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日本工業規格

JIS

 K

8142

 - 1994

塩化鉄 (III) 六水和物(試薬)

Iron (III) chloride hexahydrate

FeCl

3

・ 6H

2

O

    FW : 270.30

1.

適用範囲  この規格は,試薬として用いる塩化鉄 (III) 六水和物について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 8001 による。

3.

種類  特級,りん酸分析用

4.

性質  塩化鉄 (III) 六水和物は,次の性質を示す。

(1)

性状  塩化鉄 (III) 六水和物は,黄色∼褐色の結晶塊で,潮解性がある。水に極めて溶けやすく,エ

タノール及びジエチルエーテルにやや溶けやすい。

(2)

定性方法

(a)

試料 1g に,水 200ml を加えて溶かす(A 液)

。A 液 10ml に硝酸銀溶液 (20g/l) 1ml を加えると沈殿

が生じる。

(b)  A

液 10ml に塩酸 (1+3) 1ml を加え,ヘキサシアノ鉄 (II) 酸カリウム溶液 (10g/l) 1ml を加えると,

こい青の沈殿が生じる。

5.

品質  品質は,6.によって試験し,表 に適合しなければならない。


2

K 8142 - 1994

表 1  品質

規格値

項目

特級

りん酸分析用

純度

99.0%

以上

99.0%

以上

希塩酸溶状

試験適合

試験適合

酸(HCl として)

0.2%

以下

0.2%

以下

オキシ塩化物

試験適合

試験適合

硝酸塩 (NO

3

)

0.01%

以下

0.01%

以下

りん酸塩 (PO

4

)

0.005%

以下

5ppm

以下

硫酸塩 (SO

4

)

0.005%

以下

0.005%

以下

遊離塩素

試験適合

試験適合

ナトリウム (Na)

0.05%

以下

0.05%

以下

カリウム (K)

0.005%

以下

0.005%

以下

銅 (Cu)

0.005%

以下

0.005%

以下

マグネシウム (Mg)

0.005%

以下

0.005%

以下

カルシウム (Ca)

0.005%

以下

0.005%

以下

亜鉛 (Zn)

0.005%

以下

0.005%

以下

鉛 (Pb)

0.005%

以下

0.005%

以下

ひ素 (As)

5ppm

以下

5ppm

以下

マンガン (Mn)

0.05%

以下

0.05%

以下

鉄 (II) (Fe

2

)

0.002%

以下

0.002%

以下

6.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

6.1

特級

(1)

純度 99.0%以上

試料 1g(0.1mg のけたまではかる)→共通すり合わせ三角フラスコ 300ml にとる+水 50ml+塩酸 (2

+1) 10ml+よう化カリウム 3g→直ちに栓をして 30 分間暗所に放置+水 100ml→0.1mol/チオ硫酸ナト

リウム溶液で滴定(指示薬:でんぷん溶液)。

別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液 1ml は,0.027 030gFeCl

3

・6H

2

O

に相当する。

(2)

希塩酸溶状

試料 4g+塩酸 (2+1) 0.6ml+水  (→20ml)  →水浴中加熱……わずかな微濁以内。

(3)

酸(HCl として)  0.2%以下

試料 2.0g+水 15ml→溶かす+中性ふつ化カリウム溶液(

1

)25ml

+水  (→50ml)  →3 時間放置→乾燥ろ紙

(5 種 C)を用いてろ過→ろ液 25ml→0.1mol/水酸化ナトリウム溶液で滴定(指示薬:フェノールフ

タレイン溶液)……消費量 0.55ml 以下。

0.1mol/l

水酸化ナトリウム溶液は 0.003 646 1gHCl に相当する。

(

1

)

中性ふっ化カリウム溶液の調製:ふっ化カリウム12g→ポリエチレンビーカー100ml にとる+水

40ml

→溶かす+フェノールフタレイン溶液1滴→0.1mol/塩酸又は0.1mol/水酸化ナトリウム溶

液で中和+水  (→50ml)。

(4)

オキシ塩化物

試料 5g+エタノール (95) 35ml+ジエチルエーテル 15ml→溶かす……わずかな微濁以内。

(5)

硝酸塩 (NO

3

  0.01%以下

試料側溶液:試料 0.5g+水  (→140ml)。


3

K 8142 - 1994

標準側溶液:硝酸塩標準液 (0.01mgNO

3

/ml) 5.0ml

+水  (→140ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.10(4)(蒸留−インドフェノール青法)(e)による。

(6)

りん酸塩 (PO

4

)

  0.005%以下

試料側溶液:試料 0.50g+水 10ml+塩酸 (2+1) 30ml→分液漏斗にとる+“4−メチル−2−ペンタノン

20ml

→振り混ぜる→放置→4−メチル−2−ペンタノン層を除く”

(4 回行う)→水層→水浴上蒸発乾固

+硫酸 (1+5) 1ml+水  (→30ml)。

標準側溶液:4−メチル−2-ペンタノン 80ml+塩酸 (2+1) 30ml→水浴上蒸発乾固+りん酸塩標準液

(0.01mgPO

4

/ml) 2.5ml

+硫酸 (1+5) 1ml+水  (→30ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.13(2)(抽出比色法)(c)による。

(7)

硫酸塩 (SO

4

  0.005%以下

試料側溶液:試料 10g+水 50ml→沸騰するまで加熱→アンモニア水 (1+1) 100ml 中に注ぐ→冷却+水

(

→200ml)  →洗浄ろ紙(5 種 C)を用いてろ過→ろ液(B 液)

。B 液 40ml(試料量 2g)+炭酸ナトリウ

ム溶液 (100g/l) 5ml→水浴上蒸発乾固→徐々に弱く加熱(アンモニウム塩を除く)→冷却+水 10ml+

塩酸 (2+1) 3ml→水浴上蒸発乾固+塩酸 (2+1) 0.3ml+水  (→25ml)。

標準側溶液:アンモニア水 (1+1) 20ml→水浴上蒸発乾固+炭酸ナトリウム溶液 (100g/l) 5ml+塩酸 (2

+1) 3ml→水浴上蒸発乾固+塩酸 (2+1) 0.3ml+硫酸塩標準液 (0.01mgSO

4

/ml) 10ml

+水  (→25ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.15(1)(比濁法)(c)による。

(8)

遊離塩素

試料 5g→ビーカー50ml にとる→時計皿でふたをして 5 分間放置→よう化亜鉛でんぷん紙(

2

)

を近づけ

ても青が現れない。

(

2

)

よう化亜鉛でんぷん紙の調製:新しく作ったよう化亜鉛でんぷん溶液にろ紙(5種 C)を浸し,

酸化性の雰囲気を避けて暗所で常温乾燥する。

(9)

ナトリウム (Na)   0.05%以下

試料側溶液:試料 1.0g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+水  (→100ml)  (X 液)[(10)(11)(12)及び(14)

の試験にも用いる]

標準側溶液:試料 1.0g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+ナトリウム標準液 (0.1mgNa/ml) 5.0ml+カリウム

標準液 (0.01mgK/ml) 5.0ml+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 5.0ml+マグネシウム標準液 (0.01mgMg/ml)

5.0ml

+亜鉛標準液 (0.01mgZn/ml) 5.0ml+水  (→100ml)  (Y 液)

(10)(11)(12)及び(14)の試験にも

用いる]

操作:JIS K 8001 の 5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長 589.0nm。

(10)

カリウム (K)   0.005%以下

試料側溶液:(9)の X 液。

標準側溶液:(9)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 766.5nm。

(11)

 (Cu)   0.005%以下

試料側溶液:(9)の X 液。

標準側溶液:(9)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 324.7nm。

(12)

マグネシウム (Mg)   0.005%以下

試料側溶液:(9)の X 液。


4

K 8142 - 1994

標準側溶液:(9)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 285.2nm。

(13)

カルシウム (Ca)   0.005%以下

試料側溶液:試料 10g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+水  (→100ml)  (X 液)[(15)の試験にも用いる]。

標準側溶液:試料 10g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+カルシウム標準液 (0.1mgCa/ml) 5.0ml+鉛標準液

(0.01mgPb/ml) 50ml

+水  (→100ml)  (Y 液)

(15)の試験にも用いる]

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 422.7nm。

(14)

亜鉛 (Zn)   0.005%以下

試料側溶液:(9)の X 液。

標準側溶液:(9)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 213.9nm。

(15)

 (Pb)   0.005%以下

試料側溶液:(13)の X 液。

標準側溶液:(13)の Y 液。

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)(d)による。測定波長 283.3nm。

(16)

ひ素 (As)    5ppm 以下

試料側溶液:試料 0.50g→水素化ひ素発生瓶 100ml に入れる+水 10ml+塩酸(ひ素分析用) (1+1) 5ml

+塩化すず (II) 溶液(ひ素限度内試験用)

[塩化鉄 (III) の黄色が消えるまで]+水  (→40ml)。

標準側溶液:塩酸(ひ素分析用) (1+1) 5ml→水素化ひ素発生瓶 100ml に入れる+塩化すず (II) 溶液

(ひ素限度内試験用)

(試料側で加えた量)+ひ素標準液 (0.001mgAs/ml) 2.5ml+水  (→40ml)。

操作:JIS K 8001 の 5.19(3)[N, N−ジエチルジチオカルバミド酸銀法(AgDDTC 法)](e)による。た

だし,塩酸(ひ素分析用) (1+1) 5ml は加えない。

(17)

マンガン (Mn)   0.05%以下

試料側溶液:試料 0.50g+水 20ml+塩酸 (2+1) 1ml+水  (→100ml) (C 液)。C 液 10ml+塩酸 (2+1) 1ml

+水  (→100ml)  (X 液)

標準側溶液:  C 液 10ml+塩酸 (2+1) 1ml+マンガン標準液 (0.01mgMn/ml) 2.5ml+水  (→100ml)  (Y

液)

操作:JIS K 8001 の 5.31(1)による。測定波長 279.5nm。

(18)

 (II) (Fe

2

  0.002%以下

試料側溶液:試料 1.5g+塩酸 (2+1) 1ml+水  (→30ml)。

標準側溶液:試料 0.50g+塩酸 (2+1) 1ml+鉄 (II) 標準液 (0.01mgFe

2

/ml) 2.0ml

+水  (→30ml)。

操作:試料側溶液,標準側溶液それぞれに+ヘキサシアノ鉄 (III) 酸カリウム溶液 (50g/l) 0.1ml→5 分

間放置……試料側の色は,標準側の青より濃くない。

6.2

りん酸分析用

(1)

純度  99.0%以上

6.1(1)

による。

(2)

希塩酸溶状

6.1(2)

による。

(3)

酸  0.2%以下

6.1(3)

による。


5

K 8142 - 1994

(4)

オキシ塩化物

6.1(4)

による。

(5)

硝酸塩 (NO

3

  0.01%以下

6.1(5)

による。

(6)

りん酸塩 (PO

4

  5ppm 以下

6.1(6)

に準じる。ただし試料 2.0g をとり,りん酸塩標準液 (0.01mgPO

4

/ml) 1.0ml

を用いる。

(7)

硫酸塩 (SO

4

  0.005%以下

6.1(7)

による。

(8)

遊離塩素

6.1(8)

による。

(9)

ナトリウム (Na)   0.05%以下

6.1(9)

による。

(10)

カリウム (K)   0.005%以下

6.1(10)

による。

(11)

 (Cu)   0.005%以下

6.1(11)

による。

(12)

マグネシウム (Mg)   0.005%以下

6.1(12)

による。

(13)

カルシウム (Ca)   0.005%以下

6.1(13)

による。

(14)

亜鉛 (Zn)   0.005%以下

6.1(14)

による。

(15)

 (Pb)   0.005%以下

6.1(15)

による。

(16)

ひ素 (As)   5ppm 以下

6.1(16)

による。

(17)

マンガン (Mn)   0.05%以下

6.1(17)

による。

(18)

 (II) (Fe

2

  0.002%以下

6.1(18)

による。

7.

容器  遮光した気密容器とする。

8.

表示  容器には,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称  “塩化鉄 (III) 六水和物”及び“試薬”の文字

(2)

種類  特級又はりん酸分析用

(3)

化学式,式量

(4)

品質(純度)

(5)

内容量

(6)

製造番号


6

K 8142 - 1994

(7)

製造年月又はその略号

(8)

製造業者名又はその略号

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

久保田  正  明

物質工学工業技術研究所計測化学部

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

津  田      博

通商産業省機械情報産業局計量行政室

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

喜多川      忍

通商産業検査所化学部化学標準課

野々村      誠

都立工業技術センター無機化学部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

石  橋  無味男

厚生省国立衛生試験所

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

柳  瀬  斉  彦

社団法人日本化学工業協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

並  木      昭

財団法人化学品検査協会

鶴  田  利  行

硫酸協会

中  村      靖

日本鉱業協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

日  暮  喜八郎

第一化学製薬株式会社

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

高  野  虞美子

東京化成工業株式会社

中  村      穣

森田化学工業株式会社

山  岡      宏

片山化学工業株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

山  田  和  夫

関東化学株式会社

(事務局)

平  井  信  次

日本試薬連合会