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K 8491

:2013

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  種類 

2

4

  性質 

2

4.1

  性状  

2

4.2

  定性方法  

2

5

  品質 

3

6

  試験方法  

3

6.1

  一般事項  

3

6.2

  エタノール溶状  

3

6.3

  融点  

4

6.4

  強熱残分(硫酸塩)  

4

6.5

  鋭敏度  

4

7

  容器 

6

8

  表示 

6

9

  保存方法  

6


K 8491

:2013

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8491:1996 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 25 年 6 月 20 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS マ

ーク表示認証において,JIS K 8491:1996 によることができる。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 K

8491

:2013

2,6-

ジブロモ-N-クロロ-p-ベンゾキノンモノイミン

(試薬)

2,6-Dibromo-N-chloro-p-benzoquinone monoimine (Reagent)

C

6

H

2

Br

2

ClNO    FW:299.35

序文 

この規格は,1955 年に制定され,その後 5 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1996 年に

行われたが,その後の試験・研究開発の進歩などに対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,試薬として用いる 2,6-ジブロモ-N-クロロ-p-ベンゾキノンモノイミン

1)

 について規定する。

1)

  別名:2,6-ジブロモキノンクロロイミド

警告 2,6-ジブロモ-N-クロロ-p-ベンゾキノンモノイミンは,加熱すると,毒性を有するガス(一酸化

炭素,二酸化炭素,窒素酸化物,塩化水素,臭化水素など)が発生するおそれがあるため,加

熱を行う場合は,局所排気装置の下又はドラフト内で行う。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0064

  化学製品の融点及び溶融範囲測定方法

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 1107

  窒素

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8101

  エタノール(99.5)

(試薬)

JIS K 8102

  エタノール(95)

(試薬)


2

K 8491

:2013

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8603

  ソーダ石灰(試薬)

JIS K 8798

  フェノール(試薬)

JIS K 8842

  ブロモチモールブルー(試薬)

JIS K 8866

  四ほう酸ナトリウム十水和物(試薬)

種類 

種類は,特級とする。

性質 

4.1 

性状 

2,6-ジブロモ-N-クロロ-p-ベンゾキノンモノイミンは,黄色から黄褐色の結晶性粉末で,エタノールにや

や溶けやすく,水にほとんど溶けない。水酸化ナトリウム溶液に溶ける。

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 に従って測定すると,波数 3 039 cm

1

,1 664 cm

1

,1 557 cm

1

1 278 cm

1

,1 010 cm

1

,916 cm

1

,747 cm

1

,703 cm

1

及び 591 cm

1

付近に主な吸収ピークを認める。試

料調製を JIS K 0117 の 5.3 a)(錠剤法)によって行い,錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸

収スペクトルの例を

図 に示す。

図 1−赤外吸収スペクトルの例


3

K 8491

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品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質

項目

規格値

試験方法

エタノール溶状

試験適合

6.2 

融点

℃ 81∼84

6.3 

強熱残分(硫酸塩)

質量分率 %

0.1 以下

6.4 

鋭敏度

試験適合

6.5 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2 

エタノール溶状 

エタノール溶状の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

エタノール(99.5)  JIS K 8101 に規定するもの。

2)

硝酸(12)  JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 60∼61 %)の体積 1 と水の体積 2 とを混合す

る。

3)

硝酸銀溶液(20 g/l)  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 2 g を水に溶かして 100 ml にする。褐色ガラス

製瓶に保存する。

4)

塩化物標準液

4.1)

塩化物標準液(Cl1 mg/ml)  次のいずれかのものを用いる。

4.1.1)

計量標準供給制度[JCSS

2)

]に基づく標準液は,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。

4.1.2) JCSS

以外の認証標準液は,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS 以外

の認証標準液がない場合は,市販の標準液を用いる。

4.1.3)  JIS K 8150

に規定する塩化ナトリウム 1.65 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,

水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。

2)

 JCSS は,Japan Calibration Service System の略称である。

4.2)

塩化物標準液(Cl0.01 mg/ml)  塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に

正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。

b)

濁りの程度の適合限度標準  濁りの程度の適合限度標準(“澄明”)は,次による。

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 ml を共通すり合わせ平底試験管にとり,水 10 ml,硝酸(1+2)

1 ml 及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加え,更に水を加えて 20 ml とし,振り混ぜてから 15 分間放置

する。

c)

器具  主な器具は,次のものを用いる。

共通すり合わせ平底試験管  濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量 50 ml,直径約 23 mm のもの。

d)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 0.1 g を共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,エタノール(99.5)を加

えて溶かし,エタノール(99.5)で 20 ml とする。


4

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2)

直後に,濁りの程度を b)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通すり合わせ平底

試験管の上方又は側面から観察する。

e)

判定  d)によって操作し,次の 1)及び 2)に適合するとき,“エタノール溶状:試験適合”とする。

1)

試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。

2)

試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物はほとんど認めない。

6.3 

融点 

融点の試験方法は,JIS K 0064 による。

6.4 

強熱残分(硫酸塩) 

強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067 の 4.4.4

4

(第 4 法  硫酸塩として強熱する方法)によ

る。この場合,試料 1.0 g をはかりとり,残分は 0.1 mg の桁まではかる。

6.5 

鋭敏度 

鋭敏度の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

エタノール(99.5)  6.2 a) 1)による。

2)

ソーダ石灰  JIS K 8603 に規定する。

3)

水酸化カリウム溶液(250 g/l)  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 29.4 g を水に溶かして 100 ml

にする(必要な場合に用いる。

。ポリエチレン製瓶などに保存する。

4)

二酸化炭素を除いた水  次の 4.1)4.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。

4.1)

水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから 5 分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ

ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却

したもの。

4.2)

水をフラスコに入れ,水の中に JIS K 1107 に規定する窒素を 15 分間以上通じたもの。

4.3)

二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて水から二酸化炭素を除いたもの。

4.4) 18

MΩ・cm 以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取したも

の。ただし,採水後速やかに用いる。

5)

ブロモチモールブルー溶液  JIS K 8842 に規定するブロモチモールブルー0.10 g を JIS K 8102 に規

定するエタノール(95)50 ml に溶かし,水で 100 ml にする。褐色ガラス製瓶に保存する。

6)

四ほう酸ナトリウム−1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8866 に規定する四ほう酸ナトリウム

十水和物 2.84 g に水 80 ml を加え,水浴中又は加熱で溶かした後,冷却し,1 mol/l  水酸化ナトリウ

ム溶液 8.2 ml を加え,水で 100 ml とする。

6.1)  1 mol/l 

水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/l) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及

び計算は,次による。

注記 1

mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び計算は,JIS K 8001 の JA.5.2(滴定用溶

液の調製,標定及び計算)r) 1)と同じである。

6.1.1)

調製  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 165 g をポリエチレン製気密容器 500 ml にはかり

とり,

二酸化炭素を除いた水 150 ml を加えて溶かした後,

二酸化炭素を遮り 4∼5 日間放置する。

その上澄み液 54 ml をポリエチレン製気密容器 1 000 ml にとり,二酸化炭素を除いた水を加えて

1 000 ml とし,混合した後,ソーダ石灰管を付けて保存する。


5

K 8491

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6.1.2)

標定  標定は,認証標準物質

3)

 又は JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を

用い,次のとおり行う。

6.1.2.1)

認証標準物質

3)

 のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。

6.1.2.2)

容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いた後,上口

デシケーター(減圧デシケーター)に入れ,上口デシケーター内圧 2.0 kPa 以下で約 48 時間乾

燥する。

6.1.2.3)

認証標準物質

3)

 又は容量分析用標準物質のアミド硫酸 2.4 g∼2.6 g を 0.1 mg の桁まではかりコ

ニカルビーカー100 ml に移し,水 25 ml を加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモールブ

ルー溶液数滴を加え,6.1.1)で調製した液で滴定する。終点は,液の色が黄から青みの緑になる

点とする。

3)

  容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際

単位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物

質を入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,

その説明書に従って使用する。

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準

総合センター(NMIJ)

,米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認

証標準物質生産者がある。

6.1.3)

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

100

09

097

.

0

A

V

m

f

×

×

=

ここに,

f

1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとったアミド硫酸の質量(

g

A

アミド硫酸の純度(質量分率

  %

V

滴定に要した

1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液の体積(

ml

0.097 09

1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液

1 ml

に相当するアミド硫酸

の質量を示す換算係数(

g/ml

7)

フェノール標準液

7.1)

フェノール標準液(C

6

H

5

OH

1 mg/ml

JIS K 8798

に規定するフェノール

1.00 g

を水に溶かして

1 000 ml

にする。使用時に調製する。

7.2)

フェノール標準液(C

6

H

5

OH

0.01 mg/ml

フェノール標準液(

C

6

H

5

OH

1 mg/ml

10 ml

に水を

加えて

1 000 ml

にする。使用時に調製する。

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  6.2 c)による。

c)

操作  操作は,次による。

1)

試料溶液の調製は,試料

0.05 g

を,全量フラスコ

100 ml

にはかりとり,エタノール(

99.5

)を加え

て溶かし,エタノール(

99.5

)を標線まで加えて混合する(

A

液)

2)

共通すり合わせ平底試験管に,フェノール標準液(

C

6

H

5

OH

0.01 mg/ml

1.0 ml

をとり,水を加え

10 ml

とし,四ほう酸ナトリウム−

1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液

0.5 ml

を加え,

A

0.1 ml

を加

えて,

5

分間放置する。

3)

白色の背景を用いて,試料溶液から得られた液の色を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面か

ら観察する。


6

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d)

判定  c)によって操作し,次に適合するとき,“試験適合”とする。

試料溶液から得られた液の色に,青が現れる。

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。

表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称

2,6-

ジブロモ

-N-

クロロ

-p-

ベンゾキノンモノイミン”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

内容量

f)

製造番号

g)

製造業者名又はその略号

保存方法 

この品目は,温度が上昇すると徐々に着色が強くなる。場合によっては急激な分解によって爆発するこ

ともある。製品は,

0

℃から

10

℃の暗所に保存する。

注記

防爆された冷蔵庫などに保存するとよい。