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日本工業規格

JIS

 K

5902-

1969

ロジン

Colophonium

1.

適用範囲  この規格は,生松やにから製造したロジンについて規定する。

2.

種類  ロジンはつぎのように 2 級に分け,色の明るさを示す番号を級のあとにつけるものとする。

1

級  1∼5 号

2

級  1∼8 号

3.

品質  ロジンは,表 および表 の規定に合格しなければならない。

表 1

種類

1

2

外観

透明体

透明体

色数(

表 2

1

∼5 号

1

∼8 号

軟化点(環球法)  (℃) 75 以上 70 以上 
酸価 165 以上 160 以上

けん化価 170∼185 165∼185 
不けん化物 (%)

8

以下 11 以下

灰分 (%)

0.02

以下 0.05 以下

溶剤不溶分 (%)

0.05

以下 0.1 以下

表 2

種類

1

2

3

4

5

6

7

8

色数

10

以下 10をこえ

17

以下

17

をこえ

20

以下

20

をこえ

25

以下

25

をこえ

35

以下

35

をこえ

50

以下

50

をこえ

60

以下

60

をこえ

70

以下

4.

試料採取方法  ロジンは製造のバッチごとに分け,おのおののバッチから容器を 1 個ランダムに抜取

って,これをそのバッチの代表とする。抜取った容器の上・中・下各部分からほぼ等量ずつ塊状(

1

)

のまま

採って約 200g とし,中身が光のあたらない容器に入れ,密せんして試験をする場所へ送る。

(

1

)

塊状の大きさは20∼30g とする。

5.

試験方法

5.1

試験の準備  試験を行なう直前に試料を粉砕し,じゅうぶんに混和したのち試験を行なう。


2

K 5902-1969

5.2

色数  試料 25g を採り,トルエン(JIS K 8680 特級)約 20ml を加え,80℃をこえない水浴中で軽く

振り動かして溶かし,これを室温まで急冷する。さらにトルエンを加えて全量を 50ml とし,これと色数

標準液(

2

)

とをそれぞれ径の等しい無色透明で肉の薄い別々の試験管 15mm (JIS R 3503)  に深さ約 60mm ま

で入れ,これらを接して並べ,拡散昼光のもとで側面からすかして見て色を比べ,明るい方を色数が小さ

いとする。この試験は,試料溶液を作ったのちただちに行なうものとする。

(

2

)

色数標準液の作り方  よう素(JIS K 8920特級)約1g をよう化カリウム(JIS K 8913特級)10%

溶液約100ml に溶かし,これをチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して,よう素の濃度を決定する。

つぎにこの溶液を一定量ずつメスフラスコに分け採り,水で薄めて溶液 100ml 中のよう素の

含有量を 10mg,17mg,20mg,25mg,35mg,50mg,60mg および 70mg とし,これらをそれぞ

れ色数 10,17,20,25,35,50,60 および 70 の標準液とする。色数標準液は,試験のたびに

新しいものを用いる。

5.3

軟化点  試料をできるだけ低温ですみやかに融解し,これを平らな金属板の上に置いた環(

3

)

の中に

あわができないように注意して満たす。冷えたのち,少し加熱した小刀で環の上端を含む平面から盛り上

った部分を切り去る。

つぎにガラス容器(径 85mm 以上,高さ 127mm 以上)の中に支持器(

4

)

を入れ,あらかじめ沸騰させて

から冷やした水を深さ 90mm 以上となるまで注ぐ。つぎに鋼球(径 9.5mm,重量 3.5g)と試料を満たした

環とを互いに接触しないようにして水中に浸し,水の温度を 20±5℃に 15 分間保つ。つぎに環中の試料の

表面の中央に鋼球をのせ,これを支持器の上の定位置に置く。

つぎに環の上端から水面までの距離を 50mm に保ち,温度計(

5

)

を置き,温度計の水銀球の中心の位置を

環の中心と同じ高さとし,容器を加熱する。

加熱に用いるブンゼンバーナーの炎は,容器の底の中心と縁との中間にあたるようにし,加熱を均等に

する。

加熱が始まってから 40℃に達したのちの水温の上昇する割合は,毎分 5.0±0.5℃でなければならない。

試料がしだいに軟化して環から流れ落ち,

ついに底板に接触したときの温度を読み,

これを軟化点とする。

軟化点の測定は同時に 2 個以上行ない,その平均値をとるものとする。

(

3

)

環は黄銅製で,寸法は

3のとおりとする。

表 3

単位 mm

高さ 6.4±0.1

底部 15.9±0.1

内径

頂部 17.5+0.1

外径 20.5+0.5

(

4

)

支持器(

1)は環を水平に保ち,環の上面を容器の上端から下に80mm 以上隔るようにし,環の下面は底板か

ら25.4±0.2mm 上にあるようにして,環の中心と温度計との距離は17mm 以下であるような構造のものとする。

(

5

)

温度計は棒状水銀温度計であって,

表 の規定に合格しなければならない。


3

K 5902-1969

表 4

液体

水銀

球の直径

5

∼6mm

毛細管に満たす気体

窒素

球の長さ 10∼15mm

目盛範囲

−20∼+100℃

水銀球の下端から最低
目盛線までの距離

75

∼100mm

細分目盛 0.5℃

温度計の上端から最高
目盛線までの距離

20

∼45mm

全長 280∼300mm

水銀球の下端から

浸点までの距離

60mm

みきの直径

6

∼7mm

許容差 0.5deg

図 1

5.4

酸価  試料約 2g を三角フラスコ 300ml に正確にはかり採り,エチルアルコール・ベンゼン混合液

(

6

)50ml

に溶かし,フェノールフタレインを指示薬として N/2 エチルアルコール性水酸化カリウム溶液(

7

)

で滴定し,30 秒間微紅色の消失しないときを中和の終点とし,つぎの式によって酸価 を算出する。

S

F

B

A

28.05

×

×

ここに

B

: N/2 エチルアルコール性水酸化カリウム溶液使用量 (ml)

F

: N/2 エチルアルコール性水酸化カリウム溶液の力価

S

:  試料 (g)

(

6

)

エチルアルコール・ベンゼン混合液の作り方  エチルアルコール(95容量%)(JIS K 8102 1級)

1

容とベンゼン(JIS K 8858 1級)2容とを混合し,フェノールフタレインを指示薬として加え,

N/10

水酸化カリウム溶液で中和する。

(

7

)

  N/2

エチルアルコール性水酸化カリウム溶液の作り方  水酸化カリウム(JIS K 8574 特級)約

32g

を少量の水に溶かし,これにエチルアルコール(JIS K 8102 1 級)を加えて 1とし,その

力価を標定する。


4

K 5902-1969

5.5

けん化価  試料約 2g を平底フラスコ 300ml に正確にはかり採り,エチルアルコール・ベンゼン混合

(

6

)

50ml

に溶かしたのちエチルアルコール性水酸化カリウム溶液(

8

)

25ml

を加え,還流冷却器をとりつけ

て水浴上で 30 分間わずかに沸騰する程度に加熱する。

液があたたかいうちにフェノールフタレインを指示

薬として N/2 硫酸(

9

)

で滴定する。

この試験と同時に空試験を行ない,つぎの式によってけん化価 を算出する。

(

)

S

F

C

B

A

28.05

×

×

ここに

B

:  空試験に用いた N/2 硫酸の量 (ml)

C

:  本試験に用いた N/2 硫酸の量 (ml)

F

: N/2 硫酸の力価

S

:  試料 (g)

(

8

)

エチルアルコール性水酸化カリウム溶液の作り方  水酸化カリウム(JIS K 8574 特級)約32g

を少量の水に溶かし,これにエチルアルコール(JIS K 8102 1級)を加えて1とし,不溶物があ

れば1∼2時間静置したのちこして除く。

(

9

)

  N/2

硫酸の作り方  ビーカー500ml に水約 200ml を採り,これに硫酸(JIS K 8951 1 級)約 26.3g

を少量ずつ加え,室温に冷やしてから水で薄めて 1とし,その力価を標定する。

5.6

不けん化物  試料 5.00±0. 01g を三角または平底フラスコ 100∼200ml に正確にはかり採り,エチル

アルコール性水酸化カリウム溶液(

10

)

15ml

を加え,還流冷却器を付けて水浴上で時々振り動かしながら 1

時間 30 分静かに煮沸する。このようにして作ったせっけんに水 50ml を加えて溶かしたのち分液漏斗 300

∼500ml に移し,フラスコはエチルエーテル  (JIS K 8103) 40ml で洗い,分液漏斗に加える。分液漏斗をよ

く振り動かしたのち静置し,分離した下層のせっけん液を別の分液漏斗 300∼500ml に移す。

この際エチルエーテル抽出物の損失を防ぐために,せっけん液の数滴がストップコックの上に残るよう

にする。さらに前と同様にせっけん液にエチルエーテル 30ml を加え抽出を行なう。分離したせっけん液

は使用したフラスコにぬきとり,エチルエーテル抽出液は初めの分液漏斗に加える。つぎにせっけん液を

さらにフラスコから分液漏斗に移し,再びエチルエーテル 30ml で抽出を行ない,せっけん液はフラスコ

にぬきとり,エチルエーテル抽出液は初めの分液漏斗に加え合わせる。

この際加え合わせたエチルエーテル抽出液の下に分離したせっけん液はぬきとって,フラスコのせっけ

ん液に加え合わせる。フラスコのせっけん液をさらに分液漏斗に移し,エチルエーテル 30ml で第 4 回目

の抽出を行なう。分離したせっけん液はぬき捨て,エチルエーテル抽出液は初めの分液漏斗に加え合わせ

る。この際せっけん液が分離していれば,注意してできるだけぬき捨てる。

つぎにエチルエーテル抽出液に水 2ml を加え,内容物がうずまくようにして静かに振り動かし,静置し

て分離した水はぬき捨てる。このような洗浄法を再び水 5ml で 1 回,水 30ml ずつで 2 回繰返して行なう。

このようにして洗浄したエチルエーテル抽出液を重量既知の三角フラスコ 200∼300ml に入れ,分液漏斗

はエチルエーテル 15ml で洗い,洗液はフラスコに加える。つぎにフラスコを水浴上で加熱し,エチルエ

ーテルを蒸発留出する。この際水滴がフラスコ中に残っている場合は,エチルアルコール数 ml を加え,

再び水浴上で蒸発を繰返し,透明な乾燥残留物が得られるまで行なう。

つぎに残留物を 100∼105℃に調節した乾燥器に入れて 30 分間乾燥し,デシケーターに入れて常温に冷

却したのち重さをはかる。

フラスコの内容物を中性のイソプロピルアルコール  (JIS K 8839) 50ml に溶かし,フェノールフタレイン


5

K 5902-1969

を指示薬として N/10 エチルアルコール性水酸化カリウム溶液(

11

)

で滴定し,30 秒間微紅色の消失しないと

きを中和の終点とし,つぎの式によって不けん化物 (%) を小数以下 1 位まで算出する。

(

)

100

0.302 ×

×

×

×

S

F

D

C

B

A

ここに

B

:  乾燥残留物 (g)

C

: N/10 エチルアルコール性水酸化カリウム溶液使用量 (ml)

D

: N/10 エチルアルコール性水酸化カリウム溶液の規定度 (1/10)

F

: N/10 エチルァルコール性水酸化カリウム溶液の力価

S

:  試料 (g)

(

10

)

エチルアルコール性水酸化カリウム溶液の作り方  水酸化カリウム(JIS K 8574  特級)約160g

を少量の水に溶かし,これにエチルアルコール(JIS K 8102 1級)を加えて1とする。

(

11

)

  N/10

エチルアルコール性水酸化カリウム溶液の作り方  水酸化カリウム  (JIS K 8574)  特級

6.4g

を少量の水に溶かし,これにエチルアルコール(JIS K 8102 1 級)を加えて 1とし,その

力価を標定する。

5.7

灰分  試料約 10g を正確にはかり,これを重さのわかっている磁製るつぼに採り,きわめて小さい

炎で加熱して試料を燃焼し,炭化させたのち 500∼600℃の電気炉中で強熱して灰化するか,またはバーナ

ーで強熱して灰化し,デシケーターに入れ約 30 分間冷やしたのち重さをはかる。ひょう量は 1 回だけでや

めずに,強熱以下の操作を恒量になるまで繰返して行なう。

最後に,るつぼの増量からつぎの式によって灰分 (%) を算出する。

100

×

S

B

A

ここに

B

:  るつぼの増量 (g)

S

:  試料 (g)

5.8

溶剤不溶分  粉砕した試料約 20g を三角フラスコ 300ml に正確にはかり採り,エチルアルコール・

ベンゼン混合液(

6

)

150ml

を加え,時々振り動かして溶かし,ただちに重さのわかっている石綿グーチるつ

(

12

)

でろ過する。

つぎにエチルアルコール・ベンゼン混合液で洗い,100∼105℃で 60 分間乾燥したのちデシケーターに入

れ,約 30 分間冷やしたのち重さをはかる。ひょう量は 1 回だけでやめずに,乾燥以下の操作を恒量になる

まで繰返して行なう。

るつぼまたはガラスフィルターの増量から,つぎの式によって溶剤不溶分 (%) を算出する。

100

×

S

B

A

ここに

B

:  るつぼの増量 (g)

S

:  試料 (g)

(

12

)

石綿グーチるつぼの作り方  石綿は繊維の長い上質のものを用い,これに塩酸(比重1.18)を

加えて約10時間水浴上で熱し,鉄分その他の可溶性分を溶かしてできた黄色の液を捨て,再び

塩酸を加えて同様に処理し,上澄液が無色になるまで繰返す。つぎにブフナー漏斗形ガラスろ

過器3G3 (JIS R 3503)  を用いて吸引しながらこす。この石綿を少量の水で潤し,容量25ml のる

つぼに入れ約3mm の厚さにし,その上にろ過板を置き,なお,その上に1mm の厚さに石綿を敷


6

K 5902-1969

いたものを石綿グーチるつぼとする。これを105∼110℃に調節した乾燥器中でかわかし,デシ

ケーターに入れて冷やしたのち重さをはかる。この乾燥とひょう量とを繰返しで恒量になった

ときの重さを石綿グーチるつぼの重さとする。

6.

表示  ロジンの容器には,製造バッチの番号を明らかに表示しなけれはならない。