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K 8230

:2016

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲 

1

2  引用規格 

1

3  種類  

3

4  性質  

3

4.1  性状  

3

4.2  定性方法  

3

5  品質  

3

6  試験方法 

3

6.1  一般事項  

3

6.2  濃度(H

2

O

2

  

4

6.3  蒸発残分  

4

6.4  酸(H

2

SO

4

として)  

4

6.5  塩化物(Cl  

5

6.6  りん酸塩(PO

4

  

6

6.7  硫酸塩(SO

4

  

6

6.8  窒素化合物(として)  

7

6.9  銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe  

10

7  容器  

13

8  表示  

13

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

14


K 8230

:2016

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8230:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 28 年 9 月 21 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS マ

ーク表示認証において,JIS K 8230:2006 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 K

8230

:2016

過酸化水素(試薬)

Hydrogen peroxide (Reagent)

H

2

O

2

    FW:34.01

序文 

この規格は,1983 年に第 1 版として発行された ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis−Part 2:

Specifications−First series R 14 Hydrogen peroxide を基とし,技術の進歩を反映し,技術的内容を変更して作

成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,試薬として用いる過酸化水素

1)

について規定する。

1)

  別名  過酸化水素水(30 %)

警告 1  過酸化水素は劇物のため,目,粘膜及び皮膚に付着しないようにする。

警告 2  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす

る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので

はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)

,MSDS(化学物質等安全データシ

ート:JIS Z 7250 は 2012 年に廃止され,JIS Z 7253 に移行。JIS Z 7250:2010 に従ってよい猶

予期間は 2016 年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健康に対する適切な措

置をとらなければならない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series R 14 Hydrogen

peroxide(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 6202  化学分析用白金皿 
JIS K 0050  化学分析方法通則

JIS K 0067  化学製品の減量及び残分試験方法 
JIS K 0113  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 
JIS K 0115  吸光光度分析通則


2

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JIS K 0121  原子吸光分析通則 
JIS K 0133  高周波プラズマ質量分析通則

JIS K 0970  ピストン式ピペット 
JIS K 8001  試薬試験方法通則 
JIS K 8034  アセトン(試薬)

JIS K 8051  3-メチル-1-ブタノール(試薬) 
JIS K 8085  アンモニア水(試薬) 
JIS K 8102  エタノール(95)(試薬)

JIS K 8107  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬) 
JIS K 8136  塩化すず(II)二水和物(試薬) 
JIS K 8150  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8155  塩化バリウム二水和物(試薬) 
JIS K 8180  塩酸(試薬) 
JIS K 8247  過マンガン酸カリウム(試薬)

JIS K 8355  酢酸(試薬) 
JIS K 8541  硝酸(試薬) 
JIS K 8548  硝酸カリウム(試薬)

JIS K 8550  硝酸銀(試薬) 
JIS K 8563  硝酸鉛(II)(試薬) 
JIS K 8574  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8576  水酸化ナトリウム(試薬) 
JIS K 8625  炭酸ナトリウム(試薬) 
JIS K 8637  チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)

JIS K 8653  デバルダ合金(試薬) 
JIS K 8659  でんぷん(溶性)(試薬) 
JIS K 8798  フェノール(試薬)

JIS K 8810  1-ブタノール(試薬) 
JIS K 8896  メチルレッド(試薬) 
JIS K 8905  七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(試薬)

JIS K 8913  よう化カリウム(試薬) 
JIS K 8951  硫酸(試薬) 
JIS K 8962  硫酸カリウム(試薬)

JIS K 8982  硫酸アンモニウム鉄(III)・12 水(試薬) 
JIS K 8983  硫酸銅(II)五水和物(試薬) 
JIS K 9007  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS R 3503  化学分析用ガラス器具 
JIS R 3505  ガラス製体積計


3

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種類 

種類は,特級とする。

性質 

4.1 

性状 

過酸化水素は,無色の液体で徐々に分解し,酸素を発生する。密度は,質量分率 30 %で約 1.11 g/mL,

質量分率 35 %で約 1.13 g/mL である。通常は 2,6-ピリジンジカルボン酸などの安定剤を加えてある。

4.2 

定性方法 

試料 1 mL に水 10 mL 及び硫酸(1+5)1 mL を加えた後,二クロム酸カリウム溶液(5 g/L)0.1 mL を加

えて振り混ぜると青みの紫が現れる。この溶液にジエチルエーテル 2 mL を加えて振り混ぜると,その色

はジエチルエーテル層に移る。

品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質 

項目

規格値

試験方法

濃度(H

2

O

2

質量分率 %

30.0∼35.5

6.2 

蒸発残分

質量分率 %

0.005 以下

6.3 

酸(H

2

SO

4

として)

質量分率 %

0.003 以下

6.4 

塩化物(Cl)

質量分率 ppm

3 以下

6.5 

りん酸塩(PO

4

質量分率 ppm

3 以下

6.6 

硫酸塩(SO

4

質量分率 ppm

5 以下

6.7 

窒素化合物(N として)  質量分率 ppm

2 以下

6.8 

銅(Cu)

質量分率 ppm

0.1 以下

6.9 

鉛(Pb)

質量分率 ppm

0.2 以下

6.9 

鉄(Fe)

質量分率 ppm

0.2 以下

6.9 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法は,次による。

a)  試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。 
b)  使用するガラス器具は,特に規定がない場合は,JIS R 3503 及び JIS R 3505 による。

c)  使用する標準液は,計量計測トレーサビリティが確保された標準物質を,使用用途に合致することを

確認し,必要ならば希釈して使用する。このような標準液がない場合,使用用途に合致することを確

認して市販の標準液を用いるか,又は調製したものを用いる。

注記 1  計量計測トレーサビリティが確保された標準物質としては,計量標準供給制度[JCSS (Japan

Calibration Service System)]に基づく標準液,国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標

準総合センター(NMIJ)

,米国国立標準技術研究所(NIST)

,ドイツ連邦材料試験研究所

(BAM)などが供給する標準物質及びこれらへの計量計測トレーサビリティが確保された

市販の認証標準物質がある。

d)  滴定用溶液は,計量計測トレーサビリティが確保されたものを,使用用途に合致することを確認して


4

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使用する。調製及び標定を行う場合,JIS K 8001 

附属書 JA(試験用溶液類の調製方法及び滴定用溶

液類の調製及び標定)による。

注記 2  ISO/IEC 17025 に準拠した方法によって標定された市販の滴定用溶液がある。

6.2 

濃度(H

2

O

2

 

濃度(H

2

O

2

)の試験方法は,次による。

a)  試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)  硫酸(115)  水の体積 15 を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951 に規定する硫酸の体積 1 を徐々

に加える。

2)  0.02 mol/L  過マンガン酸カリウム溶液(KMnO

4

:3.161 g/L)  JIS K 8247 に規定する過マンガン酸

カリウムを用いて,6.1 d)による。

b)  操作  操作は,次のとおり行う。

水 20 mL を共通すり合わせ三角フラスコ 200 mL などにとり,栓をした後,その質量を 0.1 mg の桁

まではかる。その共通すり合わせ三角フラスコに試料 0.2 g を加え,栓をして再び質量を 0.1 mg の桁

まではかる。水 30 mL 及び硫酸(1+15)20 mL を加え,穏やかにかき混ぜながらビュレットを用い

て,0.02 mol/L  過マンガン酸カリウム溶液を用いて滴定する。終点は,液のうすい紅色が約 15 秒間残

る点とする。または,JIS K 0113 の 5.(電位差滴定方法)によって,指示電極に白金電極,参照電極

に銀−塩化銀電極若しくはガラス電極又は指示電極と参照電極とを組み合わせた複合電極を用いて,

0.02 mol/L  過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。終点は,変曲点とする。

c)  計算  濃度(H

2

O

2

)は,次の式によって計算する。

100

7

700

001

.

0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに,

A

濃度(

H

2

O

2

(質量分率

  %

V

滴定に要した

0.02 mol/L

過マンガン酸カリウム溶液の

体積(

mL

f

0.02 mol/L

過マンガン酸カリウム溶液のファクター

m

はかりとった試料の質量(

g

0.001 700 7

0.02 mol/L

過マンガン酸カリウム溶液

1 mL

に相当する

H

2

O

2

の質量(

g

)を示す換算係数(

g/mL

6.3 

蒸発残分 

蒸発残分の試験方法は,JIS K 0067 の 4.3.4 (1)(第

1

法  水浴上で加熱蒸発する方法)による。この場

合,試料

40 g

(質量分率

30 %

36.0 mL

,質量分率

35 %

35.4 mL

)をあらかじめ質量をはかった白金皿

にはかりとり,常温で放置して分解した後,水浴上で加熱する(残分は 6.6 の試験に用いる。

なお,試料は白金皿の大きさに合わせ,数回に分割して加え,分解してよい。

6.4 

酸(H

2

SO

4

として) 

酸(

H

2

SO

4

として)の試験方法は,次による。

a)

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

水酸化カリウム溶液(250 g/L

(必要な場合に用いる。

JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム

29.4

g

をはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を加えて

100 mL

にする。ポリエチレンなどの樹脂製瓶

に保存する。

2)

二酸化炭素を除いた水  JIS K 8001 の 5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。

3)

0.1 mol/L  水酸化ナトリウム溶液(

NaOH

4.000 g/L

JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用


5

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いて,6.1 d)による。ポリエチレンなどの樹脂製容器に保存する。

4)

メチルレッド溶液  JIS K 8896 に規定するメチルレッド

0.10 g

をはかりとり,JIS K 8102 に規定す

るエタノール(

95

)を加えて溶かし,JIS K 8102 に規定するエタノール(

95

)を加えて

100 mL

する。褐色ガラス製瓶に保存する。

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

メスピペット又はマイクロビュレット  最小目盛

0.01 mL

のもの。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

試料溶液の調製は,試料

20 g

を共通すり合わせ三角フラスコ

200 mL

にはかりとり,二酸化炭素を

除いた水

100 mL

及びメチルレッド溶液

0.1 mL

を加える。メスピペット又はマイクロビュレットを用

いて

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液

0.12 mL

を加え液の色を観察する。

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム

溶液のファクターが

1.000

でない場合,加える体積を補正する。

d)

判定  c)によって操作し,次に適合するとき,

“酸(

H

2

SO

4

として)

:質量分率

0.003 %

以下(規格値)

とする。

試料溶液の色は黄である。

注記

 0.1

mol/L

水酸化ナトリウム溶液

1 mL

は,

0.004 904 g H

2

SO

4

に相当する。

6.5 

塩化物(Cl 

塩化物(

Cl

)の試験方法は,次による。

a)

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

硝酸(12

JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率

60 %

61 %

,特級)の体積

1

と水の体積

2

を混合する。

2)

硝酸銀溶液(20 g/L

JIS K 8550 に規定する硝酸銀

2 g

をはかりとり,水を加えて溶かし,水を加

えて

100 mL

にする。褐色ガラス製瓶に保存する。

3)

塩化物標準液(Cl0.01 mg/mL

6.1 c)による。

なお,塩化物標準液(

Cl

0.01 mg/mL

)を調製する場合,JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム

1.65 g

を全量フラスコ

1 000 mL

にはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液

10 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

に正確にとり,水を標線まで加えて混合する。

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例

として,容量

50 mL

,直径約

23 mm

のもの。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料

3.0 g

を共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて

20 mL

にす

る。

2)

比較溶液の調製は,塩化物標準液(

Cl

0.01 mg/mL

0.90 mL

を共通すり合わせ平底試験管にとり,

水を加えて

20 mL

にする。

3)

試料溶液及び比較溶液に,硝酸(

1

2

5 mL

及び硝酸銀溶液(

20 g/L

1 mL

を加えて振り混ぜた後,

15

分間放置する。

4)

黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管

の上方又は側面から観察して濁りを比較する。

d)

判定  c)によって操作し,次に適合するとき,

“塩化物(

Cl

:質量分率

3 ppm

以下(規格値)

”とする。

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。


6

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6.6 

りん酸塩(PO

4

 

りん酸塩(

PO

4

)の試験方法は,次による。

a)

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

塩化すず(II)溶液(りん酸定量用)

JIS K 8136 に規定する塩化すず(

II

)二水和物

40 g

をはかり

とり,JIS K 8180 に規定する塩酸(ひ素分析用)

60 mL

を加えて溶かす。この

1 mL

を硫酸(

1

30

250 mL

にする。使用時に調製する。

2)

七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用)

JIS K 8905 に規定する七モリブデン酸六ア

ンモニウム四水和物

10.6 g

をはかりとり,水

70 mL

及び JIS K 8085 に規定するアンモニア水(質量

分率

28.0 %

30.0 %

7 mL

を加えて加熱しないで溶かし,水で

100 mL

にする。これをろ過後,ろ

液に水を加え

200 mL

にする。さらに,硫酸(

1

5

10 mL

を加える。洗浄は,これを分液漏斗に

移し,JIS K 8810 に規定する

1-

ブタノール

30 mL

を加え

1

分∼

2

分間激しく振り混ぜる。放置後,

上層(

1-

ブタノール相)と下層(水相)とを分離する(水相は,保存する。

確認試験は,洗浄操作で分離した上層(

1-

ブタノール相)を硫酸(

1

5

15 mL

で洗い,下層(硫

酸相)を除去する操作を

2

回行った後,

1-

ブタノール相に塩化すず(

II

)溶液(りん酸定量用)

15 mL

を加え

30

秒間振り混ぜて放置し,上層(

1-

ブタノール相)に青が現れない。

なお,確認試験で上層(

1-

ブタノール相)に青が現れた場合は,保存した水相の洗浄及び確認試

験を繰り返す。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。

3)

硫酸(15

水の体積

5

を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951 に規定する硫酸の体積

1

を徐々に

加える。

4)

りん酸塩標準液(PO

4

0.01 mg/mL

6.1 c)による。

なお,りん酸塩標準液(

PO

4

0.01 mg/mL

)を調製する場合,JIS K 9007 に規定するりん酸二水素

カリウム

1.43 g

を全量フラスコ

1 000 mL

にはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混

合する。この液

10 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

に正確にとり,水を標線まで加えて混合する。

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  6.5 b)による。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,6.3 の残分に硫酸(

1

5

8 mL

を加え加熱する。冷却後,水を加えて

40 mL

し,その

10 mL

(試料量

10 g

)を共通すり合わせ平底試験管にとり,水

10 mL

を加える。

2)

比較溶液の調製は,りん酸塩標準液(

PO

4

0.01 mg/mL

3.0 mL

を共通すり合わせ平底試験管にと

り,硫酸(

1

5

2 mL

及び水を加えて

20 mL

とする。

3)

試料溶液及び比較溶液に,硫酸(

1

5

2.5 mL

及び七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定

量用)

1 mL

を加えて振り混ぜた後,

3

分間放置する。これに塩化すず(

II

)溶液(りん酸定量用)

1

mL

を加え,振り混ぜて

10

分間放置する。

4)

白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管

の上方又は側面から観察して,液の青を比較する。

d)

判定  c)によって操作し,次に適合するとき,“りん酸塩(

PO

4

:質量分率

3 ppm

以下(規格値)

”と

する。

試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の青より濃くない。

6.7 

硫酸塩(SO

4

 

硫酸塩(

SO

4

)の試験方法は,次による。


7

K 8230

:2016

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

エタノール(95

JIS K 8102 に規定するもの。

2)

塩化バリウム溶液(100 g/L

JIS K 8155 に規定する塩化バリウム二水和物

11.7 g

をはかりとり,

水を加えて溶かし,水を加えて

100 mL

にする。

3)

塩酸(21

JIS K 8180 に規定する塩酸(特級)の体積

2

と水の体積

1

とを混合する。

4)

炭酸ナトリウム溶液(100 g/L

JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム

10 g

をはかりとり,水を加

えて溶かし,水を加えて

100 mL

にする。

5)

硫酸塩標準液(SO

4

0.01 mg/mL

6.1 c)による。

なお,硫酸塩標準液(

SO

4

0.01 mg/mL

)を調製する場合,JIS K 8962 に規定する硫酸カリウム

1.81 g

を全量フラスコ

1 000 mL

にはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液

10 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

に正確にとり,水を標線まで加えて混合する。

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

1)

共通すり合わせ平底試験管  6.5 b)による。

2)

水浴  沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料

10 g

を蒸発皿にはかりとり,炭酸ナトリウム溶液(

100 g/L

1 mL

を加え,

水浴上で蒸発乾固する。冷却後,塩酸(

2

1

0.5 mL

を加え,少量の水で共通すり合わせ平底試験

管に移し,水を加えて

25 mL

にする。

2)

比較溶液の調製は,炭酸ナトリウム溶液(

100 g/L

1 mL

を蒸発皿にとり,水浴上で蒸発乾固する。

冷却後,硫酸塩標準液(

SO

4

0.01 mg/mL

5.0 mL

,塩酸(

2

1

0.5 mL

を加え,少量の水で共通

すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて

25 mL

にする。

3)

試料溶液及び比較溶液に,エタノール(

95

3 mL

及び塩化バリウム溶液(

100 g/L

2 mL

を加えて

振り混ぜた後,

1

時間放置する。

4)

黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。

d)

判定  c)

によって操作し,次に適合するとき,

“硫酸塩(

SO

4

:質量分率

5 ppm

以下(規格値)

”とす

る。

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。

6.8 

窒素化合物(として) 

窒素化合物(

N

として)の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

デバルダ合金  JIS K 8653 に規定するもの。

2)

エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(インドフェノール青法用)

EDTA2Na 溶液(イ

ンドフェノール青法用)]

JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム

1 g

をはかりとり,水

60 mL

加えて溶かす。これに JIS K 8107 に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物

5 g

を加えて溶かし,水で

100 mL

にする。

3)

吸収液  試験に必要な数の受器を準備し,それぞれに硫酸(

1

15

2 mL

に水

18 mL

を加える。

4)

酢酸(11

JIS K 8355 に規定する酢酸の体積

1

と水の体積

1

とを混合する。

5)

次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素  質量分率約 1 %

次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素  質

量分率

5 %

12 %

)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約

1 %

になるように水でう


8

K 8230

:2016

すめる。冷暗所に保存し,

30

日以内に使用する。

有効塩素の定量方法  次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素  質量分率

5 %

12 %

10 g

0.1 mg

の桁まではかりとり,全量フラスコ

200 mL

に移し,水を標線まで加えて混合する。その

20 mL

共通すり合わせ三角フラスコ

300 mL

に正確にとり,水

100 mL

JIS K 8913 に規定するよう化カリ

ウム

2 g

及び酢酸(

1

1

6 mL

を加えて栓をして振り混ぜる。約

5

分間暗所に放置後,指示薬とし

てでんぷん溶液を用い,

0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この場合,でんぷん溶液は,

終点間際で液の色がうすい黄になったときに約

0.5 mL

を加える。終点は,液の青が消えた点とする。

別に,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。

有効塩素の濃度は,次の式によって計算する。

100

200

20

3

545

003

0

2

1

×

×

×

×

=

m

f

.

V

V

A

ここに,

A

次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素

質量分率

5 %

12 %

)の有効塩素の濃度(

Cl

(質量分率

  %

V

1

滴定に要した

0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液の体

積(

mL

V

2

空試験に要した

0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液の

体積(

mL

f

0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとった次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 
質量分率

5 %

12 %

)の質量(

g

0.003 545 3

0.1 mol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

1 mL

に相当する

Cl

の質量を示す換算係数(

g/mL

6)

水酸化ナトリウム溶液(300 g/L

JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム

30.9 g

をはかりとり,

水を加えて溶かし,水を加えて

100 mL

にする。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。

7)

でんぷん溶液  JIS K 8659 に規定する特級又は

1

級のでんぷん(溶性)

1.0 g

をはかりとり,水

10 mL

を加えてかき混ぜながら熱水

200 mL

中に入れて溶かす。これを約

1

分間煮沸した後に冷却する。

冷所に保存し,

10

日以内に使用する。

8)

ナトリウムフェノキシド溶液  水酸化ナトリウム溶液(

300 g/L

18 mL

をビーカー

200 mL

にとる。

冷水中で冷却しながら JIS K 8798 に規定するフェノール

12.6 g

を少量ずつ加えた後,更に JIS K 

8034 に規定するアセトン

4 mL

を加え,水で

100 mL

にする。使用時に調製する。

9)

硫酸(15

水の体積

5

を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951 に規定する硫酸の体積

1

を徐々に

加える。

10)

硫酸(115

6.2 a) 1)による。

11)

0.1 mol/L  チオ硫酸ナトリウム溶液(Na

2

S

2

O

3

5H

2

O24.82 g/L

JIS K 8637 に規定するチオ硫酸

ナトリウム五水和物

26 g

及び JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム

0.2 g

を用いて,6.1 d)による。

なお,防腐剤は,適切な量の JIS K 8051 に規定する

3-

メチル

-1-

ブタノール

などを用いるか,そ

れらを炭酸ナトリウムと併用してもよい。

12)

窒素標準液(N0.01 mg/mL

6.1 c)による。

なお,窒素標準液(

N

0.01 mg/mL

)を調製する場合,JIS K 8548 に規定する硝酸カリウム

7.22 g

を全量フラスコ

1 000 mL

にはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液

10 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

に正確にとり,水を標線まで加えて混合する。


9

K 8230

:2016

b)

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1)

吸収セル

(必要な場合に用いる。

)光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,

光路長が

10 mm

のもの。

2)

共通すり合わせ平底試験管  6.5 b)による。

3)

沸騰石  液体を沸騰させるとき突沸を防ぐために入れる多孔質の小片。

4)

白金皿  JIS H 6202 に規定するもの。

5)

恒温水槽

20

℃∼

25

℃に調節できるもの。

6)

水浴  6.7 b) 2)による。

7)

蒸留装置  例を図 に示す。

8)

分光光度計  装置の構成は,JIS K 0115 に規定するもの。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料

10 g

を白金皿にはかりとり,常温で放置して分解し,硫酸(

1

5

0.2 mL

を加えて,水浴上で加熱して約

1 mL

まで濃縮し,蒸留フラスコ

A

に入れ,水を加えて約

140 mL

にする。

2)

比較溶液の調製は,蒸留フラスコ

A

に窒素標準液(

N

0.01 mg/mL

2.0 mL

,硫酸(

1

5

0.2 mL

及び水を加えて約

140 mL

にする。

3)

空試験溶液は,蒸留フラスコ

A

に水約

140 mL

を加える。

4)

試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に沸騰石

2

3

片を入れる。受器

H

に吸収液を入れ,逆流止め

G

の先端を浸す。蒸留フラスコ

A

にデバルダ合金

1 g

を入れ,直ちに蒸留装置に連結する。これに

水酸化ナトリウム溶液(

300 g/L

10 mL

を注入漏斗

D

から加える。注入漏斗

D

を水

10 mL

で洗い,

すり合わせコック

C

を閉じる。加熱して初留約

75 mL

をとり,水を加えて

100 mL

にする(試料溶

液から得られた液を

X

液,比較溶液から得られた液を

Y

液及び空試験溶液から得られた液を

Z

とする。

5)

  X

10 mL

Y

10 mL

及び

Z

10 mL

をそれぞれ共通すり合わせ平底試験管にとり,

EDTA2Na

溶液(インドフェノール青法用)

1 mL

及びナトリウムフェノキシド溶液

4 mL

を加えてよく振り混

ぜる。これらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素  質量分率約

1 %

2.5 mL

を加え,更に水を

加えて

25 mL

とし,

20

℃∼

25

℃の恒温水槽で

15

分間放置する。

6)

  X

液及び

Y

液から得られた液は,

Z

液から得られた液を対照液とし,吸収セルを用いて,分光光度

計で波長

630 nm

付近における吸光度を,JIS K 0115 の 6.(特定波長における吸収の測定)によって

測定して比較する。

d)

判定  c)によって操作し,次に適合するとき,“窒素化合物(

N

として)

:質量分率

2 ppm

以下(規格

値)

”とする。

X

液から得られた液の吸光度は,

Y

液から得られた液の吸光度より大きくない。


10

K 8230

:2016

A: 蒸留フラスコ 
B: 連結導入管 
C: すり合わせコック 
D: 注入漏斗 
E: ケルダール形トラップ球

(E':小孔)

F: 球管冷却器 
G: 逆流止め(約 50 mL) 
H: 受器(有栓系メスシリンダー

100 mL)

I:  共通すり合わせ 
J:  共通テーパー球面すり合わせ 
K: 押さえばね

図 1−蒸留装置の例 

6.9 

銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe 

銅(

Cu

,鉛(

Pb

)及び鉄(

Fe

)の試験方法は,6.9.1 又は 6.9.2 のいずれかによる。

6.9.1 

フレーム原子吸光法 

銅(

Cu

,鉛(

Pb

)及び鉄(

Fe

)のフレーム原子吸光法は,次による。

a)

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

塩酸(21

6.7 a) 3)

による。

2)

硝酸(12

6.5 a) 1)による。

3)

銅標準液(Cu0.01 mg/mL

6.1 c)による。

なお,銅標準液(

Cu

0.01 mg/mL

)を調製する場合,JIS K 8983 に規定する硫酸銅(

II

)五水和

3.93 g

を全量フラスコ

1 000 mL

にはかりとり,硝酸(

1

2

25 mL

及び水を加えて溶かし,水を

標線まで加えて混合する。この液

10 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

に正確にとり,硝酸(

1

2

25 mL

を加え,水を標線まで加えて混合する。

4)

鉛標準液(Pb0.01 mg/mL

6.1 c)による。

なお,鉛標準液(

Pb

0.01 mg/mL

)を調製する場合,JIS K 8563 に規定する硝酸鉛(

II

1.60 g

全量フラスコ

1 000 mL

にはかりとり,硝酸(

1

2

25 mL

及び水を加えて溶かし,水を標線まで加

えて混合する。この液

10 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

に正確にとり,硝酸(

1

2

25 mL

を加え,

水を標線まで加えて混合する。


11

K 8230

:2016

5)

鉄標準液(Fe0.01 mg/mL

6.1 c)による。

なお,鉄標準液(

Fe

0.01 mg/mL

)を調製する場合,JIS K 8982 に規定する硫酸アンモニウム鉄

III

12

8.63 g

を全量フラスコ

1 000 mL

にはかりとり,硝酸(

1

2

25 mL

及び水を加えて溶

かし,水を標線まで加えて混合する。この液

10 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

に正確にとり,硝酸(

1

2

25 mL

を加え,水を標線まで加えて混合する。

b)

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1)

水浴  6.7 b) 2)による。

2)

フレーム原子吸光分析装置  装置の構成は,JIS K 0121 に規定するもの。

c)

分析種の測定波長  分析種の測定波長の例を表 に示す。

表 2−分析種の測定波長の例 

分析種

測定波長  nm

銅(Cu) 324.8

鉛(Pb) 283.3

鉄(Fe) 248.3

d)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料

200 g

をガラス製ビーカーにはかりとり,白金はく又は白金線コイルを入

れて常温で分解した後,水浴上で蒸発乾固する。冷却後,水浴上で塩酸(

2

1

1 mL

を加え,再び

蒸発乾固させ,塩酸(

2

1

2 mL

及び水を加えて

100 mL

にする(

S

液)

S

50 mL

(試料量

100 g

を全量フラスコ

100 mL

にとり,水を標線まで加えて混合する(

X

液)

2)

比較溶液の調製は,

S

50 mL

(試料量

100 g

)に銅標準液(

Cu

0.01 mg/mL

1.0 mL

,鉛標準液(

Pb

0.01 mg/mL

2.0 mL

及び鉄標準液(

Fe

0.01 mg/mL

2.0 mL

を全量フラスコ

100 mL

にとり,水を

標線まで加えて混合する(

Y

液)

3)

フレーム原子吸光分析装置を用いて,

Y

液をフレーム中に噴霧し,

表 に示す測定波長付近で吸光

度が最大となる波長を設定する。

X

液及び

Y

液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を

測定し,

X

液の指示値 n

1

及び

Y

液の指示値 n

2

を読み取る。

4)

測定結果は,

X

液の指示値 n

1

Y

液の指示値から

X

液の指示値を引いた n

2

n

1

と比較する。

e)

判定  d)によって操作し,次に適合するとき,

“銅(

Cu

:質量分率

0.1 ppm

以下(規格値)

,鉛(

Pb

質量分率

0.2 ppm

以下(規格値)

,鉄(

Fe

:質量分率

0.2 ppm

以下(規格値)

”とする。

n

1

は,n

2

n

1

より小さい。

注記

分析種の含有率(質量分率

 ppm

)は,次の式によって求めることができる。

6

1

2

1

10

000

1

×

×

×

=

m

n

n

n

B

A

ここに,

A

分析種の含有率(質量分率 ppm)

B

用いた標準液中の分析種の質量(mg)

m

はかりとった試料の質量(g)

6.9.2 ICP 質量分析法 

銅(Cu)

,鉛(Pb)及び鉄(Fe)の ICP 質量分析法は,次による。

a)  試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。ただし,分析種の空試験の含

有率が,この試験に支障のない品質の水を用いる。


12

K 8230

:2016

1)   硝酸  JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 69 %∼70 %,特級)。 
2)  インジウム標準液(In1 μg /mL)  6.1 c)による。

なお,インジウム標準液(In:1 μg /mL)を調製する場合,インジウム(質量分率 99.9 %以上)

1.00 g をはかりとり,硝酸(質量分率 69 %∼70%,特級) 5 mL を加え,加熱して溶かし,煮沸し

て窒素酸化物を追い出し,放冷後,全量フラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加え混合する。

この液 100 μL を全量フラスコ 1 00 mL に正確にとり,JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 69 %

∼70 %,特級)1.0 mL を加え,水を標線まで加えて混合する。

注記  インジウム標準液(In:1 μg/mL)は,ICP 質量分析法でイオンカウント数を補正するため

の内標準元素として添加する。市販のインジウム標準液(In:1 mg/mL)などで,使用目的

に合致した場合,市販のものを希釈して用いてもよい。

3)  銅標準液(Cu1 μg/mL)  6.9.1 a) 3)の銅標準液(Cu:0.01 mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL

に正確にとり,JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 69 %∼70%,特級)1.0 mL を加え,水を標線

まで加えて混合する。

4)  鉛標準液(Pb1 μg/mL)  6.9.1 a) 4)の鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL

に正確にとり,JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 69 %∼70%,特級)1.0 mL を加え,水を標線

まで加えて混合する。

5)  鉄標準液(Fe1 μg/mL)  6.9.1 a) 5)の鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)10 mL を全量フラスコ 100 mL

に正確にとり,JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 69 %∼70%,特級)1.0 mL を加え,水を標線

まで加えて混合する。

b)  器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1)  ピストン式ピペット  JIS K 0970 に規定するもの。 
2)  高周波プラズマ質量分析計(ICP-MS)  装置の構成は,JIS K 0133 に規定するもの。

c)  分析種及び内標準インジウムの m/z  分析種及び内標準インジウムの m/の例を表 に示す

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いても

よい。

表 3−分析種及び内標準インジウムの m/の例 

分析種及び内標準インジウム

m/z

銅(Cu) 63

鉛(Pb) 208

鉄(Fe) 56

インジウム(In)

(内標準) 115

d)  操作  操作は,次のとおり行う。

1)  試料溶液の調製は,試料 10 g を全量フラスコ 100 mL にはかりとり,硝酸(質量分率 69 %∼70%,

特級)100 μL 及びインジウム標準液(In:1 μg/mL)100 μL を加え,水を標線まで加えて混合する。

(X 液)

2)  検量線用溶液の調製は,試料 10 g を 5 個の全量フラスコ 100 mL にはかりとり,それぞれに,ピス

トン式ピペットを用いて,

表 に示す各標準液の体積をとり,硝酸(質量分率 69 %∼70%,特級)

100  μL 及びインジウム標準液(In:1  μg/mL)100  μL を加え,水を標線まで加えて混合する(それ

ぞれ,Y

1

液,Y

2

液,Y

3

液,Y

4

液及び Y

5

液とする。


13

K 8230

:2016

表 4−採取する標準液の体積 

標準液

μg/mL

採取量  μL

Y

1

Y

2

Y

3

Y

4

Y

5

銅標準液(Cu)

1

500

750

1 000

1 500

2 000

鉛標準液(Pb)

1

1 000

1 500

2 000

3 000

4 000

鉄標準液(Fe)

1

1 000

1 500

2 000

3 000

4 000

3)  空試験溶液の調製は,全量フラスコ 100 mL に硝酸(質量分率 69 %∼70 %,特級)100 μL 及びイン

ジウム標準液(In:1 μg/mL)100 μL を加え,水を標線まで加えて混合する(Z 液)

4) ICP-MS 装置の一般事項は,JIS K 0133 による。 
5) ICP-MS 装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,イオンカウント数を測定できる状態に

する。

6)  Z 液,X 液,Y

1

液,Y

2

液,Y

3

液,Y

4

液及び Y

5

液をアルゴンプラズマ中に噴霧し,各分析種のイオ

ンカウント数を測定する。

e)  計算  計算は,JIS K 0133 の 12.2 c)(標準添加法)によって検量線を作成し,各分析種の含有率を計

算する。

f)  判定  d)によって操作し,e)によって計算し,次に適合するとき,“銅(Cu):質量分率 0.1 ppm 以下

(規格値)

,鉛(Pb)

:質量分率 0.2 ppm 以下(規格値)

,鉄(Fe)

:質量分率 0.2 ppm 以下(規格値)

とする。

計算して得られた含有率が,規格値を満足している。

容器 

容器は,内圧調整栓付容器とする。

表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)  日本工業規格番号

b)  名称  “過酸化水素”及び“試薬”の文字 
c)  種類 
d)  化学式及び式量

e)  濃度 
f)  内容量 
g)  製造番号

h)  製造年月又はその略号 
i)

製造業者名又はその略号


14

K 8230

:2016

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS K 8230:2016  過酸化水素(試薬)

ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series R 
14 Hydrogen peroxide

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

試薬として用いる過酸

化水素について規定

 R14

化学分析用試薬 40 品

目の仕様について規定

変更

JIS は 1 品目 1 規格

試薬の規格使用者が各規格を

多く引用しやすくするために
1 品目 1 規格としている。 
なお,対応国際規格は 25 年以

上見直しをされていないため
市場の実態に合わない。国際

規格の改正提案を検討する。

2  引用規格

3  種類

追加

種類の項目を追加

JIS は,種類として“特級”だ
けなので,ISO 規格と技術的
な差異はない。

4  性質

追加

項目を追加

一般的な説明事項であり,技

術上の差異はない。

5  品質

R14.1

変更

品質に差のある項目:濃度,酸

(H

2

SO

4

と し て ), 塩 化 物 ( Cl), り ん 酸 塩
(PO

4

,窒素化合物(N として)

ISO 規格は,長期間内容の見
直しが行われておらず,技術
的な差異も軽微である。

6  試験方法

6.1  一般事項

JIS K 0050 , JIS K 
8001
JIS R 3503 及び
JIS R 3505 による。

追加

項目を追加

編集上の差異であり,技術上

の差異ではない。

6.2  濃度(H

2

O

2

) 酸化還元滴定

R14.2.1

酸化還元滴定

変更

操作法を変更

技術的な差異は,軽微であり,
対策は考慮しない。

6.3  蒸発残分

R14.2.9

一致

14

K 82

30

2016


15

K 8230

:2016

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

6.4  酸( H

2

SO

4

として)

中和滴定

R14.2.2

中和滴定

変更

単位及び表現を変更

技術的な差異は,軽微であり,

対策は考慮しない。

6.5  塩化物(Cl) 塩化銀比濁法

R14.2.3

塩化銀比濁法

変更

規格値及び操作法を変更

技術的な差異は,軽微であり,
対策は考慮しない。

6.6  り ん 酸 塩
(PO

4

抽出りんモリブデン青

比色法

 R14.2.4

りんモリブデン青比色

変更

規格値及び操作法を変更

技術的な差異は,軽微であり,

対策は考慮しない。

6.7  硫 酸 塩
(SO

4

硫酸バリウム比濁法

R14.2.5

硫酸バリウム比濁法

変更

操作法を変更

技術的な差異は,軽微であり,

対策は考慮しない。

6.8  窒 素 化 合
物(N として)

インドフェノール青法

 R14.2.6

ネスラー法

変更

発色操作法を変更

水銀化合物の使用を避けるた
めに変更。ISO 規格の見直し

時に,改正提案を行う予定。

6.9  銅(Cu) 
6.9  鉛(Pb) 
6.9  鉄(Fe)

フレーム原子吸光光度

法 
ICP 質量分析法

 R14.2.7

 
R14.2.8

アノーディックストリ

ッピングボルタンメト
リー

変更

測定方法を変更

水銀化合物の使用を避けるた

めに変更。ISO 規格の見直し
時に,改正提案を行う予定。

7  容器

追加

項目を追加

規格適合性を評価する関係で

必要な項目を追加

8  表示

追加

項目を追加

規格適合性を評価する関係で

必要な項目を追加

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6353-2:1983,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

−  一致  技術的差異がない。 
−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD

国際規格を修正している。

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K 82

30

2016