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日本工業規格

JIS

 K

7217

-1983

プラスチック燃焼ガスの分析方法

Analytical Method for Determining Gases Evolved from Burning Plastics

1.

適用範囲  この規格は,プラスチック燃焼(

1

)

ガスの生成方法及び発生する燃焼ガスの組成分析方法に

ついて規定する。

引用規格,関連規格:7 ページに示す。

(

1

)

燃焼は,一般的には光と熱を伴う化学反応の総称で,通常は空気又は酸素の中で物質が酸化さ

れ炎を生じる現象をいうが,この規格では,炎を伴わないで熱分解ガスを生成するくん(燻)

焼も含める。

備考  この分析方法は,規定された条件下で試料の燃焼ガスの生成方法,捕集方法及び分析方法につ

いて規定するものであって,測定結果は実火災及び実燃焼と必ずしも一致しない。

2.

燃焼条件  燃焼条件は,表 のとおりとする。

表 1  焼燃条件

項目

条件

設定温度

支燃ガス

(

2

)

支燃ガス供給量

試料量

試料皿

点火装置

燃焼管内

保持時間

(

3

)

ガスの捕集方法

及び分析方法

A 0.50

±0.05

λ/min

10min

B

750

±10℃

空気

1.50

±0.05

λ/min

約 0.1g を正

しく量る

石 英 製 の あ

なあき皿

燃 焼 が 終 了 す

るまで,火花を

発生させる

5min

分析対象ガスに

合わせる

(

2

)

支燃ガスとは,試料の燃焼に必要なガスをいう。標準的な燃焼では空気を用いるが,酸素及び

窒素の混合ガスを用いてもよい。

(

3

)

規定の条件に設定した燃焼管内に,試料を設置した直後から,試料を管内から取り出すまでの

時間をいい,有炎燃焼の場合には,この間に着火時間及び燃焼時間が含まれる。

備考  当事者間の協定によって燃焼条件を変えて試験することができるが,その場合には,表 の燃

焼条件においても試験しなければならない。

3.

試料  試料は,原則として 3×3×3mm 程度の大きさの粒状とし,これらを数個合わせて,1 回の燃焼

に約 0.1g(

4

)

を用いる。

(

4

)

フィラーなどを含んだ樹脂では,可燃物量が0.1g となるようにとる。

また,発泡体のような試料は,試料皿に収容可能な範囲で,できる限り 0.1g に近い量を採取

する。

備考  粉末状,繊維状,フイルム状,布状,板状及び発泡体の試料は,当事者間の協定する方法と条

件によって,3×3×3mm 程度の大きさに加工して用いるのが望ましい。

4.

装置及びジグ


2

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4.1

支燃ガス供給部  支燃ガス供給部(図 参照)は,燃焼のために必要な支燃ガスを供給する部分で,

支燃ガスの量及び組成(酸素濃度及び窒素濃度)を任意に変化できるように構成されなければならない。

また,空気(

5

)

,窒素及び酸素の流量をそれぞれ測定するための流量計を備えていなければならない。

(

5

)

空気は,あらかじめ空気中の炭酸ガスを除去するためにソーダライム管などを通過させておく

とよい。

4.2

燃焼部  燃焼部(図 参照)は,燃焼管,加熱炉,温度調節器及び温度計,点火装置及び試料皿保

持装置などから構成され,着火時間及び燃焼時間の測定並びに燃焼状態を観察できる構造でなければなら

ない。

(1)

燃焼管  燃焼管は,図 に示す寸法・形状の石英製のもので,下部に直径約 5mm のアルミナ球を満

たしたものとし,点火装置及び試料皿保持装置を備えた石英製のふた及び附属の締め具によって,密

閉できるものでなければならない。

(2)

加熱炉  加熱炉は,加熱管の外から熱を加え,設定温度に昇温できるものとする。

また,加熱炉には,着火時間及び燃焼時間の測定並びに燃焼状態を観察するための観察用窓を設け

ることができる。

(3)

温度調節器及び温度計  温度調節器及び温度計は,温度の調節及び燃焼管内の温度の測定ができるも

ので,熱電対(

6

)

,補償導線,指示計などから構成されなければならない。

(

6

)

熱電対は,JIS C 1602(熱電対)の構成材料記号が K(クロメル−アルメル)で階級記号0.4,

素線径1.00±0.04mm のものを使用する。

(4)

点火装置及び試料皿保持装置  点火装置は,電源及び火花を発生する電極(

7

)

で構成され,電極は,試

料皿保持装置を兼ね,試料の中央部の真上で火花が発生できるものでなければならない。

(

7

)

電極の先端から断続的に火花が発生する圧電式多発放電方式のもので,電極の材質は,SUS27

とし,電源は,JIS C 8501(マンガン乾電池)に規定の SUM-1を使用する。

(5)

試料皿  試料皿は,図 に示す形状・寸法の石英製で,底部及び側壁部に直径 1.5∼2.5mm のあなを

10

個以上もつものでなければならない。

参考  試料皿は,当事者間の協定によって,白金製のものを用いてもよい。

また,試料皿を使用しないで,試料を直接燃焼管に投入し,燃焼させてもよい。


3

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図 1  プラスチック燃焼ガス生成,捕集装置

  1

  酸素ボンベ 15  窒素流量計 29  ふた

  2

  元圧力計 16  窒素流量微調節バルブ 30  試料皿

  3

  一次圧力調整器 17  ソーダライム管 31  電極(火花発生部)

  4

  一次圧力計 18  空気ポンプ 32  点火装置

  5

  二次圧力調整器 19  空気流量計 33  燃焼ガス出口

  6

  二次圧力計 20  空気流量微調節バルブ 34  締め具

空気/酸素・窒素流路切

  7

  酸素流量計 21

換えコック

35

  水溶性ガス捕集瓶

  8

  酸素流量微調整バルブ 22  加熱炉 36  フィルター

  9

  窒素ボンベ 23  観察用窓 37  開閉栓

10

  元圧力計 24  熱電対 38  ガスクロマト栓

11

  一次圧力調整器 25  温度計及び温度調節器 39  ガス捕集用袋

12

  一次圧力計 26  燃焼管 40  ガス圧調節瓶

13

  二次圧力調整器 27  支燃ガス入口 41  排気管

14

  二次圧力計 28  アルミナ球


4

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図 2  燃焼管

図 3  水溶性ガス捕集瓶

4.3

燃焼ガス捕集部  燃焼ガス捕集部(図 参照)は,次の(1)水溶性ガス捕集法,(2)ガス捕集用袋法及

(3)

フィルター捕集法のそれぞれ別個の 3 系列から構成されなければならない。燃焼ガスは,それぞれの

分析対象ガスごとに適した系列で捕集される。

(1)

水溶性ガス捕集法  水溶性ガス捕集瓶(例えば図 に示す構造のもの。)を 2, 3 個直列に連結して使用

し,塩化水素,アンモニア,シアン化水素,二酸化硫黄などの水溶性ガスの捕集を行う。

(2)

ガス捕集用袋法  ガス捕集用袋は,非水溶性ガス(主として有機性ガス)の捕集に用い,ガス不透過

性高分子材料(例えばポリふっ化ビニル)製のもので,容量は原則として約 5.0及び約 7.5の 2 種類

とする。

また,捕集するガス量を一定に保つためにガス圧調節瓶(

8

)

を備えていなければならない(

図 参照)。


5

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なお,ガス捕集用袋は,毎回新しいものを使用することが望ましい。

(

8

)  JIS K 9003

[流動パラフィン(試薬)

]に規定の流動パラフィンをガス圧調節瓶の標線まで満た

す。

(3)

フィルター捕集法  フィルターは,重金属類などの粒状物質の捕集を行うためのもので,JIS K 0097

(排ガス中のカドミウム及び鉛の分析方法)に規定するフィルターを目的に応じて使用する。

5.

燃焼ガスの生成方法  燃焼ガスの生成方法は,次によって行う。

(1)

温度調節器を設定温度に調節し,支燃ガスを規定の量流しながら燃焼管を設定温度まで昇温する。こ

の間に 4.3 に従って分析対象ガスに合わせてガス捕集装置を組み立て,燃焼管に接続する。

(2)

設定温度に達したら,支燃ガスの組成及び流量を正しく調整し,約 15 分間そのままの状態で作動させ

た後,温度及び支燃ガス量が規定どおりになっていることを確認する。

(3)

点火装置を作動させて,電極先端で火花が発生することを確認する。

(4)

試料約 0.1g を正しく量り採り,試料皿に移す。

(5)

試料皿を試料皿保持装置に取り付け,点火装置の火花を発生させたままで,ふたをし(燃焼ガスの捕

集が開始される),同時に着火時間(

9

)

及び燃焼時間(

10

)

の測定を始める。なお,消炎するまで火花の発

生を続ける。

また,必要に応じて,燃焼状態などを観察し記録する。

(

9

)

着火時間は,試料を燃焼管内に保持(ふたをする。

)してから有炎燃焼の開始までの時間とする。

(

10

)

燃焼時間は,有炎燃焼で,着火から消炎までの時間とするが,燃焼には,着火から消炎まで連

続燃焼する場合と,着火及び消炎が繰り返し行われる不連続燃焼の場合があり,不連続燃焼の

場合の燃焼時間は,始めの着火から最後の消炎までの時間とする。

(6)

試料を規定時間燃焼管内に保持した後,ふたをあけ,燃焼ガスの生成及び燃焼ガスの捕集を終了する。

(7)

残留物があるときは,必要に応じて色,形態などを観察する。

(8)

引き続き試験を行う場合は,少なくとも 15 分間そのままの状態に放置した後行う。

また,装置内にすす,タール物質などが多量に付着した場合は,装置を放冷した後布又はア

セトンを含ませた布などでふき取り,アセトンを除去した後試験を続ける。

(9)

試料皿に燃焼残留物がある場合は,取り除いてから使用する。

6.

燃焼ガス捕集方法

6.1

水溶性ガス  分析対象ガスに応じて,それぞれの関連規格に規定された吸収液 25∼30ml を各水溶性

ガス捕集瓶に採り,各接合部を水溶性ガス吸収系に接続し,燃焼管内保持時間燃焼ガスを通過,吸収させ

た後,燃焼管の燃焼ガス出口との接合部を外し,この部分から少量の吸収液を注ぎ,接合部及び連結用導

管に付着した燃焼生成物を洗い落とし,

吸収液に合わせる。

この吸収液による洗浄操作を 2, 3 回行った後,

元の吸収液と合わせて試験液とする。

6.2

非水溶性ガス  各接続部をガス捕集用袋系に接合し,燃焼ガスを導入する。捕集用袋に規定量の燃

焼ガスを捕集するには,次の二つの方法がある。

(1)

ガス袋容量法  ガス捕集用袋に接続したガス圧調節瓶から余分な燃焼ガスがバブリング(泡立ち)し

てくるので,これを確認した後,ガス捕集用袋に接続した開閉栓を閉じる。

(2)

ガス流量法  表 に示す支燃ガス流量と燃焼管内保持時間との積から得られる容量の燃焼ガスが捕集

された後,ガス捕集用袋に接続した開閉栓を閉じる。いずれも規定量の燃焼ガスを捕集した後,直ち


6

K 7217-1983

にガス捕集用袋のガスクロマト栓から一定量の燃焼ガスを採取し,分析に供する。

6.3

燃焼ガス中の粒状物質  フィルター接合部を直接燃焼管に接続させ,燃焼管内保持時間燃焼ガスを

通過させた後,フィルター部に捕集した重金属類などの粒状物質を分析に供する。

7.

燃焼ガスの分析方法  燃焼ガスの分析は,それぞれの関連規格に従って行う。

備考  分析対象ガスのうち,代表的なものをあげると,水溶性ガスとしては,塩化水素,アンモニア,

シアン化水素,二酸化硫黄などがあり,非水溶性ガスとしては,一酸化炭素,二酸化炭素,メ

タン,エタン,プロパン,エチレン,プロピレン,アセチレン,ベンゼン,トルエンなどの有

機性ガスがあり,粒状物質としては,ニッケル,バナジウム,クロム,マンガンなどがある。

その他,該当する材料規格に分析対象ガスの種類の規定がある場合は,それに従う。

また,当事者間の協定によって,分析対象ガスの種類を選択又は追加することができる。

8.

測定回数及び結果の表し方  測定回数及び結果の表し方は,次によって行う。

(1)

同一試料について,

表 の燃焼条件(A 及び B の 2 条件)で 3 回以上行う。

(2)  1

回の燃焼によって捕集した燃焼ガス及び粒状物質の分析は,種類ごとに 2 回行い,各成分量を試料

1g

当たりの mg で求め,その平均値を算出する。

(3)  3

回以上の燃焼で得られた個々の平均値及び総平均値を算出し,JIS Z 8401(数値の丸め方)によって

有効数字 2 けたに丸める。

備考  該当する材料規格に,試験の測定回数及び結果の表し方の規定がある場合は,それに従う。

9.

報告  報告には,必要に応じて次の事項を記入する。

(1)

燃焼に関する報告事項

(a)

試料名

(b)

試験片の作製方法

(c)

試験片の形状

(d)

試験片の質量 (g)

(e)

支燃ガスの種類及び供給量  (l/min)

(f)

燃焼管内設定温度(加熱温度)  (℃)

(g)

燃焼管内保持時間 (min)

(h)

着火時間 (s)

(i)

燃焼時間 (s)

(j)

その他特記事項

(2)

分析に関する報告事項

(a)

燃焼ガス捕集方法

(b)

分析方法(JIS 番号及び名称,採用した分析方法の種類)

(c)

燃焼回数,平均値,総平均値(分析結果)など

(d)

その他特記事項

(3)

試験年月日


7

K 7217-1983

引用規格:

JIS C 1602

  熱電対

JIS C 8501

  マンガン乾電池

JIS K 0097

  排ガス中のカドミウム及び鉛の分析方法

JIS K 9003

  流動パラフィン(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

関連規格:JIS B 7551  フロート形面積流量計

JIS D 1030

  自動車排気ガス中の一酸化炭素,二酸化炭素及び炭化水素濃度の連続測定方法

JIS K 0004

  二酸化硫黄標準ガス

JIS K 0050

  化学分析通則

JIS K 0055

  ガス分析装置校正方法通則

JIS K 0083

  排ガス中のバナジウム分析方法

JIS K 0084

  排ガス中のニッケル分析方法

JIS K 0085

  排ガス中の臭素分析方法

JIS K 0087

  排ガス中のピリジン分析方法

JIS K 0088

  排ガス中のベンゼン分析方法

JIS K 0089

  排ガス中のアクロレイン分析方法

JIS K 0090

  排ガス中のホスゲン分析方法

JIS K 0091

  排ガス中の二硫化炭素分析方法

JIS K 0092

  排ガス中のメルカプタン分析方法

JIS K 0096

  排ガス中のクロム及びマンガンの分析方法

JIS K 0098

  排ガス中の一酸化炭素分析方法

JIS K 0099

  排ガス中のアンモニア分析方法

JIS K 0103

  排ガス中の硫黄酸化物分析方法

JIS K 0104

  排ガス中の窒素酸化物分析方法

JIS K 0105

  排ガス中のふっ素化合物分析方法

JIS K 0106

  排ガス中の塩素分析方法

JIS K 0107

  排ガス中の塩化水素分析方法

JIS K 0108

  排ガス中の硫化水素分析方法

JIS K 0109

  排ガス中のシアン化水素分析方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析のための通則

JIS K 0115

  吸光光度分析方法通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析のための通則

JIS K 0123

  ガスクロマトグラフ質量分析のための通則

JIS K 0151

  赤外線ガス分析計

JIS K 0221

  排ガス中のひ素分析方法

JIS K 2301

  燃料ガス及び天然ガスの分析・試験方法

JIS K 6900

  プラスチック用語


8

K 7217-1983

JIS K 7100

  プラスチックの状態調節及び試験場所の標準状態

JIS Z 8402

  分析・試験の許容差通則

高分子部会  プラスチック試験方法専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

牧          廣

工業技術院製品科学研究所

山  口  章三郎

工学院大学

小  沢  文  夫

工業技術院電子技術総合研究所

島  村  昭  治

工業技術院機械技術研究所

植  村  幸  生

工業技術院大阪工業技術試験所

小  林  力  夫

工業技術院化学技術研究所

蕨  岡  達  慈

通商産業省基礎産業局

平  河  喜美男

工業技術院標準部

吉  枝  正  明

工業技術院標準部

金  田  栄  一

東芝強化プラスチック工業株式会社

塚  野      隆

財団法人日本プラスチック検査協会

須  藤  作  幸

財団法人建材試験センター

峰  松  陽  一

芝浦工業大学

奈  良  正  孝

石油化学工業協会

丸  山      暢

三井東圧化学株式会社

鎌  田  太  一

鐘淵化学工業株式会社

村  井  真三次

合成樹脂工業協会

菅  野  久  勝

日本試験機工業会

矢  島  一  郎

日本プラスチック工業連盟

鹿  毛  紀久雄

プラスチック標準試験方法研究会

中  村  孔三郎

日本電信電話公社武蔵野電気通信研究所

中  島  磯  吉

日本国有鉄道鉄道技術研究所

代  田      忠

工業技術院繊維高分子材料研究所

(事務局)

奥      敏  夫

工業技術院標準部繊維化学規格課

田  仲  信  夫

工業技術院標準部繊維化学規格課