>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 8480

:2015

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  種類 

2

4

  性質 

2

4.1

  性状  

2

4.2

  定性方法  

2

5

  品質 

3

6

  試験方法  

3

6.1

  一般事項  

3

6.2

  硫酸溶状  

3

6.3

  吸光度(5 mg/L)(乾燥後)  

4

6.4

  鋭敏度  

4

7

  容器 

5

8

  表示 

5


K 8480

:2015

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8480:1994 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 27 年 9 月 19 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS マ

ーク表示認証において,JIS K 8480:1994 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 K

8480

:2015

2,4-

ジニトロフェニルヒドラジン(試薬)

2,4-Dinitrophenylhydrazine (Reagent)

C

6

H

6

N

4

O

4

    FW:198.14

適用範囲 

この規格は,試薬として用いる 2,4-ジニトロフェニルヒドラジンについて規定する。

警告 1 2,4-ジニトロフェニルヒドラジンの乾燥したものは,加熱・衝撃又は摩擦によって爆発のお

それがある。また,可燃性であり,燃えると一酸化炭素,二酸化炭素,窒素酸化物などのガ

スが発生する。乾燥する場合は,硫酸又はシリカゲルを乾燥剤としたデシケーターを用い,

乾燥したものは保存してはならない。安全のために,2,4-ジニトロフェニルヒドラジンには,

30 %

∼50 %程度の水を添加している。

含水した 2,4-ジニトロフェニルヒドラジンは,加熱,衝撃,強酸化剤との接触,水の蒸発

などを避け,火気厳禁かつ冷所で保存する。

警告 2  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす

る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので

はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)

,MSDS(化学物質等安全データシ

ート:JIS Z 7250−2012 年に廃止され,JIS Z 7253 に移行。JIS Z 7250:2010 に従ってよい猶

予期間は 2016 年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健康に対する適切な措

置をとらなければならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8102

  エタノール(95)

(試薬)


2

K 8480

:2015

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8777

  ピリジン(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS Z 0701

  包装用シリカゲル乾燥剤

種類 

種類は,特級とする。

性質 

4.1 

性状 

2,4-

ジニトロフェニルヒドラジンは,黄みの赤から黄赤の結晶性粉末で,水に極めて溶けにくく,エタ

ノールに溶けにくい。硫酸(1+1)に溶ける。乾燥した 2,4-ジニトロフェニルヒドラジンは,約 198  ℃で

分解する。

4.2 

定性方法 

デシケーター中で乾燥した試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 に従って測定すると,

波数 3 327 cm

-1

3 087 cm

-1

,1 645 cm

-1

,1 630 cm

-1

,1 572 cm

-1

,1 412 cm

-1

,1 321 cm

-1

,1 280 cm

-1

,1 225 cm

-1

,984 cm

-1

831 cm

-1

,744 cm

-1

,708 cm

-1

,631 cm

-1

及び 532 cm

-1

付近に主な吸収ピークを認められる。試料調製は JIS K 

0117

の 5.3 a)(錠剤法)によって行い,錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの

例を

図 に示す。

図 1−赤外吸収スペクトルの例 


3

K 8480

:2015

品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質 

項目

規格値

試験方法

硫酸溶状

試験適合

6.2 

吸光度(5 mg/L)

(乾燥後) 0.32 以上

6.3 

鋭敏度

試験適合

6.4 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2 

硫酸溶状 

硫酸溶状の試験方法は,次による。

a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

シリカゲル  JIS Z 0701 に規定するもの。

2) 

硝酸(12 JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 60 %∼61 %,特級)の体積 1 と水の体積 2 と

を混合する。

3) 

硝酸銀溶液(20 g/L JIS K 8550 に規定する硝酸銀 2 g を水に溶かして 100 mL にする。溶液は,

褐色ガラス製瓶に保存する。

4) 

硫酸(11)  水の体積 1 を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951 に規定する硫酸の体積 1 を徐々に

加える。

5) 

塩化物標準液 

5.1) 

塩化物標準液(Cl1 mg/mL)  次のいずれかのものを用いる。

5.1.1)

計量標準供給制度[JCSS

1)

]に基づく標準液で,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。

5.1.2) JCSS

以外の認証標準液で,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS 以外

の認証標準液がない場合は,市販の標準液を用いる。

5.1.3)  JIS K 8150

に規定する塩化ナトリウム 1.65 g を全量フラスコ 1 000 mL にはかりとり,水を加え

て溶かし,水を標線まで加えて混合する。

1)

 JCSS

は,Japan Calibration Service System の略称である。

5.2) 

塩化物標準液(Cl0.01 mg/mL)  塩化物標準液(Cl:1 mg/mL)10 mL を全量フラスコ 1 000 mL

に正確にとり,水を標線まで加えて混合する。

b) 

濁りの程度の適合限度標準  濁りの程度の適合限度標準“澄明”は,次による。

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mL を共通すり合わせ平底試験管[c)  参照]にとり,水 10 mL,

硝酸(1+2)1 mL 及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mL を加え,更に水を加えて 20 mL とし,振り混ぜて

から 15 分間放置する。

c) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量 50 mL,直径約 23 mm のもの。

d) 

操作  操作は,次のとおり行う。


4

K 8480

:2015

1)

試料溶液の調製は,シリカゲルを乾燥剤としたデシケーター中で乾燥した試料 0.5 g を共通すり合わ

せ平底試験管にはかりとり,硫酸(1+1)を加えて溶かし,硫酸(1+1)で 20 mL にする。

2)

直後に,試料溶液の濁りの程度を b)  と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通す

り合わせ平底試験管の上方又は側面から観察する。

e) 

判定  d)  によって操作し,次の 1)  及び 2)  に適合するとき,“硫酸溶状:試験適合”とする。

1)

試料溶液の濁りは,b)  の濁りより濃くない。

2)

試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物はほとんど認めない。

6.3 

吸光度(5 mg/L)(乾燥後) 

吸光度(5 mg/L)

(乾燥後)の試験方法は,次による。

a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

シリカゲル  6.2 a) 1)  による。

2) 

メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

3) 1 

mol/L 

塩酸(HCl:36.46 g/L)  JIS K 8180 に規定する塩酸(特級)90 mL をとり,水を加えて 1 000

mL

とし,混合した後,気密容器に入れて保存する。

b) 

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1) 

吸収セル  光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が 10 mm のもの。

2) 

分光光度計  装置の構成は,JIS K 0115 に規定するもの。

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,シリカゲルを乾燥剤としたデシケーター中で 1 夜乾燥(12 時間以上)した試料

0.10 g

を 0.1 mg の桁まではかりとり,全量フラスコ 100 mL に入れ,メタノール 80 mL 及び 1 mol/L

塩酸 10 mL を加えて,振り混ぜて溶かし,メタノールを標線まで加えて混合する。

2)

その 10 mL を全量フラスコ 100 mL に正確にとり,メタノールを標線まで加えて混合し,その 5 mL

を全量フラスコ 100 mL に正確にとり,メタノールを標線まで加えて混合する(A 液)

3)

吸収セルを用い,分光光度計で波長 615 nm 付近の吸収極大の波長における A 液の吸光度を,メタ

ノールを対照液として JIS K 0115 の 6.(特定波長における吸収の測定)によって測定する。

d) 

計算  吸光度(5 mg/L)は,次の式によって算出する。

m

A

A

10

.

0

m

×

=

ここに,

A

吸光度(5 mg/L)

A

m

吸光度の測定値

m

c) 1)

ではかりとった試料の量(g)

0.10

c) 1)

で規定するはかりとり試料量(g)

6.4 

鋭敏度 

鋭敏度の試験方法は,次による。

a) 

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1) 

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

2) 

シリカゲル  6.2 a) 1)  による。

3) 

メタノール  6.3 a) 2)  による。

4) 

ピリジン  JIS K 8777 に規定するもの。

5) 

水酸化カリウム溶液(メタノール溶媒)  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 11.8 g を水で溶か


5

K 8480

:2015

し,水で 30 mL とし,冷却後,JIS K 8891 に規定するメタノール 100 mL を加える。

6) 

アセトン標準液 

6.1)

アセトン標準液(CH

3

COCH

3

1 mg/mL)  水 100 mL を入れた全量フラスコ 1 000 mL に,JIS K 

8034

に規定するアセトン 1.00 g をはかりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。

6.2)

アセトン標準液(CH

3

COCH

3

0.01 mg/mL)  水 100 mL を入れた全量フラスコ 1 000 mL に,アセ

トン標準液(CH

3

COCH

3

:1 mg/mL)10 mL を正確にとり,水を標線まで加えて混合する。使用時

に調製する。

b) 

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  6.2 c)  による。

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,シリカゲルを乾燥剤としたデシケーター中で 1 夜乾燥(12 時間以上)した試料

50 mg

をはかりとり,JIS K 8891 に規定するメタノール 25 mL 及び JIS K 8180 に規定する塩酸(特

級)2 mL を加えて溶かし,水で 50 mL とする(B 液)

。共通すり合わせ平底試験管にアセトン標準

液(CH

3

COCH

3

:0.01 mg/mL)5 mL に B 液 1 mL を加える。

2)

空試験溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に水 5 mL をとり B 液 1 mL を加える。

3)

試料溶液及び空試験溶液それぞれを 30 分間放置後,JIS K 8777 に規定するピリジン 8 mL,水 2 mL

及び水酸化カリウム溶液(メタノール溶媒)2 mL を加えて混合し,10 分間放置する。

4)

白の背景を用いて,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面から試料溶液と空試験溶液に現れる

赤を比較する。

d) 

判定  c)  によって操作し,次に適合するとき,“鋭敏度:試験適合”とする。

試料溶液に現れる赤は,空試験に現れるものより濃い。

容器 

容器は,気密容器とする。

表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称“2,4-ジニトロフェニルヒドラジン”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

内容量

f)

製造番号

g)

製造業者名又はその略号

h)

水の添加量(質量分率  %)