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日本工業規格

JIS

 K

8407

-1994

酸化アンチモン (III) (試薬)

Antimony (III) oxide

Sb

2

O

3

    FW : 291.51

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いる酸化アンチモン (III) について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級

4.

性質  酸化アンチモン (III) は,次の性質を示す。

(1)

性状  酸化アンチモン (III) は,白い粉末で,水にほとんど溶けず,塩酸,酒石酸溶液及び水酸化ア

ルカリ溶液に溶ける。

(2)

定性方法  試料 0.5g に塩酸 (1+1) 50ml を加えて溶かす(A 液)。A 液 5ml に硫化ナトリウム溶液

(100g/l) 1ml

を加えると赤みのある黄色の沈殿が生じる。この沈殿をろ過してとり,それに硫化アンモ

ニウム溶液(黄色)5ml を加えると溶ける。

5.

品質  品質は,6.によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 1  品質

項目

規格値

純度 98.0%以上 
塩酸溶状

試験適合

塩化物 (Cl) 0.05%以下 
硫酸塩 (SO

4

) 0.005%

以下

銅 (Cu)

0.01%

以下

鉛 (Pb)

0.01%

以下

ひ素 (As)

0.05%

以下

鉄 (Fe)

0.005%

以下

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

純度  98.0%以上

試料 0.25g(0.1mg のけたまではかる)+塩酸 2ml+水 10ml+(酒石酸ナトリウムカリウム四水和物


2

K 8407-1994

5g

+水 100ml)→溶かす+炭酸水素ナトリウム 4g→0.05mol/よう素溶液で滴定(指示薬:でんぷん溶

液。終点は,液の色が 2 分間青を保つまで)

別に,同一条件で空試験を行って補正する。

0.05mol/l

よう素溶液 1ml は,0.007 288g Sb

2

O

3

に相当する。

(2)

塩酸溶状  試料 1g+塩酸 20ml……ほとんど澄明以内。

(3)

塩化物 (Cl)    0.05%以下

試料側溶液  試料 0.50g+酒石酸溶液 (200g/l) 20ml→温めて溶かす→冷却+水  (→100ml)[必要ならば

洗浄ろ紙(5 種 C)を用いてろ過]→その 10ml(試料量 0.05g)+硝酸 (1+2) 5ml+水  (→20ml)。

標準側溶液  塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 2.5ml+酒石酸溶液 (200g/l) 2ml+硝酸 (1+2) 5ml+水  (→

20ml)

操作  JIS K 8001 の 5.7(1)(比濁法)による。

(4)

硫酸塩 (SO

4

  0.005%以下

試料側溶液  試料 2.0g+水 40ml+塩酸 (2+1) 0.6ml→5 分間煮沸+冷却+水  (→50ml)  →乾燥ろ紙(5

種 C)を用いてろ過→初めのろ液約 10ml を捨てる→次のろ液 25ml(試料量 1g)。

標準側溶液  硫酸塩標準液 (0.01mgSO

4

/ml) 5.0ml

+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→25ml)。

操作  JIS K 8001 の 5.15(1)(比濁法)による。

(5)

 (Cu)   0.01%以下

試料側溶液  試料 1.0g+塩酸 (2+1) 30ml→温めて溶かす→冷却+水  (→100ml)(X 液)[(6)及び(8)

の試験にも用いる]。

標準側溶液  試料 1.0g+塩酸 (2+1) 30ml→温めて溶かす→冷却+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 10ml+鉛

標準液 (0.01mgPb/ml) 10ml+鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 5.0ml+水  (→100ml)(Y 液)[(6)及び(8)の試験

にも用いる]。

操作  JIS K 8001 の 5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長 324.7nm。

(6)

 (Pb)   0.01%以下

試料側溶液  (5)の X 液。

標準側溶液  (5)の Y 液。

操作  JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 283.3nm。

(7)

ひ素 (As)   0.05%以下

試料側溶液  試料 0.20g+臭素飽和塩酸(

1

)10ml

→溶かす+塩化すず (II) 溶液(

2

)50ml

+塩酸(ひ素分析

用)10ml+臭化水素水 1ml→10 分間放置→分液漏斗 100ml に移す+ベンゼン 25ml→1 分間激しく振り

混ぜる→“ベンゼン層+塩酸(ひ素分析用)10ml→1 分間激しく振り混ぜる”(2 回行う)→塩酸層

は捨てる→“ベンゼン層+水 20ml→1 分間激しく振り混ぜる”(2 回行う)→水層を合わせる+水  (→

50ml)

(S 液)。

S

液 1.0ml(試料量 0.004g)→水素化ひ素発生瓶 100ml に入れる+塩酸(ひ素分析用) (1+1) 5ml

+水  (→40ml)。

標準側溶液  ひ素標準液 (0.001mgAs/ml) 2.0ml→水素化ひ素発生瓶 100ml に入れる+塩酸(ひ素分析

用)(1+1) 5ml+水  (→40ml)。

操作  JIS K 8001 の 5.19(3)[N, N−ジエチルジチオカルバミド酸銀法(AgDDTC 法)]による。

(

1

)

臭素飽和塩酸の調製  塩酸(ひ素分析用)50ml→かき混ぜながら+臭素5ml→更に1分間かき混

ぜる(この操作はドラフト内で行う)


3

K 8407-1994

(

2

)

塩化すず (II) 溶液の調製  塩化すず (II) 二水和物 0.4g+塩酸(ひ素分析用)100ml。

(8)

 (Fe)   0.005%以下

試料側溶液  (5)の X 液。

標準側溶液  (5)の Y 液。

操作  JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 248.3nm。

7.

容器  気密容器とする。

8.

表示  容器には,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称  “酸化アンチモン (III) ”及び“試薬”の文字

(2)

種類

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号

(7)

製造業者名又はその略号

参考  取扱い上の注意事項  酸化アンチモン (III) は,有害なので,粉じんの吸入や粘膜・皮膚への

付着を避ける。


4

K 8407-1994

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

久保田  正  明

物質工学工業技術研究所計測化学部

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

津  田      博

通商産業省機械情報産業局計量行政室

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

喜多川      忍

通商産業検査所化学部化学標準課

野々村      誠

都立工業技術センター無機化学部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

石  橋  無味男

厚生省国立衛生試験所

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

柳  瀬  斉  彦

社団法人日本化学工業協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

鶴  田  利  行

硫酸協会

中  村      靖

日本鉱業協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

日  暮  喜八郎

第一化学薬品株式会社

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社

中  村      穣

森田化学工業株式会社

山  岡      宏

片山化学工業株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

山  田  和  夫

関東化学株式会社

(事務局)

平  井  信  次

日本試薬連合会