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K 8264

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  種類

2

4

  性質

2

4.1

  性状

2

4.2

  定性方法

2

5

  品質

2

6

  試験方法

3

6.1

  一般事項

3

6.2

  濃度(HCOOH

3

6.3

  水溶状

5

6.4

  不揮発物

5

6.5

  酢酸(CH

3

COOH

5

6.6

  塩化物(Cl

6

6.7

  硫酸塩(SO

4

7

6.8

  亜硫酸塩

8

6.9

  銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe

10

7

  容器

11

8

  貯蔵方法

11

9

  表示

11

10

  取扱い上の注意事項

12


K 8264

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本試薬

協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これに

よって,JIS K 8264:1992 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 23 年 12 月 21 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS

マーク表示認証において,JIS K 8264:1992 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 K

8264

:2011

ぎ酸(試薬)

Formic acid

(Reagent)

HCOOH    FW:46.03

序文

この規格は,1950 年に制定され,その後 6 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1992 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,試薬として用いるぎ酸について規定する。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,MSDS(化学物質等安全データシート)などを参考にして各自の責任に

おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 1107

  窒素

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8102

  エタノール(95)

(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8155

  塩化バリウム二水和物(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8563

  硝酸鉛(II)

(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)


2

K 8264

:2011

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8603

  ソーダ石灰(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8637

  チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)

JIS K 8659

  でんぷん(溶性)

(試薬)

JIS K 8780

  ピロガロール(試薬)

JIS K 8799

  フェノールフタレイン(試薬)

JIS K 8842

  ブロモチモールブルー(試薬)

JIS K 8913

  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8920

  よう素(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8962

  硫酸カリウム(試薬)

JIS K 8982

  硫酸アンモニウム鉄(III)

・12 水(試薬)

JIS K 8983

  硫酸銅(II)五水和物(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製体積計

3

種類

種類は,特級とする。

4

性質

4.1

性状

ぎ酸は,無色透明の液体で刺激臭があり,水,エタノール及びジエチルエーテルに極めて溶けやすい。

密度は,濃度が質量分率 98.0 %以上では約 1.21 g/ml,質量分率 88.0∼92.0 %では約 1.20 g/ml である。

4.2

定性方法

定性方法は,次による。

a)

試料 5 ml に水 20 ml を加えて溶かす(A 液)

。A 液 5 ml に酢酸鉛(II)溶液(200 g/l)2 ml を加えると,

白い結晶性の沈殿が生じる。

b) A

液 5 ml に硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加えて加熱すると,直ちに濁る。

5

品質

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。


3

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表 1−品質

項目

規格値

試験方法

濃度(HCOOH)

(密度約 1.21 g/ml の場合)
(密度約 1.20 g/ml の場合)

 
質量分率 % 
質量分率 %

 
98.0 以上 
88.0∼92.0

6.2 

水溶状

試験適合

6.3 

不揮発物

質量分率 %

0.002 以下

6.4 

酢酸(CH

3

COOH)(GC)

質量分率 %

0.3 以下

6.5 

塩化物(Cl)

質量分率 ppm

5 以下

6.6 

硫酸塩(SO

4

質量分率 %

0.005 以下

6.7 

亜硫酸塩

試験適合

6.8 

銅(Cu)

質量分率 ppm

3 以下

6.9 

鉛(Pb)

質量分率 ppm

3 以下

6.9 

鉄(Fe)

質量分率 ppm

3 以下

6.9 

6

試験方法

6.1

一般事項

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2

濃度(HCOOH

濃度(HCOOH)の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

ソーダ石灰  JIS K 8603 に規定するもの。

2)

水酸化カリウム溶液(250 g/l)  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 29.4 g を水に溶かして 100 ml

にする(必要な場合に用いる。

。ポリエチレン製瓶などに保存する。

3)

二酸化炭素を除いた水  次の 3.1)∼3.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。

3.1)

水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから 5 分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ

ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結するなどして空気中の二酸化炭素を遮

り,冷却したもの。

3.2)

水をフラスコに入れ,水の中に JIS K 1107 に規定する窒素を 15 分間以上通じたもの。

3.3)

水から二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて二酸化炭素を除いたもの。

3.4)

新鮮な 18 MΩ・cm 以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立

てないように採取したもの。

4)

フェノールフタレイン溶液  JIS K 8799 に規定するフェノールフタレイン 1.0 g を JIS K 8102 に規

定するエタノール(95)90 ml に溶かし,水で 100 ml にする。

5)

ブロモチモールブルー溶液  JIS K 8842 に規定するブロモチモールブルー0.10 g をエタノール(95)

50 ml に溶かし,水で 100 ml にする。

6)  1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/l) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び

計算は,次による。

6.1)

調製  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 165 g をポリエチレン製などの気密容器 500 ml に

はかりとり,二酸化炭素を除いた水 150 ml を加えて溶かした後,二酸化炭素を遮り 4∼5 日間放置


4

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する。その上澄み液 54 ml をポリエチレン製などの気密容器 1 000 ml にとり,二酸化炭素を除い

た水を加えて 1 000 ml とし,混合した後,ソーダ石灰管を付けて保存する。

6.2)

標定  標定は,認証標準物質

1)

又は JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を用

い,次のとおり行う。

6.2.1)

認証標準物質

1)

のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。

6.2.2)

容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いた後,上口デ

シケーター(減圧デシケーター)に入れ,上口デシケーター内圧 2.0 kPa 以下で約 48 時間乾燥す

る。

6.2.3)

認証標準物質

1)

又は容量分析用標準物質のアミド硫酸 2.4∼2.6 g を 0.1 mg の桁まではかりコニカ

ルビーカー100 ml に移し,水 25 ml を加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモールブルー溶

液数滴を加え,6.1)で調製した液で滴定する。終点は,液の色が黄から青みの緑になる点とする。

1)

  容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際単

位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物質を

入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,その説

明書に従って使用する。

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総

合センター(NMIJ)

,米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標

準物質生産者がある。

6.3)

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

100

09

097

0

A

V

 

.

m

f

×

×

=

ここに,

f

1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとったアミド硫酸の質量(

g

A

アミド硫酸の純度(質量分率

  %

V

滴定に要した

1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液の体積(

ml

 0.097

09

1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液

1 ml

に相当するアミド硫酸

の質量(

g

b

)

操作  操作は,次のとおり行う。

二酸化炭素を除いた水

20 ml

を共通すり合わせ三角フラスコ

200 ml

に入れ,その質量を

0.1 mg

の桁

まではかり(m

1

 g

,更に,試料

1 g

を加えて,再び

0.1 mg

の桁まではかる(m

2

 g

。これに,二酸化

炭素を除いた水

50 ml

及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加えて振り混ぜた後,

1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液のうすい紅色が

30

秒間持続する点とする。

c

)

計算  濃度(

HCOOH

)は,次の式によって算出する。

100

03

046

.

0

1

2

×

×

×

=

m

m

f

V

A

ここに,

A

濃度(HCOOH)

(質量分率  %)

V

滴定に要した 1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液の体積(ml)

f

1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液のファクター

m

2

試料を入れた共通すり合わせ三角フラスコの質量(g)

m

1

二酸化炭素を除いた水を入れた共通すり合わせ三角フラ
スコの質量(g)

 0.046

03: 1 mol/l  水酸化ナトリウム溶液 1 ml に相当する HCOOH の

質量(g)


5

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6.3

水溶状

水溶状の試験方法は,次による。

a

)

試験用溶液類

  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1

)

硝酸

1

2

JIS K 8541

に規定する硝酸(質量分率 60∼61 %)の体積 1 と水の体積 2 とを混合す

る。

2

)

硝酸銀溶液

20 g/l

JIS K 8550

に規定する硝酸銀 2 g を水に溶かして 100 ml にする。褐色ガラス

製瓶に保存する。

3

)

塩化物標準液

3.1

)

塩化物標準液

Cl

1 mg/ml

)  次のいずれかのものを用いる。

3.1.1

)  計量標準供給制度[JCSS

2)

]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,

“JCSS に基づく標準液”

という。

3.1.2

) JCSS 以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS 以外の認証標準物質がない場合は,市

販の標準液を用いる(以下,JCSS 以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,

“JCSS 以外

の認証標準液など”という。

3.1.3

)

JIS K 8150

に規定する塩化ナトリウム 1.65 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,

水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。

2)

 JCSS は,Japan Calibration Service System の略称である。

3.2

)

塩化物標準液

Cl

0.01 mg/ml

)  塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に

正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。

b

)

濁りの程度の適合限度標準

  濁りの程度の適合限度標準(

“澄明”

)は,次による。

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 ml を共通すり合わせ平底試験管にとり,水 10 ml,硝酸(1+2)

1 ml 及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加え,更に水を加えて 20 ml とし,振り混ぜてから 15 分間放置

する。

c

)

器具

  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管

  例として,容量 50 ml,直径約 23 mm で目盛のあるもの。

d

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)  試料溶液の調製は,試料 5.0 ml を共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて 20 ml にした後,

軽く振り混ぜる。

2

)  直後に,試料溶液の濁りの程度を

b

)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又は

側方から観察する。

e

)

判定

d

)によって操作し,次の

1

)及び

2

)に適合するとき,“水溶状:試験適合”とする。

1

)  試料溶液の濁りは,

b

)の濁りより濃くない。

2

)  試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。

6.4

不揮発物

不揮発物の試験方法は,

JIS K 0067

4.3.4 

(

1

)(第 1 法  水浴上で加熱蒸発する方法)による。この場

合,試料 50 g をとり,残分は 0.1 mg の桁まではかる(残分は,

6.9

の試験に用いる。

6.5

酢酸

CH

3

COOH

酢酸(CH

3

COOH)の試験方法は,次による。


6

K 8264

:2011

a

)

試薬

  試薬は次による。

酢酸

JIS K 8355

に規定するもの。

b

)

器具及び装置

  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1

)

ガスクロマトグラフ

JIS K 0114

に規定するもの。

2

)

マイクロシリンジ又は試料導入装置

  少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導

入するマイクロシリンジ又は装置。

c

)

分析条件

  分析条件は,次による。

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用

いてもよい。

1

)

検出器の種類

  水素炎イオン化検出器

2

)

カラム充塡剤

  粒度 150∼180 µm のけい藻土を担体に用い,それに固定相液体としてグリコール系

を 10 %含浸させたもの,又はこれと同等の分離能をもつもの。

3

)

カラム用管の材質,内径及び長さ

  ガラス,2∼4 mm,2∼3 m

4

)

設定温度

  カラム槽: 130∼150  ℃

        検出器槽: 150∼180  ℃

        試料気化室: 130∼150  ℃

5

)

キャリヤーガスの種類及び流量

  窒素又はヘリウム,30∼50 ml/min

6

)

試料の導入量

  0.2 µl

d

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)

被検成分追加試料の調製

  試料 100 g をとり,これに酢酸 300 mg を加えて混合する。

2

)

検出器の所要感度

  被検成分追加試料の酢酸の保持時間のピークの高さが,記録紙の有効幅の 5 %

以上になるように感度を調節する。

なお,あらかじめ,酢酸の相対保持時間を確認しておく。

3

)

測定試料の導入及び記録

  被検成分追加試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスク

ロマトグラフに導入してクロマトグラムを記録する。

4

)

ピーク面積の測定

  試料の酢酸のピーク面積(A

1

)及び被検追加試料の酢酸のピーク面積(A

2

)を,

JIS K 0114

11.3

(ピーク面積の測定)

b

)(データ処理装置を用いる方法)によって測定する。

e

)

判定  d

)によって操作し,次に適合するとき,

“酢酸(CH

3

COOH):質量分率 0.3 %以下(規格値)”と

する。

ピーク面積 A

1

は,ピーク面積 A

2

A

1

より大きくない。

6.6

塩化物

Cl

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。

a

)

試験用溶液類

  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1

)

硝酸

1

2

6.3 a

)

 1

)による。

2

)

硝酸銀溶液

20 g/l

6.3 a

)

 2

)による。

3

)

塩化物標準液

Cl

0.01 mg/ml

6.3 a

)

 3.2

)による。

b

)

器具

  器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管

6.3 c

)による。

c

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)  試料溶液の調製は,試料 2.0 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,硝酸(1+2)10 ml を加えて振


7

K 8264

:2011

り混ぜた後,水を加えて 20 ml にする。

2

)  比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)1.0 ml 及び硝酸

(1+2)10 ml を加えて振り混ぜた後,水を加えて 20 ml にする。

3

)  試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加えて振り混ぜた後,15 分間放置する。

4

)  黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管

の上方又は側面から観察して濁りを比較する。

d

)

判定

c

)によって操作し,次に適合するとき,

“塩化物(Cl)

:質量分率 5 ppm 以下(規格値)

”とする。

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。

6.7

硫酸塩

SO

4

硫酸塩(SO

4

)の試験方法は,次による。

a

)

試薬及び試験用溶液類

  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1

)

エタノール

95

JIS K 8102

に規定するもの。

2

)

塩化バリウム溶液

100 g/l

JIS K 8155

に規定する塩化バリウム二水和物 11.7 g を水に溶かして

100 ml にする。

3

)

塩酸

2

1

JIS K 8180

に規定する塩酸の体積 2 と水の体積 1 と混合する。

4

)

炭酸ナトリウム溶液

100 g/l

JIS K 8625

に規定する炭酸ナトリウム 10 g を水に溶かして 100 ml

にする。

5

)

硫酸塩標準液

5.1

)

硫酸塩標準液

SO

4

1 mg/ml

)  次のいずれかのものを用いる。

5.1.1

)

JCSS

に基づく標準液

6.3 a

)

 3.1.1

)による。

5.1.2

)

JCSS

以外の認証標準液など

6.3 a

)

 3.1.2

)による。

5.1.3

)

JIS K 8962

に規定する硫酸カリウム 1.81 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。

5.2

)

硫酸塩標準液

SO

4

0.01 mg/ml

)  硫酸塩標準液(SO

4

:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。

b

)

器具及び装置

  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1

)

共通すり合わせ平底試験管

6.3 c

)による。

2

)

蒸発皿

JIS R 3503

に規定するもの。

3

)

水浴

  沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。

c

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)  試料溶液の調製は,試料 1.0 g を蒸発皿にとり,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)0.2 ml を加えて水浴

上で加熱して蒸発乾固する。これに,塩酸(2+1)1 ml 及び水 10 ml を加えて煮沸し,放冷した後,

水で共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて 25 ml とする。

2

)  比較溶液の調製は,水 5 ml 及び炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)0.2 ml を蒸発皿にとり,塩酸(2+1)

1 ml を加えて煮沸し,放冷した後,水で共通すり合わせ平底試験管に移し,硫酸塩標準液(SO

4

0.01 mg/ml)5.0 ml 及び水を加えて 25 ml とする。

3

)  試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 ml 及び塩化バリウム溶液(100 g/l)2 ml を加えて振

り混ぜた後,1 時間放置する。

4

)  黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管

の上方又は側面から観察して濁りを比較する。


8

K 8264

:2011

d

)

判定

c

)によって操作し,次に適合するとき,

“硫酸塩(SO

4

:質量分率 0.005 %以下(規格値)

”とす

る。

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。

6.8

亜硫酸塩

亜硫酸塩の試験方法は,次による。

a

)

試薬及び試験用溶液類

  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1

)

塩酸

1

10

)  塩酸の体積 1 と水の体積 10 とを混合する。

2

)

水酸化ナトリウム溶液

300 g/l

JIS K 8576

に規定する水酸化ナトリウム 30.9 g を水に溶かして

100 ml にする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。

3

)

でんぷん溶液

JIS K 8659

に規定するでんぷん(溶性)1.0 g に水 10 ml を加えてかき混ぜながら熱

水 200 ml 中に入れて溶かす。これを約 1 分間煮沸した後に冷却する。冷所に保存し,10 日以内に

使用する。

4

)

ピロガロール・水酸化ナトリウム溶液

JIS K 8780

に規定するピロガロール 10 g を水酸化ナトリウ

ム溶液(300 g/l)80 ml に溶かし,更に水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)を加えて全量を 100 ml にす

る(必要な場合に用いる。

。この溶液は使用時に調製する。

5

)

溶存酸素を除いた水

  次の

5.1

)∼

5.5

)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。

5.1

)  水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから 5 分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶にピロガロー

ル・水酸化ナトリウム溶液を入れたものを連結するなどして空気中の酸素を遮り,冷却したもの。

5.2

)  水をフラスコに入れ,水の中に

JIS K 1107

に規定する窒素を 15 分間以上通じたもの。

5.3

)  水から酸素分離膜をもつガス分離管を用いて溶存酸素を除いたもの。

5.4

)  水を超音波振動装置で十分に脱気を行ったもの。

5.5

)  新鮮な 18 MΩ・cm 以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立

てないように採取したもの。

注記

  脱イオン化された水を用いる場合,脱イオン装置によっては酸素を含む場合があるので,

溶存酸素が除かれていることを確認する。

6

)

硫酸

1

1

)  水の体積 1 を冷却してかき混ぜながら,

JIS K 8951

に規定する硫酸の体積 1 を徐々に

加える。

7

)

0.1 mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

(Na

2

S

2

O

3

・5H

2

O:24.82 g/l) 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の

調製,標定及び計算は,次による。

7.1

)

調製

JIS K 8637

に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物 26 g 及び

JIS K 8625

に規定する炭酸ナ

トリウム 0.2 g をはかりとり,溶存酸素を除いた水 1 000 ml を加えて溶かした後,気密容器に入れ

て保存する。調製後 2 日間放置したものを用いる。

7.2

)

標定

  標定は,認証標準物質

1)

又は

JIS K 8005

に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウ

ムを用い,次のとおり行う。

7.2.1

)  認証標準物質

1)

のよう素酸カリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。

7.2.2

)  容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いて,

130  ℃で約 2 時間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。

7.2.3

)  認証標準物質

1)

又は容量分析用標準物質のよう素酸カリウム 0.9∼1.1 g を全量フラスコ 250 ml に


9

K 8264

:2011

0.1 mg の桁まではかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。その 25 ml を共

通すり合わせ三角フラスコ 200 ml に正確にはかりとり,水 100 ml を加える。次に,

JIS K 8913

に規定するよう化カリウム 2 g 及び硫酸(1+1)2 ml を加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜ

て,暗所に 5 分間放置する。指示薬としてでんぷん溶液を用い,

7.1

)で調製した液で滴定する。

この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約 0.5 ml を加える。終

点は,液の青が消える点とする。

別に,

共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml に水 125 ml 及びよう化カリウム 2 g をはかりとり,

硫酸(1+1)2 ml を加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗所に 5 分間放置し,同一条件

で空試験を行って滴定量を補正する。

7.3

)

計算

  ファクターは,次の式によって算出する。

(

)

100

7

566

003

0

250

25

2

1

A

V

V

.

m

f

×

×

×

=

ここに,

f

0.1 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとったよう素酸カリウムの質量(g)

A

よう素酸カリウムの純度(質量分率%)

V

1

滴定に要した 0.1 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(ml)

V

2

空試験に要した 0.1 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(ml)

0.003 566 7: 0.1 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液 1 ml に相当するよ

う素酸カリウムの質量(g)

8

)

0.05 mol/l

よう素溶液

(I:12.69 g/l) 0.05 mol/l よう素溶液の調製,標定及び計算は,次による。

8.1

)

調製

JIS K 8913

に規定するよう化カリウム 40 g をはかりとり,水 25 ml 及び

JIS K 8920

に規定

するよう素 13 g を加えて溶かした後,水を加えて 1 000 ml とする。これに

JIS K 8180

に規定する

塩酸 3 滴を加えて混合した後,遮光した気密容器に入れて暗所に保存する。

8.2

)

標定

8.1

)で調製した液 25 ml をコニカルビーカー200 ml に正確にはかりとり,塩酸(1+10)1 ml

を加える。指示薬としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。こ

の場合,でんぷん溶液は,終点近くで液の色がうすい黄になったときに約 0.5 ml を加える。終点

は,液の青が消える点とする。

8.3

)

計算

  ファクターは,次の式によって算出する。

25

2

1

V

f

f

×

=

ここに,

f

1

0.05 mol/l  よう素溶液のファクター

f

2

0.1 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

V

滴定に要した 0.1 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の体積(ml)

b

)

器具

  器具は,次のとおりとする。

1

)

共通すり合わせ平底試験管

6.3 c

)による。

2

)

メスピペット

JIS R 3505

に規定する最小目盛が 0.01 ml のもの。

c

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)  試料溶液の調製は,試料 30 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて 50 ml にする。

2

)  でんぷん溶液 0.5ml を加えて振り混ぜた後,メスピペットで 0.05 mol/l よう素溶液 0.20 ml を加える。

ただし,0.05 mol/l よう素溶液のファクターが 1.00 でない場合は,加える体積を補正する。


10

K 8264

:2011

3

)  白の背景を用いて,試料溶液の色を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面から観察する。

d

)

判定

c

)によって操作し,次に適合するとき,“亜硫酸塩:試験適合”とする。

試料溶液に黄色が現れる。

6.9

Cu

Pb

及び鉄

Fe

銅(Cu)

,鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。

a

)

試験用溶液類

  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1

)

塩酸

2

1

6.7 a

)

 3

)による。

2

)

硝酸

1

2

6.3 a

)

 1

)による。

3

)

銅標準液,鉛標準液及び鉄標準液

3.1

)

銅標準液

Cu

1 mg/ml

,鉛標準液

Pb

1 mg/ml

及び鉄標準液

Fe

1 mg/ml

)  次のいずれ

かのものを用いる。

3.1.1

)

JCSS

に基づく標準液

6.3 a

)

 3.1.1

)に準じる。

3.1.2

)

JCSS

以外の認証標準液など

6.3 a

)

 3.1.2

)に準じる。

3.1.3

)

銅標準液

Cu

1 mg/ml

,鉛標準液

Pb

1 mg/ml

及び鉄標準液

Fe

1 mg/ml

を調製する

場合

3.1.3.1

)

銅標準液

Cu

1 mg/ml

JIS K 8983

に規定する硫酸銅(II)五水和物 3.93g を全量フラスコ

1 000 ml にとり,硝酸(1+2)25 ml 及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

3.1.3.2

)

鉛標準液

Pb

1 mg/ml

JIS K 8563

に規定する硝酸鉛(II)1.60 g を全量フラスコ 1 000 ml

にとり,硝酸(1+2)25 ml 及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

3.1.3.3

)

鉄標準液

Fe

1 mg/ml

JIS K 8982

に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)

・12 水 8.63 g を全

量フラスコ 1 000 ml にとり,硝酸(1+2)25 ml 及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて

混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。

3.2

)

銅標準液

Cu

0.01 mg/ml

,鉛標準液

Pb

0.01 mg/ml

及び鉄標準液

Fe

0.01 mg /ml

3.2.1

)

銅標準液

Cu

0.01 mg/ml

)  銅標準液(Cu:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に正確に

はかりとり,硝酸(1+2)25 ml を加え,更に水を標線まで加えて混合する。

3.2.2

)

鉛標準液

Pb

0.01 mg/ml

)  鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に正確に

はかりとり,硝酸(1+2)25 ml を加え,更に水を標線まで加えて混合する。

3.2.3

)

鉄標準液

Fe

0.01 mg /ml

)  鉄標準液(Fe:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に正確に

はかりとり,硝酸(1+2)25 ml を加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に

保存する。

b

)

装置

  主な装置は,次のとおりとする。

フレーム原子吸光分析装置

JIS K 0121

に規定するもの。

c

)

分析種及び測定波長

  分析種及び測定波長の例を,

表 2

に示す。

表 2

分析種及び測定波長の例

単位  nm

分析種

測定波長

銅 Cu

324.8

鉛 Pb

283.3

鉄 Fe

248.3


11

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d

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)  試料溶液の調製は,

6.4

の残分(試料量 50 g)に塩酸(2+1)1 ml を加えて溶かした後,水で全量

フラスコ 100 ml に移し,水を標線まで加えて混合する(S 液)

。S 液 10 ml(試料量 5.0 g)を全量フ

ラスコ 50 ml にとり,水を標線まで加えて混合する(X 液)

2

)  比較溶液の調製は,S 液 10 ml(試料量 5.0 g)及び塩酸(2+1)1 ml を全量フラスコ 50 ml にとり,

銅標準液(Cu:0.01 mg/ml)1.5 ml,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)1.5 ml 及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)

1.5 ml を加え,更に水を標線まで加えて混合する(Y 液)。

3

)  フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y 液をフレーム中に噴霧し,

表 2

に示す測定波長付近で吸光

度が最大となる波長を設定する。X 液及び Y 液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を

測定し,X 液の指示値(n

1

)及び Y 液の指示値(n

2

)を読み取る。

4

)  測定結果は,X 液の指示値 n

1

と Y 液の指示値から X 液の指示値を引いた n

2

n

1

とを比較する。

e

)

判定

d

)によって操作し,次に適合するとき,“銅(Cu):質量分率 3 ppm 以下(規格値),鉛(Pb):

質量分率 3 ppm 以下(規格値)

,鉄(Fe)

:質量分率 3 ppm 以下(規格値)

”とする。

n

1

は,n

2

n

1

より大きくない。

注記

  分析種の含有率(質量分率 ppm)は,次の式によって求めることができる。

6

1

2

1

10

000

1

×

×

×

=

m

n

n

n

B

A

ここに,

A

分析種の含有率(質量分率

ppm

B

用いた標準液中の分析種の質量(

mg

m

はかりとった試料の質量(

g

7

容器

容器は,気密容器とする。

8

貯蔵方法

製品は,火気に注意し,なるべく冷所に保存する。

9

表示

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称

“ぎ酸”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

濃度  質量分率

98.0 %

又は質量分率

88.0 %

ただし,比率(質量分率

  %

)の表し方は,

JIS K 8001

の箇条

4 c)

(比率の表し方)による。

f)

内容量

g)

製造番号

h)

製造業者名又はその略号


12

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10

取扱い上の注意事項

ぎ酸は有害なので,蒸気の吸入及び粘膜,皮膚への付着を避ける。