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K 6200:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 ゴムに関する用語の分類 ···································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

3.1 表記方法 ······················································································································ 2 

3.2 原料ゴムに関する用語 ···································································································· 2 

3.3 配合剤に関する用語 ······································································································· 6 

3.4 加工に関する用語 ········································································································· 13 

3.5 加硫に関する用語(配合剤及び加工を除く。) ···································································· 18 

3.6 試験に関する用語(原料試験,未加硫物試験及び化学試験) ················································· 21 

3.7 試験に関する用語(加硫物試験及び物理試験) ··································································· 23 

3.8 製品及び半製品に関する用語 ·························································································· 32 

3.9 リサイクルに関する用語 ································································································ 34 

3.10 エコロジーに関する用語 ······························································································· 35 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 36 

K 6200:2019  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人

日本ゴム工業会(JRMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規

格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規

格である。これによって,JIS K 6200:2008は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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日本産業規格          JIS 

K 6200:2019 

ゴム−用語 

Rubber-Vocabulary 

序文 

この規格は,2012年に第6版として発行されたISO 1382を基としている。旧JISは,ISO 1382:2002を

基として2008年に発行されたが,その後,同ISO規格は,収録用語を補強するため,用語の追加・改正・

削除を繰り返し,2008年及び2012年に改正された。これらの変更点について国際規格との整合性を図る

と共に,日本国内で汎用的に使用されているゴム用語を新たに追加し,ユーザーの利便性向上を図る目的

で,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,ゴム産業で用いる主な用語及び定義について規定する。 

注記1 この規格は,ゴムに関する用語になじみがない人にも役に立ち,かつ,ゴムに関する他の規格

並びにゴムに関する出版物及び報告書において使用する用語を選ぶ指針となる。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 1382:2012,Rubber−Vocabulary(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

ゴムに関する用語の分類 

ゴムに関する用語の分類は,表1による。 

表1−ゴムに関する用語の分類 

分類 

番号 

原料ゴムに関する用語 

1000番台 

配合剤に関する用語 

2000番台 

加工に関する用語 

3000番台 

加硫に関する用語(配合剤及び加工を除く。) 

4000番台 

試験に関する用語(原料試験,未加硫物試験及び化学試験) 

5000番台 

試験に関する用語(加硫物試験及び物理試験) 

6000番台 

製品及び半製品に関する用語 

7000番台 

リサイクルに関する用語 

8000番台 

エコロジーに関する用語 

9000番台 

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K 6200:2019  

用語及び定義 

3.1 

表記方法 

用語及び定義の表記方法は,次による。 

a) 二つ以上の用語をコンマ“,”を挟んで併記してあるものは,それぞれ同義語又は略語であり,それら

の用語の適用は同等とする。 

b) 特定の分野に限定している用語には,用語の後の丸括弧内に使用分野を示す。 

c) 本文中に単独名詞で“力”と表現している言葉は“外力”の意味とする。 

3.2 

原料ゴムに関する用語 

a) 原料ゴムに関する一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1001 

エラストマー 

弱い力で変形し,力を除いた後,急速にほぼ元の形状寸法に
戻る高分子材料。 

elastomer 

1002 

原料ゴム, 
生ゴム, 
バージンゴム 

ゴム製品を製造するための天然ゴム又は合成ゴム。 
注記 通常は配合剤を含まないが,オイル及び/又は充塡剤

を含むものもある。 

raw rubber, 
virgin rubber 

1003 

ゴム 

柔軟性及び弾性をもつ,原材料,中間材料,製品などの総称。
常温でゴム(状)弾性をもつ。 
注記 ゴムは,力を与えると大きく変形するが,力を除くと

ほぼ元の形状にすぐに戻る。通常,混合物からなり,
その主成分となる高分子が化学的又は物理的に架橋さ
れている。 

rubber 

1004 

粉末ゴム, 
ゴムパウダー 

粒子状ゴムの総称。ラテックスを噴霧若しくは乾燥するか,
又は加硫ゴム若しくは未加硫ゴムを粉砕して作る。 

powdered rubber 

1005 

ベール 

取引,輸送などのために原料ゴムを圧縮成形したもの。 

bale, 
rubber bale 

1006 

伸長結晶化 

伸長すると分子鎖の配向が生じて,一部分が結晶化すること。 
注記 天然ゴムのような高度な立体規則性のある分子におい

て生じる。 

strain induced 

crystallization 

1007 

ミクロ構造 

高分子の立体規則性,分岐,モノマーなどの結合状態。 
注記 特にジエン系ゴムにおいては,ジエンモノマーの結合

状態(シス-1,4結合,トランス-1,4結合,1,2結合,3,4
結合など)の比率を示す。 

microstructure 

b) ゴム重合関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1101 

重合 

単量体(モノマー)から高分子化合物を生成する反応。 
注記 重合には,付加重合,縮合重合,重付加,付加縮合な

どがある。 

polymerization 

1102 

解重合 

重合体から,単量体又は比較的低分子量の重合体への分解。 

depolymerization 

1103 

共重合 

2種類以上の単量体からなる重合。 

copolymerization 

1104 

乳化重合 

石けん及び/又は界面活性剤によって,1種類以上の単量体
を,安定なミセル状水系分散体の中で重合する方法。 

emulsion polymerization 

1105 

付加重合 

水又は他の低分子物質が分離生成することなく,単量体が連
結し合って高分子を生成すること。 
注記 通常は,不飽和化合物又は環状化合物が,それぞれ不

飽和結合又は環を開裂して高分子を生成することをい
う。狭義にはビニル化合物の重合をいう。 

addition polymerization 

1106 

溶液重合 

1種類以上の単量体を有機溶剤に溶解させて,重合する方法。 solution polymerization 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1107 

重合体 

1種類以上の原子又は原子団(構成単位)の多数の繰返しで
特徴付けられた分子からなる物質。 
注記 これらの構成単位は,相互に連結しており,その数を1

個又は少数増減させても物質の特徴的な性質が大きく
変化しない程度に十分大きい。 

polymer 

1108 

共重合体, 
コポリマー 

2種類以上の異なる単量体から合成された重合体。 

copolymer 

1109 

三元重合体 

3種類の単量体から合成された重合体。 
注記 三元共重合体ということもある。 

terpolymer 

1110 

単量体 

同一の分子,又は異なる分子と反応して重合体を生成するこ
とのできる低分子量の物質。 

monomer 

1111 

重付加 

2官能以上の単量体間で付加反応を繰り返す高分子の生成反
応。 
注記 代表的な例として,ジイソシアネートとジオールとの

反応によるポリウレタンの生成,及びジイソシアネー
トとジアミンとの反応によるポリ尿素の生成がある。 

polyaddition 

1112 

主鎖改質 

加硫及び他の反応の結果,高分子鎖に引き起こされる,架橋
以外の化学変化。 

main-chain modification 

1113 

単量体単位 

高分子を構成する繰返し単位のうち,原料となるモノマー分
子に相当する部分。 
注記 例えば,ポリエチレンの単量体単位は,-CH2CH2-であ

る。 

monomeric unit 

1114 

バウンドモノマー 

重合反応において,同一タイプ又は異なるタイプの単量体と
結合した単量体。 
注記 バウンドモノマーは,一般に重合体中の百分率で表す。 
例 SBRにおける結合スチレン量及びNBRにおける結合ア

クリロニトリル量。 

(1313 結合アクリロニトリル量,1314 結合スチレン量参照) 

bound monomer 

1115 

ホモポリマー 

1種類の単量体によって合成された重合体。 

homopolymer 

1116 

ホワイトスポッ

ト, 

ウエットスポット 

原料ゴム中の局部的な高水分量による白濁斑点。 
注記 ホワイトスポットは,素練りの効果を減少し,混合中

に原料ゴムへのカーボンブラックの取込み性を阻害す
る傾向がある。 

white spots, 
wet spots 

c) 天然ゴム関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1201 

天然ゴム 

バラゴムノキから得られるシス-1,4-ポリイソプレン。 
注記 製造法・格付け方法によって,RSS(ribbed smoked 

sheet),TSR(technically specified rubber)などがある。 

natural rubber 

1202 

ガタパーチャ, 
グタペルカ, 
グッタペルカ 

サポタセア属の木から取れる,トランス-1,4-ポリイソプレン
を主成分とする硬い熱可塑性物質。 

gutta-percha 

1203 

バラタ 

ミムソプス・グオサロ属の木から取れる,トランス-1,4-ポリ
イソプレンを主成分とする硬い熱可塑性物質。 

balata 

1204 

グアユールゴム 

グアユールゴムノキから,ゴム及び樹脂を抽出して分離した
シス-1,4-ポリイソプレン。 

guayule rubber 

1205 

グラフト天然ゴム 

天然ゴムに各種のモノマーをグラフト重合させたゴム。原料
としてはラテックスと固形ゴムとが用いられる。 
注記 メタクリル酸メチルグラフト物が一般的である。 

grafted natural rubber 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1206 

ゴム炭化水素 
(天然ゴムの) 

たんぱく質などの非ゴム成分を含まない,天然ゴム中のポリ
イソプレン成分。 

rubber hydrocarbon 
(natural rubber) 

1207 

スキムラバー 

天然ゴムラテックスの濃縮中に分離された,濃度のうすいラ
テックスから得られるゴム。 

skim rubber 

1208 

色指数 

ロビボンド(Lovibond)色見本との比較によって得られる,
TSR(天然ゴム)の色に対する等級。 

colour index 

1209 

可塑度残留指数, 
PRI 

天然ゴムにおいて,既定の条件下で空気加熱老化させたとき
の,老化前に対する老化後の可塑度の比。 

plasticity retention index 

1210 

ベールコーティン

グ 

マーキングを容易にするため,又は他との粘着防止のために,
天然ゴムのベールの表面に施される被覆。 

bale coating 

d) 合成ゴム関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1301 

合成ゴム 

天然ゴムに対応するもので,化学的に合成されたゴム弾性を
示すポリマーの総称。 

synthetic rubber 

1302 

ジエン系ゴム 

ブタジエン,イソプレンなどの共役二重結合をもつジエンモ
ノマーを主原料とし,主鎖に不飽和炭化水素結合をもつゴム。 

diene rubber 

1303 

樹脂配合ゴム 

樹脂を添加して加硫ゴムの硬さを増加させたゴム配合物。樹
脂を配合することで,加工性を阻害することなく加硫ゴムの
硬度を増加させることができる。 

resin rubber 

1304 

油展ゴム 

プロセスオイルを比較的高い割合で含む原料ゴム。 
注記 オイルの割合は,通常,重合体100部に対し15部以上。 

oil-extended rubber 

1305 

伸展油, 
エクステンダーオ

イル 

油展ゴムの製造の際に用いる石油系軟化材。 

extender oil 

1306 

粒状化ゴム 

原料ゴム又は未加硫配合ゴムを,細断して直径15 mm以下の
粒子状にしたもの。 
注記 製造,移送及び貯蔵中に固まらないように表面処理し

たものもある。 

granulated rubber 

1307 

線状重合体 

単量体単位が分岐しないで直鎖状に結合している重合体。 

linear polymer 

1308 

枝分かれ重合体 

直鎖状の分子が,環状ではなく分岐構造をもって結合してい
る重合体。 

branched polymer 

1309 

ブロック重合体 

互いに隣接するブロックが,異なる単量体で構成されている
重合体。同種の単量体からなるブロックであっても,その組
成又は連鎖分布が異なる。 
注記 ブロック共重合体ということもある。 

block polymer, 
block copolymer 

1310 

グラフト重合体 

主鎖と異なる一種又は複数種のブロックが側鎖として結合し
た重合体。 
注記 グラフト共重合体ということもある。 

graft polymer, 
graft copolymer 

1311 

立体規則性重合体 

繰返し単位の立体構造が,規則的な配列をとっている重合体。 
注記 例えば,ジエン類の重合体では,シス-1,4重合体及びト

ランス-1,4重合体,並びに主鎖に不斉炭素原子をもつア
イソタクチック重合体,シンジオタクチック重合体,
及びアタックチック重合体がある。 

stereoregular polymer 

1312 

立体特異性重合 

立体規則性重合体を形成する重合。 

stereospecific 

polymerization 

1313 

結合アクリロニト

リル量 

NBR中の共重合アクリロニトリル量。質量分率で表す。 

bound acrylonitrile 

content 

1314 

結合スチレン量 

SBR中の共重合スチレン量。質量分率で表す。 

bound styrene content 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1315 

動的加硫系熱可塑 

性エラストマー,

TPV 

動的架橋によって作られた,化学的に加硫したゴム相をもつ
熱可塑性エラストマー。 

thermoplastic 

vulcanizate 

1316 

熱可塑性エラスト

マー, 

熱可塑性ゴム, 
TPE 

常温ではゴムの性質を示し,高温では塑性流動性を示すエラ
ストマー。 

thermoplastic elastomer,
thermoplastic rubber 

1317 

熱硬化性樹脂 

熱によって架橋し,溶剤に溶解しない重合体。 

thermoset, 
thermosetting resin 

1318 

ブロッキング 

材料間の意図しない固着。 

blocking 

1319 

ブロッキング防止

剤 

ゴム表面間の意図しない固着の危険を防ぐ,又は減少させる
ために用いる添加剤。 

anti-blocking agent 

1320 

ブロック 

共重合体中における,同種の単量体の連鎖部分。 

block 

1321 

ポリウレタン 

主鎖中にウレタン結合-NHCOO-をもつポリマーの総称。 

polyurethane 

1322 

石けん分 

乳化重合に用い,生ゴム中に残存する石けん。石けんの量,
含有率など,定量的意味合いで用いられる場合もある。 

soap content 

1323 

有機酸分 

乳化重合に用いる石けんに由来し,生ゴム中に残存する脂肪
酸。脂肪酸の量,含有率など,定量的意味合いで用いられる
場合もある。 

organic-acid 

e) ラテックス関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1401 

ラテックス 

重合体の水性コロイド分散体。 

latex 

1402 

ゴムラテックス 

天然ゴム又は合成ゴムからなる水性コロイド分散体。 

rubber latex 

1403 

安定化ゴムラテッ

クス 

早期凝固を防止する処理をしたラテックス。 

stabilized rubber latex 

1404 

遠心分離ラテック

ス 

遠心分離によって,しょう(漿)液を分離し,ゴム濃度を高
めたラテックス。 

centrifuged rubber latex 

1405 

前加硫処理ラテッ

クス, 

加硫ラテックス 

粒子が部分的に加硫されたラテックス。 
注記 フィルム及び一部の製品は,このラテックスを単に乾

燥して作られる。 

prevulcanized rubber 

latex 

1406 

クリームラテック

ス 

クリーミング及び分離したしょう(漿)液を除去することに
よって,ゴム濃度を高めたラテックス。 

creamed rubber latex 

1407 

蒸発濃縮ラテック

ス 

水分を蒸発させて濃縮したラテックス。 

evaporated rubber latex 

1408 

濃縮天然ゴムラテ

ックス 

フィールドラテックスの水分を一部除去して濃縮し,凝固安
定性,腐敗などによる変質を防ぐため,アンモニア及び/又
は防腐剤を添加した天然ゴムラテックス。 

natural latex concentrate 

1409 

フィールドラテッ

クス 

濃縮又は他の処理前の天然ゴムラテックス。 
注記 防腐剤を含んでいることもある。防腐剤は,ゴムの木

から得られたそのままの状態を維持するために加え
る。 

field latex 

1410 

保存処理ゴムラテ

ックス 

腐敗及びそれに伴う凝固を防止する処理をしたラテックス。 

preserved rubber latex 

1411 

ウェッビング 

ラテックスから浸せき型を引き上げるときに,型と表面との
間に発生する,薄いラテックス皮膜。 

webbing 

1412 

ウェッビング防止

剤 

ラテックスに浸せきするとき,浸せき製品の隣り合う部分に
発生するウェッビングを防ぐために,添加する配合剤。 

anti-webbing agent 

1413 

ガムディップ 

繊維をゴムのりに浸すことによって,ゴムを含浸させる工程。 gum dipping 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1414 

乾燥後残さ 

試験条件で,揮発せずに残った物質の量を質量分率で表した
値。 

residue after drying 

1415 

乾燥ゴム分 

ラテックス又はゴム溶液中に含まれるゴム量を,質量分率で
表したもの。 

dry rubber content 

1416 

凝固分 

原料ラテックス中に存在する凝固物の乾燥質量。全固形物に
対する質量分率で表す。 

coagulum content 

1417 

シュヴァルツ値 

所定の機械的な条件を与えた後に,測定を行う糸ゴムのモジ
ュラスの値。 

Schwartz value 

1418 

しょう(漿)液 
(ゴムラテックス

の) 

天然ゴムラテックスの分散媒体。 

serum 
(rubber latex) 

1419 

スラッジ 
(ゴムラテックス

の) 

原料天然ゴムラテックス中の沈殿物。 

sludge 
(rubber latex) 

1420 

全アルカリ分 

天然ゴムラテックス中に含まれるアルカリ全量をアンモニア
量に換算して示したもの。 

total alkali content 

1421 

全固形分 

試験条件で乾燥後,揮発せずに残った物質の量を質量分率で
表した値。 

total solids 

1422 

乳濁液 

液体中に,他の液体粒子を,コロイド粒子又はそれより粗大
な粒子として分散した混合液。 

emulsion 

1423 

ブローダウン 

空気を吹き込みながら,かくはん(攪拌)することによって,
ラテックスからアンモニアを除く工程。 

blowing down 

3.3 

配合剤に関する用語 

a) 配合剤に関する一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2001 

配合剤 

加工性の改良,製品物性の向上,増量剤としての利用などを
目的に,ゴム又はラテックスに添加する物質。 

compounding ingredient 

b) 加硫関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2101 

硫黄 

天然ゴム,不飽和合成ゴムなどに用いる加硫剤として最も多
く使用される物質。二硫化炭素に可溶する結晶形と,不溶で
ある無定形とがある。 

sulfur 

2102 

硫黄供与剤, 
サルファードナー 

硫黄を含む化合物。加硫反応中に硫黄を解離放出して加硫剤
として働く。 

sulfur donor 

2103 

一次加硫促進剤 

二つ以上の加硫促進剤を併用する場合,主導的な加硫促進力
をもつ加硫促進剤。配合量の多い加硫促進剤をいう場合もあ
る。 

primary accelerator 

2104 

架橋剤 

原料ゴムに混合して加熱などの処理を行い,架橋構造を形成
させるための薬剤。 
例 硫黄,金属酸化物,オキシム類,ポリアミン,有機過酸

化物,変性フェノール樹脂 

crosslinking agent 

2105 

架橋助剤 

非硫黄加硫系において,低濃度で架橋効率を増加させ,特性
を変化させるのに用いる配合剤。 
注記 この用語は,一般に有機過酸化物による架橋に用いる。 

crosslinking co-agent, 
co-agent 

2106 

加硫促進助剤 

加硫促進剤の効果を増強するために,少量用いる配合剤。酸
化亜鉛を代表とする金属酸化物,ステアリン酸を代表とする
脂肪酸などがある。 

activator 

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K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2107 

加硫剤 

架橋剤として用いる硫黄又は硫黄化合物。 

vulcanizing agent, 
curative, 
curing agent 

2108 

加硫促進剤 

架橋反応速度の増大及び/又は製品の物性を向上させるため
に,加硫剤と共に少量用いる配合剤。 

accelerator 

2109 

初期加硫抑制剤 

加工及び加硫の温度で,ゴム配合物の架橋が始まるまでの時
間を延ばすための配合剤。 
注記 初期加硫抑制剤は,架橋の開始時期を遅らせるだけで,

加硫速度にはほとんど影響を与えない点で,加硫遅延
剤とは異なる。多くの加硫遅延剤は,全体として加硫
反応を抑制し,加硫速度を低下させる。 

prevulcanization 

inhibitor 

2110 

遅延剤, 
リターダー 

ゴム配合物の加硫又は架橋速度を遅くさせるために用いる配
合剤。特に硫黄加硫の場合は,加硫遅延剤という。 

retarder 

2111 

遅効性促進剤 

スコーチ安定性が良好で,かつ,加硫速度の速い一群の有機
加硫促進剤。スルフェンアミド系がこれに属し,最も多く使
用されている。 

delayed-action 

accelerator 

2112 

超促進剤 

速い加硫速度が得られる高活性の促進剤。 
注記 低温加硫によく用いられる。 

ultra-accelerator 

2113 

二次加硫促進剤, 
ブースター 

二つ以上の加硫促進剤を併用する場合,一次加硫促進剤に少
量添加して加硫時間,物性などを調節するための加硫促進剤。 

secondary accelerator, 
booster 

2114 

酸化亜鉛, 
亜鉛華 

ジエン系ゴムでは加硫促進助剤,クロロプレンゴム,ハロゲ
ン化ブチルゴムなどでは加硫剤及び受酸剤として用いる配合
剤。耐熱性の向上に寄与する。 

zinc oxide 

2115 

活性酸化亜鉛, 
活性亜鉛華 

微粒子の酸化亜鉛。 
注記 一般的な酸化亜鉛に比べて効果が大きく,配合量を削

減することができるため,透明又は半透明の製品に用
いられる。 

active zinc oxide 

2116 

酸化マグネシウム, 
マグネシア 

クロロプレンゴム,ビニリデンフルオリド系ふっ素ゴム,ク
ロロスルホン化ポリエチレンなどの受酸剤として用いる配合
剤。 

magnesium oxide, 
magnesia 

2117 

有機過酸化物 

-O-O-基をもつ有機化合物。熱解離によって生じる酸素ラジカ
ルが,ゴムから水素原子を引き抜き,分子ラジカルを発生さ
せる。発生した分子ラジカル同士が結合して架橋構造を作る
ことで,架橋剤として作用する。 

organic peroxide 

c) 劣化,老化関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2201 

安定剤 

乾燥,加工及び貯蔵の各工程を通して,物性を初期値又はそ
れに近い値に保持するために,原料ゴム中に存在するか又は
原料ゴムに添加する老化防止剤。 

stabilizer 

2202 

オゾン劣化防止剤 

オゾンによる劣化を遅らせるために用いる配合剤。 

antiozonant 

2203 

屈曲亀裂防止剤 

周期的変形によって生じる亀裂の発生及び成長を遅らせるた
めに用いる配合剤。 

anti-flex-cracking agent 

2204 

酸化防止剤 

酸化による劣化を遅らせるために用いる配合剤。 

antioxidant 

2205 

紫外線吸収剤 

日光及び/又は他の光源中の紫外線成分によって起こる劣化
を,紫外線を吸収することによって抑制する配合剤。 

UV absorber 

2206 

熱老化防止剤  

熱による劣化を遅らせるために用いる配合剤。 

heat stabilizer 

2207 

非汚染性老化防止

剤 

汚染性のない老化防止剤。フェノール系,ベンズイミダゾー
ル系,チオウレア系,リン系老化防止剤などがこれに属する。 

non-staining antioxidant 

background image

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2208 

老化防止剤, 
劣化防止剤 

老化による質の低下を遅らせるために用いる配合剤。 
注記 酸化防止剤,オゾン劣化防止剤,ワックス類,その他

保護物質などの添加剤の総称である。 

antidegradant 

d) 補強,充塡剤関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2301 

アグリゲート 
(カーボンブラッ

クの) 

カーボンブラックの一次凝集体であり,最小構成単位。微球
状の基本粒子同士が融着し,連鎖状又は不規則な鎖状に枝分
かれした複雑な凝集形態を示す。 
注記 通常,基本粒子が数個から数十個の凝集体で,数十〜

数百ナノメートルの大きさ。 

aggregate 
(carbon black) 

2302 

アグロメレート 
(カーボンブラッ

クの) 

カーボンブラックの二次凝集体であり,アグリゲート(一次
凝集体)同士がファンデルワールス力,単なる集合,付着,
絡み合いなどによって緩く結合し形成した凝集体。 
注記 通常,数十〜数百ミクロンの大きさ。 

agglomerate 
(carbon black) 

2303 

カーボンブラック 

炭化水素の不完全燃焼又は熱分解によって得られ,95 %以上
の炭素からなる,数百ナノメートル以下のアグリゲート構造
をもつ物質。 

carbon black 

2304 

アセチレンブラッ

ク 

アセチレンを原料として作るカーボンブラック。導電性カー
ボンブラックとして使用される。 

acetylene carbon black 

2305 

サーマルブラック 

空気又は炎のない状態で,液状若しくはガス状炭化水素又は
それらの混合物を,制御された条件下で熱分解して得られる
カーボンブラック。 

thermal carbon black 

2306 

チャネルブラック 

チャネル鋼の背面に炎を当てて,付着したカーボンをかき取
る方法で製造されたカーボンブラック。 

channel carbon black 

2307 

導電性カーボンブ

ラック 

ストラクチャーが発達している,グラファイト率が高い,粒
子径が小さいなどの特徴をもち,ゴムなどに配合したとき,
優れた導電性を示すカーボンブラック。 

conductive carbon black 

2308 

ファーネスブラッ

ク 

炉の中に炭化水素を噴射し,不完全燃焼させて作るカーボン
ブラック。 

なお,原料に天然ガスを使うものをガスファーネスカーボ

ンブラック,原料に油を使うもの(天然ガスと併用する場合
を含む。)をオイルファーネスカーボンブラックという。 

furnace carbon black 

2309 

ランプブラック 

植物系,石油系,石炭油系などの原料油を不完全燃焼させて
作る比較的粒子が大きく,ゴムに対する補強性が弱いカーボ
ンブラック。 
注記 墨,墨汁,ペイント,線香,建築材,鋳型又は金型の

離型剤などの用途がある。 

rump carbon black 

2310 

圧縮試料のオイル

吸収量, 

24M4オイル吸収

量, 

COAN 

アグリゲートが絡み合ったアグロメレート(弱い集合体)を
機械的圧力によって壊した後,測定したオイル吸収量。 
注記1 金属性シリンダーにカーボンブラックを充塡し,

24 000 psi(1 690 kg/cm2)の圧力で圧縮する操作を4
回繰り返した後のオイル吸収量を測定する。 

注記2 COANは,oil absorption number of compressed sample

の意味である。 

oil absorption number of 

compressed sample 

2311 

オイル吸収量, 
OAN 
(カーボンブラッ

クの) 

所定の質量のカーボンブラックに,フタル酸ジブチル(DBP),
パラフィン油,エポキシ化脂肪酸(FEA)のいずれかを徐々
に加え,最大トルクの70 %時のオイル消費量。 
注記 カーボンブラックのストラクチャーの発達程度を表す

指標として用いられる。 

oil absorption number 
(carbon black) 

background image

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2312 

かさ密度 

粉末,造粒粒子などの固体の単位体積当たりの見掛けの質量。 pour density, 

bulk density 

2313 

気相法シリカ, 
乾式シリカ 

四塩化けい素を酸素,水素雰囲気下で燃焼して合成した無水
けい酸の白色微粒子粉末。透明ゴム用充塡剤として使用する。 

fumed silica 

2314 

沈降性シリカ, 
湿式シリカ 

けい酸ナトリウム(水ガラス)水溶液を酸又はアルカリ雰囲
気下で中和して製造した含水けい酸の微粒子。補強性充塡剤
として使用する。 

precipitated silica 

2315 

凝集体径分布 

アグリゲート(一次凝集体)の大きさの分布。カーボンブラ
ックにおいては,水に分散させて遠心沈降径(ストークス径)
から求める。 

aggregate size 

distribution 

2316 

クレー 

広義には陶土,カオリン,タルク,ベントナイトなどの総称。
粒子径の違いによってハードクレー(補強性)とソフトクレ
ー(非補強性)とがある。 

clay 

2317 

鉱物充塡剤 

鉱物由来の充塡剤。 
例 クレー,炭酸カルシウム,シリケイト 

mineral filler 

2318 

黒度 

光の反射率で比較したカーボンブラックの黒さ。 
注記 粒子が小さいほど黒い。 

blackness 

2319 

充塡剤 

ゴム又はゴムラテックスに,主に補強又は経済的目的で,比
較的大量に加える配合剤。 

filler 

2320 

水分含有量 
(カーボンブラッ

クの) 

カーボンブラックに吸収又は吸着した水分の質量分率。 

moisture content 
(carbon black) 

2321 

ストラクチャー 
(カーボンブラッ

クの) 

アグリゲートの慣用名で,カーボンブラックの基本粒子が融
着した,複雑な凝集体構造。 

structure 
(carbon black) 

2322 

造粒特性 

造粒粒子の大きさの分布,個々の造粒粒子の硬さ,微粉量,
かさ密度などの造粒した粒子の主要な特性。 

pellet property 

2323 

造粒粒子径分布 

目開きの異なる数種類のふるいを,目開きの小さい順に載せ,
造粒粒子を通過させたときに,各ふるい上に残る造粒粒子の
質量分率。 

pellet size distribution 

2324 

造粒粒子の硬さ 
(カーボンブラッ

クの) 

規定条件下で,カーボンブラックの一粒の造粒粒子を割るか,
又は砕くのに必要な力。 

individual pellet crush 

resistance 

(carbon black) 

2325 

タルク 

水和けい酸マグネシウムを主成分とするりん片状で,淡黄色
の柔らかい充塡剤。 

talc 

2326 

炭酸カルシウム 

重質炭酸カルシウムと沈降製炭酸カルシウムとに分けられ
る,充塡剤の一種。 

calcium carbonate 

2327 

ディスク遠心沈降

法 

カーボンブラックの基本特性の一つである凝集体径分布を求
める方法。分散液を遠心沈降させ,ストークス径を求める。 

disk centrifuge 

photosedimentometry 

2328 

トルエン着色透過

度 

(カーボンブラッ

クの) 

カーボンブラックに含まれる,原料オイルの未熱分解有機物
の残留度を表す指標。特定波長における純トルエンの透過度
と,カーボンブラックのトルエン抽出液の透過度との比で求
める。 

toluene discolouration 
(carbon black) 

2329 

比着色力 
(カーボンブラッ

クの) 

カーボンブラックを白色顔料(酸化亜鉛)と共にビヒクルで
練り,ガラス板などに塗ったときの反射率を測定し,標準品
の反射率と対比して指数で表したもの。 
注記 標準品としては,米国のASTMに規定しているITRB

が用いられる。 

tinting strength 
(carbon black) 

background image

10 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2330 

比表面積 
(カーボンブラッ

クの) 

粉体の単位質量当たりの表面積。粒子が小さいほど比表面積
が大きくなる。カーボンブラックの細孔を含む全比表面積は,
よう素吸着法,窒素吸着法などで測定される。 

specific surface area 
(carbon black) 

2331 

微粉量 
(カーボンブラッ

クの) 

カーボンブラックの造粒特性の一つで,造粒されていない部
分,又は一旦造粒され,再度破砕された部分の量。規定のふ
るいでふるった後の質量分率で示す。 

fines content 
(carbon black) 

2332 

不活性充塡剤 

補強効果をもたない充塡剤。 

inert filler 

2333 

ペレット, 
造粒粒子 
(カーボンブラッ

クの) 

取扱い及び加工を容易にするため,粉状カーボンブラックを
1 mm程度の球状に固めたもの。 

pellet 
(carbon black) 

2334 

補強剤, 
補強性充塡剤 

ゴムの機械的強度を増加させるために用いる配合剤。 

reinforcing agent, 
reinforcing filler 

2335 

マスストレングス 
(カーボンブラッ

クの) 

所定条件下で,造粒カーボンブラックを凝集固化させる最小
の力。 

mass strength 
(carbon black) 

2336 

よう素吸着量 
(カーボンブラッ

クの) 

規定の条件下で,カーボンブラック1 kg当たりに吸着される,
よう素の量(g)。 
注記 カーボンブラックの表面積の尺度を表す。 

iodine adsorption 

number 

(carbon black) 

2337 

粒子 
(カーボンブラッ

クの) 

分離できる最小の識別可能な球又は球状に近いもの。 

particle 
(carbon black) 

2338 

一次平均粒子径 
(カーボンブラッ

クの) 

電子顕微鏡を用いて測定した一次粒子の粒子径を統計的に処
理した平均径。 
例 個数平均径,面積平均径,体積平均径 

average particle 

diameter 

(carbon black) 

2339 

一次粒子径 

凝集体を形成している一次粒子の大きさ。 

particle diameter 

2340 

一次粒子径分布 

凝集体を形成している一次粒子の大きさの分布。ヒストグラ
ム,積算分布などで表す。 

particle size distribution 

e) 加工,加工助剤関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2401 

アロマ系オイル 

通常,芳香族炭化水素を少なくとも35 %以上含む炭化水素系
プロセスオイル。 

aromatic oil 

2402 

ナフテン系オイル 

ナフテン系炭化水素を質量分率30 %〜45 %含む炭化水素系
プロセスオイル。 

naphthenic oil 

2403 

パラフィン系オイ

ル 

飽和炭化水素を質量分率50 %以上含む炭化水素系プロセス
オイル。 

paraffinic oil 

2404 

プロセスオイル 

加工助剤として用いる,石油又は他の素材から得られる炭化
水素オイル。 

process oil 

2405 

加工助剤 

ゴム配合物の加工性を改良する配合剤。 

processing aid 

2406 

可塑剤 

ゴム又はゴム製品に柔軟性を与えるために用いる配合剤。特
に低温時の柔軟性を改良するために用いる。 

plasticizer 

2407 

滑剤 

押出時の摩擦を低減するために,又は成形品を金型から取り
出すことを容易にするために用いる配合剤。 

lubricant, 
mould lubricant 

background image

11 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2408 

サブ, 
ファクチス 

加工助剤として用いる,不飽和油(植物油,魚油又は合成エ
ステル)と硫黄又は塩化硫黄とを反応させて作られる固形配
合剤。 
注記 “ファクチス”という言葉は,米国のアメリカンサイ

アナミド社の,この定義に該当する特定の製品の登録
商標である。 

rubber substitute, 
factice 

2409 

素練り促進剤, 
しゃく解剤, 
ペプタイザー 

機械的作用若しくは熱又はこの両者によるゴムの軟化を,化
学作用によって促進するために用いる配合剤。 

peptizer 

2410 

軟化剤 

加硫物の硬さを下げるために,又は未加硫ゴムの粘度を低下
させるために用いる配合剤。 

softener 

2411 

粘着付与剤 

未加硫ゴムの粘着性を増大させるために用いる配合剤。 

tackifier 

2412 

樹脂 

不定形の比較的大きな分子の塊で,特定の軟化点をもつ有機
物質。 
注記 樹脂は,軟化剤,粘着付与剤,加工助剤,補強剤,加

硫剤などとして用いる。 

resin 

2413 

多環芳香族炭化水

素 

2個以上の環に共有する炭素原子をもつ,2個以上の芳香環か
らなる有機化合物。 

polycyclic aromatic 

hydrocarbon 

2414 

ベイエリア水素 

三つ以上の縮合環をもつ非線形の多環芳香族炭化水素に特徴
的な,環で囲まれた三面凹域内の水素。 
注記 H-NMRのあるシフト領域で検出できる。 

bay region hydrogen 

2415 

ミネラルラバー 

石油系アスファルトから製造される配合剤。 
注記1 粘着付与剤,軟化剤として用いられる。 
注記2 この用語は,誤称であり,ミネラルラバーは,ゴム

ではない。 

mineral rubber 

f) 

特殊配合剤関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2501 

カップリング剤 
(充塡剤の) 

充塡剤粒子とゴムとの間に化学結合を作ることによって,補
強効果を高める配合剤。 

coupling agent 
(filler) 

2502 

顔料 

着色するために用いる不溶性の添加剤。 

pigment 

2503 

吸水剤 

最終製品中の空洞を少なくするため,配合ゴム中に存在する
水分を吸収するのに用いる配合剤。 

desiccant 

2504 

接着促進剤 

ゴムと他の材料との接着を促進させるため,未加硫ゴムに 添
加する配合剤。 

adhesion promoter 

2505 

染料 

着色するために用いる可溶性の添加剤。 

dyestuff 

2506 

帯電防止剤 

製品の表面に発生する静電気の蓄積を防止するために添加す
る配合剤。 

antistatic agent 

2507 

着色剤 

ゴムに色彩を与えるための顔料又は染料。 

colourant 

2508 

難燃剤 

樹脂又はゴムに,耐燃焼性を付与又は改良する目的で,添加
混入又は表面塗布する薬剤。 

flame retardant 

2509 

発泡剤 

中空又は発泡製品を製造する場合に,化学的又は熱的作用に
よって,気体を生成させるために用いる配合剤。 

blowing agent, 
foaming agent 

2510 

付香剤 

特殊な香りを与えるためにゴムに添加する配合剤。 

re-odorant 

background image

12 

K 6200:2019  

g) ゴムラテックス用配合剤関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2601 

安定剤 
(ゴムラテックス

の) 

配合又はその後の加工の間,ゴム粒子の凝集及び凝固を防止
するため,ラテックスに添加する配合剤。 

stabilizer 
(rubber latex) 

2602 

感熱剤 
(ゴムラテックス

の) 

高温域だけで効果があるゲル化剤。 

heat sensitizer 
(rubber latex) 

2603 

気泡安定剤 
(ゴムラテックス

の) 

発泡させた泡が,ラテックスフォームの製造時に破泡しない
よう,安定化させる配合剤。 

foam stabilizer 
(rubber latex) 

2604 

起泡剤 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックスフォームを製造するときに,起泡形成を容易にす
る配合剤。 

foaming agent 
(rubber latex) 

2605 

凝固剤 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックスを凝固させるために用いる配合剤。 

coagulant, 
coagulating agent 
(rubber latex) 

2606 

凝固防止剤 
(天然ゴムラテッ

クスの) 

バクテリアの作用による急速な凝固を抑制するため,フィー
ルドラテックスに添加する物質。 
(1409フィールドラテックス参照) 

anticoagulant 
(natural rubber latex) 

2607 

凝集剤 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックスに加えたとき,フロキュレーションを起こす物質。 
(3514フロキュレーション参照) 

flocculant 
(rubber latex) 

2608 

クリーミング剤 
(ゴムラテックス

の) 

クリーミング速度を早めるためにラテックスに添加する物
質。 
(3506クリーミング参照) 

creaming agent 
(rubber latex) 

2609 

ゲル化剤 
(ゴムラテックス

の) 

ゲル化を起こさせる物質。 
(3508ゲル化参照) 

gelling agent 
(rubber latex) 

2610 

湿潤剤 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックス混合物の表面張力を減少させるために用いる配合
剤。 

wetting agent 
(rubber latex) 

2611 

消泡剤 
(ゴムラテックス

の) 

最終製品のピンホール又は膨れの原因となる,ラテックス中
の気泡の生成を防止するために用いる配合剤。 

anti-foaming agent 
(rubber latex) 

2612 

増粘剤 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックス及びその混合物の粘度を増大させるために少量添
加する配合剤。 

thickener 
(rubber latex) 

2613 

乳化剤 
(ゴムラテックス

の) 

水に不溶性の液状配合剤の乳化を容易にするために用いる界
面活性剤。 

emulsifying agent 
(rubber latex) 

2614 

分散剤 
(ゴムラテックス

の) 

水系への固形配合剤の分散を容易にするために用いる界面活
性剤。 

dispersing agent 
(rubber latex) 

2615 

防腐剤 
(ゴムラテックス

の) 

腐敗及びそれに伴う凝固を防止するために,濃縮前又は濃縮
後に未配合ラテックスに加える物質。 

preservative 
(rubber latex) 

background image

13 

K 6200:2019  

3.4 

加工に関する用語 

a) 加工に関する一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3001 

混入異物 

ゴム製品,ゴム配合物などを製造するときに,目的成分以外
の物質が誤って又は自然に混入したもの。 

foreign matter 

3002 

スティッキー 

未加硫ゴムなどのべとついた性質。 
注記 過度に素練りしたゴム,又は軟化剤,粘着剤などが多

量に配合されたゴムに見られる。 

sticky 

3003 

ブラックスコーチ 

カーボンブラックを含む未加硫ゴムが,それらの相互作用に
よって,著しい粘度上昇を示す,EPDMに顕著な現象。 

black scorch 

b) 混練り関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3101 

バッチ 

混練り操作の1回分で得られる混合物。 

batch 

3102 

ウエットマスター

バッチ 

重合停止後のラテックス又は,溶液状態のゴムに,伸展油,
カーボンブラックなどを混合・分散し共凝固させた後に,乾
燥又は脱溶剤して得られる混合物。 

wet masterbatch 

3103 

マスターバッチ 

配合物を製造するときに,原料として用いるゴムと,一つ以
上の配合剤とが,よく分散している配合量既知の混合物。加
工性の改良又は最終製品の特性向上のために用いる。 
注記 この用語は,加硫剤以外の薬品又は充塡材とゴムとの

混合物に対して主に用いられる。 

masterbatch 

3104 

混合物 

配合剤とゴムとを混ぜ合わせたもの。 

mix 

3105 

混練り 

原料ゴムとゴム配合剤とを混合し,機械的せん断力を加えて
ゴムに可塑性をもたせると同時に充塡剤及び配合剤をゴム中
に分散させる作業。 

mixing 

3106 

素練り 

機械的せん断力,空気中の酸素の作用,ペプタイザー,熱,
又はこれらの組合せによって,原料ゴム又は配合物の分子量
を不可逆的に低下させる工程。 
(2409ペプタイザー参照) 

mastication 

3107 

ノンプロ練り, 
A練り 

ゴムに,加硫系配合剤を含めないで混練りする作業。 
注記 A練りは日本独自の用語である。 

non-productive mixing, 
masterbatch mixing 

3108 

プロ練り, 
B練り 

ゴムに,ノンプロ練りで除いた配合剤を混練りする作業。 
注記 B練りは日本独自の用語である。 

productive mixing, 
final mixing 

3109 

メルトミキシング 

樹脂の溶融点以上で,ゴムと樹脂とを混ぜ合わせる,熱可塑
性ゴムのブレンド物製造方法。 

melt mixing 

3110 

充塡率 

ゴムを密閉式混練機によって混練りする際の,混練機の容量
に対する仕込み全材料の容量比。体積分率で表す。 

filling factor 

3111 

バギング 

ロール機による混練り作業において,ロール間隙を通過した
ゴムバンドが,ロールに巻き付かずに浮き上がる現象。 

bagging 

3112 

バンク 

ロール機若しくはカレンダーのロール間隙,又はのり引き機
のバー若しくはナイフに生じる材料のたまり。 

bank 

3113 

分散 

最適かつ均一な性質を得るため,せん断力を用いて,一つ以
上の配合剤を,ゴム,ゴムブレンド又はゴムマトリックスに
散在させる操作。 

dispersion 

3114 

予備分散 

最終配合物の原料として用いるため,あらかじめ1種以上の
配合材を必要な割合で,よく分散させること。 

predispersion 

background image

14 

K 6200:2019  

c) 押出し,圧延関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3201 

圧延 

塑性変形材料に,圧力を加えながら延伸し,板又は棒状に成
形する作業。 

rolling 

3202 

押出し 

ダイを通して材料を連続的に成形する操作。 

extrusion 

3203 

カレンダー収縮 

カレンダーで圧延されたゴム配合物が,圧延方向に対して収
縮すること。 

calender shrinkage 

3204 

粉付け 

他の表面との粘着を防ぐため,ゴムの表面に粉末を散布する
操作。 

dusting, 
chalking 

3205 

ゴム引き 

被着体にゴムを含浸及び/又は被覆する操作。 

rubberize 

3206 

シーティング, 
ぶ出し 

ゴム若しくはゴム配合物,又はゴムのり若しくは凝固ラテッ
クスを,シート状に薄く延ばす操作。 

sheeting 

3207 

スキムコーティン

グ, 

トッピング 

ゴムとシートとの間に大きなせん断力を加えずに,ゴム配合
物又は混合物の薄い層をシートに張る工程。 

skim coating, 
topping 

3208 

ストレーニング 

配合したゴム中に含まれている,粒径の大きな配合剤又は異
物を,網の目を通過させて除去する工程。 

straining 

3209 

スパイダーライン 

押出ヘッドのスパイダー又はブリッジのスポークに一致する
押出ゴム断面の放射状の融合ライン。 

spider line 

3210 

ダイスェル 

押出物の断面寸法と,対応するダイ開口部の寸法との差。 
注記 通常は,断面積の増加百分率として表す。 

die swell 

3211 

ドウ 

配合ゴム及び溶剤からなる,滑らかな表面をもつ,のり引き
に用いるペースト状の塊。 

dough 

3212 

熱入れ 

後工程をより容易にするために,機械的なせん断力及び熱に
よって,ゴム及びゴム混合物を軟らかくする操作。 

warm-up 

3213 

フリクションコー

ティング, 

フリクショニング 

カレンダーのせん断作用によって,繊維にゴムを被覆する操
作。 

friction coating, 
frictioning 

3214 

ブリッジ 

押出機のヘッドを支える2本の支持脚。 
注記1 支持脚が3本以上の場合はスパイダーという。 
注記2 押出機の入口又は出口付近で材料が架け橋状につな

がった状態を表す場合がある。 

bridge 

3215 

プルーフィング 

流体の透過を防止するか,又は他の特殊な保護作用を与える
ために,適切な配合ゴムを布にコートする操作。 

proofing 

3216 

より 
(より数) 

原糸又は繊維のストランドの,単位長さ当たりの軸に対する
より数。 

twist 
(amount of) 

d) 成形関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3301 

圧縮成形 

被成形物を金型キャビティー内に直接置き,金型を閉じ,加
圧して成形する工程。 

compression moulding 

3302 

ウエルドマーク, 
ウエルドライン, 
ニットマーク, 
ニットライン 

金型内のピン,コアなどの下流で,流れが合流するところに
できる線状のマーク。 
注記 外観上だけでなく,強度的な欠陥となる場合がある。 

weld mark, 
weld line, 
knit mark, 
knit line 

3303 

型ずれ 

型の合わせ目のずれによって生じた,製品の変形。 

off-register, 
off-set, 
mismatch 

3304 

キャビティー 

成形品を形作るために充塡される金型内の空間。 

cavity 

background image

15 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3305 

くぼみ, 
ピット, 
ホール 

小さく,かつ,浅い表面のへこみ。 

crater, 
pit, 
hole 

3306 

グリーン 

加硫前のゴム配合物を表す形容詞。 
例 グリーン強度,グリーンタイヤ 

green (adj.) 

3307 

クロスマーク, 
布目跡 

ゴムの表面に残された布目の跡。 

cloth mark 

3308 

染み出し 

処理された表面から,処理されていない表面へのゴムのにじ
み出し。 

strike-through 

3309 

射出成形 

金型の型締め圧とは別の圧力で,別個のチャンバーから閉じ
た金型内に,ゴム配合物を充塡して成形する工程。 

injection moulding 

3310 

ショット 

1成形サイクルの間に金型内に送り込まれる材料の量。 

shot 

3311 

スピュー 

ゴムの流れを安定化させるために,金型の合わせ目以外に設
けた微小部に生じる突出部。 

spew 

3312 

スピューライン, 
フラッシュライン 

金型合わせ目に生じる成形品表面上の線。 

spew line, 
flash line 

3313 

成形 

通常,熱及び圧力を加えることによって,金型で材料を成形
する工程。 

moulding 

3314 

成形収縮 

常温で測定した製品と金型との寸法差。 

moulding shrinkage 

3315 

トランスファー成

形 

金型の一部にあるチャンバー内の配合ゴムを,金型を締め付
ける力によって,一つ以上の閉じた金型内に圧入して,成形
する工程。 

transfer moulding 

3316 

なまづくり 

金型に充塡するための,適切な形及び体積をもつゴム配合物。 blank 

3317 

バックラインド 

金型成形品のばり部分に生じる,表面から内部に収縮してい
る欠陥。 

back-rind, 
retracted spew 

3318 

ばり 

金型の合わせ目で,成形品の表面にはみ出した材料。 

flash 

3319 

ばり取り 

ばりを取り除く工程。 

deflashing 

3320 

ピンホール 

材料表面の極めて小さな貫通孔。 

pinhole 

3321 

フローマーク 

流動先端部の不完全な融合によって生じる,製品のマーク又
はすじ。 

flow marks 

3322 

フローライン 

ゴム材料が成型機内を流れる際に生じた線状痕。 

flow line 

3323 

離型剤 

加硫ゴム又は樹脂を,型から離れやすくするために,あらか
じめ型又は成形材料に塗布する物質。成形材料に添加して成
形品を型から取り出しやすくすることもある。 
注記 主に界面活性剤が使われる。 

mould release agent, 
release agent, 
mould lubricant 

e) 加工機械関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3401 

押出機 

材料をスクリュー又は油圧ラムによって,ダイを通過させて,
材料を連続して成形する機械。 

extruder 

3402 

押出機ヘッド 

押出機のダイ及びダイホルダー取付部分。 

extruder head 

3403 

カレンダー 

表面温度,ロール間隙及び回転数を選択できる,2本以上の
平行なロールをもち,精度のよい厚さ及び/又は良好な表面
特性をもつシーティング及びコーティングを行う装置。 

calender 

3404 

クロスヘッド 

押出機のシリンダーの中心線に対し,直角方向に,ゴム又は
樹脂の材料が押し出される押出機ヘッド。 

cross-head 

3405 

混練機 

機械的なせん断作用によって,ゴム中に配合剤を混練し,分
散させて,混合物又は配合物を作るための機械。 

mixer 

background image

16 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3406 

密閉式混練機 

素練り及び/又はゴム中に配合剤を混入し,分散させるため
の密閉空間に,一つ以上のローターをもち,温度調節器を備
えた混練機。 

internal mixer 

3407 

かみ(噛)合式密

閉型混練機 

各々翼をもつ2本のローターが互いにかみ合うように設計さ
れており,ローターと壁面との間のせん断力と,2本のロー
ター間での圧縮・せん断力とが得られるようにした密閉型の
混練機。 

internal mixer with 

intermeshing rotor 

3408 

接線式密閉型混練

機 

各々2〜4個の翼をもつ2本のローターが互いに内側で接する
程度の隙間をもって逆方向に回転し,チャンバー壁面とロー
ターとの間で強いせん断力が得られるようにした密閉型の混
練機。 

tangential internal mixer 

3409 

スクリュー 

押出機のバレルに沿って,ゴムを押し進めるために用いる,
一つ以上のら旋状の溝をもつ回転する部材。 

screw 

3410 

ストレーナー 

固形の異物を除去するために,ゴム又はゴム配合物が,ふる
いを通過するように設計した,押出機用の装置。 

strainer 

3411 

スプルー 

金型の流路の一つで,金型の流入口とランナーとを結ぶ流路。
一般に円すい状のものが多い。 

sprue 

3412 

精砕ロール機 

再生ゴムの加工,スコーチした生地の加工,配合剤の粉砕な
どの作業に用いる,回転比の高い2本のロールからなる練り
ロール機。 

refiner 

3413 

粗砕ロール機 

ゴム又は混合物を,破砕又は小片に切断するための,深い波
形又はピラミッド型の溝をもつ,2本のロールからなる強力
な練りロール機。 

cracker 

3414 

2本ロール機 

素練り,混練り,ブレンド,熱入れ又はシーティングを行う
ための調整可能な間隙をもち,しばしば加熱又は冷却され,
通常,異なる速度で回転する,二つの互いに逆回転するロー
ルを備えた機械。 

two-roll mill, 
mill 

3415 

ダイ 

材料が押し出され,押出物の形状が形成される押出機の口金
部分。 

die 

3416 

ダイライン 

認識用その他の用途に用いる,押し出したチューブ又はカバ
ーの上に意図的に付けた筋状の突起。 
注記 筋入り外被も含む。 

die line 

3417 

ドクターブレード,
ドクターナイフ, 
ドクターバー, 
スプレッダーバー,
スプレッダーナイ

フ 

ゴムのり又はラテックスを均等に塗布するためのブレード。 

doctor blade, 
doctor knife, 
doctor bar, 
spreader bar, 
spreader knife 

3418 

ニップ 

中心線上でのロール機又はカレンダーのロール表面間の間
隙。 
注記 材料を混練り又はカレンダーリングのために用いるロ

ール間の空隙をいうこともある。 

nip 

3419 

のり引き機 

ブレードを用いて,シート材の表面に,ゴムのり又はラテッ
クスを塗布するための機械。 

spreader 

3420 

フリクション比 

二つの隣接するロール(ロール機,カレンダー又は精砕ロー
ル機)の表面速度比。 

friction ratio 

3421 

ボールミル 

硬いボールを入れた回転ドラム式の粉砕機。 

ball mill 

3422 

ロール 

カレンダー又は2本ロール機の主要回転部を構成する円筒。 

roll 

background image

17 

K 6200:2019  

f) 

ゴムラテックス加工関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3501 

感熱浸せき法 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックスを高温でゲル化させる配合剤を含む配合ラテック
スに,金型又は浸せき型を漬ける方法。 

heat-sensitive dipping 
(rubber latex) 

3502 

機械的安定度 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックスに,所定の条件下で,機械的なせん断力を加えた
ときに起こる凝固に対する,抵抗性の度合い。 

mechanical stability 
(rubber latex) 

3503 

凝固 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックス中に分散している粒子の不可逆的な凝集。 
注記 凝固によって,重合体の連続相及びしょう(漿)液の

分散相が形成される。 

coagulation 
(rubber latex) 

3504 

凝集 
(ゴムラテックス

の) 

可逆的又は不可逆的なラテックス粒子の会合。 

agglomeration 
(rubber latex) 

3505 

凝着浸せき法 
(ゴムラテックス

の) 

金型及び浸せき型を,最初に凝固剤溶液に漬け,引き上げ,
乾燥してから,配合ラテックス中に浸せきする方法。 

coagulant dipping 
(rubber latex) 

3506 

クリーミング 
(ゴムラテックス

の) 

重力によって底又は表面近くで,しょう(漿)液に囲まれた
ラテックスのゴム粒子が可逆的に集合した状態。 
注記 一般的にはクリーミング剤の添加によって起こる。 

creaming 
(rubber latex) 

3507 

ゲル 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックスを凝固するときに,初期に生成する液体を含んだ
ゴム粒子の集合体又はその状態。 

gel 
(rubber latex) 

3508 

ゲル化 
(ゴムラテックス

の) 

ゲルを形成する工程。 

gelling 
(rubber latex) 

3509 

湿潤ゲル強度 

凝集体の内部で,水を含みゲル化したラテックスフィルムの
強度。 
注記 ラテックスを加工する上で重要な性質である。 

wet gel strength 

3510 

熟成 
(ゴムラテックス

の) 

次工程前に,気泡の除去及びゴム粒子の部分的な前加硫をさ
せるために,管理状態の下で貯蔵する操作。 

maturation 
(rubber latex) 

3511 

浸せき 
(ゴムラテックス

の) 

配合ラテックス浴中に浸せきすることによって,金型又は浸
せき型の上にゴム層を沈着させる工程。 

dipping 
(rubber latex) 

3512 

フォーマー 

ディッピング法及び/又はラッピング法で成形されるゴム製
品の形状を与えるための芯材。ゴム製品は,成形後に芯材か
ら分離される。 

former 

3513 

注型 

液状物質を,金型の中又は整備した表面に導入し,外圧を加
えずに固化する工程。 

casting 

3514 

フロキュレーショ

ン 

(ゴムラテックス

の) 

ラテックスの液相中に分散するゴム粒子の,緩い結び付き(と
きには可逆的)による部分的な凝集の形成。 

flocculation 
(rubber latex) 

3515 

前凝固物 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックスが,取扱いの不注意によって,部分的に凝固した
物。 

precoagulum 
(rubber latex) 

background image

18 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3516 

リーチング 
(ゴムラテックス

の) 

ラテックスから製造した製品の水溶性物質を除くために,水
で洗浄する工程。 
注記 これによって,透明性を改善し,水溶性物質のブルー

ミングを防ぎ,電気抵抗が増加し,水吸収性が減少す
るなどの効果が得られる。 

leaching 
(rubber latex) 

3.5 

加硫に関する用語(配合剤及び加工を除く。) 

a) 加硫に関する一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4001 

架橋点間分子量 

網目構造中の隣り合う架橋点間の分子鎖の分子量。 

molecular weight 

between crosslinks 

4002 

架橋密度 

加硫ゴムの単位体積又は単位質量当たりの架橋の数。 

crosslink density 

4003 

加硫度 

加硫ゴムの物性(弾性率,伸び,引張強さ,硬さなど)を指
標化した加硫の程度。 

degree of cure 

4004 

加硫速度 

配合ゴムごとに定められた加硫状態に達するまでに要した時
間を用いた指標,又は標準ゴムの加硫時間との比。 

cure rate 

4005 

加硫不足 

最適加硫に到達していない加硫状態。 
注記 加硫時間,温度,加硫系薬剤量の不足,又はこれらの

組合せによって生じる。 

undercure 

4006 

加硫戻り 

最適加硫状態を超えて,弾性率などの物理特性が低下する現
象。 

reversion 

4007 

最適加硫 

要求される性質の大部分を満足するか,又は特定の性質が最
適値となる加硫条件。 

optimum cure 

4008 

スコーチ 

ゴム配合物の,意図しない早期加硫。 

scorch 

4009 

バンピング, 
ブレッシング 

ガス又は蒸気を逃がすために,加硫工程の初期において,短
時間の間,型の圧力を抜く操作。 

bumping, 
breathing 

4010 

ベア 

型の細かな形状への,ゴム充塡不足に起因する欠陥。 

bareness 

4011 

ジスルフィド結合 

硫黄による架橋において,架橋点間が硫黄原子2個で結合さ
れている架橋。 

disulfide bond 

4012 

ポリスルフィド結

合 

硫黄による架橋において,架橋点間が連続した3個以上の硫
黄原子で結合されている架橋。 

polysulfide bond 

4013 

モノスルフィド結

合 

硫黄による架橋において,架橋点間が一原子の硫黄だけで結
合されている架橋。 

monosulfide bond 

4014 

硫化物硫黄 

無機又は有機硫化物として,加硫物中に存在する硫黄。 

sulfide sulfur 

b) 架橋及び加硫の種類関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4101 

架橋 

網目構造を作るため,ゴム分子鎖間又は分子鎖内を化学結合
で結ぶ反応。 
注記 その結果生じる,二つのゴム分子鎖間若しくは同一ゴ

ム分子鎖内の二つの部位を結合する化学結合又は原子
(団)をいう場合もある。 

crosslinking, 
crosslink 

4102 

加硫 

分子鎖間を化学的に結合させること。 

vulcanization, 
cure 

4103 

アミン加硫 

ヘキサメチレンジアミン,テトラエチレンペンタミン,ヘキ
サメチレンジアミンカルバメートなどのポリアミンをアクリ
ルゴム,ふっ素ゴム,塩素化ポリエチレンなどに配合して形
成する架橋。 

amine cure 

background image

19 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4104 

イオン架橋 

マレイン酸,アクリル酸,メタクリル酸などをブタジエンな
どと共重合し,そのアニオン性解離基と多価金属カチオンと
の間のイオン結合で架橋すること。 

ionic crosslinking 

4105 

過酸化物架橋 

有機過酸化物を用いる架橋,又はその架橋操作。 

peroxide crosslinking, 
peroxide cure 

4106 

加硫状態 

加硫不足,最適加硫,過加硫などに分類される加硫の程度。
定量的にはS-S曲線,引張応力,膨潤度,加硫曲線などから
評価される。 

state of cure 

4107 

高周波加硫, 
UHF 

高周波の誘電損失による加硫方法。通常は,空気加熱と併用
する。 

microwave 

vulcanization, 

ultra high frequency 

vulcanization 

4108 

室温加硫 

室温近辺で起こる加硫。 
注記 通常は起こらないので,特別な加硫系が必要となる。 

room-temperature 

vulcanization, 

cold cure 

4109 

樹脂加硫 

反応性合成樹脂を加硫剤として用いる加硫。加硫剤としてア
ルキルフェノールホルマリン樹脂を用いるブチルゴムの加硫
がある。 

resin cure 

4110 

電子線架橋 

電子加速器によって得られる高エネルギーの電子線を原料ゴ
ムに照射し,架橋構造を生成させる架橋,又はその架橋操作。 

electron beam 

crosslinking 

4111 

動的架橋 

熱可塑性樹脂と適度に反応性のあるゴム状ポリマーとを十分
に溶融混合し,化学的に架橋したゴム相をもつ熱可塑性エラ
ストマーを生成させるプロセス。 
注記 同じ無架橋組成に比べて,熱硬化ゴムの物性に匹敵す

る結果が得られる。 

dynamic vulcanization 

4112 

後加硫 

熱源の除去後,残留熱によって持続する加硫反応。 

aftercure 

4113 

過加硫 

最適加硫を超えた加硫の状態。 
注記 過加硫は,一般に,加硫時間の長すぎ,加硫温度の高

すぎ,過剰な加硫剤,又はこれらの組合せによって生
じる。 

overcure 

4114 

一次加硫 

加工の都合で最適加硫まで行わないで,途中で加硫操作を止
めること。この場合,半加硫又は予備加硫ともいう。 

precure, 
prevulcanization, 
primary cure 

4115 

二次加硫, 
追加硫 

ゴム製品の性能を向上させるため,又は加硫を完了させるた
めに,一次加硫に続いて加熱下に置くこと。 

secondary cure, 
post cure 

4116 

平たん加硫 

加硫温度で,実際の加硫期間中にモジュラスが最大値になり,
その状態を持続するタイプの加硫。 

plateau cure, 
flat cure 

4117 

マーチングモジュ

ラスキュア, 

マーチングキュア 

加硫温度で,モジュラスが急激に増加した後も,徐々に増加
を続けていくが,最大値には達しないタイプの加硫。 

marching modulus cure, 
marching cure 

4118 

前加硫 
(ゴムラテックス

の) 

原料ラテックスに加硫剤,加硫促進剤,活性化剤,安定剤な
どを添加して加熱し,分散状態のまま行う加硫。 

precure, 
prevulcanization 
(rubber latex) 

4119 

巻蒸し加硫 

ゴム引布又は薄層ゴムシートを,加硫用ドラムに巻き付けた
状態で加硫缶に収容して行う加硫。 

wrapped cure 

4120 

リバーティングキ

ュア, 

ピーキーキュア 

加硫温度でモジュラスが最大値に達し,その後,時間の経過
とともにモジュラスが減少するタイプの加硫。 

reverting cure, 
peaky cure 

4121 

連続加硫 

特別に設計された加熱装置の中を,ゴムを連続して通過させ
ながら行う加硫。 

continuous 

vulcanization 

background image

20 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4122 

硫黄加硫系 

加硫するために,硫黄単体又は硫黄供与剤を用いる加硫系。 

conventional sulfur 

vulcanizing system 

4123 

加硫系 

ゴムを加硫するために必要な薬剤の組合せ。硫黄−加硫促進
剤系,硫黄供与系(無硫黄加硫),過酸化物加硫(架橋)系,
キノイド加硫(架橋)系,樹脂加硫(架橋)系,ポリアミン
加硫(架橋)系などがある。 

vulcanizing system 

4124 

半有効加硫系 

硫黄,硫黄供与剤,及び通常の硫黄加硫系と有効加硫系との
中間配合量の,加硫促進剤からなる加硫系。主にジエン系ゴ
ムに用いる。 

semi-efficient 

vulcanizing system, 

semi-EV system 

4125 

非硫黄加硫系 

架橋するために,硫黄単体及び硫黄供与剤を必要としない加
硫系。 

non-sulfur vulcanizing 

system 

4126 

無硫黄加硫系 

硫黄単体を配合しないで,硫黄を全て,硫黄化合物から供給
する加硫系。 

sulfur donor vulcanizing 

system 

4127 

有効加硫系, 
EV加硫系 

加硫剤として硫黄を有効に利用する加硫系。主として熱的に
安定なモノスルフィド架橋を含む網目構造を生成するもの
で,低濃度の硫黄単体と高濃度の加硫促進剤との組合せから
なる。 

efficient vulcanizing 

system, 

EV vulcanizing system, 
EV system 

c) 加硫用機械関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4201 

塩浴, 
LCM 

ゴム押出しと連続した加硫工程の熱媒体として用いる,無機
塩の共融混合物。 
注記 亜硝酸ナトリウムと硝酸カリウムとの共融混合物が一

般的である。 

salt bathliquid, 
liquid curing medium 

4202 

オートクレーブ 

蒸気又は気体によって,ゴムの加硫を行う加圧容器。 

autoclave 

4203 

加硫缶 

加硫に用いる筒状の缶。ゴム成形品を入れ,蒸気又は加熱ガ
ス体でゴムを加硫するのに用いる。 

vulcanizer, 
autoclave 

4204 

加硫プレス, 
デイライトプレス,
プレス 

金型を加圧する熱板を2枚以上備えた装置。 

platen press, 
daylight press, 
press 

4205 

蒸気加硫缶 

水蒸気によって加圧して加硫する缶。 

steam pan 

4206 

デイライト 

加硫プレスの固定盤と可動盤の作用面との最大間隙。 

daylight 

4207 

熱板 

プレス中で,一つ以上の金型に,熱及び圧力を加える平らな
金属の板。 

platen 

d) 加硫物関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4301 

金型汚染 

連続的に成形を繰り返すことによって,金型各部にゴム配合
物の成分が固着若しくは堆積すること,又は金型表層部の腐
食などによって損傷すること。 

mould pollution, 
mould staining 

4302 

スコーチマーク 

スコーチから生じる表面の欠陥。 

scorch mark 

4303 

モールド汚れ 

金型表面に堆積した付着物による汚れ。 

mould fouling 

background image

21 

K 6200:2019  

3.6 

試験に関する用語(原料試験,未加硫物試験及び化学試験) 

a) 原料試験,未加硫物試験及び化学試験に関する一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5001 

アレニウスプロッ

ト 

活性化エネルギーを算出するために,縦軸に反応速度定数の
対数,横軸に絶対温度の逆数をとったプロット。このプロッ
トから得られる回帰直線の勾配から,活性化エネルギーを求
めることができる。 

Arrhenius plot 

5002 

エネルギー弾性 

物質を引き伸ばすと,元に戻ろうとする弾性。内部エネルギ
ー(原子間,分子間ポテンシャル)の増加に由来する。 

energetic elasticity 

5003 

エントロピー弾性 

温度を一定にして体積を変化させたときのエントロピー変化
によって生じる弾性。 
注記 変形されてエントロピーが小さくなった系が,元の状

態に戻ろうとすることに由来する。ゴム配合物では,
エントロピー由来の力がエネルギー由来の力に比べ,
圧倒的に大きい。 

entropic elasticity 

5004 

オクルードラバー 

充塡剤表面の凹凸の中,充塡剤間,充塡剤ネットワークの間
隙などに取り込まれたゴム。変形しにくいので,充塡剤のよ
うに振る舞う。 

occluded rubber 

5005 

カーボンゲル 

ゴムとカーボンブラックとの混合又は混練り時に,ゴム分子
鎖とカーボンブラックとの化学結合又は物理吸着によって生
成される複合体。生成物は,有機溶剤に不溶となり,生成量
はゴムの分子量,カーボンブラックの非表面積及び混合,混
練り条件に依存する。 

carbon gel 

5006 

試験室間試験プロ

グラム, 

ITP 

同一試料,同一条件,同一試験室で,短時間内に繰り返し行
った試験のばらつき(試験室内繰返し精度),及び複数の試験
室で行った試験のばらつき(試験室間再現精度)を求め,試
験法又は試験装置の信頼性を検証する方法。 

interlaboratory test 

programme 

b) 試料,試料調製関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5101 

試料 

母集団の情報を得るために,母集団から取られた一つ以上の
サンプリングの単位。単に試験に供する試験片のことを指す
場合もある。 

sample, 
test sample 

5102 

試験片 

試験のために適切な形状及び寸法に調製した材料片。 

test piece, 
test specimen 

5103 

状態調節 

試験結果の再現性を図るために,試料又は材料を規定の温度,
湿度などに規定時間静置する操作。 

conditioning, 
environmental 

conditioning 

5104 

機械的状態調節 

試験に先立って試験片に所定の変形を与える操作。 

mechanical conditioning 

5105 

質量部, 
pphr, 
phr 

ゴム質量100に対する各種配合剤の質量比率。単に“部”と
表現することもある。 

parts per hundred rubber 

5106 

純ゴム配合物 

加硫に必要な量の配合剤,少量の加工助剤,着色剤及び安定
剤を含み,カーボンブラックなどの補強材を用いない配合物。 

gum stock, 
gum compound 

5107 

配合表 

ゴム組成物を構成する配合材の比率を示した表。一般的には,
ゴムを100とした比率で表す。 

formulation, 
recipe 

5108 

標準配合物 

標準配合剤を用いて,規定された配合表によって配合し,標
準混練り操作によって作られた配合物。 

standard compound 

5109 

列理 

材料の異方性に起因して生じる,ゴム及び/又は充塡剤粒子
の一方向への配向。 

grain 

background image

22 

K 6200:2019  

c) 原料ゴム関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5201 

ガラス転移 

ポリマーの非晶部が,ガラス状とゴム状との間で可逆的に相
転移すること。 
注記 この変化が起こる温度範囲の中点を,ガラス転移点又

はガラス転移温度(Tg)という。 

glass transition 

5202 

コールドフロー 

室温以下の温度において,重力の作用で起こる低速度の変形。 cold flow 

5203 

ポリマーゲル 

原料ゴムにおいて,ゴム分子が網目状化して溶剤に溶けずに
残るゴム部分。 

polymer gel 

d) 未加硫ゴム関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5301 

ガーベイダイ押出

試験 

決められた形状の口金(ガーベイダイ)を用いて配合ゴムの
押出加工性を評価する試験。試験によって得られた押出指数
(表面,縁,角,多孔性などから総合的に判断された指数)
を標準配合のそれと比較し,押出加工性を評価する。 

Garvey die extrusion 

test 

5302 

加工性 

原料ゴム又は配合ゴムの,ゴム用加工機械の加工のしやすさ。 processability 

5303 

可塑性 

原料ゴム又は未加硫ゴム混合物において,変形させた力を除
去した後も,その変形を保つ性質。 
注記 “高可塑性”は変形したままであることを示す。 

plasticity 

5304 

可塑度 

規定の圧縮力,時間及び温度の条件下で,変形させた後の試
験片の厚さに基づく可塑性の尺度。 

plasticity number 

5305 

加硫試験 

未加硫ゴムに温度,振幅のひずみ,応力などを加え,得られ
る動的な応力応答(トルク)又はひずみ応答の時間依存性か
ら,加硫度,加硫温度,最適加硫条件などを評価する試験。 

cure test 

5306 

グリーン強度 

原料ゴム又は未加硫ゴム配合物の引張ひずみ又は破断に対す
る応力のこと。加硫前の加工作業性に大きく影響する。 

green strength 

5307 

ゲルゴム 

特定の溶剤に不溶なゴム部分。 

gel rubber 

5308 

ゾルゴム 

特定の溶剤に可溶なゴム部分。 

sol rubber 

5309 

腰の強さ 

生ゴム又は未加硫ゴムの加工性を表す慣用語の一つで,硬さ,
強さ,弾性などの要素が複合されたもの。 

nerve 

5310 

ムーニー粘度 

ムーニー粘度計によって求める,原料ゴム又はゴム配合物の
粘度。 

Mooney viscosity 

5311 

スコーチタイム, 
ムーニースコーチ 

早期加硫を判断する指標となる時間。通常,最低ムーニー値
から,粘度が規定の値増加するまでの時間を用いる。 

scorch time, 
Mooney scorch 

5312 

粘着性試験 

試料の粘着の強さを測定する試験。未加硫ゴム同士,又は未
加硫ゴムと相手材との圧着後の剝離に要する力を測定する。 

tackiness test 

5313 

バウンドラバー 

溶剤で抽出できないほど,充塡剤と強く結合しているゴム。 

bound rubber 

e) 化学試験関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5401 

塩酸不溶分 

加硫ゴムの灰分を塩酸で処理した後に,不溶分をろ過又は燃
焼して得た残さ。 

hydrochloric 

acid-insoluble 

5402 

灰分 

試料を,規定条件下で灰化したときの残さ。 

ash 

5403 

か性カリ数 
(ゴムラテックス

の) 

固形分100 gを含むラテックスに対して中和点に達するまで
に添加した水酸化カリウムのグラム数。 
注記 数値の高いラテックスは,非ゴム分の分解が進行して

有機酸が増大し,不安定なコロイドとなる。 

caustic potassium 

number, 

KOH number 
(rubber latex) 

background image

23 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5404 

加熱減量 

原料ゴム,ゴム用配合剤,ゴム配合物などを,所定の温度で
恒量になるまで加熱したときの損失分の質量分率。 

heating loss 

5405 

揮発性脂肪酸数, 
VFA数 
(ゴムラテックス

の) 

全固形分100 g当たりの,揮発性脂肪酸と当量の水酸化カリ
ウムのグラム数。 

volatile fatty acid 

number, 

VFA number 
(rubber latex) 

5406 

揮発分 

試料を規定条件下で加熱したときに気化した成分。 

volatile matter 

5407 

強熱減量 

試料を1 000 ℃〜1 200 ℃に強熱したときの減少量。質量分
率で表す。 

ignition loss 

5408 

結合硫黄 

所定の方法で抽出後も加硫物中に残存する硫黄。 
注記 この硫黄は,有機成分(例えば,加硫ゴム又はサブ中

の有機硫黄)及び/又は無機成分(例えば,硫酸バリ
ウムのような無機硫黄)に結合している。 

combined sulfur 

5409 

ケルダール法 

有機化合物中の窒素定量方法の一種。試料を濃硫酸で分解し,
発生するアンモニアを定量する。天然ゴムの窒素含有量,NBR
の結合アクリロニトリル量などの定量に用いられる。 

Kjeldahl method 

5410 

ゴム炭化水素 
(加硫ゴムの) 

加硫ゴム中のゴム成分。加硫ゴムから溶剤抽出分,カーボン
ブラック,硫黄及び無機材料を除いた残分を示す。 

rubber hydrocarbon 
(vulcanized rubber) 

5411 

全硫黄 

硫黄の由来又は化学形態は問わず,試料に含まれている全て
の硫黄。一般的には,その量を表す。 
注記 通常は加硫ゴムを対象とするが,各配合剤を含むこと

もある。 

total sulfur 

5412 

窒素吸着比表面積 

圧力と窒素吸着量との関係から,BET式を用いて求めた比表
面積。単点法及び多点法がある。 

specific surface area by 

nitrogen adsorption 

5413 

抽出性硫黄 

規定の条件下で,規定の溶剤を用いて抽出できる,ゴム配合
物中又は加硫物中の硫黄。 

extractable sulfur 

5414 

ふるい残分 

粉体を標準ふるいにかけたときの残さ。 

sieve residue 

5415 

遊離硫黄 

ゴム配合物中又は加硫物中の未結合硫黄。 

free sulfur 

5416 

溶剤抽出 

溶剤を用いて原料ゴム又は加硫ゴム中の溶剤可溶成分を分離
する操作。 

solvent extraction 

5417 

よう素価 

試料100グラムに付加するよう素のグラム数で,油脂,ゴム
などの不飽和度,及びEPDM,水素化NBR,樹脂などの二重
結合量を表す値。 

iodine value 

3.7 

試験に関する用語(加硫物試験及び物理試験) 

a) 加硫物試験及び物理試験に関する一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6001 

網目 

ゴム分子鎖の絡み合いを伴う,ゴム分子鎖間の結合又はゴム
分子鎖内の結合によって形成される三次元網目構造。 

network 

6002 

損失角 

正弦波振動応力と振動ひずみとの位相差δ(0°≦δ≦90°) 

loss angle 

6003 

損失正接, 
タンデルタ, 
tan δ 

正弦波振動応力と振動ひずみとの位相差δ(損失角)の正接
(tan δ)。損失弾性係数と貯蔵弾性係数との比に等しい。 

tangent of loss angle, 
tan delta 

6004 

ダイラタンシー 

小さいせん断速度には液体のように振る舞うのに,大きいせ
ん断速度には固体のように振る舞う性質。液体と固体粒子と
の混合物で観測される。 

dilatancy 

6005 

弾性 

変形を与えた力を除去したときに,元の形状及び寸法に,瞬
時に回復しようとする性質。 

elasticity 

background image

24 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6006 

弾性係数, 
弾性率 

応力とひずみとの間の比例関係を表すのに用いられる定数又
はその総称。 

elastic modulus 

6007 

チキソトロピー 

温度を変えることなく,単に機械的な振動,揺動,静置によ
って可逆的に繰り返されるゾル−ゲル転移の現象。速いせん
断変形を加えると粘度が低下するが,せん断変形を停止する
と粘度が増大する。 

thixotropy 

6008 

粘性 

変形を与えた力を除去したときに,元の形状及び寸法に回復
するまでに,時間の遅れを要する性質。 
注記 流体では,変形に対してせん断応力が発生する性質を

粘性という。 

viscosity 

6009 

粘弾性 

材料が変形したときの粘性と弾性との組合せ。 
注記 それぞれが,時間,温度,応力及びひずみ速度の影響

を受ける。 

viscoelasticity 

6010 

破損包絡線, 
破壊包絡線, 
破断包絡線 

温度及び変形速度を変えて引張試験を行ったとき,破断時の
応力を伸びに対してプロットして得られるマスター曲線。破
壊に対し,温度と変形速度の効果とが等価であることを示す。 

failure envelope 

6011 

反発弾性率 

振り子を所定の衝突質量及び衝突速度で,試験片に衝突させ
たときの,与えたエネルギーに対する戻りのエネルギーの比。 
注記 反発弾性率は,パーセントで表す。 

rebound resilience 

6012 

フォークト模型 

1個のばね(弾性率G)と1個のダッシュポット(粘性率η)
とを並列に結合した力学的模型。 

Voigt model 

6013 

マックスウェル模

型 

1個のばね(弾性率G)と1個のダッシュポット(粘性率η)
とを直列に結合した力学的模型。 

Maxwell model 

6014 

ムーニー−リブリ

ンプロット 

横軸に伸長比λの逆数,縦軸に応力σとしてσ/(λ−λ−2)をとり,
一軸伸長試験の結果をプロットしたグラフ。このプロットか
ら架橋密度などが求められる。 

Mooney-Rivlin plot 

b) 静的試験関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6101 

永久ひずみ 

ゴムに変形を与えた後,負荷を取り去り放置しても,完全に
は元に戻らない永久に残るひずみ。 
注記1 慣行として,除荷して所定時間経過した後の残留ひ

ずみのことをいう。 

注記2 残存変位と元の長さとの比を百分率で表す。 

permanent set 

6102 

圧縮永久ひずみ 

圧縮変形を起こす力を完全に除去した後も残存する変形。 
注記1 固形ゴムでは,圧縮永久ひずみは,規定の条件下で

測定し,一般に元のたわみ又は変形に対する百分率
で表す。 

注記2 スポンジ材料では,圧縮永久ひずみは,規定の条件

下で測定し,一般に元の厚さに対する百分率で表す。 

compression set 

6103 

セット 

変形を生じさせる力を,完全に取り除いた後の残留ひずみ。 

set 

6104 

切断後のセット 

引っ張って切断させた後の残留ひずみ。 

set after break 

6105 

圧縮試験 

加硫ゴムの試験片を圧縮し,その圧縮力とひずみとの関係を
測定する試験。試験は,所定のひずみに対する圧縮力を測定
する場合と,所定の圧縮力に対するひずみを測定する場合と
がある。 

compression test 

6106 

応力 

試験片が受ける力を,作用する断面積で除した値。 

stress 

6107 

応力緩和 

所定のひずみの下での経時的な応力の減少。 

stress relaxation 

background image

25 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6108 

応力緩和試験 

試験片に引張ひずみ又は圧縮ひずみを与えて保持し,時間と
ともに減少する引張応力又は圧縮応力を測定する試験。引張
応力緩和と圧縮応力緩和とがある。 

stress relaxation test 

6109 

硬さ 

ゴムに所定の力を加えたときの抵抗。デュロメーター硬さ,
国際ゴム硬さなどがある。 

hardness 

6110 

国際ゴム硬さ, 
IRHD 

規定の力で押針を試験片に押し込み,その侵入深さをIRHD
単位で表すゴムの硬さ。 
注記 IRHDのスケールでは,押針を押し込んだときに,測定

可能な抵抗を示さない材料を0とし,全くへこみのな
い材料を100とする。 

international rubber 

hardness degrees 

6111 

デュロメーター硬

さ 

押針を試験片に押し込んだときの押込み深さから求めるゴム
の硬さ。 

durometer hardness 

6112 

マイクロハードネ

ス 

通常の装置では小さすぎる試験片又は薄いシート類での測定
が可能な,通常よりは小さい押針をもち,小さい押込み力を
適用する測定器具で測定した硬さ。 
注記 マイクロハードネスは,装置及び操作法を示したもの

であって,ゴムの性質を示すものではない。 

micro hardness 

6113 

ガフ・ジュール効

果 

ひずみを与えた状態で,温度を上げると加硫ゴムが収縮し,
下げると元に戻る現象。 
注記 ひずみを与えた状態で温度を上げていくと弾性応力は

温度上昇とともに増大する。同様に,所定の伸びを与
えて温度を上げると,ひずみが増加する。 

Gough-Joule effect 

6114 

グラブ法引張試験 

引布試験片幅の一部を,規定のジグでつかむ引張試験。 

grab test 

6115 

クリープ 

所定の応力の下での,経時的なひずみの増大。 

creep 

6116 

抗張積 

切断時伸びと引張強さとの積。 
注記 試験片が切断するまでに要する仕事量にほぼ比例す

る。 

tensile product 

6117 

ぜい化温度 

規定の条件下で試験片に衝撃曲げを与えたときに,用いた試
験片の50 %が破壊する温度。 
注記 試験片に破壊が生じない最も低い温度を意味すること

もある。 

brittleness temperature 

6118 

静的ばね定数 

静的状態で力(荷重)をたわみで除した値。 

static spring constant 

6119 

静摩擦力 

静止している物体に接触面と平行な力を加えていったとき,
物体を運動させないように発生する,同じ大きさで向きが反
対の力。 

static friction 

6120 

静摩擦係数 

静摩擦力を垂直抗力で除した値。 
注記 滑り出したときの摩擦係数を最大静摩擦係数という。 

static coefficient of 

friction 

6121 

動摩擦力 

ある面に接していて,運動している物体に働く摩擦力。 

dynamic friction 

6122 

動摩擦係数 

動摩擦力を垂直抗力で除した値。 

dynamic coefficient of 

friction 

6123 

切断時伸び, 
破断時伸び 

切断時の試験片の伸び。 

elongation at break, 
ultimate elongation 

6124 

接着 

二つの材料表面が,互いに化学的及び/又は物理的な力で接
合している状態。 

adhesion 

6125 

接着強さ 

製品又は試験片の,接着部分の界面を剝離させる力。 

adhesion strength 

6126 

ネッキング 

材料を延伸したときの,結晶部の構造変化による,不可逆的
な断面積の減少。 

necking 

6127 

伸び 

ゴム材料の,初期長に対する伸びの割合。百分率で表す。 
注記 変形前の長さ(L0),変形後の長さを(L)とすると,

伸びは[(L−L0)/L0×100]となる。 

percent elongation 

background image

26 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6128 

伸長比 

ゴム材料の,初期長に対して何倍伸びたかを表した値。 
注記 変形前の長さ(L0),変形後の長さを(L)とすると,

伸長比はL/L0となる。 

stretch ratio 

6129 

ひずみ 

力による物体の元の寸法からの変化。 

strain 

6130 

引裂き 

切りきず又は鋭角的若しくは局部的な変形の箇所で,高応力
の集中によって生じた,ゴムの機械的な破壊。 

tear 

6131 

引裂エネルギー 

新たな破壊面,クラック面などを生成させるのに必要な,単
位面積当たりのエネルギー。 
注記 温度及び引裂速度に依存するが,ガラス転移温度を基

準に換算することで,ゴム種に関係なく一定になる。 

Tear energy 

6132 

引裂強さ 

規定の試験片を引き裂くのに要する最大の力。 
注記 この力は,試験片の主軸に平行に作用する。 

tear strength 

6133 

引張永久ひずみ 

試験片を伸長した力を除去した後も,残留する伸び。 

tension set 

6134 

引張応力 

試験片を引っ張るために加える力を試験片の初期断面積で除
した値。 

tensile stress 

6135 

引張強さ 

試験片を引っ張って切断させるのに要した引張応力。 

tensile strength 

6136 

引張モジュラス 

試験片を,所定の伸びになるまで引っ張ったときの応力。 
注記 例えば,300 %伸ばしたときの応力を300 %モジュラス

という。 

tensile stress at a given 

elongation, 

tensile modulus 

6137 

標線 

ひずみ測定のために,試験片に付けられる規定の間隔の印(マ
ーク)。 

bench marks, 
reference marks 

6138 

標線間距離 

規定の標線間の距離。 

gauge length 

6139 

体積抵抗 

試験片を挟んで設定した,一対の電極間の直流電圧を,電極
に挟まれた試験片の内部を流れる電流で除した抵抗値。 
注記 一般にゴムは電気絶縁性であるが,金属粒子カーボン

微粉末を加えることで導電性を付与することができ
る。 

volume resistance 

6140 

表面抵抗 

試験片の同一表面に設置した,一対の電極間の直流電圧を,
表面を流れる電流で除した抵抗値。 
注記 金属などの導体では表面電流は無視できるが,高分子

などの誘電体では内部を流れる電流よりも表面電流の
ほうが大きくなることもある。 

surface resistance 

6141 

マリンス効果 

変形及び回復によって生じる,加硫ゴムの弾性モジュラスの
減少。 

Mullins effect 

6142 

S-S曲線 

試験片を,所定の速度で引っ張ったときの,ひずみと応力と
の関係をプロットした曲線。 

stress strain curve 

c) 動的試験関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6201 

減衰係数 

加えた力のうち,変形と直交する(90度位相がずれた)力の
成分を,変形速度で除した値。 

damping constant 

6202 

時間−温度換算則 

粘弾性挙動において,温度の変化を観測時間の変化又は周波
数の変化に換算することができるという半経験則。 
注記 温度を高くすることが周波数を低く(時間を長く)す

ることと対応し,温度を低くすることが周波数を高く
(時間を短く)することに対応することが知られてい
る。 

time-temperature 

superposition 
principle 

background image

27 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6203 

マスターカーブ 

異なる温度で測定された粘弾性値の時間依存性曲線(又は周
波数依存曲線)を,対数時間軸(又は対数周波数軸)に沿っ
て平行移動させて得られる合成曲線。 
注記 このときの移動量をシフトファクターという。 

master curve 

6204 

シフトファクター 

異なる温度で測定された粘弾性値の時間依存性曲線(又は周
波数依存曲線)を,時間−温度換算則に従い,対数時間軸(又
は対数周波数軸)に沿って平行移動することによって合成曲
線(マスターカーブ)を作るときの移動量。 

shift factor 

6205 

ウイリアムズ・ラ

ンデル・フェリ
ー式, 

WLF式 

シフトファクターaTの温度依存性を求める,次の経験式。 

)

(

)

(

)

log(

r

2

r

1

T

T

C

T

T

C

aT

+

=

Trは基準温度,C1,C2は原料ゴムに依存した定数

である。 

注記 この式は,多くのポリマーで成り立つことが知られて

いる。 

Williams Landell Ferry 

(WLF) equation 

6206 

実効応力 

変形1サイクルにおける,応力の二乗の,時間的平均値の平
方根。 
注記 対称的な正弦応力では,この値は,応力振幅を2で除

したものと等しい。 

root-mean-square stress 

6207 

実効ひずみ 

変形1サイクルにおける,ひずみの二乗の,時間的平均値の
平方根。 
注記 対称的な正弦ひずみでは,この値は,ひずみ幅を2で

除したものと等しい。 

root-mean-square strain 

6208 

振動伝達率 

弾性支持系において,振動源の加振力及び変位がその支持系
を通して他に伝わる割合を表す量。 

vibration 

transmissibility 

6209 

損失せん断弾性係

数, 

損失せん断弾性率 

せん断応力を,90度位相がずれたせん断ひずみで除した値。 loss shear modulus 

6210 

損失たて弾性係数,
損失たて弾性率 

法線応力を,90度位相がずれた法線ひずみで除した値。 

loss Young's modulus 

6211 

耐屈曲亀裂性 

ゴムに屈曲を繰り返し与えることによる,化学的・物理的作
用での表面の亀裂の発生・成長への抵抗性。 

flex crack resistance 

6212 

耐衝撃性 

衝撃力による破壊に対する抵抗。 

impact resistance 

6213 

対数減衰率 

減衰振動において,同位相の連続する振幅の比の自然対数。 

logarithmic decrement 

6214 

貯蔵せん断弾性係

数, 

貯蔵せん断弾性率 

せん断ひずみと同位相の,せん断応力成分を,ひずみで除し
た値。 

elastic shear modulus, 
storage shear modulus 

6215 

貯蔵たて弾性係数,
貯蔵たて弾性率 

法線ひずみと同位相の,法線応力成分を,ひずみで除した値。 elastic Young's modulus,

storage Young's modulus 

6216 

動的ばね定数 

動的状態でたわみと同位相の力(荷重)を,たわみで除した
値。 
注記 単にばね定数ということもある。 

dynamic spring constant,
spring constant 

6217 

動倍率 
(防振ゴムの) 

動的ばね定数と静的ばね定数との比。 

dynamic-to-static 

modulus ratio 

(rubber vibration 

isolator) 

6218 

発熱 

温度上昇を伴うようなヒステリシスの結果,材料内部で生じ
る,熱エネルギーの蓄積。 

heat build-up 

6219 

ヒステリシス 

変形から回復までの1サイクルにおいて,エネルギー損失を
もたらす現象。 

hysteresis 

background image

28 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6220 

ヒステリシスロス 

変形から回復までの1サイクルにおける,機械的エネルギー
の損失。 
注記 通常は,温度上昇として現れる。 

hysteresis loss 

6221 

ひずみ振幅 

ひずみが振動的に変化するときの振幅。 

strain amplitude 

6222 

機械的疲労限界 

繰返し変形において,化学的作用のない状態で疲労寿命の著
しい減少を生じない程度に,試験片又は製品に加えられる最
大の繰返しひずみ。 

mechanical fatigue limit 

6223 

屈曲試験 

試験片に所定の曲げ応力又は,曲げひずみを繰り返し与える
動的疲労試験。 
注記 試験機として,デマチャ屈曲試験機,スコット屈曲試

験機,ロス屈曲試験機などがある。 

flexing test 

6224 

屈曲寿命 

所定の方法で屈曲される試験片が,規定の疲労状態となる屈
曲回数。 

flex life 

6225 

引張疲労 

引張応力を,試験片又は製品に繰り返し与えたとき,亀裂の
成長によって破壊が生じる過程。 

tension fatigue 

6226 

引張疲労試験 

試験片に,規定の周波数で引張変形を繰り返し与え,疲労寿
命,残留ひずみ,最大ひずみ,最大応力,見掛けの最大ひず
みエネルギー密度などを求める試験。 

tension fatigue test 

6227 

疲労寿命 
(動的における) 

試験片又は製品を,規定条件下で変形させたとき,規定の疲
労破壊状態になる変形回数。 

fatigue life 
(dynamic) 

6228 

疲労破壊 

周期的変形による,試験片又は製品の劣化。 
注記 劣化速度は,ひずみ,温度,酸素,オゾン,反応性液

体などに影響される。 

fatigue breakdown 

6229 

複素せん断弾性係

数, 

複素せん断弾性率 

せん断応力のせん断ひずみに対する比。 
注記 複素数で表す。 

complex shear modulus 

6230 

複素たて弾性係数,
複素たて弾性率 

法線応力の法線ひずみに対する比。 
注記 複素数で表す。 

complex Young's 

modulus 

6231 

フレクソメーター

試験 

試験片に曲げ,圧縮,伸長及び/又はせん断によって,周期
的な変形を与える試験。 
注記1 材料試験では,温度上昇及び/又は発熱の影響を測

定する試験にだけ適用する。 

注記2 引布では,屈曲疲労試験をフレクソメーター試験と

いう。 

flexometer test 

6232 

ペイン効果 

補強性充塡剤を配合したゴムで,ひずみが大きくなるに伴い,
動的弾性率が低下する現象。 
注記 ひずみが大きくなるに伴い補強性充塡剤間で形成して

いる網目状の内部構造が破壊し,動的弾性率が低下す
る。 

Payne effect 

6233 

アブレージョンパ

ターン 

ゴムが摩擦によって摩耗するとき,摩擦面に形成される摩耗
痕。 
注記 摩擦方向に対し,垂直方向に模様が形成されることが

多い。 

abrasion pattern 

6234 

摩耗 

表面を接触させながら運動する二つの物質の一方又は双方に
おいて,摩擦によって接触表面が擦り減る現象。 

abrasion 

6235 

摩耗抵抗 

ゴム表面での機械的作用による摩耗に対する抵抗性。 
注記 摩耗抵抗は,摩耗抵抗指数として表す。 

abrasion resistance 

6236 

摩耗抵抗指数 

同じ規定条件下で測定した,試料ゴムの体積損失に対する標
準ゴムの体積損失の比。 
注記 百分率で表す。 

abrasion resistance 

index 

background image

29 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6237 

摩耗量 

摩耗前の質量に対する摩耗減量の百分率,又は与えられた単
位仕事量当たりの摩耗容量。 

abrasion loss 

6238 

もみ試験 

引布試験片を二つのつかみ具に固定し,規定の押圧力で往復
摩擦した後の状態を評価する試験。 

crease-flex test 

6239 

レジリエンス 

試験片を変形させる入力エネルギーに対する,瞬間的に回復
したときの出力エネルギーの比。 

resilience 

d) 老化,劣化関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6301 

老化 

ある時間,ある環境下に材料をさらす操作,又はその結果生
じる材料特性の不可逆的な変化。 

ageing 

6302 

空気加熱老化, 
熱酸化老化 

空気中で,加熱することによって生じる諸特性の変化。 
注記 通常,空気中での熱劣化は酸化を伴い,架橋の増加(硬

化劣化)及び/又は分子鎖切断(軟化劣化)を起こす。 

air oven ageing, 
thermal oxidative 

degradation 

6303 

自然老化 

自然条件下での老化。 
注記 自然老化は屋外及び屋内で起こるが,ウェザリングと

いう用語は屋外暴露だけに用いられる。 

natural ageing 

6304 

促進老化 

短時間で,自然老化の影響を反映するように意図した,試験
環境での老化。 
注記 劣化速度は,通常は温度の上昇によって速くなる。酸

素又は空気圧の上昇,湿度の上昇など,他の条件の変
化が組み合わされることもある。 

accelerated ageing 

6305 

棚老化 

製造から最終使用までの,貯蔵期間中の老化。 

shelf ageing 

6306 

熱劣化 

外部から与えられた熱,又は内部に発生した熱による温度上
昇で起こる劣化。 

thermal degradation 

6307 

耐候性 

自然環境のうち,主として日光,雨雪,温度及び湿度による
色,外観,物理特性などの変化に対する抵抗性。 
注記 日光,温度及び湿度に対する抵抗性を耐光性,オゾン

に対する抵抗性を耐オゾン性ともいう。 

weather resistance 

6308 

耐熱老化性 

規定温度に所定時間保持して加熱したゴム材料の物理的,化
学的,外観上などの変化を,加熱前後で比較し,変化量の大
小及びその傾向等から評価する熱老化に対する抵抗性。 

heat ageing resistance 

6309 

ウェザリング 

屋外暴露において,日光,オゾン,酸素,湿度,温度のよう
な,物質に有害な要因の組合せ。 

weathering 

6310 

屋外暴露試験 

試料を屋外に直接さらして日光,雨,温湿度,ガスなどの自
然条件の下で老(劣)化を行わせる試験。 

outdoor exposure test 

6311 

オゾン劣化試験 

人工的に発生させた低濃度のオゾンを含む空気中に,試験片
を暴露したときの,亀裂の状態又は亀裂発生までの時間を評
価する試験。 

ozone cracking test 

6312 

空気加熱老化試験 

加熱空気によって常圧下で老化させ,老化前後の物性値を比
較して熱老化特性を評価する試験。実際の使用温度より高い
温度で行う促進老化試験と,使用温度で実施する熱抵抗性試
験とに分類される。 

air oven ageing test 

6313 

耐候性試験 

屋外暴露,又は太陽光,温度,湿度,降雨などの自然条件を
人工的に再現して,材料の劣化を測定する試験。 

weathering test 

6314 

オゾン亀裂 

オゾンの作用によって,引張ひずみの直角方向に生じるゴム
表面の亀裂。 
注記 通常,主鎖に不飽和結合をもつゴムに起こる。 

ozone cracking 

background image

30 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6315 

クレージング 

光劣化によって,ゴムの表面に現れるランダムパターンの浅
い亀裂の形成。 
注記 オゾン亀裂とは異なり,クレージングはゴムに作用す

る引張ひずみに依存しない。 

crazing 

6316 

促進暴露 

屋外暴露の影響を促進した,実験的条件で行う,試料の暴露。 artificial weathering 

6317 

耐光暴露色堅ろう

度, 

耐光堅ろう度 

光暴露によって生じる色変化の抵抗性。 
注記 色堅ろう度は,一般的に視感による評価(基準色又は

標準色を使用)又は計器による評価によって判定する。 

colour-fastness on 

exposure to light, 

light fastness 

6318 

貯蔵硬化 

貯蔵中の原料ゴム又は未加硫ゴムの粘度の増加。 
注記 貯蔵硬化は,低温結晶化とは異なり,熱的に可逆性で

はない。 

storage hardening 

6319 

貯蔵寿命 

材料又は製品が,製造後に,規定の条件下で,規定の性質を
維持する期間。 

storage life, 
shelf life 

6320 

チョーキング 

劣化によって,ゴム表面に粉状残さが生成されること。 

chalking 

6321 

日光亀裂, 
日光チェッキング 

日光暴露によって生じるゴム表面のひび割れ,クレージング
又は亀裂。 

sunlight cracking, 
sunlight checking 

6322 

フロスティング 

空気中でオゾンの作用によって,ゴム表面に艶のないブルー
ム状の物質が生成する現象。 

frosting 

6323 

ポットライフ 

反応性液状熱硬化性組成物の,使用可能な期間。 

pot life 

6324 

限界ひずみ 
(静的オゾン試験

の) 

規定の暴露条件(温度,オゾン濃度など)では,亀裂が生じ
ないと推定される最大の引張ひずみ 

limiting threshold strain 
(static ozone testing) 

6325 

臨界ひずみ 
(静的オゾン試験

の) 

規定の温度及びオゾン濃度雰囲気において,規定の暴露時間
内に,オゾン亀裂を生じない最大の引張ひずみ。 

threshold strain 
(static ozone testing) 

e) 現象に関するもの 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6401 

移行 

配合ゴムに溶解している配合剤が,高濃度の方から低濃度の
方へ移動すること,又は配合ゴムに溶解している配合剤が,
それと接触している他の配合ゴムへ移動すること。 

migration 

6402 

移行汚染 

ゴムと接触した被汚染材の周囲及び周辺に発生する汚染。 

migration stain 

6403 

汚染 

熱,圧力又は日光の環境下で,配合剤による加硫ゴム又は他
の接触するものに生じる汚れ。 
注記 汚染の分類としては,移行汚染,浸透汚染,接触汚染

及び溶出汚染がある。 

stain 

6404 

汚染試験 

ゴムが他の材料に接触したときに,その面又は周辺に生じる
接触汚染及び移行汚染,ゴムからの溶出成分を含んだ水と接
触して発生する溶出汚染,ゴムの表面を被覆している物質を
通り抜けて発生する浸透汚染などを評価する試験。 

staining test 

6405 

浸透汚染 

加硫ゴムを被覆している被汚染材を通り抜けて発生する汚
染。 

penetration stain 

6406 

接触汚染 

ゴムに直接接触した被汚染材の表面部分に生じる汚れ。 

contact stain 

6407 

溶出汚染 

ゴムからの液状溶出成分に接して,被汚染材表面に生じる汚
れ。 

extraction stain 

background image

31 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6408 

色うつり 
(糸及びフォーム

裏打ち織物の) 

糸又は織物による,意図しない色の移行。 
注記 例としては,染料若しくは着色剤を含む水,又は類似

液体に浸せきしたときの色の移行,染色した他の材料
と直接接触し,ブリード又は昇華によって起こる色の
移行などがある。 

colour staining 
(of thread and form) 

6409 

ウィッキング 

圧力差又は毛細管現象によって,繊維単体,又は引布の繊維
部分に沿って生じる,気体又は液体の移動。 

wicking 

6410 

気体透過性 

気体が,ゴムなどの高分子材料を通過する性質。透過係数は,
気体のゴム中への溶解度と拡散速度との積で求められる。測
定方法として差圧法,等圧法,容積法などがある。 

gas permeability 

6411 

吸水試験 

ゴム試験片及び製品の吸水による性質の変化を調べる試験。
質量増加を測定する方法と電気的性質の変化を測定する方法
とがある。 

water absorption test 

6412 

水蒸気透過速度 

所定の蒸気圧力差で,所定の時間に,試験片の単位面積当た
りに,一方の面から他方の面に透過する水蒸気の速度。 

water vapour 

transmission rate 

6413 

粘着性 
(未加硫ゴムの) 

未加硫ゴム又は配合ゴムの接触する表面同士が,互いに密着
しようとする性質。 

tack 
(unvulcanized rubber) 

6414 

プラッキング 

接着された2層を剝離する場合,むしり取られたゴムが界面
にところどころ残る現象。 

plucking 

6415 

ブリード 

ゴム表面へ液体の配合剤又は液状物質が染み出る現象,及び
染み出たもの。 

bleeding 

6416 

ブルーム, 
ブルーミング 

ゴム配合物の表面に配合剤が移行し,被覆,結晶化(花模様)
などが現れる現象,及び移行した物質。 

bloom, 
blooming 

6417 

膨潤 

試験片を液体に浸したり,蒸気にさらしたりしたときに生じ
る,試験片の体積の増加。 

swelling 

f) 

試験機関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6501 

打抜き機 

ゴム試料及び製品を打ち抜いて,試験片を作製する装置。 

punching machine 

6502 

可塑度計 

材料の可塑性を測定する装置。 
注記 プラストメータと呼ばれる市販装置は,所定の力で製

品に生じた変位を測定するものである。 

plastimeter, 
plastometer 

6503 

キャピラリーレオ

メーター 

様々なL/D比(管長/管径比)の細管を用い,流体の流量速
度と円管内の両端での圧力差とを測定することによって,試
料の粘度を測定する装置。 

capillary rheometer 

6504 

ディスク加硫試験

機 

試料が充塡されているダイ中空部の中に,ねじり振動を行う
両円すいディスクをもつ加硫試験機。 

oscillating-disc 

curemeter 

6505 

デュロメーター 

押針によって,ゴムの硬さを測定する器具。 

durometer 

6506 

伸び計 

引張試験において,伸びを測定する器具又は装置。 

extensometer 

6507 

反発弾性試験機 

ゴムの反発弾性率を測定する装置。振り子を衝突させる方式
によって,リュプケ式,トリプソ式,ショブ式などの試験機
がある。 

resilience tester 

6508 

疲労試験機 

試験片に繰返し応力又は繰返し変位を与えて疲労させる振動
試験機。引張型,圧縮型,屈曲型,回転型などがある。 

fatigue tester 

6509 

摩耗試験 

種々の条件で摩耗量を測定する試験,又は耐摩耗性を評価す
る試験。試験の方法によって,アクロン摩耗試験,ウィリア
ムス摩耗試験,テーバー摩耗試験,ピコ摩耗試験,DIN摩耗
試験,改良ランボーン摩耗試験などがある。 

abrasion test 

background image

32 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6510 

ロータレス加硫試

験機, 

ダイ加硫試験機 

ダイ中空部の中に充塡した試料に,応力又はひずみを与える
ために,一方のダイが他方に対してねじり又は線上の振動を
行う,二つのダイをもつ振動式加硫試験機。 

rotorless curemeter, 
moving die curemeter 

6511 

B型粘度計 

液状試料中で規定のローターを規定の速さで回転させ,得ら
れたトルクから粘度を求める回転式粘度計。ラテックス,ゴ
ム溶液の粘度測定に用いられる。 

Brookfield type 

viscometer 

3.8 

製品及び半製品に関する用語 

a) 半製品関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7001 

エボナイト 

原料ゴムに多量の硫黄を加え,加硫して得られる硬いゴム。 

ebonite 

7002 

押出物 

押出加工製品。 

extrudate 

7003 

加硫物, 
加硫ゴム 

配合ゴムを加硫して得られるもの。 

vulcanizate, 
vulcanized rubber 

7004 

成形品 
(製品の) 

型によって作られた製品。 

moulding 
(product) 

7005 

配合物 

単一又は複数のゴムと,最終製品として必要な全ての配合剤
とをよく混ぜた混合物。 

compound 

7006 

ブリスター 

表面に袋状又はへこみ状として現れるゴム製品の欠陥。 

blister 

b) ゴム製品関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7101 

ホース 

内面層,補強層,及び一般には外面層から構成される可とう
性の菅。流体の輸送及び圧力の伝達に用いられる。 

hose 

7102 

ゴム管 

補強層のない,ゴム材料からなる可とう性の管。 

rubber tube, 
rubber tubing 

7103 

液圧用ホース 

エネルギー伝達の目的で,油圧を主とする液圧装置及び液圧
回路に用いるホース。 

hydraulic hose 

7104 

樹脂チューブ 

補強層のない,合成樹脂材料からなる可とう性の管。 

thermoplastic tube, 
plastic tubing 

7105 

樹脂ホース 

合成樹脂の内面層,糸又は同線の補強層,及び合成樹脂の外
面層から構成されるホース。 

plastics hose 

7106 

スパイラルホース 

内面層の外側に,糸又は鋼線をら旋状に巻き付けて補強層と
したホース。一般には,互いに逆方向に巻き付けられた2層
で1組としている。 

spiralled hose 

7107 

布巻きホース 

内面層の外側に,布を巻き付けて補強層としたホース。 

wrapped-ply hose, 
wrapped hose 

7108 

ブレードホース 

内面層の外側に,糸又は鋼線を編んで補強層としたホース。 

braided hose 

7109 

防振ゴム 

車両などの機械設備に取り付けて,荷重を支えると同時に振
動の伝達を防止するゴム。 

rubber vibration isolator 

7110 

液体封入式防振ゴ

ム 

ゴムの中空殻体に液体を封入し,動的特性を調整した防振ゴ
ム。 

hydraulic rubber 

vibration isolator 

7111 

エンジンマウント 

車両において,車体にエンジンの振動伝達を防止する防振ゴ
ム。 

engine mount 

7112 

ブッシュ型防振ゴ

ム 

内筒と外筒との間に,ゴムを接着又は圧入した防振ゴム。 

bush type isolator 

7113 

免震ゴム 

地盤と構造物との間に設置し,地震の揺れ及び力を低減させ
るゴム。積層ゴム支承,高減衰積層ゴム支承,鉛入り積層ゴ
ム支承などがある。 

seismic isolation rubber 

background image

33 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7114 

積層ゴム 

薄いゴム層と鋼板とを交互に積層し,加硫接着した複合構造
体で,積層された方向には高い剛性をもち,積層と直交する
方向には低い剛性をもつ弾性支承。主に免震用支承及び橋り
ょう(梁)用支承に用いられる。 

laminated rubber 

7115 

支承 

上部構造物と下部構造物との間に設け,上部構造の荷重を下
部構造へ伝える部材。構造物に所定の自由度を与え,温度変
化,重力変動,地震動などを吸収する変形機能及び回転機能
をもつ。 

bearing 

7116 

高減衰積層ゴム支

承 

内部ゴムに大きな減衰性のあるゴム素材を用いた積層ゴム。
主として,建屋の免震用支承及び橋りょう(梁)用支承とし
て使用される。 

high damping rubber 

bearing 

7117 

鉛入り積層ゴム支

承 

積層ゴムの積層方向に設けられた穴に鉛プラグを挿入して,
鉛の塑性変形による減衰機能を付与した弾性支承。主に建屋
の免震用支承及び橋りょう(梁)用支承に用いられる。 

lead rubber bearing 

7118 

被覆ゴム 

ゴムなどの部材を,酸素,オゾン,紫外線などの劣化から長
期間保護するカバーゴム。免震用の積層ゴムなどに用いる。 

cover rubber 

7119 

ゴムアスファルト 

ゴムを添加した改質アスファルト。 

asphalt rubber, 
rubber-modified asphalt 

7120 

引布 

布の片面又は両面に,単一又は複数のゴム及び/又は樹脂系
材料を接着させたシート。 

coated fabric 

7121 

メカニカルガスケ

ット 

隙間又は継ぎ目から物質が通過するのを防ぐため,固定面の
間に挟む変形可能な製品。 

mechanical gasket 

7122 

メカニカルパッキ

ング 

相互に動く表面の間で,物体の通過を防ぐか,又は通路を調
節するために用いる変形可能な製品。 

mechanical packing 

7123 

O-リング 

静的又は動的な条件下で,加工溝に適した正確な寸法の円形
断面をもち,一体で成形した環状の製品。 

O-ring 

c) 発泡製品関係 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7201 

セル 

発泡材料,多孔質体などの内部にある,一部又は全部を壁に
よって取り囲まれた,単一の小さい空隙。 

cell 

7202 

独立気泡 

全体を,それ自身の壁によって囲まれ,他の気泡とは連結し
ていない気泡。 

closed cell 

7203 

連続気泡 

全体が,それ自身の壁で完全に密閉されず,他の気泡又は外
部と相互につながっている気泡。 

open cell 

7204 

発泡材料 

全体に分散した気泡(連続及び/又は独立)を多数もつ材料。 cellular material 

7205 

コアード発泡材料 

最大表面に垂直に成形されているか,又は切り込まれている,
通常は,柱状(必ずしも柱状でなくてもよい。)の多数の孔を
もち,その孔が一部分又は全体に存在する発泡材料。 

cored cellular material 

7206 

独立気泡材料 

大部分の気泡が,内部的につながっていない発泡材料。 

closed-cell cellular 

material 

7207 

軟質発泡材料 

ゴム,ウレタンなどの柔らかい材料からなる,全体に分散し
た気泡(連続及び/又は独立)を多数もつ材料。 

cellular polymeric 

flexible materials 

7208 

発泡ウレタン 

構成する樹脂が,ポリウレタンである発泡材料。 

urethane foam 

7209 

発泡ゴム 

固形ゴム配合物から作られた独立気泡の発泡ゴム。 

expanded rubber 

7210 

スポンジゴム 

主として連続性気泡からなり,固形ゴム配合物から作られる
発泡ゴム。 

sponge rubber 

background image

34 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7211 

フォームラバー 

ほぼ連通化したセルによって構成される発泡ゴム。通常は,
液状の材料から作られる。 
注記 この用語は,固形の材料(例えば,熱可塑性ゴム)か

ら作られる発泡製品にも用いられる。 

foam rubber 

7212 

ラテックスフォー

ム 

ゴムラテックスから製造した発泡体。 

latex foam 

7213 

アプライドスキン 
(発泡材料の) 

発泡製品に貼り付けられた,ゴム状弾性体の薄い表面層。 

applied skin 
(cellular material) 

7214 

スキン 
(発泡材料の) 

発泡材料の表面で比較的密度の高い層。 

skin 
(cellular material) 

7215 

つぶれ 
(発泡材料の) 

製造過程中に起こる発泡構造の破壊に起因する,発泡材料の
意図しない高密度化。 

collapse 
(cellular material) 

7216 

発泡じま(縞) 

正常な気泡構造とは異なる発泡材料内部の層。 

cellular striation 

7217 

フィッシュ 
(発泡材料の) 

発泡材料での割れ又は裂け。 

fissure 
(cellular material) 

7218 

ボイド 
(発泡材料の) 

発泡材料の中に発生した空洞。通常の気泡より著しく大きい
もの。 

void 
(cellular material) 

3.9 

リサイクルに関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

8001 

凝着防止剤 
(粉末ゴムの) 

粉末ゴムを生産するとき,粉末ゴム同士が凝着しないように
用いられる添加剤。 

partitioning agent 
(powdered rubber) 

8002 

再生剤 

再生ゴムを製造する目的で添加する,希釈剤,伸展油,可塑
剤,加工助剤などの薬剤。 

reclaiming agent 

8003 

ゴム粉 

加硫ゴムの粉砕によって得られるゴム微粉末,ゴム粉末,ゴ
ムペレット,ゴムチップなど。又は工程発生ゴムで,金属片,
繊維,土砂,その他の異物が目視では認められないもの。 

recycled vulcanized 

particulate rubber, 

powdered rubber 

8004 

ゴム微粉末 

使用済みゴム製品を機械的に処理して得られる,大きさが0.1 
mm以下程度のゴム粉。 

fine powdered rubber 

8005 

ゴム粉末 

使用済みゴム製品を機械的に処理して得られる,大きさが0.1 
mm〜1 mm程度のゴム粉。 

ground vulcanized 

rubber, 

crumb 

8006 

ゴムペレット 

使用済みゴム製品を機械的に処理して得られる,大きさが1 
mm〜10 mm程度のゴム粉 

granulated rubber, 
granulated recycle rubber 

8007 

ゴムチップ 

使用済みゴム製品を機械的に破砕して得られる,大きさが10 
mm〜50 mm程度のゴム粉。 

chip rubber 

8008 

バフ粉 

加硫ゴムを機械的に摩滅させて生じるゴム粉。 

buffings 

8009 

再生カーボンブラ

ック, 

回収カーボンブラ

ック 

ゴム配合物を熱処理して得られる,カーボンブラック。 

recycled carbon black, 
recovered carbon black 

8010 

再生ゴム 

加硫ゴムを熱的,機械的,化学的な方法によってゴム分子を
切断し可塑化したゴム。混練り時間の短縮・押出成形時の寸
法安定性を改良する加工助剤及び増量剤として用いられる。 
注記 従来,日本では,再生ゴムと脱硫ゴムとが同義語とし

て用いられていたが,現実には脱硫は行われておらず,
再生ゴムと称することがふさわしい。 

reclaimed rubber, 
reclaim 

8011 

スクラップゴム 

使用済みゴム製品又は工程発生品。 

scrap rubber 

background image

35 

K 6200:2019  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

8012 

タイヤ再生ゴム 

トレッド・ビード等部材ごとに分けることなく,タイヤ全て
のゴムを原料とした再生ゴム。 

whole-tyre reclaim 

8013 

脱硫 

加硫ゴム中の結合硫黄を微生物的,化学的な方法等で取り除
き,可塑化(硫黄結合を解離)するプロセス(工程)。 

devulcanization 

8014 

脱硫ゴム 

再生ゴムの中で,加硫ゴム中の結合硫黄を微生物的,化学的
などの方法で解離し可塑化したゴム。 
注記 硫黄結合を残したまま可塑化したゴムは“再生ゴム”

という。 

devulcanizate 

8015 

凍結破砕法 

液体窒素及び他の冷媒を用いてゴムを極低温処理し,目的の
大きさに破砕する方法。 

cryogenic size reduction 

8016 

ひじき状ゴム 

直径(D)が約5 mm未満で,長さ(L)との比(L/D)が,2
以上の大きさの,ひじき状のゴム片。 

elongated fiber-like 

rubber particle 

8017 

リサイクルゴム 

スクラップゴムのうち,再使用可能なゴム。再生ゴムなどの
原料ゴムとして用いられる。 

recyclate rubber, 
recycled rubber 

3.10 エコロジーに関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

9001 

バイオベース度 

製品中のバイオマス由来成分の含有量。全炭素量に占めるバ
イオマス由来炭素量の割合(炭素分率),又は製品質量に占め
るバイオマス由来成分質量の割合(質量分率)で表す。 

biobased content 

9002 

バイオマス 

生物由来の有機性資源で,化石資源を除いたもの。 

biomass 

参考文献 

ISO 472:2013,Plastics−Vocabulary及びAmendment 1:2018 

JIS K 6316:2017 ゴム粉の試験方法 

ゴム用語辞典 第3版,日本ゴム協会編 

background image

36 

K 6200:2019  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 6200:2019 ゴム−用語 

ISO 1382:2012,Rubber−Vocabulary 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

2 ゴムに関
する用語の
分類 

− 

− 

追加 

箇条3の用語及び定義に記載され
ている9項目の表題をまとめて,表
1に追加した。 

この規格の使い方を分かりやすくし
たもので,実質的な差異はない。 

3 用語及び
定義 

3.1 表記方法 

− 

追加 

箇条3の用語及び定義の表記方法
についての規定を追加した。 

この規格の使い方を分かりやすくし
たもので,実質的な差異はない。 

3.2 原料ゴムに関する
用語 

− 

追加 

“伸長結晶化”ほか12用語を追加
した。 

一部はISOに提案済み。 
その他も次回ISO改訂時に提案する。 

3.3 配合剤に関する用
語 

− 

追加 

“硫黄”ほか28用語を追加した。  一部はISOに提案済み。 

その他も次回ISO改訂時に提案する。 

dibutyl 

phthalate 

absorption number,DBP 
absorption number 
solvent discolouration 

変更 

使用する試薬の変更に伴い次の用
語を変更した。 
2311 オイル吸収量,OAN(カーボ
ンブラックの) 
2328 トルエン着色透過度(カーボン
ブラックの) 

ISOに提案済み。 

3.4 加工に関する用語 

− 

追加 

“スティッキー”ほか13用語を追
加した。 

一部はISOに提案済み。 
その他も次回ISO改訂時に提案する。 

3.5 加硫に関する用語
(配合剤及び加工を除
く。) 

− 

追加 

“架橋点間分子量”ほか11用語を
追加した。 

一部はISOに提案済み。 
その他も次回ISO改訂時に提案する。 

3.6 試験に関する用語
(原料試験,未加硫物
試験及び化学試験) 

− 

追加 

“アレニウスプロット”ほか18用
語を追加した。 

一部はISOに提案済み。 
その他も次回ISO改訂時に提案する。 

2

K

 6

2

0

0

2

0

1

9

background image

37 

K 6200:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義(続き) 

3.7 試験に関する用語
(加硫物試験及び物理
試験) 

− 

追加 

“ダイラタンシー”ほか51用語を
追加した。 

一部はISOに提案済み。 
その他も次回ISO改訂時に提案する。 

3.8 製品及び半製品に
関する用語 

− 

追加 

“ホース”ほか20用語を追加した。 ISO適用範囲外の製品用語のため,

ISOには提案しない。 

3.9 リサイクルに関す
る用語 

pyrolitic carbon 

変更 

より適切な次の用語に変更した。 
8009 再生カーボンブラック,回収
カーボンブラック 

ISOに提案済み。 

3.10 エコロジーに関
する用語 

− 

追加 

“バイオベース度”ほか1用語を追
加した。 

ISOに提案済み。 

− 

− 

削除 

次の用語は,国内では使用していな
いので削除した。 
bowl 
cupping,dishing 
delta Mooney value 
factory scrap 
knuckles 
tensile stress at yield 

− 

− 

− 

削除 

次の用語は,危険な試験によって,
試験規格を廃止したため,用語も削
除した。 
oxygen-bomb ageing 

ISOに提案済み。 

− 

− 

削除 

次の用語は,ゴム固有の用語ではな
いので削除した。 
bonding agent 
chemical bonding 
elastomeric 
first-order transition 
inhibitor 
surfactant 
tactic polymer 

− 

2

K

 6

2

0

0

2

0

1

9

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38 

K 6200:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義(続き) 

− 

− 

削除 

次の用語は,より具体的な各種用語
でカバーしているため削除した。 
modulus 

− 

− 

− 

− 

記号リスト 

削除 

利便性はないので削除した。 

− 

− 

− 

− 

フランス語による索引 削除 

JISには不要なので削除した。 

− 

− 

− 

− 

ロシア語による索引 

削除 

JISには不要なので削除した。 

− 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 1382:2012,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

K

 6

2

0

0

2

0

1

9