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K 8073

:2010

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  種類

2

4

  性質

2

4.1

  性状

2

4.2

  定性方法

2

5

  品質

3

6

  試験方法

3

6.1

  一般事項

3

6.2

  純度(C

7

H

6

O

2

3

6.3

  アンモニア水溶状

5

6.4

  融点

6

6.5

  強熱残分(硫酸塩)

6

6.6

  塩化物(Cl

6

6.7

  硫黄化合物(SO

4

として)

7

6.8

  重金属(Pb として)

8

6.9

  鉄(Fe

9

6.10

  過マンガン酸還元性物質(として)

9

7

  容器

11

8

  表示

11


K 8073

:2010

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本試薬

協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8073:1992 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 K

8073

:2010

安息香酸(試薬)

Benzoic acid (Reagent)

C

7

H

6

O

2

    FW:122.12

序文

この規格は,1953 年に制定され,その後 3 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1992 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩などに対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,試薬として用いる安息香酸について規定する。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 6202

  化学分析用白金皿

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0064

  化学製品の融点及び溶融範囲測定方法

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 1107

  窒素

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8085

  アンモニア水(試薬)

JIS K 8102

  エタノール(95)

(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8155

  塩化バリウム二水和物(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8201

  塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)

JIS K 8202

  塩化 1,10-フェナントロリニウム一水和物(試薬)

JIS K 8230

  過酸化水素(試薬)

JIS K 8247

  過マンガン酸カリウム(試薬)

JIS K 8295

  グリセリン(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)


2

K 8073

:2010

JIS K 8359

  酢酸アンモニウム(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8563

  硝酸鉛(II)

(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8603

  ソーダ石灰(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8799

  フェノールフタレイン(試薬)

JIS K 8842

  ブロモチモールブルー(試薬)

JIS K 8949

  硫化ナトリウム九水和物(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8962

  硫酸カリウム(試薬)

JIS K 8982

  硫酸アンモニウム鉄(III)

・12 水(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

3

種類

種類は,特級とする。

4

性質

4.1

性状

安息香酸は,白い結晶で,エタノール及びジエチルエーテルに溶けやすく,水に溶けにくい。加熱する

と溶融し,揮散する。

4.2

定性方法

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 によって測定すると,波数 3 069 cm

1

,2 833 cm

1

,2 673 cm

1

1 686 cm

-1

,1 423 cm

1

,1 326 cm

1

,1 291 cm

1

,933 cm

1

及び 707 cm

1

付近に主な吸収ピークを認める。

この場合,試料調製は JIS K 0117 の 5.3(粉体)の a)(錠剤法)による。錠剤の調製に臭化カリウムを用

いたときの赤外吸収スペクトルの例を,

図 に示す。


3

K 8073

:2010

図 1−赤外吸収スペクトルの例

5

品質

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質

項目

規格値

試験方法

純度(C

7

H

6

O

2

質量分率% 99.5 以上

6.2 

アンモニア水溶状

試験適合

6.3 

融点

℃ 121∼124

6.4 

強熱残分(硫酸塩)

質量分率% 0.005 以下

6.5 

塩化物(Cl)

質量分率% 0.005 以下

6.6 

硫黄化合物(SO

4

として)

質量分率% 0.003 以下

6.7 

重金属(Pb として)

質量分率 ppm

5 以下

6.8 

鉄(Fe)

質量分率 ppm

5 以下

6.9 

過マンガン酸還元性物質(O として) 質量分率% 0.01 以下

6.10 

6

試験方法

6.1

一般事項

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2

純度(C

7

H

6

O

2

純度(C

7

H

6

O

2

)の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

エタノール(95)  JIS K 8102 に規定するもの。

2)

ソーダ石灰  JIS K 8603 に規定するもの。

3)

水酸化カリウム溶液(250 g/l)  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 29.4 g を水に溶かして 100 ml

にする(必要な場合に用いる。

。ポリエチレン製瓶などに保存する。


4

K 8073

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4)

二酸化炭素を除いた水  次のいずれか,又は 4.1)∼4.4)の二つ以上を組み合わせたものを用い,使用

時に調製する。

4.1)

水をフラスコに入れ 15 分間沸騰させる。加熱を止め,フラスコの口を時計皿で軽くふたをして少

し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又は

ソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却したもの。

4.2)

水をフラスコに入れ,水の中に JIS K 1107 に規定する窒素を 15 分間以上通じたもの。

4.3)

水を二酸化炭素分離膜を用いたガス分離管を用いて二酸化炭素を除いたもの。

4.4)

新鮮な 18 MΩ・cm 以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立

てないように採取したもの。

5)

フェノールフタレイン溶液  JIS K 8799 に規定するフェノールフタレイン 1.0 g を JIS K 8102 に規

定するエタノール(95)90 ml に溶かし,水で 100 ml にする。

6)

ブロモチモールブル一溶液  JIS K 8842 に規定するブロモチモールブルー0.10 g をエタノール(95)

50 ml に溶かし,水で 100 ml にする。褐色ガラス製瓶に保存する。

7)  0.1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液(NaOH:4.000 g/l) 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及

び計算は,次による。

7.1)

調製  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 165 g をポリエチレン製などの気密容器 500 ml に

はかりとり,二酸化炭素を除いた水 150 ml を加えて溶かした後,二酸化炭素を遮り 4∼5 日間放置

する。その上澄み液 54 ml をポリエチレン製などの気密容器 1 000 ml にとり,二酸化炭素を除い

た水を加えて 1 000 ml とする。この液 100 ml を全量フラスコ 1 000 ml にはかりとり,二酸化炭素

を除いた水を標線まで加えて混合した後,ポリエチレン製などの気密容器に入れ,ソーダ石灰管

を付けて保存する。

7.2)

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質など

1)

のアミド硫酸の必要量をめのう乳鉢で軽

く砕いた後,上口デシケーター(減圧デシケーター)に入れ,上口デシケーター内圧 2.0 kPa 以下

で約 48 時間保つ。その 0.24∼0.29 g を 0.1 mg のけたまではかりコニカルビーカー100 ml に移し,

水 25 ml を加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモールブルー溶液数滴を加え,7.1)で調製し

た液で滴定する。終点は,液の色が黄色から青みの緑になる点とする。

1)

  容量分析に用いることが可能な標準物質であり,使用する場合は,認証書に定める使用

方法などによる。ただし,認証書のある標準物質を入手できない場合は,市販の含有率

が明らかな標準物質も用いることができ,使用する場合は,その説明書などによる。

7.3)

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

100

709

009

.

0

A

V

m

f

×

×

=

ここに,

f

0.1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとったアミド硫酸の質量(

g

A

アミド硫酸の純度(質量分率

  %

V

滴定に要した

0.1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液の体積(

ml

 0.009

709

0.1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液

1 ml

に相当するアミド硫

酸の質量(

g

b

)

操作  操作は,次のとおり行う。

試料

0.5 g

をコニカルビーカー

200 ml

0.1 mg

のけたまではかりとり,エタノール(

95

5 ml

を加

えて溶かした後,二酸化炭素を除いた水

30 ml

及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加


5

K 8073

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え,

0.1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液のうすい紅色が

30

秒間持続する点とする。

別に,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。

c

)

計算  純度(

C

7

H

6

O

2

)は,次の式によって算出する。

(

)

100

212

012

.

0

2

1

×

×

×

=

m

f

V

V

A

ここに,

A

純度(C

7

H

6

O

2

(質量分率  %)

V

1

滴定に要した 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml)

V

2

空試験に要した 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積
(ml)

f

0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとった試料の質量(g)

 0.012

212: 0.1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液 1 ml に相当する C

7

H

6

O

2

質量(g)

6.3

アンモニア水溶状

アンモニア水溶状の試験方法は,次による。

a)

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

アンモニア水(23)  JIS K 8085 に規定するアンモニア水(質量分率 28.0∼30.0 %)の体積 2 と

水の体積 3 とを混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する。

2)

硝酸(12)  JIS K 8541 に規定する硝酸(質量分率 60∼61 %)の体積 1 と水の体積 2 とを混合す

る。

3)

硝酸銀溶液(20 g/l)  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 2 g を水に溶かして 100 ml にする。褐色ガラス

製瓶に保存する。

4)

塩化物標準液

4.1)

塩化物標準液(Cl1 mg/ml)  次のいずれかのものを用いる。

4.1.1)

計量標準供給制度[JCSS

2)

]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,

“JCSS に基づく標準液”

という。

4.1.2) JCSS

以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS 以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる(以下,JCSS 以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,

“JCSS 以外の

認証標準液など”という。

4.1.3)  JIS K 8150

に規定する塩化ナトリウム 1.65 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,

水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。

2)

 JCSS は,Japan Calibration Service System の略称である。

4.2)

塩化物標準液(Cl0.01 mg/ml)  塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。

b)

濁りの程度の適合限度標準  濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 ml を共通すり合わせ平底試験管にとり,水 10 ml,硝酸(1+2)

1 ml 及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加え,更に水を加えて 20 ml とし,振り混ぜてから 15 分間放置

する。

c)

器具  主な器具は,次のとおりとする。


6

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共通すり合わせ平底試験管  例として,容量 50 ml,直径約 23 mm で目盛のあるもの。

d)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料 2.0 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,アンモニア水(2+3)を加えて溶かし 20 ml にする。

2)

試料を溶かした直後に,試料溶液の濁りの程度を b)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の

有無を上方又は側方から観察する。

e)

判定  d)によって操作し,次の 1)及び 2)に適合するとき,“アンモニア水溶状:試験適合”とする。

1)

試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。

2)

ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。

6.4

融点

融点の試験方法は,JIS K 0064 の 3.1(目視による方法)又は 3.2(光透過量の測定による方法)による。

6.5

強熱残分(硫酸塩)

強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067 の 4.4.4  (4)(第 4 法  硫酸塩として強熱する方法)によ

る。この場合,試料 10 g を 0.1 mg のけたまではかりとる。JIS K 8951 に規定する硫酸 0.5 ml を用い,強

熱温度は,600±50  ℃とする。

6.6

塩化物(Cl

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。

a)

試験用溶液類  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

硝酸(12)  6.3 a) 2)  による。

2)

硝酸銀溶液(20 g/l)  6.3 a) 3)  による。

3)

炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)  JIS K 8625 に規定する炭酸ナトリウム 10 g を水に溶かして 100 ml

にする。

4)

塩化物標準液(Cl0.01 mg/ml)  6.3 a) 4.2)  による。

b)

器具,装置など  主な器具,装置などは,次のとおりとする。

1)

共通すり合わせ平底試験管  6.3 c)  による。

2)

洗浄ろ紙  JIS P 3801 に規定するろ紙(5 種 C)をろ過できるように漏斗に置き,硝酸(1+2)50 ml

ずつで 2 回洗い,更に水 50 ml ずつで 2 回洗ったもので,その最終洗液 20 ml を試験管にとり,硝

酸(1+2)1 ml 及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加えて 15 分間放置後に澄明[6.3 b)  による。

]であ

ることを確認する。澄明でなければ,洗浄を最初から繰り返す。

3)

白金皿  JIS H 6202 に規定するもの。

4)

水浴  沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。

5)

電気炉  600±50  ℃に調節できるもの。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 1.0 g を白金皿にとり,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)5 ml 及び水 20 ml を

加え,イオン交換水を用いた水浴上で加熱して蒸発乾固した後,加熱板上に移し,徐々に加熱して

炭化させ,放冷する。さらに,電気炉に入れ,徐々に加熱し 600  ℃で強熱した後,放冷する。これ

に水 5 ml 及び硝酸(1+2)9 ml を加え,かき混ぜて溶かす。洗浄ろ紙(5 種 C)でろ過し,残分及

びろ紙を水で洗い,ろ液と洗液とを合わせ,共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて 25 ml

にする。


7

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2)

比較溶液の調製は,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)5 ml を白金皿にとり,水 20 ml を加え,イオン

交換水を用いた水浴上で加熱して蒸発乾固する。これを電気炉に入れ,徐々に加熱し 600  ℃で強熱

した後,放冷する。これに水 5 ml 及び硝酸(1+2)9 ml を加え,かき混ぜて溶かす。これを,共通

すり合わせ平底試験管に移し,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)5.0 ml を加え,水で 25 ml にする。

3)

試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加え振り混ぜた後,15 分間放置する。

4)

黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。

d)

判定  c)によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率 0.005 %以下(規格値)”とす

る。

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。

6.7

硫黄化合物(SO

4

として)

硫黄化合物(SO

4

として)の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

エタノール(95)  6.2 a) 1)  による。

2)

過酸化水素  JIS K 8230 に規定するもの。

3)

塩化バリウム溶液(100 g/l) JIS K 8155 に規定する塩化バリウム二水和物 11.7 g を水に溶かして 100

ml にする。

4)

塩酸(21)  JIS K 8180 に規定する塩酸の体積 2 と水の体積 1 とを混合する。

5)

炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)  6.6 a) 3)  による。

6)

硫酸塩標準液

6.1)

硫酸塩標準液(SO

4

1 mg/ml)  次のいずれかのものを用いる。

6.1.1)  JCSS

に基づく標準液  6.3 a) 4.1.1)  に準じる。

6.1.2)  JCSS

以外の認証標準液など  6.3 a) 4.1.2)  に準じる。

6.1.3)  JIS K 8962

に規定する硫酸カリウム 1.81 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。

6.2)

硫酸塩標準液(SO

4

0.01 mg/ml)  硫酸塩標準液(SO

4

:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。

b)

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1)

共通すり合わせ平底試験管  6.3 c)  による。

2)

白金皿  6.6 b) 3)  による。

3)

ろ紙(種 C)  JIS P 3801 に規定するもの。

4)

水浴  6.6 b) 4)による。

5)

電気炉  6.6 b) 5)  による。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 4.0 g を白金皿にとり,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)5 ml 及び水 10 ml を

加えて溶かす。

2)

比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO

4

:0.01 mg/ml)12.0 ml を白金皿にとり,炭酸ナトリウム溶液

(100 g/l)5 ml を加える。


8

K 8073

:2010

3)

試料溶液及び比較溶液を水浴上で加熱して蒸発乾固する。これらを,加熱板上に移して徐々に加熱

して炭化させ,放冷する。水約 2 ml を加え,再び水浴上で加熱して蒸発乾固し,加熱板上に移し,

徐々に加熱した後,電気炉に入れ 600  ℃で強熱し,放冷する。これらに,水 10 ml 及び過酸化水素

1 ml を加えて数分間煮沸する。塩酸(2+1)5 ml を加えて水浴上で加熱して蒸発乾固し,水を加え

て溶かし 40 ml にする。乾いたろ紙(5 種 C)を用いてろ過し,初めのろ液 10 ml を捨て,次のろ液

20 ml を共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2+1)0.3 ml 及び水を加えて 25 ml にする。次に,

エタノール(95)3 ml 及び塩化バリウム溶液(100 g/l)2 ml を加えて振り混ぜた後,30 分間放置す

る。

4)

黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。

d)

判定  c)  によって操作し,次に適合するとき,“硫黄化合物(SO

4

として)

:質量分率 0.003 %以下(規

格値)

”とする。

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。

6.8

重金属(Pb として)

重金属(Pb として)の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

2)

酢酸(115)  JIS K 8355 に規定する酢酸の体積 1 と水の体積 15 とを混合する。

3)

硝酸(12)  6.3 a) 2)  による。

4)

硫化ナトリウム・グリセリン溶液  JIS K 8295 に規定するグリセリン 30 ml に水 10 ml を加えた溶

液に JIS K 8949 に規定する硫化ナトリウム九水和物 5 g を加えて溶かす。放置後,上澄み液を用い

る。冷所に保存し,3 か月以内に使用する。

5)

鉛標準液

5.1)

鉛標準液(Pb1 mg/ml)  次のいずれかのものを用いる。

5.1.1)  JCSS

に基づく標準液  6.3 a) 4.1.1)  に準じる。

5.1.2)  JCSS

以外の認証標準液など  6.3 a) 4.1.2)  に準じる。

5.1.3)  JIS K 8563

に規定する硝酸鉛(II)1.60 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,硝酸(1+2)1 ml 及

び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

5.2)

鉛標準液(Pb0.01 mg/ml)  鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml に正確には

かりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  6.3 c)  による。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,

試料 4.0 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,

アセトン 25 ml を加えて溶かし,

酢酸(1+15)2 ml 及び水を加えて 50 ml にする。

2)

比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)2.0 ml,酢酸(1+15)

2 ml,アセトン 25 ml 及び水を加えて 50 ml にする。

3)

試料溶液及び比較溶液に,硫化ナトリウム・グリセリン溶液 0.05 ml を加えて 5 分間放置する。

4)

白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側面から観察して,暗色を比較する。


9

K 8073

:2010

d)

判定  c)  によって操作し,次に適合するとき,“重金属(Pb として)

:質量分率 5 ppm 以下(規格値)

とする。

試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の暗色より暗くない。

6.9

鉄(Fe

鉄(Fe)の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

エタノール(95)  6.2 a) 1)  による。

2)

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l)  JIS K 8201 に規定する塩化ヒドロキシルアンモニウ

ム 10 g を水に溶かして 100 ml にする。

3)

塩酸(21)  6.7 a) 4)  による。

4)

酢酸アンモニウム溶液(250 g/l)  JIS K 8359 に規定する酢酸アンモニウム 25 g を水に溶かして 100

ml にする。

5)  1,10-

フェナントロリン溶液(2 g/l)  JIS K 8202 に規定する塩化 1,10-フェナントロリニウム一水和

物 0.28 g を水に溶かして 100 ml にする。褐色ガラス製瓶に保存する。

6)

鉄(III)標準液

6.1)

鉄(III)標準液(Fe1 mg/ml)  次のいずれかのものを用いる。

6.1.1)  JCSS

に基づく標準液  6.3 a) 4.1.1)  に準じる。

6.1.2)  JCSS

以外の認証標準液など  6.3 a) 4.1.2)  に準じる。

6.1.3)  JIS K 8982

に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)

・12 水 8.63 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,

塩酸(2+1)3 ml 及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存

する。

6.2)

鉄(III)標準液(Fe0.01 mg/ml)  鉄(III)標準液(Fe:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml

に正確にはかりとり,塩酸(2+1)3 ml を加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス

製瓶に保存する。

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管  6.3 c)  による。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 1.0 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,エタノール(95)10 ml を加え

て溶かし,塩酸(2+1)1 ml 及び水を加えて 15 ml にする。

2)

比較溶液の調製は,鉄(III)標準液(Fe:0.01 mg/ml)0.50 ml を共通すり合わせ平底試験管にとり,

エタノール(95)10 ml,塩酸(2+1)1 ml 及び水を加えて 15 ml にする。

3)

試料溶液及び比較溶液に,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l)1 ml を加えて 5 分間放置

後,1,10-フェナントロリン溶液(2 g/l)1 ml,酢酸アンモニウム溶液(250 g/l)5 ml 及び水を加え

て 25 ml とし,20∼30  ℃で 15 分間放置する。

4)

白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側面から観察して,黄みの赤を比較する。

d)

判定  c)  によって操作し,次に適合するとき,“鉄(Fe):質量分率 5 ppm 以下(規格値)”とする。

試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の黄みの赤より濃くない。

6.10

過マンガン酸還元性物質(として)

過マンガン酸還元性物質(O として)の試験方法は,次による。


10

K 8073

:2010

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

硫酸  JIS K 8951 に規定するもの。

2)

硫酸(11)  水の体積 1 を冷却してかき混ぜながら,硫酸の体積 1 を徐々に加える。

3)  0.02 mol/l

過マンガン酸カリウム溶液(KMnO

4

:3.161 g/l)  0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液の

調製,標定及び計算は,次による。

3.1)

調製  JIS K 8247 に規定する過マンガン酸カリウム 3.2 g をビーカー2 000 ml にはかりとり,水

1 050 ml を加えて 1∼2 時間穏やかに煮沸した後,約 18 時間暗所に放置する。その上澄み液を JIS 

R 3503

に規定するブフナー漏斗形ガラスろ過器(17G4 又は 25G4)を用いてろ過する。この場合,

ブフナー漏斗形ガラスろ過器は,ろ過の前後に水洗はしない。約 30 分間水蒸気洗浄した褐色の気

密容器に保存する。

3.2)

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質など

1)

のしゅう酸ナトリウムの必要量を 200  ℃

で約 60 分間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。その 0.20∼0.24 g を 0.1 mg のけたまで

はかりとり,コニカルビーカー500 ml に移し,水 200 ml を加えて溶かす。硫酸(1+1)20 ml を

加え,液温を 25∼30  ℃にし,緩くかき混ぜながら 3.1)で調製した液を,滴定所要量の約 2 ml 手

前までビュレットのコックを全開にして加え,液の紅色が消えるまで放置する。次に,50∼60  ℃

に加熱し,引き続き滴定する。終点は,液のうすい紅色が約 30 秒間残る点とする。

別に,水 200 ml 及び硫酸(1+1)20 ml をコニカルビーカー500 ml にはかりとり,50∼60  ℃に

加熱し,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。

3.3)

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

(

)

100

700

006

.

0

2

1

A

V

V

m

f

×

×

=

ここに,

f

0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液のファクター

m

はかりとったしゅう酸ナトリウムの質量(g)

A

しゅう酸ナトリウムの純度(質量分率  %)

V

1

滴定に要した 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液の体積
(ml)

V

2

空試験に要した 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液の体
積(ml)

 0.006

700: 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液 1 ml に相当するしゅ

う酸ナトリウムの質量(g)

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

メスピペット  最小目盛 0.01 ml のもの。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

コニカルビーカー200 ml に水 100 ml をとり,硫酸 1.5 ml を加え,約 80  ℃に加熱し,30 秒間うすい

紅色を保つまで 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液を滴加した後,試料 1.0 g を加えて溶かし,メス

ピペットを用いて 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液 0.13 ml を加えて振り混ぜ,光を遮り,30 秒間

放置した後,白の背景を用いて上方又は側方から観察する。ただし,0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム

溶液のファクターが 1.00 でない場合は,加える体積を補正する。

注記 0.02

mol/l 過マンガン酸カリウム溶液 1 ml は,0.000 800 0 g O に相当する。

d)

判定  c)  によって操作し,次に適合するとき,“過マンガン酸還元性物質(O として)

:質量分率 0.01 %

以下(規格値)

”とする。

試料溶液から得られた液の色は,紅色を保つ。


11

K 8073

:2010

7

容器

容器は,気密容器とする。

8

表示

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称  “安息香酸”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

純度

f)

内容量

g)

製造番号

h)

製造業者名又はその略号