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日本工業規格

JIS

 K

8400

-1994

塩化アンチモン (III) (試薬)

Antimony (III) chloride

SbCl

3

  FW : 228.12

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いる塩化アンチモン (III) (

1

)

について規定する。

(

1

)

別名:三塩化アンチモン

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級

4.

性質  塩化アンチモン (III) は,次の性質を示す。

(1)

性状  塩化アンチモン (III) は,白∼うすい黄色の結晶又は結晶塊で,潮解性が強く,湿気を吸収し

てバター状に変化する。塩酸及びエタノールに極めて溶けやすい。少量の水には溶けるが,多量の水

によって不溶性の塩化酸化物が生じる。この塩化酸化物は酒石酸溶液に溶ける。融点は約 75  ℃,沸

点は約 230  ℃である。

(2)

定性反応

(a)

試料 1 g に塩酸 (1+3) 10 ml を加えて溶かす(A 液)

。A 液 5 ml に硫化ナトリウム溶液 2 ml を加え

ると黄みの褐色の沈殿が生じる。

(b)  A

液 5 ml に硝酸銀溶液 2 ml を加えると白い沈殿が生じる。

5.

品質  品質は 6.によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 1  品質

項目

特級

純度 98.0

%

以上

希塩酸溶状

試験適合

硫黄化合物(SO

4

として) 0.01 %以下

ナトリウム (Na)

0.005 %

以下

銅 (Cu)

5 ppm

以下

鉛 (Pb)

0.003 %

以下

ひ素 (As)

0.002 %

以下

鉄 (Fe)

0.002 %

以下


2

K 8400-1994

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

純度  98.0 %以上

試料 0.3 g(0.1 mg のけたまではかる)+酒石酸ナトリウムカリウム溶液 (150 g/l) 30 ml+炭酸水素

ナトリウム 2 g→溶かす→0.05 mol/よう素溶液で滴定(指示薬:でんぷん溶液)

別に同一条件で空試験を行い,滴定量を補正する。

0.05 mol/l

よう素溶液 1 ml は,0.011 405 g SbCl

3

に相当する。

[参考]SbCl

3

+2I+2NaHCO

3

=SbCl

3

O

+2NaI+2CO

2

+H

2

O

(2)

希塩酸溶状

試料 4 g+塩酸 (1+3) (→20 ml)  →加熱して溶かす……ほとんど澄明以内。

(3)

硫黄化合物(SO

4

として)  0.01 %以下

試料側溶液:試料 1.0 g+塩酸 (2+1) 30 ml+硝酸 (1+1) 5 ml→窒素酸化物が発生しなくなるまで加

熱板上で加熱→塩酸 (2+1) 10 ml を用いて分液漏斗 200 ml に移す“+ジイソプロピルエーテル 20 ml

→2 分間激しく振り混ぜる→静置→有機層を捨てる”

(3 回繰り返す)→水層を水浴上で蒸発乾固+塩

酸 (2+1) 0.3 ml+水  (→25 ml)。

標準側溶液:試料 0.5 g+硫酸塩標準液 (0.01 mgSO

4

/ml) 5.0 ml

+塩酸 (2+1) 30 ml+硝酸 (1+1) 5 ml

→窒素酸化物が発生しなくなるまで加熱板上で加熱→塩酸 (2+1) 10 ml を用いて分液漏斗 200 ml に移

す“+ジイソプロピルエーテル 20 ml→2 分間激しく振り混ぜる→静置→有機層を捨てる”

(3 回繰り

返す)→水層を水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 0.3 ml+水  (→25 ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.15(硫酸塩)(1)(比濁法)による。

(4)

ナトリウム (Na)   0.005 %以下

試料側溶液:試料 0.20 g+塩酸 (2+1) 40 ml+水  (→100 ml)(X 液)。

標準側溶液:試料 0.20 g+塩酸 (2+1) 40 ml+ナトリウム標準液  (0.01 mgNa/ml) 1.0 ml+水  (→100

ml)

(Y 液)

空試験溶液:塩酸 (2+1) 40 ml+水  (→100 ml)(Z 液)。

操作:JIS K 8001 の 5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長 589.0 nm。

(5)

 (Cu)   5 ppm 以下

試料側溶液:試料 2.0 g+塩酸 (2+1) 20 ml+水  (→50 ml)(X 液)。

標準側溶液:試料 2.0 g+塩酸 (2+1) 20 ml+銅標準液 (0.01 mgCu/ml) 1.0 ml+鉛標準液 (0.01

mgPb/ml) 6.0 ml

+鉄標準液  (0.01 mgFe/ml) 4.0 ml+水  (→50 ml)(Y 液)

空試験溶液:塩酸 (2+1) 20 ml+水  (→50 ml)(Z 液)。

[X 液,Y 液及び Z 液は,(6)及び(8)の試験にも用いる]

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 324.7 nm。

(6)

 (Pb)   0.003 %以下

試料側溶液:(5)の X 液。

標準側溶液:(5)の Y 液。

空試験溶液:(5)の Z 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 283.3 nm。

(7)

ひ素 (As)   0.002 %以下

試料側溶液:試料 1.5 g+塩酸 10 ml→溶かす。

標準側溶液:試料 0.5 g+塩酸 10 ml→溶かす+ひ素標準液 (0.1 mgAs/ml) (

2

)0.20 ml


3

K 8400-1994

操作:試料側溶液,標準側溶液それぞれに,+塩化すず (II) 塩酸溶液 (400 g/l) 10 ml→2 時間放置

……試料側の色は標準側の褐色より濃くない。

(

2

)

ひ素標準液 (0.1 mgAs/ml) の調製  ひ素標準原液  (1 mgAs/ml) 10 ml+水  (→100 ml)。

(8)

 (Fe)   0.002 %以下

試料側溶液:(5)の X 液。

標準側溶液:(5)の Y 液。

空試験溶液:(5)の Z 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 248.3 nm。

7.

容器  気密容器とする。

8.

表示  容器には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称  “塩化アンチモン (III) ”及び“試薬”の文字

(2)

種類

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号

(7)

製造年月又はその略号

(8)

製造業者名又はその略号

参考  取扱い上の注意事項  塩化アンチモン (III) は有害なので皮膚,粘膜への付着を避ける。


4

K 8400-1994

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

久保田  正  明

物質工学工業技術研究所計測化学部

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

津  田      博

通商産業省機械情報産業局計量行政室

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

喜多川      忍

通商産業検査所化学部化学標準課

野々村      誠

都立工業技術センター無機化学部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

石  橋  無味男

厚生省国立衛生試験所

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

柳  瀬  斉  彦

社団法人日本化学工業協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

鶴  田  利  行

硫酸協会

中  村      靖

日本鉱業協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

日  暮  喜八郎

第一化学薬品株式会社

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社

中  村      穣

森田化学工業株式会社

山  岡      宏

片山化学工業株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

山  田  和  夫

関東化学株式会社

(事務局)

平  井  信  次

日本試薬連合会