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K 8040

:2004

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本試薬

協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 8040:1998 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


K 8040

:2004

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  共通事項

1

4.

  種類

1

5.

  性質

1

5.1

  性状

1

5.2

  定性方法

1

6.

  品質

2

7.

  試験方法

2

7.1

  純度(GC

2

7.2

  密度(20  ℃)

3

7.3

  水分

3

7.4

  不揮発物

3

7.5

  残留農薬・PCB 試験適合性

3

8.

  容器

4

9.

  表示

4

 


日本工業規格

JIS

 K

8040

:2004

アセトン(残留農薬・PCB 試験用)(試薬)

Acetone for pesticide residue and polychlorinated biphenyl analysis

    CH

3

COCH

3

    FW:58.08

1.

適用範囲  この規格は,残留農薬試験及び PCB 試験に用いるアセトンについて規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0061

  化学製品の密度及び比重測定方法

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8825

  ヘキサン(残留農薬・PCB 試験用)

(試薬)

3.

共通事項  共通する事項は,JIS K 8001 による。

4.

種類  濃縮 300,濃縮 1 000,濃縮 3 000,濃縮 5 000

備考  濃縮:濃縮前後の体積比を 100 の整数倍で表す。“濃縮倍率”ともいう。

例  “濃縮 300”  濃縮前 300 ml を濃縮後 1 ml に定容して試験する。

5.

性質

5.1

性状  アセトンは,無色の揮発性の液体で特異なにおいがあり,水,エタノール及びジエチルエー

テルに極めて溶けやすい。沸点は約 56  ℃である。

5.2

定性方法  試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 によって測定すると波数 3 005 cm

-1

,1 717 cm

-1

1 420 cm

-1

,1 364 cm

-1

,1 221 cm

-1

,1 092 cm

-1

,901 cm

-1

及び 530 cm

-1

付近に主な吸収を認める。この場合,

試料調製は JIS K 0117 の 5.4 a)(液膜法)による。窓板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクト

ルの一例を

図 に示す。


2

K 8040

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  1  赤外吸収スペクトルの一例

6.

品質  品質は,7.によって試験し,表 に適合しなければならない。

  1  品質

項目

濃縮 300

濃縮 1 000

濃縮 3 000

濃縮 5 000

純度(GC) 
密度(20  ℃)

水分 
不揮発物 
残留農薬・PCB 試験適合性

g/ml

ppm

99.5

以上

0.789

∼0.792

0.3

以下

2

以下

試験適合

99.5

以上

0.789

∼0.792

0.3

以下

2

以下

試験適合

99.5

以上

0.789

∼0.792

0.3

以下

2

以下

試験適合

99.5

以上

0.789

∼0.792

0.3

以下

2

以下

試験適合

7.

試験方法

7.1

純度(GC)  JIS K 0114 による。

a)

検出器の種類  水素炎イオン化検出器

b)

分析条件  一例を示す。

      固定相液体名:ポリエチレングリコール

      固定相液体の膜厚:0.25

µm

      カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ:石英ガラス,0.25 mm,30 m

      設定温度:カラム槽    60  ℃


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                検出器槽    250  ℃

                試料気化室  110  ℃

      キャリヤーガスの種類,流量:ヘリウム,1.2 ml/min

      スプリット比:1/200

      試料注入量:0.2

µl

7.2

密度(20  ℃)  JIS K 0061 の 7.2 (比重瓶法)又は 7.3(振動式密度計法)による。

7.3

水分  JIS K 0068  6.(カールフィッシャー滴定法) 6.3.5 a)(直接滴定)による。この場合,試料

5.0 g

をとり,滴定溶媒はピリジン−エチレングリコール混合液[ピリジン 5+エチレングリコール 1(体

積比)

]とする。

参考  ピリジン−エチレングリコール混合液には,“カールフィッシャー用脱水溶剤 PE ミツビシ”な

どがある。

7.4

不揮発物  JIS K 0067 の 4.3.4 (1) (第 1 法  水浴上で加熱蒸発する方法)の(b)∼(d)による。試料 500 g

を用いる。この場合,恒量にした蒸発皿の容量に応じて試料を数回に分けて蒸発皿に入れる。

7.5

残留農薬・PCB 試験適合性  JIS K 0114 による。

a)

試料溶液の調製  表 の採取量の試料をはかりとり,蒸留フラスコ(

1

)

に入れる。クデルナダニッシュ

濃縮装置(

図 2)で試料のほとんどが蒸発するまで減圧濃縮(

2

)する。

濃縮物の受器を取り外しヘキサン(

3

)

を加えて 1 ml とする。受器に栓をし,よく振り混ぜる。

注(

1

)

試料の採取量に応じた容積の蒸留フラスコを用いる。

なお,あらかじめ試料をロータリーエバポレータなどで濃縮して蒸留フラスコに入れてもよ

い。

(

2

)

激しく沸騰させてはならない。マントルヒータなどを用いて加熱する。蒸留フラスコ内の試料

が少量(10 ml 以下)になったとき,加熱をとめる。

(

3

)  JIS K 8825

の同一種類のものを用いる。

  2  種類及び試料の採取量

種類

濃縮 300

濃縮 1 000

濃縮 3 000

濃縮 5 000

試料の採取量  ml

300

1 000

3 000

5 000

b)

検出器の種類  電子捕獲検出器

c)

分析条件

カラム充てん剤  粒径 150∼180

µm の酸洗浄・シラン処理けい藻土を担体に用い,それにシリコーン

系固定相液体を 2  %含浸させたもの,又はこれと同等の分離能をもつもの。

参考  酸洗浄・シラン処理けい藻土には,クロモソルブ W,AW-DMCS などがあり,シリコーン

系固定相液体には OV-17,OV-1 などがある。

カラム用管の内径及び長さ  2∼4 mm,2∼3 m

設定温度  カラム槽      190∼210  ℃

          試料気化室    240∼260  ℃

          検出器槽      240∼260  ℃

キャリヤーガスの種類及び流量  高純度窒素,40∼60 ml/min

試料溶液及び標準液の注入量  5

µl


4

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d)

γ-HCH 標準液(4 ng/ml)の調製  1,2,4,5/3,6-ヘキサクロロシクロヘキサン[γ-HCH,(γ-BHC)]

(99  %以上)10 mg にヘキサン(

3

)

を加え 100 ml にする[A 液:γ-HCH 標準液(0.1 mg/ml)]

。A 液 10 ml

にヘキサン(

3

)

を加え 100 ml にする。その 2 ml にヘキサン(

3

)

を加え 100 ml にする。さらに,その 1 ml

にヘキサン(

3

)

を加え 50 ml にする。

e)

検出器の感度調節  γ-HCH 標準液(4 ng/ml)5

µl をガスクロマトグラフに注入し,クロマトグラムを描

かせたとき,γ-HCH のピークの高さが記録紙の有効幅の 5  %以上になるように感度を調節する。ま

た,γ-HCH の保持時間を記録する。

f)

操作  試料溶液,γ-HCH 標準液(4 ng/ml)それぞれ 5

µl をガスクロマトグラフに注入し 60 分間のクロ

マトグラムを記録する。標準液の場合は,γ-HCH のピークが記録されるまででよい。

g)

判定  試料溶液のクロマトグラムにおいて,γ-HCH の保持時間の 1/2 から 60 分の間に,γ-HCH 標

準液が示すピークの高さの 1/2 を超えるピークを認めない場合,試験適合とする。

  2  クデルナダニッシュ濃縮装置の一例

8.

容器  気密容器とする。

9.

表示  容器には,次の事項を表示しなければならない。

a)

名称  “アセトン(残留農薬・PCB 試験用)”及び“試薬”の文字

b)

種類

c)

化学式,式量

d)

品質(純度)

e)

内容量

f)

製造番号


5

K 8040

:2004

g)

製造業者名又はその略号

参考  取扱い上の注意事項  アセトンは,引火性が強いので火気を避け,また,有害なので蒸気を吸

入しないようにし,皮ふ(膚)

,粘膜などに付着しないようにする。