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日本工業規格

JIS

 K

8447

-1993

シアン化ナトリウム(試薬)

Sodium cyanide

NaCN

    FW : 49.01

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いるシアン化ナトリウムについて規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級

4.

性質  シアン化ナトリウムは,次の性質を示す。

(1)

性状  シアン化ナトリウムは,白若しくはうすい黄みの白の結晶又は結晶性粉末で潮解性があり,水

に極めて溶けやすく,エタノールに溶けにくい。酸及び光によって分解する。水溶液は,塩基性であ

る。

備考  シアン化ナトリウムは,猛毒であり,酸によって有毒のシアン化水素が発生するので,取扱い

はドラフト内で行わなければならない。

なお,引火性にも十分注意する。

また,シアン化ナトリウムは不燃性であるが,強い酸化剤(亜硝酸カリウム,亜硝酸ナトリ

ウムなど)と混合して加熱すると爆発することがあるので,取扱いには十分な注意が必要であ

る。

(2)

定性方法

(a)

試料 0.5g に水 30ml を加えて溶かす(A 液)

。A 液 10ml に水酸化ナトリウム溶液 (100g/l) 1ml 及び

硫酸鉄 (II) 溶液 (100g/l) 0.2ml を加えて加熱し冷却後,塩化鉄 (III) 溶液 (100g/l) 0.2ml 及び塩酸 (2

+1) 1ml を加えると,青い沈殿が生じる。

(b)  A

液を用いて JIS K 8001 の 5.29(炎色試験)(1)(アルカリ金属及びアルカリ土類金属試験法)を行

うと黄色が現れる。

5.

品質  品質は,6.によって試験し,表 に適合しなければならない。


2

K 8447-1993

表 1  品質

項目

規格値

純度 97.0%以上

水溶状

試験適合

塩化物 (Cl)

0.02%

以下

りん酸塩 (PO

4

) 0.02%

以下

硫酸塩 (SO

4

) 0.01%

以下

硫化物 (S)

0.003%

以下

チオシオン酸塩 (SCN)

0.02%

以下

カリウム (K)

0.1%

以下

鉛 (Pb)

0.002%

以下

鉄 (Fe)

0.003%

以下

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

純度  97.0%以上

試料 0.3g(0.1mg のけたまではかる)+水 30ml+よう化カリウム溶液 (100g/l) 0.2ml+アンモニア水

(2

+3) 3ml→0.1mol/硝酸銀溶液で滴定。

0.1 mol/l

硝酸銀溶液 1ml は 0.009 802gNaCN に相当する。

(2)

水溶状

試料 1g+水  (→20ml)  ……ほんど澄明以内。

(3)

塩化物 (Cl)   0.02%以下

試料側溶液:試料 0.5g+水  (→50ml)  →その 10ml(試料量 0.1g)。

標準側溶液:塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 2.0ml+水  (→10ml)。

操作:試料側溶液及び標準側溶液それぞれを→ビーカー50ml に入れる+過酸化水素 2ml→時計皿で

ふたをして水浴上で 20 分間加熱→冷却+水  (→20ml)  +硝酸 (1+2) 5ml+硝酸銀溶液 (20g/l) 1ml→15

分間放置……試料側の濁りは,標準側の白濁よりこくない。

(4)

りん酸塩 (PO

4

  0.02%以下

試料側溶液:試料 0.1g+水 5ml“+塩酸 (2+1) 2ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 4ml→水浴上

で蒸発乾固”

(“  ”の)操作はドラフト内で行う)+水  (→20ml)。

標準側溶液:塩酸 (2+1) 6ml→水浴上で蒸発乾固+りん酸塩標準液 (0.01mgPO

4

/ml) 2.0ml

+水  (→

20ml)

操作:JIS K 8001 の 5.13(1)(比色法)による。

(5)

硫酸塩 (SO

4

  0.01%以下

試料側溶液:試料 1.0g+水 5ml“+塩酸 (2+1) 5ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 5ml→水浴上

で蒸発乾固”

(“  ”の操作はドラフト内で行う)+水  (→20ml)  (必要ならばろ過)→その 5ml(試

料量 0.25g)+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→25ml)。

標準側溶液:塩酸 (2+1) 2.5ml→水浴上で蒸発乾固+硫酸塩標準液 (0.01mgSO

4

/ml) 5.0ml

+塩酸 (2

+1) 0.3ml+水  (→25ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.15(1)(比濁法)による。

(6)

硫化物 (S)   0.003%以下

試料側溶液:試料 1.0g+水  (→10ml)。

標準側溶液:硫化物標準液 (0.01mgS/ml) 3.0ml+水  (→10ml)。


3

K 8447-1993

操作:試料側溶液及び標準側溶液それぞれに+塩基性酢酸鉛 (II) 溶液 0.3ml……試料側の色は,標

準側の色より暗くない。

(7)

チオシアン酸塩 (SCN)   0.02%以下

試料側溶液:試料 0.5g+水  (→10ml)。

標準側溶液:チオシアン酸塩標準液 (0.01mgSCN/ml) 10ml。

操作:試料側溶液及び標準側溶液それぞれに“+塩酸 (2+1) 3ml+塩化鉄 (III) 溶液 (100g/l) 0.05ml”

“  ”の操作はドラフト内で行う)……試料側の色は,標準側の色より赤くない。

(8)

カリウム (K)   0.1%以下

試料側溶液:試料 0.5g+水 5ml“+塩酸 (2+1) 5ml→水浴上で蒸発乾固”(“  ”の操作はドラフト

内で行う)+水 20ml→全量フラスコ 100ml に入れ,水を標線まで加える(S 液)

S

液 20ml(試料量 0.1g)→全量フラスコ 100ml に入れ,水を標線まで加える(X 液)

標準側溶液:S 液 20ml→全量フラスコ 100ml に入れる+カリウム標準液 (0.01mgK/ml) 10ml→水を

標線まで加える(Y 液)

操作:JIS K 8001 の 5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長 766.5nm。

(9)

 (Pb)   0.002%以下

試料側溶液:試料 5.0g+水 10ml“+塩酸 (2+1) 25ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 5ml→水浴

上で蒸発乾固”

(“  ”の操作はドラフト内で行う)+水 10ml→全量フラスコ 100ml に入れ,水を標

線まで加える(X 液)

(10)の試験にも用いる]

標準側溶液:試料 5.0g+水 10ml“+鉛標準液 (0.01mgPb/ml) 10ml+鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 15ml+

塩酸 (2+1) 25ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 5ml→水浴上で蒸発乾固”

(“  ”の操作はドラフ

ト内で行う)+水 10ml→全量フラスコ 100ml に入れ,水を標線まで加える(Y 液)

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 283.3nm。

(10)

 (Fe)   0.003%以下

試料側溶液:(9)の X 液。

標準側溶液:(9)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 248.3nm。

7.

容器  遮光した気密容器とする。

8.

貯蔵方法  製品は,光を遮り保存する。

9.

表示  容器には,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称  “シアン化ナトリウム”及び“試薬”の文字

(2)

種類

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号

(7)

製造年月又はその略号

(8)

製造業者名又はその略号


4

K 8447-1993

参考  取扱い上の注意事項  シアン化ナトリウムは有毒なので,粉じんの吸入や粘膜・皮膚への付着

を避ける。

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

鈴  木  正  信

通商産業検査所化学部

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

久保田  正  明

工業技術院化学技術研究所化学標準部

喜多川      忍

通商産業検査所化学標準課

石  橋  無味雄

厚生省国立衛生試験所

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

鶴  田  利  行

硫酸協会技術部

加  藤  正  夫

石油連盟環境技術部

坂  本      勉

株式会社オルガノメンテナンスサービス

池  田  久  幸

社団法人日本分析機器工業会

芝  山      正

関東化学株式会社検査部

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社検査部

山  岡      宏

片山化学工業株式会社検査部

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

中  村      穣

森田化学工業株式会社試験課

日  暮  喜八郎

第一化学薬品株式会社

黒  木  勝  也

財団法人日本規格協会検査部

中  林  啓  祐

小宗化学薬品株式会社品質管理課

井  上  敏  一

株式会社三共化学工業所試験課

渡  辺  孝  子

日本理化学薬品株式会社試験課

藤  川  和  幸

米山薬品工業株式会社品質管理課

田  中  紳  一

マナック株式会社試験課

西      英  勝

石津製薬株式会社試験課

(関係者)

田  坂  勝  芳

工業技術院標準部繊維化学規格課

山  本  健  一

工業技術院標準部繊維化学規格課

村  山  真理子

通商産業検査所

(事務局)

大  越  市  郎

日本試薬連合会