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K 7095

:2012

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  動的機械分析(DMA

2

4.1

  装置及び器具 

2

4.2

  試験片

2

4.3

  操作

3

4.4

  ガラス転移温度の求め方 

4

4.5

  結果の表示 

4

5

  示差走査熱量測定(DSC) 

5

5.1

  装置及び器具 

5

5.2

  試験片

5

5.3

  手順

5

5.4

  ガラス転移温度の求め方 

5

5.5

  結果の表示 

5

6

  熱機械分析(TMA) 

5

6.1

  装置及び器具 

5

6.2

  試験片

5

6.3

  手順

5

6.4

  ガラス転移温度の求め方 

5

6.5

  結果の表示 

6

7

  報告

6


K 7095

:2012

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

7095

:2012

炭素繊維強化プラスチックの熱分析による

ガラス転移温度測定法

Testing method for glass transition temperatures of carbon fibre reinforced

plastics by thermal analysis

適用範囲 

この規格は,一方向材及び織物材を積層した炭素繊維強化プラスチック板のガラス転移温度を,動的機

械分析(DMA)

,示差走査熱量測定(DSC)及び試料の熱膨張に伴う変位を測定する熱機械分析(TMA)

の温度依存性曲線から測定する方法について規定する。

警告  この規格の利用者は,通常の試験室での作業に精通している者とする。この規格は,その使用

に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,

各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0129

  熱分析通則

JIS K 6900

  プラスチック−用語

JIS K 7016-1

  繊維強化プラスチック−試験板の作り方−第 1 部:総則

JIS K 7016-2

  繊維強化プラスチック−試験板の作り方−第 2 部:接触圧成形及びスプレーアップ成

JIS K 7016-4

  繊維強化プラスチック−試験板の作り方−第 4 部:プリプレグの成形

JIS K 7016-5

  繊維強化プラスチック−試験板の作り方−第 5 部:フィラメントワインディング成形

JIS K 7016-7

  繊維強化プラスチック−試験板の作り方−第 7 部:レジントランスファ成形

JIS K 7016-8

  繊維強化プラスチック−試験板の作り方−第 8 部:SMC 及び BMC の圧縮成形

JIS K 7121

  プラスチックの転移温度測定方法

JIS K 7144

  プラスチック−機械加工による試験片の調製

JIS K 7197

  プラスチックの熱機械分析による線膨脹率試験方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0129 及び JIS K 6900 によるほか,次による。

3.1 

貯蔵弾性率,G’ 


2

K 7095

:2012

   

動的機械分析によって求まる弾性に相当する成分。

3.2 

損失弾性率,G” 

動的機械分析によって求まる粘性に相当する成分。

3.3 

損失正接,tanδ

貯蔵弾性率と損失弾性率との比(G”/G’)

動的機械分析(DMA 

4.1 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

a)

測定装置  測定装置は,動的機械分析法を適用するもので,構成は,次による。

1)

負荷器具  力負荷系は,試験片に一定のねじり振幅を負荷できる機構のものとする。この機構は,

規定の繰返し速度において慣性による遅れがなく,力及びひずみの測定を±1 %又はそれ以上の精

度で測定できるものでなければならない。試験片のつかみ具は,負荷系の可動部及び固定部に位置

して,それらの中心は,負荷系の中心線と一致しているものでなければならない。

2)

恒温槽  恒温槽は,試験に十分な温度範囲が得られるもので,定速昇温プログラム機能があり,試

験片の周りは,一定の雰囲気に保つことができ,

槽内の温度を一定の速度で昇温できるものとする。

一定の雰囲気には,乾燥空気,窒素,不活性ガスなどを用いるとよい。熱電対の取付位置及び供給

ガスの使用は,測定装置の指示書による設定とする。試験片及びつかみ具は,恒温槽内に取り付け

る。

3)

記録機器  温度−貯蔵弾性率(DMA 曲線)を自動記録できるものとする。

なお,記録は,横軸に温度,縦軸に貯蔵弾性率の対数を表示する。

b)

乾燥器  乾燥器は,空気かくはん装置つきのもので,設定温度±2  ℃に制御できるものとする。

c)

寸法測定器具  寸法測定器具は,次による。

1)

ノギス  ノギスは,試験片の長さを測定するもので,0.05 mm 又はこれと同等以上の測定精度をも

つものとする。

2)

マイクロメータ  マイクロメータは,試験片の厚さ,幅及び孔径を測定するもので,0.01 mm 又は

これと同等以上の測定精度をもつものとする。マイクロメータの測定面は,測定する表面形状が平

滑なものには平面のものとし,不規則なものには,半球面のものとする。

4.2 

試験片 

4.2.1 

形状及び寸法 

標準的な試験片の形状及び寸法は,

図 のとおりとする。異なる材料を比較する場合は,試験片の寸法

は同一でなければならない。


3

K 7095

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単位  mm

部位

寸法

長さ        l 45∼55

幅            b 11∼13

厚さ        h

1

∼5

図 1−試験片の形状及び寸法 

4.2.2 

試験片の作製 

試験板は,JIS K 7016-1JIS K 7016-2JIS K 7016-4JIS K 7016-5JIS K 7016-7JIS K 7016-8 など

によって作製する。一方向強化材は,試験片の長さ方向に繊維方向が一致するようにする。織物強化材は,

長さ方向に織糸方向が一致するようにする。

試験板から試験片への調製は,JIS K 7144 による機械加工によって作製する。

4.2.3 

試験片の検査 

試験片は,平滑で,ねじれがなく,表面,辺縁部などに欠陥があってはならない。試験片の幅及び厚さ

は,長さ方向に沿って平行でなければならない。

なお,つかみ具で滑るいかなる要因もあってはならない。

4.2.4 

試験片の数 

試験片の数は,3 本以上とする。

4.3 

操作 

4.3.1 

状態調節 

試験片の質量を化学天びんを用いて 0.1 mg まではかり,初期の質量とする。

乾燥器を用いて試験片を乾燥させる。乾燥器の温度は,ガラス転移温度から 50  ℃以上低い温度とし,

室温を下回らないようにする。

なお,乾燥器から取り出した試験片は,デシケータに保管し,室温まで温度を低下した後に測定する。

試験片の質量は,1 日以上の間隔で測定し,記録する。

質量変化率は,次の式(1)によって算出する。

1

b

1

n

n

d

×

=

W

W

W

M

 (1)

ここに,

M

d

質量変化率(%)

W

b

初期の質量(mg)

W

n

n

回目の質量(mg)

W

n

1

n

−1 回目の質量(mg)

1

日の間の質量変化率の絶対値が 0.01 %以下になった試験片は,速やかにガラス転移温度の測定をする。

なお,受渡当事者間の協定がある場合は,別に状態調節の条件を設定することができる。


4

K 7095

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4.3.2 

寸法測定 

測定試験前に標準の雰囲気中において試験片の寸法測定を行う。試験片の長さ及びつかみ具間の距離は,

0.05 mm

まで測定する。幅及び厚さは,0.01 mm まで測定し,4.2.1 に規定する寸法の範囲内にあることを

確認する。

4.3.3 

測定の開始 

試験片をつかみ具に装着する。温度測定用の熱電対の取付位置及び供給ガスの流量を,測定装置の手順

書によって設定する。測定条件は,次による値に設定し,測定を開始する。

a)

力振幅は,材料の粘弾性特性における弾性範囲内にし,かつ,負荷ひずみ量は,0.1 %以下とする。

b)

測定装置の周波数は,正弦波による 1 Hz と設定する。

c)

測定装置の昇温速度は,毎分 5  ℃と設定する。

4.3.4 

記録 

縦軸に貯蔵弾性率(対数目盛で表す)

,横軸に温度とした DMA 曲線の記録を行う。記録は,試験開始温

度(室温又は予測されるガラス転移温度より50  ℃以上低い温度)から試験終了温度(ガラス転移温度から

50

℃以上高い温度又は熱分解温度に至る直前の温度)まで記録する。

4.4 

ガラス転移温度の求め方 

ガラス転移温度は,貯蔵弾性率の変化曲線に対する二つの直線部を延長した交点の温度とする(

図 

照)

。貯蔵弾性率の最初に急激に低下する前の直線部を高温側に延長して,1 本目の直線を引く。貯蔵弾性

率が最初に急激に低下した後の中間線の直線部を低温側に延長して 2 本目の直線を引く。両線の交点にお

ける垂直線を横座標の温度軸に引き,その温度をガラス転移温度(T

g-DMA

)として求める。

なお,損失弾性率(G”)又は損失正接(tan δ)からガラス転移温度を求める場合は,損失弾性率(G”)

又は損失正接(tan δ)による曲線のピーク温度をガラス転移温度とする。

図 2−温度と貯蔵弾性率とによる曲線からのガラス転移温度の求め方 

4.5 

結果の表示 

ガラス転移温度は,3 本の試験片について,それぞれ有効数字 4 桁まで求め,その結果の平均値を JIS Z 

8401

によって有効数字 3 桁に丸める。


5

K 7095

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示差走査熱量測定(DSC 

5.1 

装置及び器具 

測定装置は,JIS K 7121 で規定する示差走査熱量測定装置を用いる。

5.2 

試験片 

試験片は,JIS K 7121 の規定による。

5.3 

手順 

手順は,JIS K 7121 による。

5.4 

ガラス転移温度の求め方 

ガラス転移温度を求める手順は,JIS K 7121 による。JIS K 7121 で規定する中間点ガラス転移温度 T

mg

をガラス転移温度(T

g-DSC

)とする。

5.5 

結果の表示 

ガラス転移温度は,3 本以上の試験片について有効数字 4 桁まで求め,その結果の平均値を JIS Z 8401

によって有効数字 3 桁に丸める。

熱機械分析(TMA 

6.1 

装置及び器具 

測定装置は,JIS K 7197 で規定する熱機械分析装置を用いる。

6.2 

試験片 

試験片は,JIS K 7197 の規定による。ただし,標準的な試験片の形状及び寸法は,厚さ 1∼5 mm,直径

又は一辺の長さが 2∼5 mm の円柱状又は角柱状とする。

なお,試験片の厚さ方向は,一方向強化材又は織物強化材の積層方向と一致していなければならない。

6.3 

手順 

手順は,JIS K 7197 の規定による。

なお,長さ校正用の標準試験片による変化量の測定は行わない。

6.4 

ガラス転移温度の求め方 

ガラス転移温度は,試験片の変位曲線に対する二つの直線部を延長した交点の温度とする(

図 参照)。

最初の直線部を高温側に延長して 1 本目の直線を引く。変曲点後の直線部を低温側に延長して 2 本目の直

線を引く。両線の交点における垂直線を横座標の温度軸に引き,その温度をガラス転移温度(T

g-TMA

)と

して求める。


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図 3−温度と試験片変位との曲線によるガラス転移温度の求め方 

6.5 

結果の表示 

ガラス転移温度は,3 本以上の試験片について有効数字 4 桁まで求め,その結果の平均値を JIS Z 8401

によって有効数字 3 桁に丸める。

なお,同じ試料を用いても各試験方法により得られる値は,異なる可能性があるため,結果とともに選

択した試験方法を必ず報告書に記載すること。

報告 

試験報告書には,必要に応じて次の情報を記載する。

a)

規格番号(JIS K 7095

b)

試験材料の特定に必要な事項

c)

試料の成形方法,積層構成及び炭素繊維の体積含有率又は質量含有率

d)

試験片の形状・寸法,作製方法及び採取方法

e)

試験した試験片の数

f)

試験片の状態調節の温度,時間及び質量変化率

g)

測定試験の開始温度及び終了温度

h)

試験方法及び測定装置の特定に必要な事項

i)

測定条件(DMA:荷重振幅,変位又はひずみ量,周波数,昇温速度,槽内ガス及びその流入速度,

DSC

:標準物質,昇温速度及び冷却速度,槽内ガス及びその流入速度, TMA:昇温速度,槽内ガス

及びその流入速度)

j)

試験結果(ガラス転移温度値及び平均値,代表的な温度−貯蔵弾性率,温度−熱エネルギー又は温度

−変位の線図)

k)

試験年月日

l)

その他特記すべき事項