生瓶 100ml に入れる+塩化すず (II) 溶液

(ひ素限度内試験用)

(試料側で加えた量)+ひ素標準液 (0.001mgAs/ml) 1.0ml+水  (→40ml)  。

操作:JIS K 8001 の 5.19(3)(AgDDTC 法)(e)による。ただし,塩酸(ひ素分析用) (1+1) 5ml は加

えない。

(14)

マンガン (Mn)   0.001%以下

試料側溶液:(6)の X 液。

標準側溶液:(6)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 279.5nm。

7.

容器  気密容器とする。

8.

表示  容器には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称“硝酸鉄 (III) 九水和物”及び“試薬”の文字。

(2)

種類

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号

(7)

製造年月又はその略号

(8)

製造業者名又はその略号


5

K 8559-1994

原案作成委員会構成表

氏名

所属

(委員長)

久保田  正  明

物質工学工業技術研究所計測化学部

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

津  田      博

通商産業省機械情報産業局計量行政室

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

喜多川      忍

通商産業検査所化学部化学標準課

野々村      誠

都立工業技術センター無機化学部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

石  橋  無味男

厚生省国立衛生試験所

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

柳  瀬  斉  彦

社団法人日本化学工業協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

並  木      昭

社団法人化学品検査協会

鶴  田  利  行

硫酸協会

中  村      靖

日本鉱業協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

日  暮  喜八郎

第一化学薬品株式会社

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社

中  村      穣

森田化成工業株式会社

山  岡      宏

片山化学工業株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

山  田  和  夫

関東化学株式会社

(事務局)

平  井  信  次

日本試薬連合会