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K 7202-2 : 2001 (ISO 2039-2 : 1987)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本プラスチック工業連盟 (JPIF) /財団法

人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって JIS K 7202 : 1995

は廃止され,この規格に置き換えられる。

今回の制定は,従来の日本工業規格を国際規格に整合させるため,ISO 2039-2 : 1987 (Plastics−

Determination of hardness

−Part 2 : Rockwell hardness)  を基礎として用いた。

JIS K 7202-2

には,次に示す

附属書がある。

附属書 A(規定)  ロックウェル−

α

硬さの試験方法

JIS K 7202

はプラスチック硬さの求め方というタイトルの基に,次の各部からなっている。

第 1 部:ボール押込み法

備考  この規格の対応国際規格である ISO 2039-1 : 1993 は現在改正中であり,これが発行された時点

で JIS を発行する予定である。

第 2 部:ロックウェル硬さ


日本工業規格

JIS

 K

7202-2

: 2001

 (I

2039-2

: 1987

)

プラスチックー硬さの求め方

−第 2 部:ロックウェル硬さ

Plastics

−Determination of hardness−Part 2 : Rockwell hardness

序文  この規格は,1987 年に第 1 版として発行された ISO 2039-2, Plastics−Determination of hardness−Part

2 : Rockwell hardness

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で

ある。

なお,この規格で下線(点線)を施してある参考は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲

1.1

この規格は,ロックウェル硬さ試験機を用いて,ロックウェル M,L 及び R 硬さスケールによるプ

ラスチックの押込み硬さを求める方法について規定する。

1.2

ロックウェル硬さは,プラスチック材料の押込み硬さに直接関連する。すなわち,ロックウェル硬

さが大きければ大きいほど材料は硬い。この方法では,複数のロックウェル硬さスケール間で,わずかに

重複するため,同一材料において,異なる硬さスケールを使用したとき,二つの異なったロックウェル硬

さが得られる場合がある。それらは,どちらも技術的に正しい。

1.3

クリープ及び回復の大きい材料については,試験荷重と基準荷重を加える際の時間的因子が,測定

結果にかなりの影響を与える。

1.4

この試験機を用いて,ロックウェル−

α

硬さスケールによる硬さを求めるもう一つの方法を

附属書 A

に規定する。

附属書 では ISO 2039-1 との関係について示す。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 2039-2 : 1987, Plastics

−Determination of hardness−Part 2 : Rockwell hardness (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 7100 : 1999

  プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気

備考  ISO 291 : 1997, Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing が,この規格と一致し

ている。

ISO 48

  Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of hardness (Hardness between 10 IRHD and


2

K 7202-2 : 2001 (ISO 2039-2 : 1987)

100 IRHD)

ISO 868

  Plastics and ebonite−Determination of indentation hardness by means of a durometer (Shore

hardness)

ISO 2039-1

  Plastics−Determination of hardness−Part 1 : Ball indentation method

3.

原理

3.1

この試験方法は,試験材料に鋼球を介して一定の基準荷重を加え,次に試験荷重を加え,再び基準

荷重に戻すことによって硬さを求める方法である。

なお,すべての負荷時間の限界は規定されている。実際は,全侵入深さから,試験荷重の除去後,一定

の時間経過した後の弾性回復した量を差し引き,さらに,基準荷重から得られる侵入量を差し引いたもの

として得られる。ロックウェル硬さは,圧子を介して,規定した基準荷重から試験荷重へ増大し,次に基

準荷重に戻したときのくぼみ深さの正味の増加量として得られる。

3.2

各ロックウェル硬さスケール目盛は,圧子の垂直移動量が 0.002mm 移動したときを一目盛としてい

る。実際のロックウェル硬さは,次の関係式から求められる。

HR

=130−e (1)

ここに,  HR:  ロックウェル硬さ 

e

: 0.002mm を一単位として表した,試験荷重除去後のくぼみの深

備考  この関係式は,E,M,L 及び R 硬さスケールだけに成り立つ。

4.

装置

4.1

装置は,ロックウェル硬さ試験機(以下,試験機という。

)であり,本質的には次で構成する。

−  試験片を支える,少なくとも直径 50mm の平板を備えた調節可能な台座をもったフレーム。

−  固定装置を備えた圧子。

−  衝撃なしに圧子に荷重を加えることができる負荷装置。

4.2

圧子には,キャップ内に自由に転がることのできる焼入れ研磨鋼球が内蔵されている。鋼球は,試

験中に変形せずに,試験後も損傷があってはならない。鋼球圧子の直径は,使用するロックウェル硬さス

ケールに依存する(4.5 参照)

4.3

圧子は,侵入深さを 0.001mm 以内の正確さで測定するダイヤルゲージ,又はそれと同等の器具を備

えているものとする。ダイヤルゲージは,ロックウェル硬さ(1 ロックウェルスケール目盛=0.002mm)

として表示されていることが望ましいが,必す(須)ではない。直接表示されているとき,通常ダイヤル

ゲージは赤と黒のスケールをもつ。赤スケールは,M,L 及び R 硬さスケールによるロックウェル硬さが

得られるように,定数 (130) から自動的に測定できる(3.2 参照)

。侵入量の測定及びデータの表示の正確

さが,少なくともダイヤルゲージのそれと等しければ,他の装置を用いてもよい。


3

K 7202-2 : 2001 (ISO 2039-2 : 1987)

4.4

M

,L 及び R 硬さスケールに使用する適切な荷重は,4.5 に示すとおりとする。これらの場合の基準

荷重は 98.07N である。通常,試験機は,試料台を持ち上げるねじ式の高さ調整装置によって試験片が圧子

に接触するまで上げ,試験片に基準荷重を加えるようになっている。このとき,ダイヤルゲージは,基準

荷重が完全に加えられた時点である点を示す。試験機を使用する前に,メーカーの使用説明書を参照すべ

きである。負荷装置の速度調整は最も重要である。装置に試験片を取り付けていないとき,又は試料台に

圧子からの荷重が作用していないとき,試験機のダッシュポットを調節して,操作ハンドルを操作するこ

とによって 4∼5 秒で移動を完了するようにする。この校正において,試験荷重は 980.7N とする。

4.5

ロックウェル硬さスケールに対する基準荷重,試験荷重及び圧子の鋼球の直径は,

表 に示すとお

りとする。

表 1

基準荷重

試験荷重

鋼球圧子直径

ロックウェル
硬さスケール

N N mm

R 98.07

588.4

12.7

±0.015

L 98.07

588.4

6.35

±0.015

M 98.07

980.7

6.35

±0.015

E 98.07

980.7

3.175

±0.015

試験荷重及び基準荷重は,2%以内の正確さをもたなければならない。

備考  E 硬さスケールは,この規格では校正だけに用いる。

4.6

試験機は,振動のない水平で剛体の基盤の上に据え付ける。振動のある場所に据え付ける場合(例

えば,他の試験装置の近傍など)は,少なくとも厚さ 25mm のスポンジゴムの付いた金属板の上に据え付

けるか,振動を効果的に減衰させる台の上に据え付ける。

4.7

試験機を,既知のロックウェル硬さをもつ金属(鋳鉄,アルミニウム又はマグネシウムの合金,軸

受金属)の試験ブロックを用いて,E 硬さスケールで定期的に校正する。この方法で,負荷装置の不備又

はフレームの変形などの欠陥を監視し,試験前に修正する。試験機を R,L 又は M の試験モードに設定す

る際,校正されたブロックを用いて,補助的なチェックを頻繁に行う。

5.

試験片

5.1

標準的な試験片は,少なくとも厚さ 6mm の平板とし,7.4 の要求に合致する適切な面積をもつもの

とする。試験片は,必ずしも正方形でなくてもよい。支持面側に圧子による試験後の押込み跡があっては

ならない。

5.2

5.1

に規定した試験片が得られない場合は,同一厚さ,同一材料の薄い試験片を積み重ねた構成とす

る。この場合個々の試験片の表面は,全面で接触し,何らかの表面状態不備(例えば,ひけ,のこぎり切

断によるばりなど。

)によって互いに離れることのないようにする。

参考  試験片を積み重ねた場合は,積み重ねないときと値が異なることがある。

5.3

すべての押込みを,試験片の片面だけで実施する。

5.4

ロックウェル硬さの測定は,一つの試験片で十分であるが,等方性材料では最低 5 点の測定を行う。

5.5

異方性材料については,押込みの方向を,特定規定すべきである。二方向以上の結果が必要な場合,

各方向に対して最低 5 点のロックウェル硬さの測定ができるような試験片を準備する。

6.

状態調節  試験片は,事前に試験材料の関連規格に規定する雰囲気,又は JIS K 7100 に規定する雰囲

気の一つで状態調節する。


4

K 7202-2 : 2001 (ISO 2039-2 : 1987)

7.

操作

7.1

特に規定のない限り,試験片の状態調節と同じ雰囲気で試験を行う。

7.2

基準荷重,試験荷重及び圧子の直径が,使用するロックウェル硬さスケールに対して適切(4.5 参照)

かどうかを確かめる。鋼球を変えた後の最初の測定値は採用しない。それは,手作業で圧子をチャック内

に挿入したとき,正しく納まらないからである。チャック内に圧子ホルダーを納めるには,試験荷重によ

る全圧力が必要である。

備考  試験機の定期的な校正に関しては,4.7 を参照。

7.3

試験片を台座の上に載せる。試験片の表面及び圧子の表面に,ごみ,汚れ,油脂及びスケールがあ

ってはならない。また,試験片の表面が負荷方向に対して垂直であることを確かめる。

基準荷重を加え,ダイヤルゲージをゼロに設定する。基準荷重を加えた後,10 秒以内に試験荷重を加え

る(4.4 参照)

。試験荷重を加え始めたときから 15

1
0

+

秒後に試験荷重を取り除く。この操作中,試験機に衝

撃を加えてはならない。試験荷重を除き始めたときから 15 秒後に,ダイヤルゲージの指針に一番近い目盛

を読み取る。

備考  もし試験機に,ロックウェル硬さが直接目盛られていれば,次のようにする。試験荷重を加え

た後,指針が赤スケール目盛上のゼロを通過する回数を数える。試験荷重を除き始めた後,指

針がゼロを通過する回数を差し引く。この差が 0 ならば,硬さは,読取り値に 100 を加えた値

とする。この差が 1 ならば,硬さは,読取り値そのままとする。この差が 2 ならば,硬さは,

読取り値から 100 を減じる。疑問があれば,メーカーの使用説明書を参照するとよい。

7.4

試験片の同一表面に対し,5 回の測定を行う。試験片の辺縁から 10mm 以内及び二つの測定点の距離

が 10mm 未満で測定を行ってはならない。

7.5

理想的には,ロックウェル硬さは,50 と 115 の間にあることが望ましい。この範囲外の値は不正確

であり,その場合には,その材料に最も適切な硬さスケールを用いて再測定する。

備考  R 硬さスケールが,要求する値よりも小さな値を示すとき,ロックウェル硬さ試験は適切でな

いので,その材料は,ISO 868(ショア硬さ)に従って試験する。

8.

結果の表示

8.1

ロックウェル硬さは,数値の前に硬さスケール文字を付けて表す。

参考  例えば,M 硬さスケールで 80 ならば,HRM80 とする。

8.2

試験機に,直接硬さを表す目盛が付けてあるときは,各試験後にそのロックウェル硬さを記録する。

8.3

必要に応じて,ロックウェル硬さを算出する(3.2 参照)

8.4

必要に応じて,推定標準偏差を次の式によって,算出する。

1

2

2

=

å

n

X

n

X

σ

 (2)

ここに,

σ

:  標準偏差(推定)

X

:  ロックウェル硬さの個々の値

X

:  測定値の平均

n

:  測定数

9.

報告  試験報告は,次の事項を含めなければならない。


5

K 7202-2 : 2001 (ISO 2039-2 : 1987)

a)

この規格番号

b)

試験材料を識別する詳細

c)

試験片の内容,寸法及び作製方法

d)

状態調節及び試験雰囲気

e)

測定数

f)

ロックウェル硬さスケール(M,L 又は R の別)

g)

各測定値及びその平均値

h)

必要に応じて,推定標準偏差


6

K 7202-2 : 2001 (ISO 2039-2 : 1987)

附属書 A(規定)  ロックウェル−

α

硬さの試験方法 

序文  この規格に記載したロックウェル硬さ試験は,試験片が弾性回復した後の圧子侵入深さの関数とし

て,プラスチックの硬さを規定するものである。しかし,ISO 2039-1 のボール押込み硬さは,荷重が加わ

った状態での圧子の侵入深さから求める(材料の弾性回復を全く考慮していない。

)ものであるから L,M

及び R 硬さスケールのロックウェル硬さと関連づけられない。しかしながら,試験機を荷重下の侵入深さ

に基づく硬さの測定に使用してもよく,ロックウェル−

α

硬さ試験として規格化(

1

)

されている。プラスチ

ックのロックウェル−

α

硬さを測定するに当たって唯一適切なロックウェル硬さスケールは R 硬さスケー

ルであり,圧子直径を 12.7mm 及び試験荷重を 588.4N とする。

(

1

)

  ASTM D 785-65, Standard test method for Rockwell hardness of plastics and electrical insulating

materials.

A.1

操作

A.1.1

直径 12.7mm の圧子及び試験荷重 588.4N を使用する。

A.1.2

試験機のばね定数を次のように測定する。台座の上に軟銅のブロック(少なくとも厚さ 6mm)を載

せ,基準荷重を加える。深さを測定する装置の指針をゼロに設定し,試験荷重を加える。指針が静止する

まで試験荷重をそのまま保持する。読み値を記録し,試験荷重を取り除き,指針をゼロに再設定する。こ

の一連の操作は指針の読み値が一定になるまで繰り返す。この値は,これ以上銅ブロックへの侵入が起こ

らない点であり,試験機のばねによる侵入深さを示す。この読み値を記録し,0.002mm を 1 目盛とする単

位に換算する  (d

s

)

A.1.3

銅ブロックを試験片と交換し,基準荷重を加えた後 10 秒以内に深さを測定する装置の指針をゼロに

設定し,直ちに試験荷重を加える。試験荷重を 15 秒間加えた後に侵入深さを観測し,0.002mm を 1 目盛

とする単位に換算して記録する(d

n

=15 秒時における侵入深さ)

A.2

結果の表示  ロックウェル−

α

硬さは,次の式によって算出する。

R

α

=150−  (d

n

d

s

)  (1)

ここに,

R

α

ロックウェル−

α

硬さ

d

s

d

n

A.1.2

A.1.3 に記載

A.3

ロックウェル−

α

硬さと ISO 2039-1 のボール押込み硬さの関係  ロックウェル−

α

硬さと ISO 2039-1

のボール押込み硬さの数学的関係は,ロックウェル−

α

硬さが−20∼100 の範囲において,熱硬化性材料及

び熱可塑性材料に適用できることを Fett(

2

)

によって証明された。この関係式は,次の式で十分正確に表さ

れる。

813

.

0

6

.

448

150

H

R

=

α

 (2)

又は

23

.

1

150

6

.

448

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

α

R

H

 (3)

(

2

)

参考  Fett, Theo, Relation between Rockwell-

α

  hardness ASTM D 785 and ball indentation hardness


7

K 7202-2 : 2001 (ISO 2039-2 : 1987)

DIN 53456, Materialprüfung, Vol.14, No.5, pp.151-153.

変換の便利のために,R

α

が−30∼130 の範囲での,R

α

及び の関係を

附属書 図 に示す。

附属書 図 

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

中  山  和  郎

物質工学工業技術研究所

橋  本      進

財団法人日本規格協会技術部規格開発課

阿  部      聰

東京都立産業技術研究所

小  牧  和  夫

コマキ T. E. C

宮  入  裕  夫

東京医科歯科大学生体材料工学研究所

宗  宮      詮

慶應義塾大学理工学部機械工学科

栗  山      卓

山形大学工学部物質工学科

香  山      茂

財団法人化学技術戦略推進機構高分子試験・評価センター

横  山      昭

株式会社サン分析センター材料物性研究部

川  村  好  宏

三菱樹脂株式会社平塚技術開発センター基盤技術部

三  原  観  冶

株式会社東洋精機製作所技術統括部

斎  藤  英  隆

株式会社エー・アンド・デイ販売促進部

光  井  正  道

株式会社島津製作所試験計測事業部マーケティング部

浜  島  俊  行

浜島技術事務所

田  辺  久  光

三菱化学株式会社四日市事業所基盤技術研究所

石  川  弘  昭

三井東圧化学株式会社機能樹脂レオナ開発・技術センター

坂  井  英  男

三井東圧化学株式会社千葉工業所技術部

馬  場  文  明

三菱電機株式会社先端技術総合研究所

菅      尚  彦

東レ株式会社生産技術第 2 部

(事務局)

三  宅  孝  治

日本プラスチック工業連盟

三  宅      彰

日本プラスチック工業連盟

備考 1.  ○印は,分科会委員を兼ねる。

2.

  ◎印は,分科会委員長

文責  小牧  和夫