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K 8464

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本試薬

協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8464:1994 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical

analysis

―Part 2: Specifications―First series を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

JIS K 8464

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


K 8464

:2006

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  一般事項

1

4.

  種類

1

5.

  性質

1

5.1

  性状

2

5.2

  定性方法 

2

6.

  品質

2

7.

  試験方法

2

7.1

  試験条件及び試験結果 

3

7.2

  純度(C

6

H

12

)(GC)

3

7.3

  凝固点

3

7.4

  密度(20  )

3

7.5

  屈折率 n

2
D

0

3

7.6

  水分

3

7.7

  不揮発物 

3

7.8

  シクロヘキセン(GC)

3

7.9

  ベンゼン(GC) 

3

7.10

  硫酸着色物質 

3

7.11

  過マンガン酸還元性物質 

3

8.

  容器

3

9.

  表示

3

10.

  取扱い上の注意

4

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

5

 


日本工業規格

JIS

 K

8464

:2006

シクロヘキサン(試薬)

Cyclohexane

C

6

H

12

FW:84.16

序文  この規格は,1983 年に第 1 版として発行された ISO 6353-2,Reagents for chemical analysis―Part 2:

Specifications

―First series を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,試薬として用いるシクロヘキサンについて規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 6353-2:1983

,Reagents for chemical analysis―Part 2: Specifications―First series (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0061

  化学製品の密度及び比重測定方法

JIS K 0062

  化学製品の屈折率測定方法

JIS K 0065

  化学製品の凝固点測定方法

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

3. 

一般事項  試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001 による。

4. 

種類  種類は,特級とする。

5. 

性質


2

K 8464

:2006

5.1 

性状  シクロヘキサンは,無色透明の液体で,エタノール及びジエチルエーテルに極めて溶けやす

く,水に溶けにくい。沸点は約 81  ℃である。

5.2 

定性方法  試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 によって測定すると波数 2 930cm

-1

, 2 850cm

-1

1 450cm

-1

,903 cm

-1

,862 cm

-1

及び 524 cm

-1

付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製は JIS K 0117 

5.4

(液体)a)(液膜法)による。窓板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの一例を

図 

示す。

  1  赤外吸収スペクトルの一例

6. 

品質  品質は,7.によって試験したとき,表 に適合しなければならない。

  1  品質

項目

規格値

純度(C

6

H

12

)(GC)

凝固点 
密度(20  ℃) 
屈折率 n

2
D

0

水分 
不揮発物 
シクロヘキセン(GC)

ベンゼン(GC) 
硫酸着色物質 
過マンガン酸還元性物質

質量分率  %

g/ml

質量分率  % 
質量分率  % 
質量分率  %

質量分率  %

99.5

以上

6.0

∼7.0

0.778

∼0.779

1.425

∼1.427

0.01

以下

0.002

以下

0.05

以下

0.05

以下

試験適合 
試験適合

7. 

試験方法


3

K 8464

:2006

7.1 

試験条件及び試験結果  JIS K 8001 の 3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は必

要に応じ実施する。また,

表 で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法により行い,得られる計

算値及び操作結果は,JIS K 8001 の 3.5(測定値)による。

7.2 

純度(C

6

H

12

)(GC)

  一般的な事項は,JIS K 0114 によるほかは,次による。ここで,7.8 及び 7.9 の試験

も同時に行う。

a)

分析条件  一例を,次に示すが,これと同等の性能の条件でもよい。

検出器の種類  水素炎イオン化検出器

固定相液体名:メチルシリコーン

固定相液体の膜厚:5.0

µm

カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ:石英ガラス,0.53 mm,30 m

温度設定:カラム槽:60  ℃で 5 分間保持した後,毎分 10  ℃の割合で 190  ℃まで昇温して,2 分間保

持する。

検出器槽:200  ℃

試料気化室:200  ℃

キャリアーガスの種類及び流量:ヘリウム,5 ml/min

試料量及び試料導入方法:0.2

µl,直接注入法

b)

定量方法  JIS K 0114 の 11.3)(データ処理装置を用いる方法)によって,各成分のピーク面積を測定

し,JIS K 0114 の 11.5(面積百分率法)によって純度を算出する。

7.3 

凝固点  JIS K 0065 の 3.による。

7.4 

密度(20  )   JIS K 0061 の 7.2(比重瓶法)又は 7.3(振動式密度計法)による。

7.5 

屈折率 n 

2
D

0

  JIS K 0062 による。

7.6 

水分  JIS K 0068 の 6.(カールフィッシャー滴定法)6.3.5a)(直接滴定)による。この場合,試料

10 g

をとり,滴定溶媒は JIS K 8891 に規定するメタノールとする。

7.7 

不揮発物  JIS K 0067 の 4.3.4(1)(第 1 法  水浴上で加熱蒸発する方法)による。試料 50 g を用いる。

7.8 

シクロヘキセン(GC)   7.2 による。この場合,7.2 の分析条件でシクロヘキセンの相対保持時間を確

認しておく。

7.9 

ベンゼン(GC)   7.2 による。この場合,7.2 の分析条件でベンゼンの相対保持時間を確認しておく。

7.10 

硫酸着色物質  JIS K 8001 の 5.26(硫酸着色物質)(3)(b)(硫酸と混和しない液体の場合)による。

この場合,試料 5 ml 及び JIS K 8951 に規定する硫酸 5 ml を用い,硫酸層の色は,比色標準液 A の色より

濃くないこと。

7.11 

過マンガン酸還元性物質  試料 5 ml に硫酸(1+5) 5 ml  及び 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液 0.05

ml

を加えて激しく振り混ぜ,光を遮り 1 時間放置したとき,水層は紅色を保つこと(O として約質量分率

0.001

%以下)

8. 

容器  容器は,遮光した気密容器とする。

9. 

表示  容器には,次の事項を表示する。

a)

名称“シクロヘキサン”及び“試薬”の文字

b)

種類

c)

化学式及び式量


4

K 8464

:2006

d)

純度

e)

内容量

f)

  製造番号

g)

製造業者名又はその略号

10. 

取扱い上の注意  シクロヘキサンは引火性であるので,火気に注意して取り扱う。


5

K 8464

:2006

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 8464

:2006  シクロヘキサン(試薬)

ISO 6353-2

:1983,化学分析用試薬−第 2 部:仕様−第1シリーズ

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線又は側線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )

国 際

規 格
番号

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

1.

適用範囲 

試薬として用いるシクロ
ヘキサンについて規定。

1 

化学分析用試薬 40
品 目 の 仕 様 に つ い
て規定。

MOD/

変更

JIS

は 1 品目 1 規格。

試薬の規格使用者が各規格を多く引
用しやすくするために1品目1規格
としている。

なお,対応国際規格は,20 年以上見
直しがされていないため,市場の実態
に合わない。国際規格の改正提案を検

討する。

2.

引用規格 

JIS K 0061

JIS K 0062

JIS K 0065

JIS K 0067

JIS K 0068

JIS K 0114

JIS K 0117

JIS K 8001

JIS K 8891 

JIS K 8951 

1

ISO 6353-1 

MOD/

変更

ISO

規格 1 件を削除し,JIS を追

加・引用,基本的には同等内容。

該当する対比項目を参照。

3.

一般事項

JIS K 8001

による。

− MOD/追加

項目を追加。

JIS K 8001

を引用。

編集上の差異であり,技術的な差異で
はない。

4.

種類 

− MOD/追加

種類の項目を追加。

JIS

は種類として“特級”だけなので,

ISO

規格と技術的な差異はない。

5.

性質 

− MOD/追加

シクロヘキサンの性質の項を追

加。

一般的な説明事項であり,技術的な差

異はない。

5

K 8464


2006


6

K 8464

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線又は側線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )

国 際
規 格
番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

6.

品質

R10.1

MOD/

変更

1)

品質に差異のある項目:凝固

2)

追加した項目:屈折率,  過マ

ンガン酸還元性物質

ISO

規格は,長期間内容の見直しが行

われず国際市場で ISO 規格品が用い
られることはほとんどない。また,技

術的差異も軽微(

1

)(

2

)(

3

)

である。

7.

試験方法

7.1

試 験 条 件

及び試験結果

R10.2

MOD/

追加

一般的な試験条件及び試験結果に関
する事項であり,技術的な差異はな

い。

7.2

純度

(C

6

H

12

)(GC)

ガスクロマトグラフ法

R10.2.1

ガ ス ク ロ マ ト グ

ラフ法

MOD/

変更

分析条件などを変更。

国際的にも広く普及しているキャピ

ラリーカラム法に変更。

ISO

規格の見直し時に,改正提案の検

討を行う予定。

7.3

凝固点

 R10.2.3

MOD/

変更

JIS K 0065

の 3.を引用。

JIS

は,定期的に見直しを行っている

が,ISO 規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の

JIS

法を踏襲。技術的な差異は軽微で

あり,対策は考慮しない。

7.4

密度

(20

℃)

比重瓶法又は振動式密
度計法

 R10.2.2

比重瓶法 MOD/選択

JIS K 0061

の 7.3 の項目を追加。

精度の高い振動式密度計法を選択で
きるようにした。

ISO

規格の見直し時に,改正提案の検

討を行う予定。

7.5

屈折率

n

D

20

− MOD/追加

項目を追加。

JIS

として必要。ISO 規格の見直し時

に,改正提案の検討を行う予定。

7.6

水分

カールフィッシャー滴
定法

 R10.2.6

カ ー ル フ ィ ッ シ
ャー滴定法

MOD/

変更

1)

試料の量,滴定溶媒を変更。

2)  JIS K 0068

の 6.を引用。

7.7

不揮発物

水浴上加熱蒸発法

 R

10.2.4

水浴上加熱蒸発

MOD/

変更

1)

試料の量を変更。

2)  JIS K 0067

の 4.3.4 を引用。

JIS

は,定期的に見直しを行っている

が,ISO 規格は,長年見直しが行われ

ていないことから実績のある従来の

JIS

法を踏襲。技術的な差異は軽微で

あり,対策は考慮しない。

6

K 8464


2006


7

K 8464

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は側線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )

国 際
規 格

番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

7.8

シ ク ロ ヘ

キセン(GC)

ガスクロクロマトグラ
フ法

 R

10.2.1

ガ ス ク ロ ク ロ マ
トグラフ法

MOD/

変更

分析条件などを変更。

国際的にも広く普及しているキャピ
ラリーカラム法に変更。

ISO

規格の見直し時に,改正提案の検

討を行う予定。

7.9

ベンゼン

(GC)

ガスクロクロマトグラ

フ法

 R

10.2.1

ガ ス ク ロ ク ロ マ

トグラフ法

MOD/

変更

分析条件などを変更。

国際的にも広く普及しているキャピ

ラリーカラム法に変更。

ISO

規格の見直し時に、改正提案の検

討を行う予定。

7.10

硫酸着色

物質

R10.2.5

MOD/

変更

1)

試料,硫酸の色を変更。

2)  JIS K 8001

の 5.26 を引用。

JIS

として必要。ISO 規格の見直し時

に,改正提案の検討を行う予定。

7.11

過マンガ

ン 酸 還 元 性 物

MOD/

追加

項目を追加

JIS

として必要。ISO 規格の見直し時

に,改正提案の検討を行う予定。

8.

容器

− MOD/追加

項目を追加

9.

表示

− MOD/追加

項目を追加

10.

取扱い上

の注意事項

− MOD/追加

項目を追加

規格適合性を評価する関係で必要な
項目を追加。

(

1

)

理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)の 1)∼2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほとんど
ない。ISO 規格,JIS とも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO 規格と JIS との質量分率 ppm∼質量分

率 ppt レベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。

なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。(Ⅳ)の 1)∼2)の品質項目及び品質水

準が不満足な場合は,通常,JIS 試薬,ISO 規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用するこ

とになる。

(

2

) ISO

試薬規格の状況:ISO 規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約 20 年経過)

。このため,ISO 規格の内容が現在の市場の要求にこたえ

ているかどうかの検討が行われていない(JIS との差)

。また,ISO 規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての

存在意義が乏しい。

(

3

)

今後の対策:(

1

)

及び(

2

)

の理由から,当面,対策を考慮しない。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

7

K 8464


2006


8

K 8464

:2006

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。 
    ―  MOD/選択………  国際規格の規定内容と別の選択肢がある。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

8

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2006