>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 8048

:2010

(1) 

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  種類

2

4

  性質

2

4.1

  性状

2

4.2

  定性方法

2

5

  品質

2

6

  試験方法

3

6.1

  一般事項

3

6.2

  純度(C

11

H

13

N

3

O

3

6.3

  水溶状

4

6.4

  エタノール溶状

5

6.5

  融点

6

6.6

  強熱残分(硫酸塩)

6

6.7

  フェノール分析適合性

6

7

  容器

6

8

  表示

7


K 8048

:2010

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本試薬

協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって JIS K 8048:1992 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

8048

:2010

4-

アミノアンチピリン(試薬)

4-Amino antipyrine (Reagent)

C

11

H

13

N

3

O

  FW:203.24

序文

この規格は,1963 年に制定され,その後 2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1992 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,試薬として用いる 4-アミノアンチピリン

1)

について規定する。

1)

化学名:4-アミノ-2,3-ジメチル-1-フェニル-5-ピラゾロン

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0064

  化学製品の融点及び溶融範囲測定方法

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8042

  アニリン(試薬)

JIS K 8085

  アンモニア水(試薬)

JIS K 8101

  エタノール(99.5)

(試薬)

JIS K 8116

  塩化アンモニウム(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)


2

K 8048

:2010

   

JIS K 8223

  過塩素酸(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JlS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8798

  フェノール(試薬)

JIS K 8801

  ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(試薬)

JIS K 8886

  無水酢酸(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

3

種類

種類は,特級とする。

4

性質

4.1

性状

4-

アミノアンチピリンは,うすい黄色からうすい黄褐色の結晶又は結晶性粉末で,水及びエタノールに

溶けやすく,ジエチルエーテルに溶けにくい。

4.2

定性方法

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 によって測定すると,波数 3 430 cm

1

,3 325 cm

1

1 647 cm

1

,1 588 cm

1

,1 496 cm

1

,1 352 cm

1

,1 273 cm

1

,1 189 cm

1

,757 cm

1

,666 cm

1

及び

569 cm

1

付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製は JIS K 0117 の 5.3(粉体)の a)(錠剤法)

による。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を,

図 に示す。

図 1−赤外吸収スペクトルの例

5

品質

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。


3

K 8048

:2010

表 1−品質

項目

規格値

試験方法

純度(C

11

H

13

N

3

O

質量分率 %

99.0

以上

6.2 

水溶状

試験適合

6.3 

エタノール溶状

試験適合

6.4 

融点

℃ 107∼110

6.5 

強熱残分(硫酸塩)

質量分率 %

0.05

以下

6.6 

フェノール分析適合性

6.7 

発色適合性

吸光度 0.45 以上

空試験適合性

吸光度 0.02 以下

6

試験方法

6.1

一般事項

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2

純度(C

11

H

13

N

3

O

純度(C

11

H

13

N

3

O

)の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

酢酸(非水滴定用)  JIS K 8042 に規定するアニリン 1 g を JIS K 8355 に規定する酢酸で溶かし酢

酸で 100 ml にしたものを A 液とする。正確に A 液 25 ml をとり,0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)で

電位差滴定したときの滴定量を V

1

 ml

とする。また,正確に A 液 25 ml をとり,酢酸 75 ml を加え

0.1 mol/l

過塩素酸(酢酸溶媒)で電位差滴定したときの滴定量を V

2

 ml

とする。V

2

V

1

は,0.1 ml

以下である。

なお,酢酸(非水滴定用)の水分測定は,JIS K 0068 の 6.3.5 a)(直接滴定)による。試料 10 g

を用いる。この場合,滴定溶媒はメタノールに代えて,クロロホルム及びアルキレンカルボネート

を主成分とするカールフィッシャー用脱水溶剤 40 ml を用いる。

2)  0.1 mol/l

過塩素酸(酢酸溶媒)(HClO

4

:10.05 g/l)  0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)の調製,標定

及び計算は,次による。

2.1)

調製  あらかじめ水分を測定した酢酸(非水滴定用)1 000 g をはかりとる。あらかじめ純度を測

定した JIS K 8223 に規定する過塩素酸(質量分率 70∼72 %)14 g を加え,次の式によって算出し

た JIS K 8886 に規定する無水酢酸 g を加え混合した後,気密容器に入れて保存する。  調製後 1

時間以上放置したものを用いる。

7

.

5

0.5]

)

100

14

100

000

[(1

2

1

×

×

+

×

=

W

W

a

ここに,

a

:  無水酢酸の質量(g)

(水を質量分率 0.05 %に調節するための量)

W

1

:  酢酸(非水滴定用)の水分(質量分率  %)

W

2

  [100−過塩素酸の濃度(質量分率  %)

]から求めた過塩素酸の

水分(質量分率  %)

0.5

  調製液中の水分質量分率約 0.05 %を残すための数値

5.7

:  水分量を無水酢酸量に換算するための係数

2.2

)

標定  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質など

2)

のフタル酸水素カリウムの必要量をめの

う乳鉢で軽く砕いて,120  ℃で約 60 分間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。その

0.5

∼0.6 g を 0.1 mg のけたまではかりとり,コニカルビーカー200 ml に移し,酢酸(非水滴定用)

50 ml

を加え,JIS K 0113 の 5.(電位差滴定方法)によって,指示電極にガラス電極,参照電極に


4

K 8048

:2010

   

銀−塩化銀電極を用いて,2.1)で調製した液で電位差滴定を行う。

別に,酢酸(非水滴定用)50 ml をコニカルビーカー200 ml にはかりとり,同一条件で空試験を

行って滴定量を補正する。

2)

容量分析に用いることが可能な標準物質であり,使用する場合は,認証書に定める使用

方法などによる。ただし,認証書のある標準物質を入手できない場合は,市販の含有率

が明らかな標準物質も用いることができ,使用する場合は,その説明書などによる。

2.3

)

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

100

)

(

422

020

.

0

2

1

A

V

V

m

f

×

×

=

ここに,

f

: 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)のファクター

m

: はかりとったフタル酸水素カリウムの質量(g)

A

: フタル酸水素カリウムの純度(質量分率  %)

V

1

: 滴定に要した 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)の体積(ml)

V

2

: 空試験に要した 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)の体積

(ml)

0.020 422

: 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)1 ml に相当するフタル酸

水素カリウムの質量(g)

b

)

装置

主な装置は,次のとおりとする。

電位差滴定装置

JIS K 0113

に規定するもので,指示電極にガラス電極,参照電極に銀−塩化銀電

極を用いる。

c

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

試料 0.4 g を 0.1 mg のけたまではかりとり,酢酸(非水滴定用)50 ml を加えて溶かし,0.1 mol/l 過

塩素酸(酢酸溶媒)で

JIS K 0113

5.

(電位差滴定方法)によって滴定を行う。別に,同一条件によ

って空試験を行い,滴定量を補正する。

d

)

計算

計算は,次による。

100

)

(

324

020

.

0

2

1

×

×

×

=

m

f

V

V

A

ここに,

A

純度(C

11

H

13

N

3

O

(質量分率  %)

V

1

試料の滴定に要した 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)の体
積(ml)

V

2

空試験の滴定に要した過塩素酸(酢酸溶媒)の体積(ml)

f

0.1 mol/l

過塩素酸(酢酸溶媒)のファクター

m

はかりとった試料の質量(g)

0.020 324

0.1 mol/l

過塩素酸(酢酸溶媒)溶液 1 ml に相当する 4-

アミノアンチピリンの質量(g)

6.3

水溶状

水溶状の試験方法は,次による。

a

)

試験用溶液類

  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1

)

硝酸

1

2

JIS K 8541

に規定する硝酸(質量分率 60∼61 %)の体積 1 と水の体積 2 とを混合す

る。

2

)

硝酸銀溶液

20 g/l

JIS K 8550

に規定する硝酸銀 2 g を水に溶かして 100 ml にする。褐色ガラス

製瓶に保存する。


5

K 8048

:2010

3

)

塩化物標準液

3.1

)

塩化物標準液

Cl

1 mg/ml

次のいずれかのものを用いる。

3.1.1

)

計量標準供給制度[JCSS

3)

]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。

3.1.2

) JCSS

以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS 以外の認証標準液がない場合は,市販

の標準液を用いる。

3.1.3

)

JIS K 8150

に規定する塩化ナトリウム 1.65 g を全量フラスコ 1 000 ml にとり,

水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する。

3)

 JCSS

は,Japan Calibration Service System の略称である。

3.2

)

塩化物標準液

Cl

0.01 mg/ml

)  塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 ml を全量フラスコ 1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。

b

)

濁りの程度の適合限度標準

  濁りの程度の適合限度標準は,

“澄明”を用いる。

塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 ml を共通すり合わせ平底試験管にとり,水 10 ml,硝酸(1+2)

1 ml

及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 ml を加え,更に水を加えて 20 ml とし,振り混ぜてから 15 分間放置

する。

c

)

器具

  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管

  例として,容量 50 ml,直径約 23 mm で目盛のあるもの。

d

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)

試料 1.0 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて溶かし 20 ml にする。

2

)

試料を溶かした直後に濁りの程度を

b

)

と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又

は側方から観察する。

e

)

判定

d

)

によって操作し,次の

1

)

及び

2

)

に適合するとき,

“水溶状:試験適合”とする。

1

)

試料溶液の濁りは,

b

)

の濁りより濃くない。

2

)

ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。

6.4

エタノール溶状

エタノール溶状の試験方法は,次による。

a

)

試薬

  試薬は,次のものを用いる。

エタノール

99.5

  JIS K 8101

に規定するもの。

b

)

濁りの程度の適合限度標準

6.3 b

)

による。

c

)

器具

  主な器具は,次のとおりとする。

共通すり合わせ平底試験管

6.3 c

)

による。

d

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)

試料 1.0 g を共通すり合わせ平底試験管にとり,エタノール(99.5)を加えて溶かし 20 ml にする。

2

)

試料を溶かした直後に濁りの程度を

b

)

と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又

は側方から観察する。

e

)

判定

d

)

によって操作し,次の

1

)

及び

2

)

に適合するとき,

“エタノール溶状:試験適合”とする。

1

)

試料溶液の濁りは,

b

)

の濁りより濃くない。

2

)

ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。

6.5

融点


6

K 8048

:2010

   

融点は,

JIS K 0064

3.

(融点測定方法)による。

6.6

強熱残分

硫酸塩

強熱残分(硫酸塩)は,

JIS K 0067

4.4.4 

(

4

)

(第 4 法  硫酸塩として強熱する方法)による。この場

合,試料 2 g を 0.1 mg のけたまではかりとる。

JIS K 8951

に規定する硫酸 1 ml を用い,強熱温度は,600

±50  ℃とする。

6.7

フェノール分析適合性

フェノール分析適合性の試験方法は,次による。

a

)

試験用溶液類

  試験用溶液類は,次のものを用いる。

1

)

アンモニア性塩化アンモニウム溶液

pH 10

JIS K 8116

に規定する塩化アンモニウム 7 g に

JIS K 

8085

に規定するアンモニア水(質量分率 28.0∼30.0 %)10 ml 及び水を加えて溶かし,水で 100 ml

にする。ポリエチレン製瓶などに密栓して保存する。

2

)

ヘキサシアノ鉄

III

酸カリウム溶液

50 g/l

JIS K 8801

に規定するヘキサシアノ鉄(III)酸カ

リウム 5 g を水に溶かして 100 ml にする。褐色ガラス製瓶に保存する。

3

)

フェノール標準液

3.1

)

フェノール標準液

C

6

H

5

OH

1 mg/ml

JIS K 8798

に規定するフェノール 1.00 g を全量フラス

コ 1 000 ml にとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。

3.2

)

フェノール標準液

C

6

H

5

OH

0.01 mg/ml

)  フェノール標準液(C

6

H

5

OH

:1 mg/ml)10 ml を全

量フラスコ 1 000 ml に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。

b

)

器具及び装置

  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1

)

吸収セル

  光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が 10 mm のもの。

2

)

分光光度計  JIS K 0115

に規定するもの。

c

)

操作

  操作は,次のとおり行う。

1

)

試料溶液及び空試験用溶液の調製

1.1

)

試料 2.0 g を全量フラスコ 100 ml にとり,

水を加えて溶かし,

水を標線まで加えて混合する

(A 液)

1.2

)

試料溶液の調製は,全量フラスコ 50 ml にフェノール標準液(C

6

H

5

OH

:0.01 mg/ml)20 ml をとり,

アンモニア性塩化アンモニウム溶液(pH 10)3 ml 及び A 液 2.0 ml を正確に加え,振り混ぜる。こ

れにヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム溶液(50 g/l)4 ml を加えて振り混ぜた後,水を標線まで加

えて混合する。

1.3

)

空試験用溶液の調製は,

フェノール標準液の代わりに水 20 ml を用いて試料溶液と同一操作を行う。

2

)

発色適合性

  吸収セルを用い,波長 510 nm 付近の吸収極大の波長における測定溶液の吸光度を,空

試験用溶液を対照液として

JIS K 0115

6.

(特定波長における吸収の測定)によって測定する。

3

)

空試験適合性

  吸収セルを用い,発色適合性と同じ波長で空試験用溶液の吸光度を,水を対照液と

して

JIS K 0115

6.

によって測定する。

7

容器

容器は,遮光した気密容器とする。


7

K 8048

:2010

8

表示

容器には,次の事項を表示する。

a

)

日本工業規格番号

b

)

名称  “4-アミノアンチピリン”及び“試薬”の文字

c

)

種類

d

)

化学式及び式量

e

)

純度

f

)

内容量

g

)

製造番号

h

)

製造業者名又はその略号