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K6934-1:2006 (ISO 2580-1

:2002)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本 ABS 樹脂工業

会(JARIA)/日本プラスチック工業連盟(JPIF)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日

本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。

これによって,JIS K 6934-1:1999 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 2580-1:2002,Plastics−

Acrylonitrile-butadiene-styrene (ABS) moulding and extrusion materials

−Part 1 : Designation system and basis for

specifications

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS K 6934

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS K 6934-1

  第 1 部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎

JIS K 6934-2

  第 2 部:試験片の調製及び諸性質の測定方法


K 6934-1

:2006 (ISO 2580-1:2002)

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  呼び方のシステム

2

3.1

  一般

2

3.2

  データブロック 1

3

3.3

  データブロック 2

3

3.4

  データブロック 3

4

3.5

  データブロック 4

6

3.6

  データブロック 5

6

4.

  呼び方の例 

7

 


日本工業規格(案)

JIS

 K

6934-1

:2006

(ISO 2580-1

:2002

)

プラスチック−アクリロニトリル−ブタジエン

−スチレン (ABS)成形用及び押出用材料−

第 1 部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎

Plastics

Acrylonitrile-butadiene-styrene(ABS)

moulding and extrusion materials

Part 1:Designation system and basis for specifications

序文  この規格は,2002 年に第 5 版として発行された ISO 2580-1,Plastics−Acrylonitrile-butadiene-styrene

(ABS) moulding and extrusion materials

−Part 1 : Designation system and basis for specifications を翻訳し,技術

的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1. 

適用範囲

1.1 

この規格は,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンプラスチック (ABS) の成形用材料及び押出

用材料の呼び方のシステムについて規定する。この呼び方のシステムは,仕様表記の基礎として用いるこ

とができる。

1.2 

ABS

を,次の特性の適切な水準,並びに組成,意図する用途及び/又は成形方法,重要な特性,添

加剤,着色剤,充てん材及び強化材に関する情報に基づいて区分する。

a)

ビカット軟化温度

b)

メルトボリュームフローレイト

c)

ノッチ付きシャルピー衝撃強さ

d)

引張弾性率

1.3 

この規格は,主としてスチレン(及び/又はアルキル基で置換したスチレン)及びアクリロニトリ

ルのコポリマーからなる連続相,主としてポリブタジエンからなる弾性体の分散相,並びに本体に規定す

る含有量の上記以外の成分からなるすべてのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン熱可塑性材料に適

用する。この規格は,粉状,か粒状,ペレット状又はチップ状で,着色剤,添加剤,充てん材などの添加

の有無を問わず,通常使用される ABS 材料に適用できる。

この規格は,次には適用しない。

−  ノッチ付きシャルピー衝撃強さが 3 kJ/m

2

未満のもの

−  分散相中の弾性体(エラストマー)中のブタジエンが質量分率 50  %未満のもの

−  連続相中のアクリロニトリルが質量分率 15  %未満のもの


2

K 6934-1

:2006 (ISO 2580-1:2002)

1.4 

この規格で,同じ呼び方をする材料が,必ずしも同一の性能を示すとは限らない。この規格は,特

定用途及び/又は成形方法のための材料を規定するときに必要な技術的なデータ,性能データ,又は成形

条件に関するデータを提供するものではない。

このような追加の特性が必要な場合には,JIS K 6934-2 に規定する試験方法が適用できる場合,それに

従って測定する。

1.5 

特定の用途向けに熱可塑性材料を規定するため,又は再現性よく成形するために,追加要求事項を

データブロック 5 に入れてもよい(3.1 参照)

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 2580-1:2002

,Plastics−Acrylonitrile-butadiene-styrene (ABS) moulding and extrusion materials

−Part 1 : Designation system and basis for specifications (IDT)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 6899-1

  プラスチック−記号及び略語−第 1 部:基本重合体(ポリマー)及びその特性

備考 ISO 

1043-1:1997

,Plastics−Symbols and abbreviated terms−Part 1 : Basic polymers and their

special characteristics

が,この規格と一致している。

参考 ISO 

1043-1

の最新版は,2001 年版であり,この国際一致規格として JIS K 6899-1 を改正中で

ある。

JIS K 6934-2

  プラスチック−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)成形用材料及び押出

用材料−第 2 部:試験片の調製及び諸性質の測定方法

備考 ISO 

2580-2:1994

,Plastics−Acrylonitrile/butadiene/styrene (ABS) moulding and extrusion materials

−Part 2 : Preparation of test specimens and detemination of properties が,この規格と一致してい

る。

参考 ISO 

2580-2

は,2003 年に改正版が発行されたため,この国際一致規格として JIS K 6934-2 

改正する予定である。

3. 

呼び方のシステム

3.1 

一般  熱可塑性プラスチックの呼び方のシステムは,次による。

呼び方

種類ブロック

識別項目ブロック

個別項目ブロック

(記載任意)

規格番号 
ブロック

データ

ブロック

1

データ

ブロック

2

データ

ブロック

3

データ

ブロック

4

データ

ブロック

5

この呼び方は,記載任意な種類ブロック(

“熱可塑性プラスチック”と記載する。

,並びに規格番号ブロ

ック及び個別項目ブロックとからなる識別項目ブロックで構成する。個別項目ブロックを,更に次に示す

五つのデータブロックに細分し,表示があいまいにならないようにする。


3

K 6934-1

:0000 (ISO 2580-1:2002)

データブロック 1:  JIS K 6899-1  による略号(ABS)を用いた,プラスチックの識別及びポリマー組成

に関する情報(3.2 参照)

データブロック 2:  コードの文字位置 1:意図する用途及び/又は成形方法(3.3 参照)

コードの文字位置 2∼8:重要な特性,添加剤及び補足情報(3.3 参照)

データブロック 3:  呼び方に使用する特性(3.4 参照)

データブロック 4:

データブロック 5:

充てん材又は強化材及びこれらの公称含有率(3.5 参照)

仕様を表記するために,追加情報を含む第 5 番目のデータブロックを加えてもよい

3.6 参照)

個別項目ブロックの最初の文字は,ハイフンとする。それぞれのデータブロックは,互いにコンマで区

切る。

なお,データブロックを使わない場合には,

“,

”のように分離記号を二つ続ける。

3.2 

データブロック 1  ハイフンの後に,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンプラスチックを,JIS 

K 6899-1

による略号 (ABS) で識別する。その後に 1 字分空けて

表 に記載の組成を示す 1 けたのコード

(番号)及び

表 に記載の他の成分のモノマーを示すコード(文字)を付けて識別する。

  1  データブロック に使用する組成を示すコード(番号)

コード(番号)

組成

0

アクリロニトリル,ブタジエン並びにスチレン(及び/又はアルキル基で置換したスチレン)
からなるモノマー及び/又はポリマー以外のモノマー及び/又はポリマーが,質量分率 5  %
を超えないプラスチック。

1

アクリロニトリル,ブタジエン並びにスチレン(及び/又はアルキル基で置換したスチレン)
からなるモノマー及び/又はポリマー以外のモノマー及び/又はポリマーが,質量分率 5  %

以上で,質量分率 15  %を超えないプラスチック。

2

アクリロニトリル,ブタジエン並びにスチレン(及び/又はアルキル基で置換したスチレン)

からなるモノマー及び/又はポリマー以外のモノマー及び/又はポリマーが,質量分率

15

%以上で,質量分率 30  %を超えないプラスチック。

  2  データブロック に使用する他成分モノマーを示すコード(文字)

コード(文字)

モノマー

A

アクリル酸エステル

M

無水マレイン酸及び他の酸無水物

P

N-

フェニルマレイミド及び他のマレイミド

X

上記以外又は規定しないモノマー

3.3 

データブロック 2  コードの文字位置 1 で意図した用途及び/又は成形方法に関する情報を識別す

る。データブロックの位置 2∼8 で,重要な特性,添加剤及び着色剤に関連する情報を識別する。

表 に,

使ってよいコード(文字)を示す。

なお,位置 2∼8 に情報を記載しているが,位置 1 に情報がない場合には,文字“X”

(表示なしを示す。

を,位置 1 に挿入する。


4

K 6934-1

:2006 (ISO 2580-1:2002)

  3  データブロック に使用するコード(文字)

コード(文字)

コードの文字位置 1

コード(文字)

コードの文字位置 2∼8

A

成形安定処方

B

ブロッキング防止処方

C

着色品

D

粉末

E

押出用

F

フィルム押出用 F

特殊燃焼特性処方

G

一般用 G

か粒

H

熱安定化処方

L

耐光処方

M

射出成形用

N

自然色(非着色品)

R

離型剤処方

S

滑剤処方

X

表示なし

Z

帯電防止処方

3.4 

データブロック 3

3.4.1 

一般  ビカット軟化温度の範囲は,3 けたのコード(番号)で表示する(3.4.2 参照)。メルトボリ

ュームフローレイトの範囲は,2 けたのコード(番号)で表示する(3.4.3 参照)

。ノッチ付きシャルピー衝

撃強さの範囲は,2 けたのコード(番号)で表示する(3.4.4 参照)

。引張弾性率の範囲は,2 けたのコード

(番号)で表示する(3.4.5 参照)

。これら四つのコード(番号)は,それぞれをハイフンで区切る。

なお,特性値が,範囲の境界上にあるか,又は範囲の境界に近い場合には,製造業者がその材料をいず

れの範囲とするかを表明する。その後,たとえ各試験値がその範囲を外れても,製造の許容誤差範囲内な

ら,そのコード(番号)を変える必要はない。

備考  現在入手可能な材料について,表記に使う特性値のすべての組合せができるとは限らない。

3.4.2 

ビカット軟化温度  ビカット軟化温度(VST)は,JIS K 6934-2 に従って測定する。試験片は乾燥

材料を用いて成形し,測定するまで(23±2)℃のデシケータ内で保存する。

ビカット軟化温度の値は,

表 に規定する六つの範囲に分割し,それぞれを 3 けたのコード(番号)で

表示する。

  4  データブロック 3 のビカット軟化温度に使用するコード(番号)

コード(番号)

ビカット軟化温度の範囲

    ℃

085

      ≦ 90

095 90

<∼≦100

105 100

<∼≦110

115 110

<∼≦120

125 120

<∼≦130

135

                        130<

3.4.3 

メルトボリュームフローレイト  メルトボリュームフローレイト(MVR)は,JIS K 6934-2 に従って

測定する。メルトボリュームフローレイトを測定する材料は,

(80±2)℃で 4 時間状態調節し,その後,

測定するまで(23±2)℃のデシケータ内で保存する。

表 に規定するように,メルトボリュームフローレイトの値を五つの範囲に分割し,それぞれを 2 けた


5

K 6934-1

:0000 (ISO 2580-1:2002)

のコード(番号)で表示する。

  5  データブロック 3 のメルトボリュームフローレイトに使用するコード(番号)

(220

℃/10 kg で測定)

コード(番号)

メルトボリュームフローレイトの範囲

cm

3

/10 min

04

                                ≦ 5

08 5

<∼≦10

15 10

<∼≦20

30 20

<∼≦40

50

                                            40

3.4.4 

ノッチ付きシャルピー衝撃強さ  ノッチ付きシャルピー衝撃強さは,JIS K 6934-2  に従って測定す

る。

表 で規定するように,ノッチ付きシャルピー衝撃強さを,五つの範囲に分割し,それぞれ 2 けたの

コード(番号)で表示する。

  6  データブロック 3 のノッチ付きシャルピー衝撃強さに使用するコード(番号)

コード(番号)

ノッチ付きシャルピー衝撃強さの範囲

kJ/m

2

05

                                            3

≦∼≦ 7

09

                                            7

<∼≦14

16

                                          14

<∼≦23

25

                                          23

<∼≦35

35

                                          35

3.4.5 

引張弾性率  引張弾性率は,JIS K 6934-2  に従って測定する。引張弾性率の値を表 で規定するよ

うに,四つの範囲に分割し,それぞれ 2 けたのコード(番号)で表示する。

  7  データブロック 3 での引張弾性率に使用するコード(番号)

コード(番号)

引張弾性率の範囲

MPa

15

                          ≦1 800

20

                                    1 800

<∼≦2 300

25

                                    2 300

<∼≦2 800

30

                  2 800<


6

K 6934-1

:2006 (ISO 2580-1:2002)

3.5 

データブロック 4  位置 1 に充てん材及び/又は強化材の種類を 1 字のコード(文字)で表示する。

データブロックの位置 2 にその物理的形状を,別の 1 字のコード(文字)で表示する。これらのコード(文

字)を,

表 に示す。このコードに続けて,空白なしで位置 3 にその質量分率を 2 けたの数字で表示する。

  8  データブロック 4 で使用する充てん材及び強化材コード(文字)

コード(文字)

材料(位置 1)

コード(文字)

形状(位置 2)

B

ほう素 B

球,ビーズ又は中空球

C

カーボン  (

1

)

D

粉末又はドライブレンド

F

繊維

G

ガラス G

摩砕粉又は粉砕

H

ウイスカ

K

炭酸カルシウム

M

鉱物(

1

)

,(

2

)

又は金属(

1

)

S

うろこ又はフレーク

T

タルク

X

規定なし X

規定なし

Z

その他(

2

) Z

その他

(

1

これらの材料は,例えば,これらの化学記号,又は関連 JIS に規定する追加の記号によ

って,更に規定してもよい。金属 (M) の場合は,化学記号を用いて金属の種類を表示す
ることが必す(須)である。

(

2

鉱物充てん材は,化学記号で表示できるならば,これを用いて更に正確に表記する。

備考  数種の材料又は異なる形状の混合物を表す場合には,“+”の記号を使って,関連するコ

ード(文字)を結合し,その全体を括弧でくくる。例えば,ガラス繊維 (GF)25 %と鉱

物粉末 (MD) 8 %との混合物は,(GF25+MD08)  と表示する。

3.6 

データブロック 5  このデータブロックには,特定用途の材料仕様書を作成するときなど,必要な追

加事項を表示する。例えば,適切な日本工業規格,又は一般に用いられている標準的な仕様を引用する。


7

K 6934-1

:0000 (ISO 2580-1:2002)

4. 

呼び方の例  N-フェニルマレイミド質量分率 8  % (1P)で,射出成形用 (M),着色品 (C),帯電防止処

方(Z),ビカット軟化温度 121  ℃ (125),メルトボリュームフローレイト 5 cm

3

/10 min (04)

,ノッチ付きシ

ャルピー衝撃強さ 16 kJ/m

2

 (16)

及び引張弾性率 2 600 MPa (25)  である ABS 成形材料は,次のように呼ぶ。

個別項目ブロック

種類

ブロック

(記載任意)

規格番号 
ブロック

データ

ブロック

1

データ

ブロック

2

データ

ブロック

3

(熱可塑性プラスチック)

JIS K 6934-1 (ISO 2580-1)

-ABS 1P,

  M

  C  Z, 125-04-16-25

規格番号

データブロック 1:記号

                組成

データブロック 2:コードの文字位置 1:  射出成形用

コードの文字位置 2:  着色品

コードの文字位置 3:  帯電防止処方

データブロック 3:コードの文字位置 1:  ビカット軟化温度

コードの文字位置 2:  メルトボリュームフローレイト

コードの文字位置 3:  ノッチ付きシャルピー衝撃強さ

コードの文字位置 4:  引張弾性率

呼び方:

(熱可塑性プラスチック)JIS K 6934-1 (ISO 2580-1)-ABS 1P,MCZ,125-04-16-25