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K 7129:2008

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

2

4  原理

2

5  試験片

2

5.1  試験片の形状

2

5.2  試験片の数

2

5.3  試験片の厚さ測定

2

6  状態調節

3

7  試験方法

3

8  試験結果

3

9  試験報告

3

附属書 A(規定)感湿センサ法による水蒸気透過度の求め方

4

附属書 B(規定)赤外線センサ法による水蒸気透過度の求め方

7

附属書 C(規定)ガスクロマトグラフ法による水蒸気透過度の求め方

10

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

14

 


 
K 7129:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本プラスチック

工業連盟 (JPIF) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 7129 : 1992 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 K

7129

:2008

プラスチック−フィルム及びシート− 
水蒸気透過度の求め方(機器測定法)

Plastics Film and sheeting

Determination of water vapour transmission rate Instrumental method

序文

この規格は,2003 年に第 1 版として発行された ISO 15106-1 及び ISO 15106-2 並びに 2007 年に発行され

た ISO/DIS 15106-4 を基に,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,エンボスなどのない表面が平滑な,プラスチックフィルム,プラスチックシート及びプラ

スチックを含む多層材料の感湿センサ法,赤外線センサ法及びガスクロマトグラフ法による水蒸気透過度

の求め方について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 15106-1 : 2003,Plastics−Film and sheeting−Determination of water vapour transmission rate−

Part 1 : Humidity detection sensor method

ISO 15106-2 : 2003,Plastics−Film and sheeting−Determination of water vapour transmission rate−

Part 2 : Infrared detection sensor method

ISO/DIS 15106-4 : 2007,Plastics−Film and sheeting−Determination of water vapour transmission

rate−Part 4 : Gas-chromatographic detection sensor method

(全体評価:MOD)

なお,対応の程度を表す記号 (MOD) は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを

示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 6900  プラスチック−用語

JIS K 7130 : 1999  プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法

注記  対応国際規格:ISO 4593,Plastics−Film and sheeting−Determination of thickness by mechanical

scanning (MOD)



K 7129:2008

JIS K 8150  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8371  酢酸ナトリウム三水和物(試薬)

JIS K 8953  硫酸亜鉛七水和物(試薬)

JIS K 9006  りん酸二水素アンモニウム(試薬)

JIS Z 0208  防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)

ISO 2528,Sheet materials−Determination of water vapour transmission rate−Gravimetric (dish) method

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6900 によるほか,次による。

3.1

水蒸気透過度,WVTR  (water vapour transmission rate)

規定の温度及び湿度の条件で,単位時間中に試験片を通過する単位面積当たりの水蒸気の量。

注記  水蒸気透過度は,24 時間に透過した面積 1 平方メートル当たりの水蒸気のグラム数 [g/(m

2

・24

h)]  で表す。

3.2

標準試験片  (reference test specimen)

水蒸気透過度が既知の試験片,又は JIS Z 0208 若しくは ISO 2528 によって水蒸気透過度を測定し,水

蒸気透過度の明らかになっている試験片。

4

原理

低湿度チャンバと高湿度チャンバとを試験片によって隔離する。試験片を透過した水蒸気による低湿度

チャンバ内の相対湿度変化(感湿センサ法及び赤外線センサ法)又は透過した水蒸気の絶対量(ガスクロ

マトグラフ法)を検出する。

a)  感湿センサ法は,試験片を透過した水蒸気による湿度変化を,低湿度チャンバに設置した感湿センサ

で検出し,一定の相対湿度変化に要する時間を測定して,標準試験片との対比から,水蒸気透過度を

算出する方法である(

附属書 参照)。

b)  赤外線センサ法は,試験片を通して低湿度チャンバに透過した水蒸気量を赤外線センサで検出して,

標準試験片との対比から,水蒸気透過度を算出する方法である(

附属書 参照)。

c)  ガスクロマトグラフ法は,真空ポンプで低湿度チャンバを排気し,高湿度チャンバに一定の相対湿度

に制御したガスを流し,試験片を透過した水蒸気を一定時間計量管に集め,集めた水蒸気量をガスク

ロマトグラフで測定し,水蒸気透過度を算出する方法である(

附属書 参照)。

5

試験片

5.1

試験片の形状

試験片は,目視で,しわ,折れ目,又はピンホールがなく,厚さが均一なものとする。試験片の寸法は,

使用するセルの水蒸気透過部分よりも大きい寸法とし,セルに密着可能なものとする。

5.2

試験片の数

試験片の数は,最低 3 枚とする。ただし,他の規定又は受渡当事者間の協定による場合には,その限り

ではない。

5.3

試験片の厚さ測定


3

K 7129:2008

厚さの測定は,JIS K 7130 の A 法によって,均等な間隔をおいて 3 か所測定する。

6

状態調節

状態調節は,JIS K 7130 の 3.3.1 による。

7

試験方法

試験方法は,感湿センサ法(

附属書 A),赤外線センサ法(附属書 B)又はガスクロマトグラフ法(附属

書 C)による。

8

試験結果

すべての試験片で得られた結果の平均値を計算し,有効数字 2 けたに丸める。

注記  この試験方法の精度は,試験室間のデータがないので不明である。精度は,そのデータが得ら

れた時点で,次の改正版に追加する。

9

試験報告

試験報告書には,次の事項を記載する。

a)  この規格の番号及び用いた試験方法の区分(感湿センサ法,赤外線センサ法又はガスクロマトグラフ

法)

b)  試験条件(表 A.1,表 B.1 又は表 C.1 の中から選択した条件) 
c)  測定に用いた試験機の名称

d)  標準試験片を使用した場合は,標準試験片の詳細事項

e)  試験片を特定するのに必要な事項

f)  試験片の作製方法

g)  試験片の水蒸気供給面

多層フィルム・シートのように,表裏の組成及び構造が異なる場合だけ,報告する。

h)  試験片の透過面積

i)

試験片の平均厚さ

j)  試験片の数

k)  次の各方法における,それぞれに関する事項(A.3.5B.3.5 又は C.4.7 参照)

1)  感湿センサ法で,連続して測定した時間が±5 %以内の一定値にならないデータを採用した場合

2)  赤外線センサ法で,赤外線センサからの出力電圧の振れ幅が±5 %以内の一定値(定常状態)にな

らない試料片を採用した場合

3)  ガスクロマトグラフ法で,水蒸気透過量  (D

V

)  の値が連続して±5 %以内の一定値(定常状態)にな

らない試料片を採用した場合

l)

試験結果

m)  試験年月日



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附属書 A

規定)

感湿センサ法による水蒸気透過度の求め方

序文

この附属書は,感湿センサ法による水蒸気透過度の求め方について規定する。

A.1  装置 
A.1.1  装置の例

水蒸気透過度測定装置の一例を,

図 A.1 に示す。測定装置は,試験片の上下に低湿度側及び高湿度側の

二つのチャンバをもつ透過セル,透過した水蒸気量を相対湿度として検出する低湿度チャンバ側の感湿セ

ンサ,乾燥空気を供給するためのポンプ,乾燥筒などで構成する。

A.1.2  透過セル

高湿度チャンバには,試験用の水をためておく。低湿度チャンバは,高湿度側から試験片を透過してき

た水蒸気を蓄積できる構造であって,この低湿度チャンバの上部に感湿センサを設置する。透過セルは,

温度コントローラによって試験温度の±0.5  ℃の範囲に保たれる機構とする。透過面積は,5 cm

2

∼100 cm

2

とする。また,試験片装着面は,ガス漏れが起こらないように滑らかで,平らでなければならない。

A.1.3  感湿センサ

感湿センサは,0.05 %RH の湿度変化を感知でき,かつ,応答速度が 1 秒以下でなければならない。各湿

度センサは,その製造業者の指示によって,保守し,かつ,校正しなければならない。

A.1.4  試験用の水

試験用の水には,蒸留水又はイオン交換水を用いる。


5

K 7129:2008

記号

1  試験片

7

記録計

2  透過セル

8

ポンプ

3  低湿度チャンバ

9

乾燥筒

4  高湿度チャンバ 10 バルブ 
5  試験用の水 11 給水口 
6  感湿センサ 12 乾燥空気

図 A.1−感湿センサ法による水蒸気透過度測定装置の例

A.2  試験条件

試験条件は,

表 A.1 の中から選択する。

なお,これ以外の試験条件は,受渡当事者間の協定による。

表 A.1−試験条件

条件

透過セルの温度

相対湿度差  (AB)

%

高湿度チャンバの設

定相対湿度  (A)

%

低湿度チャンバの目

標相対湿度  (B)

%





5

25 ± 0.5 
38 ± 0.5 
40 ± 0.5 
23 ± 0.5 
25 ± 0.5

90 
90 
90 
85 
75

100 
100 
100 
100 
100

10 
10 
10 
15 
25



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A.3  手順 
A.3.1  一般

A.3.2A.3.5 の手順に従って,標準試験片について測定し,続いて各試験片について測定する。標準試

験片の水蒸気透過度は,年に 1∼2 回の頻度で,JIS Z 0208 又は ISO 2528 によって定期的に確認する。測

定機関は,各自の標準試験片を保有し,それを用いる。

A.3.2  水の量

試験用の水の量は,試験片を装着したとき,水の表面と試験片との間に約 5 mm の空気層ができるよう

にする。

A.3.3  試験片の装着

標準試験片又は試験片を,低湿度チャンバと高湿度チャンバとの間に装着する。このとき,試験片の表

面に,しわ又はたるみを生じないようにする。

A.3.4  測定

二つのバルブ(

図 A.1 の 10)を開けて低湿度チャンバ内に乾燥空気を導入し,低湿度チャンバ内の湿度

を,

表 A.1 に示す低湿度チャンバの目標相対湿度より 1 %∼2 %低い状態(初期レベル:B

0

)に調整した後,

バルブを閉じて相対湿度の記録を始める。

試験片を透過する水蒸気によって低湿度チャンバの相対湿度が,

表 A.1 の低湿度チャンバの目標相対湿

度より 1 %∼2 %高い状態(最終レベル:B

1

)になるまでの時間を記録する。すなわち,測定相対湿度幅 (B

1

−B

0

)  は,材料の透湿特性によって 2 %∼4 %の範囲で選択する。

A.3.5  繰返し

A.3.4 の操作を繰り返し,測定時間が±5 %以内の一定値に収束するまで操作を継続する。この条件を満

足しないときは,試験結果に測定時間が一定値に収束しなかったことを付記する。

A.4  計算

各試験片の水蒸気透過度は,次の式によって算出する。

S

R

S

R

A

A

T

T

S

WVTR

×

×

=

ここに,  WVTR

試験片の水蒸気透過度 [g/ (m

2

・24h)]

S: 標準試験片の水蒸気透過度 [g/ (m

2

・24h)]

T

R

標準試験片について,低湿度チャンバの相対湿度が初期レ
ベル

(B

0

をいい,

表 A.1 の低湿度チャンバの RH 値より 1 %

∼2 %低いレベル)から最終レベル(B

1

をいい,

表 A.1 

低湿度チャンバの RH 値より 1 %∼2 %高いレベル)まで
に増加するのに要した時間 (s)

T

S

試験片について,低湿度チャンバの相対湿度が初期レベル

表 A.1 の上部低湿度チャンバの RH 値より 1 %∼2 %低

いレベル)から最終レベル(B

1

をいい,

表 A.1 の低湿度

チャンバの RH 値より 1 %∼2 %高いレベル)までに増加
するのに要した時間 (s)

A

R

標準試験片の透過面積 (m

2

)

A

S

試験片の透過面積 (m

2

)


7

K 7129:2008

附属書 B

規定)

赤外線センサ法による水蒸気透過度の求め方

序文

この附属書は,赤外線センサ法による水蒸気透過度の求め方について規定する。

B.1  装置 
B.1.1  装置の例

水蒸気透過度測定装置の一例を,

図 B.1 に示す。測定装置は,試験片を挟んで低湿度チャンバ及び高湿

度チャンバの二つのチャンバをもつ透過セル,低湿度チャンバの相対湿度を測定する赤外線センサ,装置

内の空気を循環するためのポンプ,流量計,乾燥筒,切替バルブなどで構成する。

B.1.2  透過セル

透過セルは,温度コントローラによって±0.5  ℃に保つ機構とする。透過面積は 5 cm

2

∼100 cm

2

とする。

また,試験片装着面は,ガス漏れが起こらないように滑らかで,平らでなければならない。

B.1.3  流量計

流量計は,5 ml / min∼100 ml / min の流量を測定できるものとする。

B.1.4  赤外線センサ

赤外線センサは,1 µg/L,又は 1 mm

3

/dm

3

(体積分率 1 ppm)の水蒸気量変化を検知できるものとする。

赤外線センサは,製造業者の指示によって保守及び校正を行う。

B.1.5  乾燥筒

乾燥筒は,空気を赤外線センサの検出限界以下に乾燥できるものとする。



K 7129:2008

記号

1  試験片

7 記録計

2  透過セル

8 調節バルブ

3  調湿ガス

9 流量計

4  切替バルブ 10 乾燥筒 
5  ポンプ 11 低湿度チャンバ 
6  赤外線センサ 12 高湿度チャンバ

図 B.1−赤外線センサ法による水蒸気透過度測定装置の例

B.2  試験条件

試験条件は,

表 B.1 の中から選択する。

なお,これ以外の試験条件は,受渡当事者間の協定による。

表 B.1−試験条件

条件

透過セルの温度

相対湿度差

%

高湿度チャンバの

相対湿度

%

低湿度チャンバの

相対湿度

%







7

25 ± 0.5 
38 ± 0.5 
40 ± 0.5 
23 ± 0.5 
25 ± 0.5 
25 ± 0.5 
40 ± 0.5

90 ± 2 
90 ± 2 
90 ± 2 
85 ± 2 
75 ± 2 
60 ± 2 
75 ± 2

90 ± 2 
90 ± 2 
90 ± 2 
85 ± 2 
75 ± 2 
60 ± 2 
75 ± 2







0


9

K 7129:2008

B.3  手順 
B.3.1  一般

B.3.2B.3.5 の手順に従って,標準試験片について測定し,続いて各試験片について測定する。

標準試験片の水蒸気透過度は,年に 1∼2 回の頻度で,JIS Z 0208 又は ISO 2528 によって定期的に確認

しなければならない。

測定機関は,各自の標準試験片を保有し,それを用いる。

B.3.2  ゼロレベル電圧

乾燥空気を用いて,装置のゼロレベル電圧を測定する。

B.3.3  相対湿度調整

規定の相対湿度の調湿ガスを供給できる装置の場合は,その調湿ガスによる。

塩飽和水溶液を使って規定の相対湿度に調整する装置の場合は,調湿綿を入れた高湿度チャンバ内に塩

飽和水溶液を注入する。

塩飽和水溶液を使用する装置の場合,相対湿度 (90±2) %は,JIS K 8953 に規定する硫酸亜鉛又は JIS K 

9006 に規定するりん酸二水素アンモニウムの飽和水溶液によって得る。相対湿度 (85±2) %は,塩化カリ

ウムの飽和水溶液によって得る。相対湿度 (75±2) %は,JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム又は JIS K 

8371 に規定する酢酸ナトリウムの飽和水溶液によって得る。ただし,相対湿度 (60±2) %の場合には,適

切な塩飽和水溶液がないので,調湿ガスを供給できる装置による。

B.3.4  試験片の装着

透過セルの両側の試験片装着面に真空グリスを薄く均一に塗り,標準試験片又は試験片を低湿度チャン

バと高湿度チャンバとの間に装着する。このとき,試験片の表面に,しわ又はたるみを生じないよう注意

する。

B.3.5  測定

装置内に透過セルを固定し,上部チャンバに規定流速で乾燥空気を流す。赤外線センサからの出力電圧

を観測し,定常状態となって±5 %の範囲に収まることを確認する。

注記  流速は機器製造業者の仕様によって決める。

出力電圧の振れ幅が±5 %に収まらないで終了したときは,収まらなかったことを報告書に記載する。

B.4  計算

各試験片の水蒸気透過度は,次の式によって算出する。

S

R

0

R

0

S

)

(

)

(

A

A

E

E

E

E

S

WVTR

×

×

=

ここに,

WVTR: 試験片の水蒸気透過度 [g/ (m

2

・24h)]

E

0

乾燥空気による測定装置のゼロレベル電圧 (V)

E

R

標準試験片の定常状態の電圧 (V)

S: 標準試験片の水蒸気透過度 [g/ (m

2

・24h)]

E

S

試験片の定常状態の電圧 (V)

A

R

標準試験片の透過面積 (m

2

)

A

S

試験片の透過面積 (m

2

)


10 
K 7129:2008

附属書 C 

規定)

ガスクロマトグラフ法による水蒸気透過度の求め方

序文

この附属書は,ガスクロマトグラフ法による水蒸気透過度の求め方について規定する。

C.1

  装置

C.1.1

  一般

測定装置の一例を,

図 C.1 に示す。装置の主な部分は,高湿度チャンバ及び低湿度チャンバ,透過した

水蒸気をため込む計量管,バルブ,ガスクロマトグラフ,湿度調節器(恒温水槽)

,真空ポンプなどで構成

する。

C.1.2

  透過セル

透過セルの高湿度チャンバは,水蒸気の導入口をもち,低湿度チャンバは,計量管を経てガスクロマト

グラフに接続している。透過セルは温度コントローラによって試験温度の±0.5  ℃に保たれる構造とする。

透過面積は 0.5 cm

2

∼100 cm

2

とする。また,試験片装着面は,ガス漏れが起こらないように滑らかで,平

らでなければならない。水蒸気の結露を防ぐため,透過セルに接続する配管はセルの温度より少し高めの

温度に保つ機構をもつものとする。

C.1.3

  疎水性ろ紙

疎水性ろ紙は,透過セルの透過面積と同じ大きさとし,低湿度チャンバの上に敷いて,試験片を保持し,

試験片全面からスムーズに水蒸気を透過させるために使用する。疎水性ろ紙には,POLYFLON

TM 1)

  のよう

なポリテトラフルオロエチレン (PTFE) を使用するのがよい。ろ紙の厚さは,低湿度チャンバの深さと同

じ厚さとするのがよい。

1)

 POLYFLON

TM

は,市販製品の一例である。この情報は,この規格の利用者の便宜を図って記載

するもので,この製品を推奨するものではない。

C.1.4

  ガスクロマトグラフ

ガスクロマトグラフは,水蒸気量を 0.05 µg の精度で測定できなければならない。

C.1.5

  搬送ガス流量調節器

搬送ガス流量調節器は,湿度調節器に一定流量の搬送ガスを供給する機能をもつものとする。

推奨ガス流量は,5 cm

3

/min∼100 cm

3

/min とする。

C.1.6

  湿度調節器

蒸留水又はイオン交換水が入った湿度調節器を高湿度チャンバに接続する。搬送ガス流量調節器を通し

て搬送ガスを湿度調節器に供給し,貯蔵した水に搬送ガスを通気して水蒸気を飽和させる。透過セル内の

温度湿度条件を,

表 C.1 に示した試験条件に調節するには,湿度調節器の温度をその目標試験湿度を飽和

水蒸気圧にもつ温度に調整することによって行う。貯蔵した水の温度は,設定温度の±0.2  ℃に維持する。

C.1.7

  真空ポンプ

真空ポンプは,低圧側チャンバ内を 10 Pa 以下に排気できる能力をもつものとする。


11

K 7129:2008

図 C.1−ガスクロマトグラフ法による水蒸気透過度測定装置の例

C.2

  試験条件

試験条件は,

表 C.1 の中から選択する。

これ以外の試験条件は,受渡当事者間の協定による。

  記号

1  試験片

7 蒸留水又はイオン交換水が入った湿

度調節器

13  搬送ガスの排気

2  透過セル

8 計量管 14

キャリヤガスの排気

3  高湿度チャンバ

9 ガスクロマトグラフ 15

バルブ-1

4  疎水性ろ紙及び低湿度チャンバ 10 データ処理装置 16

バルブ-2

5  搬送ガスボンベ 11 真空ポンプ

6  搬送ガス流量調節器 12 キャリヤガス


12 
K 7129:2008

表 C.1−試験条件

条件

透過セルの温度

相対湿度差

%

高湿度チャンバの

相対湿度

%

低湿度チャンバの

相対湿度

%







7

25 ± 0.5 
38 ± 0.5 
40 ± 0.5 
23 ± 0.5 
25 ± 0.5 
25 ± 0.5 
40 ± 0.5

90 ± 2 
90 ± 2 
90 ± 2 
85 ± 2 
75 ± 2 
60 ± 2 
75 ± 2

90 ± 2 
90 ± 2 
90 ± 2 
85 ± 2 
75 ± 2 
60 ± 2 
75 ± 2







0

C.3

  検量線

あらかじめ,水の濃度が既知でその濃度の異なるアルコール溶液を調製する。

これらの溶液の一定量をそれぞれ容積シリンジでサンプリングし,ガスクロマトグラフに注入する。水

注入量とクロマトグラムのピーク面積をそれぞれプロットし,直線の検量線を作成する。

注記  水 1 %(質量分率)のメタノール溶液を使って,単点の測定値をプロットし,原点と直線で結

んで検量線とする方法もある。

C.4

  手順

C.4.1

  疎水性ろ紙

透過セルの透過面積と同じ大きさの疎水性ろ紙(

図 C.1 の 4)を低湿度チャンバの上に敷く。

C.4.2

  試験片の装着

透過セルの両側の試験片装着面に真空グリスを薄く均一に塗り,試験片を低湿度チャンバ上に,しわ又

はたるみが生じないように装着する。

C.4.3

  高湿度チャンバ取り付け

試験片の上にゴムのパッキンを置いて高湿度チャンバをセットし,試験片が完全に密閉できるように均

一に固定する。

C.4.4

  低湿度チャンバの排気

ポンプを作動させ低圧側のチャンバを排気する。ここで,セル内を排気するのに必要な時間は,試験片

の透過度に依存することに注意する。

C.4.5

  水蒸気の透過

水蒸気を湿度調節器を通して高湿度チャンバに供給し,高湿度チャンバを一定の湿度に保つ。水蒸気は,

試験片を通して高湿度チャンバから低湿度チャンバへ透過する。次に,真空ポンプで排気する。

C.4.6

  測定

バルブ(

図 C.1 の 16)を閉め,バルブ(図 C.1 の 15)を開けて透過した水蒸気を計量管(図 C.1 の 8)

にため込む。一定時間  (t)  の後,バルブ(

図 C.1 の 15)を閉め計量管にためた水蒸気をキャリヤガス(図

C.1 の 12)によってガスクロマトグラフ(図 C.1 の 9)のカラムに導入し測定する。得られたクロマトグ

ラムの水蒸気の面積から C.3 で作成した検量線を用いて水蒸気量  (D

V

)  を算出する。

C.4.7

  繰返し

定常状態になることが確認できるまで C.4.4C.4.6 の操作を繰り返す。各水蒸気ため込み時間における


13

K 7129:2008

ガス透過量が連続して±5 %の範囲に入れば,定常状態になったと判断する。

C.4.8

  ブランク量

ブランク量  (D

b

)  とは,水蒸気透過が定常状態に到達後,真空ポンプ排気中に計量管に存在する水蒸気

の量をいい,バルブ(

図 C.1 の 15)と(図 C.1 の 16)とを同時に閉じて計量管にたまった水蒸気量を測定

して求める。ブランク量  (D

b

)  は,測定の前後いずれかで求める。

C.5

  計算

各試験片の水蒸気透過度は,次の式によって算出する。

24

)

(

b

V

×

×

×

=

t

A

k

D

D

WVTR

ここに,

WVTR: 試験片の水蒸気透過度 [g/ (m

2

・24h)]

t: 水蒸気をため込む時間 (h)

D

b

ブランク量 (g)

D

V

測定量 (g)

A: 透過面積  (m

2

)

k: 計量管容積から低圧側全容積を求める装置定数

注記  は,装置製造業者から提供される。


14 
K 7129:2008

附属書 JA

参考)

JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 7129 : 2008  プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機
器測定法)

ISO 15106-1 : 2003,Plastics−Film and sheeting−Determination of water vapour 
transmission rate−Part 1 : Humidity detection sensor method 
ISO 15106-2 : 2003,Plastics−Film and sheeting−Determination of water vapour 
transmission rate−Part 2 : Infrared detection sensor method 
ISO/DIS 15106-4 : 2007,Plastics−Film and sheeting−Determination of water vapour 
transmission rate−Part 4 : Gas-chromatographic sensor method

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ)   
国 際 規 格
番号

箇条 
番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

1 適 用 範

 ISO 

15106-1 
ISO 
15106-2
 
ISO/DIS 
15106-4 


 

 
1

追加

“エンボスなどのない表面が

平滑な,

”という表現を追加し

た。

補足的な追加であり技術的な差異

はない。

3.2 標準試
験片

JIS Z 0208 を追加し
た。

ISO 
15106-1
 
ISO 
15106-2

3.2 
 
3.2

ISO 2528 によって規定。

追加

技術的差異はない。

原理的に差のない JIS でも測定で
きるようにした。

6 状 態 調

状態調節の温度,湿

度 及 び 時 間 条 件 に
ついて規定。

ISO 
15106-1
 
ISO 
15106-2
 
ISO/DIS 
15106-4 


 

 
6

状態調節は,

温度 23±2  ℃,

相対湿度 (50±5) %で,そ
の材料の仕様書に示す時間
行う。

変更

水蒸気透過度を求める前に試

験片の厚さを測定するものと
し,JIS K 7130 による厚さ測定
に規定する状態調節をもって

この試験の状態調節を兼ねる
ように変更。 

ISO 規格では,“状態調節は,温度
23±2  ℃,相対湿度 (50±5) %にお
いて行う”と規定しているが,測
定条件と状態調節温湿度が非常に

異なっており,厚さ測定時に行う
状態調節で,この試験の状態調節
を行うものとした。今後,ISO 

提案予定。

14

K 712

9

2

008

14

K 712

9

20
0

8


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(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ)   
国 際 規 格
番号

箇条 
番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

7 試 験 方

試 験 方 法 と い う 箇

条を設けた。

ISO 
15106-1
 
ISO 
15106-2
 
ISO/DIS 
15106-4


 

 
7

追加

本文に国際規格にはない試験

方法という箇条を追加し,その
内容は附属書 A,附属書 B 及
び附属書 C によるとした。

三つの国際規格を一つにまとめた

ことによって,本文の構成上試験
方法という箇条を設けた。 
今後,ISO に提案予定。

附属書 A 
(規定) 
感 湿 セ ン

サ 法 に よ
る 水 蒸 気
透 過 度 の

求め方

 ISO 

15106-1 


 
 

 
 
 
9

 
 

追加 
 

a) A.1.2 で,試験片装着面の平

滑性を規定した。

 
b) A.3.1 で,標準試験片の水蒸

気透過度の定期的確認方法
として,JIS Z 0208 又は
ISO 2528 によることを追
加した。

c) A.3.4 で,温度及び湿度の初

期及び最終レベル並びに測
定相対湿度幅の説明を加え
た。

a)  附属書 C に規定している試験片

装着面の平滑性の規定を取り入
れた。今後,ISO に提案予定。

b)  標準試験片の水蒸気透過度を定

期的に確認する,具体的な引用
規格を明示した。今後,ISO 

提案予定。

c)  利用者の利便性を図って,分か

りやすく説明した。技術的差異

はない。

附属書 B 
(規定) 
赤 外 線 セ

ン サ 法 に
よ る 水 蒸
気 透 過 度

の求め方

 ISO 

15106-2 


 
 

 
 
 
 
9

追加 
 
 

a) B.1.2 で,試験片装着面が滑

らかである要求性能を追加
した。

b) B.2 で,試験条件に医薬関係

の保存安定性試験条件の 2
条件 25±0.5  ℃,RH (60±
2) %及び40±0.5  ℃,RH (75
±2) %を追加した。

c) B.3.1 で,標準試験片の水蒸

気透過度定期的確認方法と
して,JIS Z 0208 又は ISO 
2528 
によることを追加し
た。

a)  附属書 C に規定している試験片

装着面の平滑性の規定を取り入
れた。今後,ISO に提案予定。

b)  従来の試験条件に,医薬品関係

の保存安定性試験条件を加える
ことで医薬品関係の保存安定性

も試験できるようにした。 
今後,ISO に提案予定。

c)  標準試験片の水蒸気透過度を定

期的に確認する,具体的な引用
規格を明示した。今後,ISO 
提案予定。

15

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9

2

008

15

K 712

9

20
0

8


16 
K 7129:2008

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ)   
国 際 規 格
番号

箇条 
番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

附属書 B

(規定) 
赤 外 線 セ
ン サ 法 に

よ る 水 蒸
気 透 過 度
の 求 め 方

(続き) 

 ISO 

15106-2 

追加 

d) B.3.3 で相対湿度の調湿ガ

スを供給できる装置を追加
した。

 
 
e) B.3.3 で,相対湿度 (60±

2) %とする適切な塩飽和水
溶液はなく,調湿ガスを供
給できる装置によると説明
を加えた。

f) B.3.3 で,特定の相対湿度を

得るための塩飽和水溶液を
規定し,注記を規定に変更

した。

 
 
g) B.3.4 で,試験片装着面に真

空グリスを薄く均一に塗る
手順を追加した。

d)  技術の進歩に伴い,従来の塩飽

和水溶液による調湿から,調湿
ガスを供給できる装置が増えて
きている実態を反映させた。今

後,ISO に提案予定。

e)  技術の進歩に伴い,従来の塩飽

和水溶液による調湿から,調湿

ガスを供給できる装置が増えて
きている実態を反映させた。今
後,ISO に提案予定。

f)  特定の相対湿度を得るには記載

の塩飽和水溶液を使う以外に方
法はない。したがって,注記で

記載する内容ではなく,規定に
変更すべき内容。今後,ISO 
提案していく。

g)  実際に行われている手順を加え

た。今後,ISO に提案していく。

附属書 C 
(規定)

ガ ス ク ロ
マ ト グ ラ
フ 法 に よ

る 水 蒸 気
透 過 度 の
求め方

ISO/DIS 
15106-4
 
 
 


 

追加 
 

a) C.1

装置に,透過性ろ紙の

説明を入れた。

 
 
b) C.2 で,試験条件に医薬関係

の保存安定性試験条件の 2
条件 25±0.5  ℃,RH (60±
2) %及び40±0.5  ℃,RH (75
±2) %を追加した。

a)  装置の一部を構成する疎水性ろ

紙の説明部分を C.4 から C.1 に

移動し,整理した。技術的差異
はない。

b)  従来の試験条件に,医薬品関係

の保存安定性試験条件を加える
ことで医薬品関係の保存安定性
も試験できるようにした。今後,
ISO に提案予定。

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9

2

008

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K 712

9

20
0

8


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K 7129:2008

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 15106-1 : 2003,ISO 15106-2 : 2003,ISO/DIS 15106-4 : 2007,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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2

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0

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