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K 8050:2019  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 3 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 純度(C10H9NO4S)(無水物換算) ···················································································· 3 

6.3 炭酸ナトリウム溶液溶状 ································································································· 4 

6.4 水分 ···························································································································· 4 

6.5 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 4 

6.6 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 5 

6.7 鉄(Fe) ······················································································································ 5 

6.8 鋭敏度 ························································································································· 6 

7 容器······························································································································· 7 

8 表示······························································································································· 7 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8050:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8050:1994を適用してもよい。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8050:2019 

1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸(試薬) 

1-Amino-2-naphthol-4-sulfonic acid (Reagent) 

       C10H9NO4S  FW:239.25 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いる1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸について規定する。 

注記 別名:4-アミノ-3-ヒドロキシ-1-ナフタレンスルホン酸 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0068 化学製品の水分測定方法 

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 

JIS K 0117 赤外分光分析通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8059 亜硫酸水素ナトリウム(試薬) 

JIS K 8061 亜硫酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8105 エチレングリコール(試薬) 

JIS K 8136 塩化すず(II)二水和物(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬) 

JIS K 8202 1,10-フェナントロリン塩酸塩一水和物(試薬) 

JIS K 8359 酢酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

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JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8777 ピリジン(試薬) 

JIS K 8810 1-ブタノール(試薬) 

JIS K 8905 モリブデン(VI)酸アンモニウム四水和物(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬) 

JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬) 

JIS K 9702 ジメチルスルホキシド(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸は,白からうすい灰色又はうすい黄からうすい紫の結晶又は粉末で,

光によってくすんだ紫に変わる。水,エタノール(99.5)及びジエチルエーテルにほとんど溶けない。炭

酸ナトリウム溶液及び水酸化ナトリウム溶液に溶ける。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 245 cm-1,2 908 cm-1,2 650 cm-1,

1 532 cm-1,1 353 cm-1,1 219 cm-1,1 171 cm-1,1 049 cm-1,750 cm-1,714 cm-1及び661 cm-1付近に主な吸収

ピークを認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117の5.2 b)(錠剤法)による。錠剤の調製に臭化カリ

ウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。 

図1−赤外吸収スペクトルの一例 

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品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(C10H9NO4S)(無水物換算) 質量分率 % 

97.0 以上 

6.2 

炭酸ナトリウム溶液溶状 

− 

試験適合 

6.3 

水分 

質量分率 % 

10.0 以下 

6.4 

強熱残分(硫酸塩) 

質量分率 % 

0.5 以下 

6.5 

硫酸塩(SO4) 

質量分率 % 

0.5 以下 

6.6 

鉄(Fe) 

質量分率 ppm 

5 以下 

6.7 

鋭敏度 

− 

試験適合 

6.8 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(C10H9NO4S)(無水物換算) 

純度(C10H9NO4S)(無水物換算)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) ジメチルスルホキシド JIS K 9702に規定するもの。 

2) 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:4.000 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用

い,JIS K 8001のJA.6.4 r) 4)(0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液)に従って,調製,標定及び計算す

る。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

1) 乳鉢 ガラス製又は磁製で内径が50 mm〜120 mmで乳棒と組のもの。 

2) 自動滴定装置 電位差滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料3 gを乳鉢で速やかにすり潰す(6.4の試験にも用いる。)。その0.5 gをビーカー200 mLなどに

0.1 mgの桁まではかり,ジメチルスルホキシド100 mLを加えて溶かし,水25 mLを徐々に加える。 

2) 室温になるまで冷却し,JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示電極にガラス電極,参

照電極に銀−塩化銀電極を用いて,0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する(a mL)。 

なお,指示電極と参照電極とを組み合わせた複合電極を用いてもよい。 

3) 終点は,変曲点とする。 

4) 別に同一条件で空試験を行い,滴定量を補正する(b mL)。 

d) 計算 純度(C10H9NO4S)(無水物換算)は,次の式によって算出する。 

(

)

100

100

100

925

023

.0

×

×

×

×

=

B

m

f

b

a

A

ここに, 

A: 純度(C10H9NO4S)(無水物換算)(質量分率 %) 

B: 6.4で求めた水分(質量分率 %) 

a: 滴定量(mL) 

b: 空試験に要した滴定量(mL) 

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f: 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.023 925: 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液 1 mLに相当する

C10H9NO4Sの質量を示す換算係数(g/mL) 

6.3 

炭酸ナトリウム溶液溶状 

炭酸ナトリウム溶液溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と

を混合したもの。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加

えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。 

3) 炭酸ナトリウム溶液(100 g/L) JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム10 gをはかりとり,水を加

えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。 

4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ

ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“ほとんど澄明”を用いる。 

ほとんど澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.5 mLを共通すり合わせ平底

試験管[c) 参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水

を加えて20 mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次による。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.1 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,炭酸ナトリウム溶液(100 

g/L)3 mLを加えて溶かし,水を加えて20 mLにする。 

2) 試料溶液は,試料を溶かした直後に試料溶液の濁りの程度をb) と比較する。また,ごみ,浮遊物

などの異物の有無を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。 

e) 判定 次の1) 及び2) に適合するとき,“炭酸ナトリウム溶液溶状:試験適合(規格値)”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。 

6.4 

水分 

水分の試験方法は,JIS K 0068の6.3(容量滴定法)による。この場合,試料は,6.2 c) 1)ですり潰した

試料0.2 gを0.1 mgの桁まではかりとり,ピリジン−エチレングリコール混合液(JIS K 8777に規定する

ピリジンの体積5とJIS K 8105に規定するエチレングリコールの体積1を混ぜたもの。)25 mLを用いる。 

6.5 

強熱残分(硫酸塩) 

強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。

この場合,試料1.0 gをはかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mLを加え,強熱温度は,500 ℃±50 ℃

とし,強熱残分は,0.1 mgの桁まではかる。残分は,6.7の試験に用いる。 

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6.6 

硫酸塩(SO4) 

硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gをはかりとり,

水を加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。 

3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。 

4) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム

1.81 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

1) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種Cのもの。 

2) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。 

3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.5 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,水25 mL及び塩酸(2+1)0.2 

mLを加え,沸騰水浴上で10分間加熱する。冷却後,ろ紙でろ過し,水約10 mLでろ紙を洗い,ろ

液及び洗液を全量フラスコ250 mLに受け,水を標線まで加えて混合する。その10 mL(試料量0.02 

g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2+1)0.3 mLを加え,水を加えて25 mLにする。 

2) 比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)10.0 mLをとり,

塩酸(2+1)0.3 mLを加え,水を加えて25 mLにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて

振り混ぜた後,30分間放置する。 

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩

(SO4):質量分率0.5 %以下(規格値)”とする。 

6.7 

鉄(Fe) 

鉄(Fe)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。 

2) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/L) JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアンモニ

ウム10 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。 

3) 塩酸(2+1) 6.6 a) 3) による。 

4) 酢酸アンモニウム溶液(250 g/L) JIS K 8359に規定する酢酸アンモニウム25 gをはかりとり,水

を加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。 

5) 1,10-フェナントロリン溶液(2 g/L) JIS K 8202に規定する1,10-フェナントロリン塩酸塩一水和物

0.28 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存す

る。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム

鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて

溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸

(1+2)25 mLを加え,水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。 

b) 器具 主な器具は,次による。 

1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。 

2) 水浴 6.6 b) 3) による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,6.5の残分(試料量1.0 g)に塩酸(2+1)1 mLを加え,水浴上で蒸発乾固する。

塩酸(2+1)1 mLを加えて溶かし,共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて15 mLにする。 

2) 比較溶液の調製は,硫酸0.5 mLを熱板(ホットプレート)上で蒸発乾固し,冷却後,塩酸(2+1)

1 mLを加え,水浴上で蒸発乾固する。塩酸(2+1)1 mLを加えて溶かし,共通すり合わせ平底試

験管に移し,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)0.50 mLを加え,水を加えて15 mLにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/L)1 mLを加えて5分間放置

後,1,10-フェナントロリン溶液(2 g/L)1 mL,酢酸アンモニウム溶液(250 g/L)5 mL及び水を加

えて25 mLとし,20 ℃〜30 ℃で15分間放置する。 

4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,色を比較する。 

d) 判定 試料溶液から得られた液の色が,比較溶液から得られた液の黄みの赤より濃くないとき,“鉄

(Fe):質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。 

6.8 

鋭敏度 

鋭敏度の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 亜硫酸水素ナトリウム JIS K 8059に規定するもの。 

2) 亜硫酸ナトリウム JIS K 8061に規定するもの。 

3) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用) JIS K 8905に規定するモリブデン(VI)酸

アンモニウム四水和物10.6 gをはかりとり,水70 mL及びJIS K 8085に規定するアンモニア水(質

量分率28.0 %〜30.0 %)7 mLを加えて加熱しないで溶かし,水で100 mLにする。これをろ過後,

ろ液に水を加え200 mLにする。さらに,硫酸(1+5)10 mLを加える。洗浄は,これを分液漏斗

に移し,JIS K 8810に規定する1-ブタノール30 mLを加え,1〜2分間激しく振り混ぜる。放置後,

上層(1-ブタノール相)と下層(水相)とを分離したもの(水相をポリエチレンなどの樹脂製瓶に

保存する。)。 

洗浄操作で分離した上層(1-ブタノール相)を硫酸(1+5)15 mLで洗い,下層(硫酸相)を除

去する操作を2回行った後,上層(1-ブタノール相)に塩化すず(II)溶液(りん酸定量用)15 mL

を加え,30秒間振り混ぜて放置し,上層(1-ブタノール相)に青が現れないことを確認する。 

なお,上層(1-ブタノール相)に青が現れた場合は,保存した水相の洗浄及び確認を繰り返す。 

また,塩化すず(II)溶液(りん酸定量用)及び硫酸(1+30)の調製は,次による。 

・ 塩化すず(II)溶液(りん酸定量用)の調製は,JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和

物40 gをはかりとり,JIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)60 mLを加えて溶かし,そ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

の1 mLに硫酸(1+30)を加えて250 mLにする。 

・ 硫酸(1+30)の調製は,水の体積30を冷却し,かき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫

酸の体積1を徐々に加える。 

4) 硫酸(1+5) 水の体積5を冷却し,かき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々に

加えたもの。 

5) りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 9007に規定するりん酸二水

素カリウム1.43 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて

混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具 主な器具は,次による。 

1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。 

2) 水浴 6.6 b) 3) による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 亜硫酸水素ナトリウム6.0 g,亜硫酸ナトリウム0.1 g及び試料0.05 gをはかりとり,水を加えて溶

かし,水を加えて50 mLにする(A液)。次の2),3) 及び4) の操作を並行して行う。 

2) 共通すり合わせ平底試験管に水20 mL,硫酸(1+5)4 mL及び七モリブデン酸六アンモニウム溶液

(りん酸定量用)1 mLを加え,3分間放置する。A液1.0 mLを加え,20 ℃で10分間放置する(B

液)。 

3) 共通すり合わせ平底試験管に水20 mL,硫酸(1+5)4 mL及び七モリブデン酸六アンモニウム溶液

(りん酸定量用)1 mLを加え,3分間放置する。A液1.0 mLを加え,水浴を用い60 ℃で10分間

加熱する(C液)。 

4) 共通すり合わせ平底試験管に水20 mL,りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/mL)0.5 mL,硫酸(1+5)

4 mL及び七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用)1 mLを加え,3分間放置する。A液

1.0 mLを加え,水浴を用い60 ℃で10分間加熱する(D液)。 

5) 白の背景を用いて,B液,C液及びD液それぞれを,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方か

ら観察して,色を比較する。 

d) 判定 次の1) 及び2) に適合するとき,“鋭敏度:試験適合(規格値)”とする。 

1) C液から得られた液の色は,B液から得られた液の色より青くならない。 

2) D液から得られた液の色は,C液から得られた液の色より青い。 

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

K 8050:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造年月又はその略号 

i) 

製造業者名又はその略号