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日本工業規格

JIS

 K

6783

-1994

農業用エチレン・

酢酸ビニル樹脂フィルム

Ethylene/vinyl acetate copolymer films for agriculture

1.

適用範囲  この規格は,主として農業に用いるエチレン・酢酸ビニル樹脂(

1

)

フィルム(以下,フィル

ムという。

)について規定する。

(

1

)

ここでいうエチレン・酢酸ビニル樹脂とは,JIS K 67312.(種類)に規定する2種1類及び2種2

類であって,特に酢酸ビニル含量が15±1.5質量%のものをいう。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

JIS B 7753

  サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機

JIS K 6731

  エチレン・酢酸ビニル樹脂

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考値である。

2.

種類  フィルムの種類は,表 のとおりとする。

表 1

種類

厚さ

mm

1

種 0.1

2

  0.075

3

0.05

3.

品質  フィルムは,6.によって試験し,表 の規定に適合しなければならない。

表 2

品質

試験項目

1

2

3

適用箇条

外観

使用上有害でない箇所が 10 個以下のこと。

6.3

引張切断強さ

N {kgf}  20.6 {2.1}

以上 14.7 {1.5}  以上

10.8 {1.1}

以上

6.5

伸び %

450

以上 400 以上 270 以上

6.5

引裂強さ

N {kgf}  5.9 {0.60}

以上 3.9 {0.40}  以上

2.6 {0.27}

以上

6.6

耐寒性(低温伸び) % 360 以上 320 以上 220 以上

6.7

耐候性(伸びの残率)

% 50

以上

6.8


2

K 6783-1994

4.

寸法

4.1

幅及び長さ  フィルムの幅,長さ及びそれらの許容差は,原則として表 の規定に適合しなければ

ならない。

表 3

cm

幅の許容差

長さ

m

長さの許容差

185

200

230

270

300

370

460

540

600

マイナスを認めない。

100

マイナスを認めない。

4.2

厚さ  フィルムの厚さ,厚さの差及び平均厚さの差は,6.4 によって試験し,表 に適合しなければ

ならない。

表 4

種類

1

2

3

厚さ

mm

0.1

0.075

0.05

幅 270cm 以下のもの

±18

±25

±30

厚さの差の許容範囲

%

幅 270cm を超えるもの

±25

±30

±35

幅 270cm 以下のもの

±10

平均厚さの差の許容範囲

%

幅 270cm を超えるもの

±15

5.

材料及び製造方法  フィルムは,エチレン・酢酸ビニル樹脂を主体として,インフレーション法又は

T

ダイ法によって,膜状に成形する。

6.

試験方法

6.1

試料及び試験片の採取方法

6.1.1

試料の採取方法  試料の採取方法は,次のとおり行い,採取した試料ごとに,縦方向(

2

)

を示すマー

クを付けておく。

(

2

)

縦方向とは,フィルムの成形加工の方向をいう。

(1)

試験用試料  試験用試料は巻き上がりのフィルムの端末から縦方向に,長さ約 2m を切り取る。次に

幅方向の両端約 20cm を除き,これを

図 1(a)に示すとおり上部,中央部及び下部に分けて,合計 9 個

の試験片用試料及び 3 個の厚さ測定用試料を採取する。

(2)

低温伸び及び耐候性試験用試料  試験用試料は巻き上がりフィルムの端末から縦方向に,長さ約 60cm

を切り取る。その中央部から

図 1(b)に示すように低温伸び及び耐候性試験用試料をそれぞれ 1 個ずつ

採取する。


3

K 6783-1994

図 1  試料の採取方法

6.1.2

試験片の採取方法

(1)  6.1.1(1)

によって採取した 9 個の試験片用試料から

図 を参考にして,試験片を採取する。引張切断強

さ,伸び及び引裂強さ試験片の寸法は,それぞれ

図 及び図 による。

(2)  6.1.1(2)

によって採取した低温伸び及び耐候性試験用試料から

図 に示す低温伸び試験片及び耐候性

(照射用)試験片(長さ約 200mm×幅約 70mm)を縦方向に採取する。


4

K 6783-1994

図 2  試料から試験片の採取例

図 3  引張切断強さ,伸び,低温伸び及び耐候性試験片の寸法


5

K 6783-1994

図 4  引裂強さ試験片の寸法

6.2

試験場所の条件  厚さ,引張切断強さ,伸び及び引裂強さの試験温度は,23±2℃とし,これらの試

験片は,この温度に 1 時間以上放置後,試験を行う。

6.3

外観  6.1.1(1)によって採取した 9 個の外観試験片について精密に泡,むら,しわ,フィッシュアイ,

異物,ピンホールなどの存在個数を肉眼によって調べ,平均個数を求める。

6.4

厚さ  6.1.1(1)によって採取した 3 個の厚さ測定用試料のそれぞれの幅方向に等分した 5 か所につい

て,ダイヤルゲージ(

3

)

を用いて厚さを 0.001mm まで測定する。全測定値から最大厚さ,最小厚さ及び平均

厚さを求め,次の式によって厚さの差及び平均厚さの差を求める。

厚さの差(%)

100

)

(

0

0

min

max

×

d

d

d

d

又は

平均厚さの差(%)

100

0

0

×

d

d

d

av

ここに,

d

max

(又は

d

min

):

最大厚さ(又は最小厚さ) (mm)

d

av

平均厚さ(全数平均値) (mm)

d

0

厚さ(規定値) (mm)

(

3

)

ダイヤルゲージは,

JIS B 7503

に規定されているもの(測定範囲2mm のもの)で,そのスピン

ドルの測定子は,直径5±0.01mm の平滑円形の測定面をもち,かつ,アンビルは,直径が30mm

以上の平滑面からできたものを用いる。アンビルは垂直で,ダイヤル径は50mm 以上で,

0.001mm

まで読める目盛をもち,加圧荷重は,1.22±0.14N {125±15gf}  とする。この測定器は,あらか

じめ標準鋼製ゲージによって検定し,補正を行う。

6.5

引張切断強さ及び伸び

6.1.2(1)

の試験片を引張試験機

(

4

)

に正しく取り付け,試験速度毎分 500±

50mm

で引っ張り,試験片が切断したときの最大荷重と標線間距離を読み取る。標線外切断の試験片は,

予備試験片を補充することができる。各試験片の伸びを,次の式によって算出する。

100

0

0

1

×

L

L

L

L

ここに,

L

:  伸び (%)

L

0

:  始めの標線間距離 (mm)

L

1

:  切断時の標線間距離 (mm)

縦・横別々に 9 個の測定値のうち最大値及び最小値側からそれぞれ 2 個の値を除き,残り 5 個の測定値


6

K 6783-1994

の平均値をもって,それぞれ縦方向及び横方向の引張切断強さ及び伸びとする。

(

4

)

引張試験機は,振子形又はクロスヘッド分離速度−定形引張試験機を用い,つかみが自動的に

締まるか又は試験片が滑らないようにしたつかみを備えていなければならない。必要に応じて

検査し,荷重指示の許容差は±1%以下であり,試験片の切断荷重が試験機容量の15∼85%であ

ること。

6.6

引裂強さ

6.1.2(1)

によって採取した試験片を

6.5

に規定する引張試験機に正しく取り付け,試験速

度毎分 500±50mm で引っ張り,試験片が切断したときの最大荷重を求める。縦・横別々に 9 個の測定値

のうち最大値及び最小値側からそれぞれ 2 個の値を除き,残り 5 個の測定値の平均値をもって,それぞれ

縦方向及び横方向の引裂強さとする。

6.7

耐寒性(低温伸び)  6.1.2(2)

によって採取した試験片 7 個を用意する。この試験片を

6.5

の機能を

もつ引張試験機に正しく取り付ける。引張方向は,試料の縦方向とする。低温槽の温度が−5℃になってか

ら 3 分間放置後,その温度で試験速度毎分 500±50mm で引っ張り,破断時の標線間距離を読み取る。標

線外切断の試験片は,予備試験片を補充することができる。各試験片の耐寒性(低温伸び)は,次の式に

よって算出する。

100

0

1

c

×

L

L

L

ここに,

L

c

:  耐寒性(低温伸び) (%)

L

0

:  始めの標線間距離 (mm)

L

1

:  切断時の標線間距離 (mm)

最大値及び最小値を除き,残り 5 個の測定値の平均値を求め,耐寒性(低温伸び)とする。

6.8

耐候性(伸びの残率)

  耐候性(伸びの残率)は,次の順序によって試験し,促進耐候性試験後の

伸びの残率を求める。

6.8.1

照射

6.1.2(2)

によって採取した試験片 3 個を用意する。この試験片を耐候性試験機  (

JIS B 7753

)

の試料保持用枠に適度のたるみをもたせて取り付ける。試験条件及び照射時間は,それぞれ

表 5

及び

表 6

のとおりとする。

表 5

項目

試験条件

平均電圧

50V

±2%

アーク放電

平均電流

60A

±2%

ブラックパネル温度計
の示す温度

63

±3℃

照射

連続(

5

)

サイクル

水噴霧 12 分−噴霧なし 48 分

ノズル径

約 1mm

照射面に同じ

水圧 98.1±19.6kPa {1.0±0.2kgf/cm

2

}

照射及び水
の噴霧条件

水量 2.1±0.1l/min

その他

JIS B 7753

による。

(

5

)

カーボン交換などのための中断は,連続とみなす。


7

K 6783-1994

表 6

フィルムの種類

照射時間 h

1

2

3

400

6.8.2

引張試験

6.8.1

によって規定時間照射した後試験片を取り外し,そのまま 23±2℃に 24 時間以上

放置する。次に,この試験片から

図 3

に示す試験片を縦方向に 2 個ずつ合計 6 個を用意する。この試験片

を 23±2℃に 1 時間以上放置後

6.6

によって引張試験を行い,照射試験片の伸びを求める。

有効測定値

(

6

)

が 6 個のとき

:最高値及び最低値を除き,残り 4 個の平均値を求め,伸びとする。

有効測定値が 5 個のとき

:最高値を除き,残り 4 個の平均値を求め,伸びとする。

有効測定値が 4 個以下のとき  :全数値の平均値を求め,伸びとする。

(

6

)

有効測定値とは,標線内で破断した試験片の値をいう。

次に,

6.1.1(2)

の耐候性試験用試料(未照射用)を 23±2℃に 24 時間以上放置後,

図 3

に示す試験片を縦

方向に試験片 6 個を用意し,

6.6

に規定する方法で引張試験を行い,未照射試験片の伸びを求める。

耐候性(伸びの残率)は,次の式によって算出する。

100

1

2

×

L

L

L

w

ここに,

L

w

:  耐候性(伸びの残率) (%)

L

1

:  未照射試験片の伸び (%)

L

2

:  照射試験片の伸び (%)

照射後の試料及び未照射の試料から試験片を打ち抜くときは,

同一打抜き刃を用いて行い,

引張試験は,

同一測定者が同一引張試験機を用いて行う。

7.

検査

  フィルムの検査は,形式検査

(

7

)

と受渡し検査

(

8

)

とに区分し,

6.

によって試験を行い,

3.

及び

4.

の規定に適合しなければならない。

(

7

)

形式検査とは,製品が品質設計で示されたすべての特性を満足するかどうかを判定するための

検査をいう。

(

8

)

受渡し検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しに際して,

必要と認められる特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査をいう。

(1)

形式検査項目 

(a)

外観

(b)

引張切断強さ

(c)

伸び

(d)

引裂強さ

(e)

耐寒性(低温伸び)

(f)

耐候性(伸びの残率)

(g)

厚さ

(h)

幅及び長さ

(2)

受渡し検査項目 

(a)

外観


8

K 6783-1994

(b)

引張切断強さ

(c)

伸び

(d)

引裂強さ

(e)

厚さ

(f)

幅及び長さ

8.

表示

  フィルムは,損傷のおそれのないように包装し,その見やすい場所に,次の事項を表示しなけ

ればならない。

(1)

名称

(2)

種類又は厚さ

(3)

幅及び長さ

(4)

製造年月又は略号

(5)

製造業者名又は略号

農業用エチレン・酢酸ビニル樹脂フィルム

JIS

原案作成委員会名簿

氏名

所属

牧          廣

工業技術院製品科学研究所

中  軸  美智雄

通商産業省基礎産業局化学製品課

奥      敏  夫

工業技術院標準部繊維化学規格課

牧  田  廸  夫

農林水産省流通局野菜振興課

大  出      譲

財団法人日本プラスチック検査協会

鹿  毛  紀久雄

プラスチック標準試験方法研究会

平  林      富

社団法人日本施設園芸協会

八重田  重  雄

全国農業協同組合連合会

是  松      弘

全国農業協同組合連合会

小  泉  三  郎

全国農業フィルム商業会

大  塚  義  次

全国農業フィルム商業会

兼  重  洋  右

東洋曹達工業株式会社東京研究所

小山田  昌  興

三菱油化株式会社樹脂本部

井  上  真  一

住友化学工業株式会社樹脂ゴム事業部

生  川  実  徳

積水油化農販株式会社

長谷川  誠  一

日本ポリオレフィンフィルム工業組合