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K 8403:2018  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 1 

4 性質······························································································································· 1 

4.1 性状 ···························································································································· 1 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

6.1 一般事項 ······················································································································ 2 

6.2 純度(ICl3) ················································································································· 2 

6.3 水溶状 ························································································································· 3 

6.4 不揮発物 ······················································································································ 3 

6.5 遊離よう素(I) ············································································································ 3 

7 容器······························································································································· 4 

8 表示······························································································································· 4 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8403:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成30年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8403:1994によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8403:2018 

三塩化よう素(試薬) 

Iodine trichloride (Reagent) 

ICl3  FW:233.26 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いる三塩化よう素について規定する。 

警告1 三塩化よう素は,皮膚及び粘膜を腐食するため排気に注意して,皮膚に付着しないようにす

る。 

警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす

る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので

はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)などを参考にして各自の責任にお

いて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8051 3-メチル-1-ブタノール(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬) 

JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬) 

JIS K 8913 よう化カリウム(試薬) 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

三塩化よう素は,だいだい又は褐色の結晶で,吸湿性がある。強い刺激臭があり,湿った空気中で分解

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K 8403:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

する。三塩化よう素は,水に溶けやすく,エタノール(99.5)に溶けにくい。 

4.2 

定性方法 

定性方法は,排気に注意して次による。 

a) 試料0.5 gにしゅう酸0.5 gを加えて加熱すると紫の蒸気が発生する。 

b) 試料0.5 gに粉末にした二クロム酸カリウム0.5 gを加えて混ぜ合わせ,硫酸0.5 mLを加えて加熱する

と赤褐色の蒸気が発生する。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(ICl3) 

質量分率 % 

97.0以上 

6.2 

水溶状 

− 

試験適合 

6.3 

不揮発物 

質量分率 % 

0.05以下 

6.4 

遊離よう素(I) 

− 

試験適合 

6.5 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(ICl3) 

純度(ICl3)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) よう化カリウム JIS K 8913に規定するもの。 

2) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。 

3) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gに水 10 mLを加えて

かき混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した後に冷却したもの。冷所

に保存し,10日以内に使用する。 

4) 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物及びJIS K 

8625に規定する炭酸ナトリウム又はJIS K 8051に規定する3-メチル-1-ブタノールを用い,JIS K 

8001のJA.6.4 t) 2)(0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液)に従って調製,標定及び計算する。 

b) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 水30 mLを共通すり合わせ三角フラスコ200 mLに入れ,0.1 mgの桁まではかり,試料0.2 gを加え,

再び0.1 mgの桁まではかり,溶かす。 

2) これに,よう化カリウム2 g及び塩酸(2+1)3 mLを加え,蓋をして,約5分間暗所に放置後,指

示薬としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。 

3) この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mLを加える。 

4) 終点は,液の青が消える点とする。 

5) 別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。 

c) 計算 純度(ICl3)は,次の式によって算出する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(

)

100

832

005

.0

2

1

×

×

×

=

m

f

V

V

A

ここに, 

A: 純度(ICl3)(質量分率 %) 

V1: 滴定に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体積

(mL) 

V2: 空試験に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体

積(mL) 

f: 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.005 832: 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当するICl3

の質量(g) 

6.3 

水溶状 

水溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試薬用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と

を混合する。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加

えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。 

3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ

ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“ほとんど澄明”を用いる。 

ほとんど澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.5 mLを共通すり合わせ平底

試験管[c)参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を

加えて20 mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次による。 

− 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,水を

加えて20 mLにする。 

2) 試料溶液は,試料を溶かした直後に濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の

有無を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。 

e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。 

6.4 

不揮発物 

不揮発物の試験方法は,JIS K 0067の4.3.4(1)(第1法 水浴上で加熱蒸発する方法)による。この場

合,試料2.0 gを用い,不活性ガス雰囲気下で蒸発させ,不揮発分は,0.1 mgの桁まではかる。 

6.5 

遊離よう素(I) 

遊離よう素(I)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試薬用溶液類は,次のものを用いる。 

K 8403:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− でんぷん溶液 6.2 a) 3)による。 

b) 器具 主な器具は,次による。 

− 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

− 試料1 gをはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を加えて100 mLにする。その10 mLを共通す

り合わせ平底試験管にとり,でんぷん溶液2滴を加え,液の色を観察する。 

d) 判定 c)によって操作し,試料溶液の色が,10秒以内に青にならないとき,“遊離よう素(I):試験適

合(規格値)”とする。 

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“三塩化よう素”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造年月又はその略号 

i) 

製造業者名又はその略号