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K 5601-5-2

:2008

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  原理

3

5

  装置及び器具

3

5.1

  ガスクロマトグラフ

3

5.2

  無極性溶融シリカキャピラリカラム

3

5.3

  マイクロシリンジ

3

5.4

  プラスチックシリンジ

3

5.5

  セプタムシール瓶

3

5.6

  全量フラスコ

3

5.7

  分析用はかり

3

5.8

  上皿はかり

3

5.9

  冷蔵庫

3

6

  試薬類

3

6.1

  一般事項

3

6.2

  ガス

3

6.3

  標準混合物

3

6.4

  クエン酸緩衝液  (pH 5.0)

4

6.5

  重合禁止剤

4

6.6

  テトラデカン

4

7

  サンプリング

4

8

  操作

4

8.1

  測定数

4

8.2

  試料の準備

4

8.3

  分析

5

8.4

  積算終点の決定

6

9

  評価

6

9.1

  ピーク面積の計算

6

9.2

  VOC 濃度の計算

7

10

  測定精度

8

11

  試験報告書

8

附属書 A(参考)標準混合物質及びテトラデカンのガスクロマトグラム

9

附属書 JA(参考)測定精度

10


K 5601-5-2

:2008  目次

(2)

ページ

附属書 JB(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

11


K 5601-5-2

:2008

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まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本塗料工業会(JPMA)及び財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS K 5601

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

K

5601-1

第 1 部:通則

JIS

K

5601-2

第 2 部:溶剤可溶物中の成分分析

JIS

K

5601-3

第 3 部:溶剤不溶物中の成分分析

JIS

K

5601-4

第 4 部:塗膜からの放散成分分析

JIS

K

5601-5

第 5 部:塗料中の揮発性有機化合物(VOC)の測定

JIS K 5601-5

塗料成分試験方法−塗料中の揮発性有機化合物(VOC)の測定は,次の各節によって構成す

る。

JIS

K

5601-5-1

第 1 節:ガスクロマトグラフ法

JIS

K

5601-5-2

第 2 節:水系塗料(標準添加法)


K 5601-5-2

:2008  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 K

5601-5-2

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塗料成分試験方法−

第 5 部:塗料中の揮発性有機化合物(VOC)の測定−

第 2 節:水系塗料(標準添加法)

Testing methods for paint components

Part 5: Determination of volatile organic compound (VOC) content in paints

Section 2: Water-based paints (Multiple standard addition method)

序文

この規格は,2005 年に第 1 版として発行された ISO 17895 を基に,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。

警告  この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使

用に付随して発生し得る安全上の懸念をすべて網羅しているわけではない。安全で健康な作業

の確保と,関連するすべての法律の順守は使用者の責任である。

1

適用範囲

この規格は,水系塗料中の VOC 含有量(質量分率,0.01 %∼0.1 %)の,ヘッドスペースガスクロマト

グラフ法によって定量する測定法について規定する。ここでの VOC は,沸点 250  ℃までのもので,標準

条件(圧力 101.325 kPa)の下で容器内のエマルション塗料に含まれる VOC を対象とする。

注記 1  この方法の主たる目的は,低 VOC エマルション塗料の等級分類をすることであり,日常の

工程管理に適用するものではない。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 17895:2005

,Paints and varnishes−Determination of the volatile organic compound content of

low-VOC emulsion paints (in-can VOC) (MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを

示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 5500

  塗料用語


2

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JIS K 5600-1-2

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 2 節:サンプリング

注記  対応国際規格:ISO 15528,Paints,varnishes and raw materials for paints and varnishes−Sampling

(IDT)

ISO 2811-1

  Paints and varnishes−Determination of density−Part 1: Pyknometer method

ISO 2811-2

  Paints and varnishes−Determination of density−Part 2: Immersed body (plummet) method

ISO 2811-3

  Paints and varnishes−Determination of density−Part 3: Oscillation method

ISO 2811-4

  Paints and varnishes−Determination of density−Part 4: Pressure cup method

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 5500 によるほか,次による。

3.1

揮発性有機化合物  (volatile organic compound),VOC

一般的には,常温,常圧で自然に気化するすべての有機液体及び固体をいうが,この規格では,このう

ち常圧 (101.325 kPa) の下で,沸点が 250  ℃を超えない有機化合物。

注記 1  塗料の分野において,通常 VOC に用いる用語に関しては,3.2 の注

1)

を参照。

注記 2  米国政府の法律では,VOC は空気中での光活性物質(ASTM D 3960 参照)だけに限定され

ている。したがって,他の物質は対象除外物質として規定している。

3.2

VOC

含有量  (volatile organic compound content),VOC content

この規格で測定する塗料中の VOC の全含有量(質量分率)

注記  対象とする物質の性質及び量は,塗料が塗られる分野によって決まる。個々の使用分野におい

て,限界値,測定法及び計算法は,規制

1)

契約などによって規定される。

1)

この規格の目的のために適用できる法規は,欧州委員会の決定 96/13/EC,

(1996.1.6 付)の中に

ある。VOC は,常圧 (101.325 kPa) の下で,沸点(又は初期沸点)250  ℃を超えないすべての

有機化合物と定義されている。

3.3

容器内塗料の VOC (in-can VOC)

開封直後の水系エマルション塗料中に存在する VOC。

3.4

エマルション塗料,ラテックス塗料  (emulsion paint, latex paint)

水中に分散した有機バインダーをビヒクルとする塗料。

3.5

完全気化  (full evaporation)

液体試料中の VOC を液相から気相に移行させる方法。

注記  容器としてセプタムシール瓶を用い,ヘッドスペース装置に試料を導入する。完全気化法は,

容器内平衡を形成する通常のヘッドスペース法とは本質的に異なる。この容器には,ごく少量

の試料を入れるので,規定の温度に加熱したとき,VOC はすべて気体となる。

3.6

標準混合物  (stock reference compound mixture)

標準添加法で使用する,既知の純物質を混合したもの。


3

K 5601-5-2

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注記  標準混合物の濃度は,試料中の,個々の純物質成分の初期量及びその純度によって決まる。

3.7

標準添加法  (multiple standard compound method)

試料に規定の標準混合物を,添加量を変えて添加し,VOC 濃度を測定する方法。

4

原理

試料中に存在するごく微量の VOC を,自動ヘッドスペース装置中で完全気化させ,ガスクロマトグラ

フ分析法によって測定する。

2

∼3

µL の試料を緩衝液(6.3 参照)で希釈し,セプタムシール瓶中で,150  ℃まで加熱して完全に気化

させる。気体の一部を無極性のキャピラリカラムに注入する。テトラデカン(沸点 252.6 ℃)以下の保持

時間をもつすべての物質のピーク面積を積算する。標準混合物(3.6 参照)の標準添加は,VOC 濃度決定

のため,4 段階の濃度レベルで実施する。

5

装置及び器具

装置及びガラス器具は,次による。

5.1

ガスクロマトグラフ  ガスクロマトグラフは,自動ヘッドスペース装置,自動試料注入装置,キャ

ピラリカラムに適した自動温度制御システム,検出器として水素炎イオン化検出器 (FID) 又は質量

分析計,データ解析システムなどからなる。自動ヘッドスペース装置は,試料に接するすべての部

品(例えば,注入針,注入バルブ,供給チューブなど)が加熱可能なものとする。

5.2

無極性溶融シリカキャピラリカラム  無極性溶融シリカキャピラリカラムは,95 %∼100 %のジメ

チルシリコン及び 5 %∼0 %のフェニルシリコンとの化学結合形カラム。

注記  キャピラリカラムは,長さ 30 m,内径 0.32 mm,で 95 %のジメチルシリコン及び 5 %のフ

ェニルシリコン(膜厚約 1

µm)でコートしたものが実験室でのテストでは良好であった。

5.3

マイクロシリンジ  容量約 50

µL のもの。

5.4

プラスチックシリンジ  2 mL の使い捨て形プラスチックシリンジ。

5.5

セプタムシール瓶  容量約 20 mL の瓶。ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) でコートされたブチ

ルゴム又はシリコンゴム製の膜でシールされているもの。この規格で決められた条件は,結果とし

て瓶の中でかなり高い圧力となるのでシールが確実にされていることを確認しておく。

5.6

全量フラスコ  容量 1 L のもの。

5.7

分析用はかり  精度 0.1 mg で計量可能なもの。

5.8

上皿はかり  精度 0.1 g で計量可能なもの。

5.9

冷蔵庫  標準混合物貯蔵用。

6

試薬類

6.1

一般事項

他に規定のない場合は,試薬は純度 99 %以上を用いる。

6.2

ガス  キャリヤガスは,酸素を含まない乾燥したヘリウム,窒素又は水素ガスのいずれかで,純度

は 99.995 %(体積分率)以上とする。検出器混合ガスは,純度 99.995 %(体積分率)以上の水素ガスと有

機物を含まない合成空気とから成る。

6.3

標準混合物  標準混合物は,代表的な標準物質として次の物質を含むものとする。


4

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―  ジエチレングリコールモノブチルエーテル

―  ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート

―  n-ブタノール

―  アクリル酸ブチル

―  アクリル酸 2-エチルヘキシル

―  スチレン

―  酢酸ビニル

各標準物質を約 1 g ずつ 1 mg の精度でセプタムシール瓶にはかりとる。高沸点のものから順にはかる。

個々の標準物質を注入するときだけキャップをあける。すべてをはかり終えた後,混合物中に重合禁止剤

(6.5)

を約 1 000 mg/kg の比で加える。

標準混合物のガスクロマトグラムの例を

附属書 に示す。

注記  ひょう量中に容易に気化する物質の蒸発を少なくする方法として,試料をあらかじめ冷やすか,

又はピペットを使う方法がある。

6.4

クエン酸緩衝液  (pH 5.0)  クエン酸緩衝液は,既調合品として購入可能である。また,全量フラス

コ 1 L にクエン酸 20.265 g 及び水酸化ナトリウム 7.840 g を入れ,水で 1 L の標線まで (20 ℃)  希釈

して,調製をする。使用する水は,JIS K 0557 に規定する A4 若しくは A3 の水,又はこれと同等の

品質に精製した水

2)

とするが,使用前に空試験を行い,使用の適否を確認する。

2)

精製が必要な場合には,次による。

水 1 L∼3 L を三角フラスコにとり,これを強く加熱して煮沸し,液量が 1/3 になるまで

続ける(加熱が弱いと揮発性有機化合物を十分に除去することができない。

。直ちに環境

からの汚染がない場所に放置して,冷却する。

6.5

重合禁止剤  2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール又は N,N-ジメチルジチオカーバメイトナトリウ

ム塩水和物。

6.6

テトラデカン  少なくとも純度が 99.5 %(質量分率)のもの。

7

サンプリング

試験に供する製品の代表試料は,JIS K 5600-1-2 によってサンプリングする。

8

操作

8.1

測定数

標準混合物未添加試験試料[8.2 c)参照]を 3 回測定し,標準混合物添加試験試料[8.2 d)参照]4 種類の

試料について各 3 回測定する。

8.2

試料の準備

試料の準備は,次による。

a)

一般事項  試料の前処理とは,試験用試料とするためエマルション塗料の希釈,標準混合物の添加[d)

及び c)参照]などによって,試料を調製することである。原液の試料をクエン酸緩衝液で希釈後は,

凝集の発生又は個々の物質の気化によって質量減となるので,素早く前処理を行う。

図 に試料の調

製手順を示す。

b)

原液試料の希釈  エマルション塗料 10 g,クエン酸緩衝液(6.4 参照)10 g を,精度 0.1 g までひょう

量し,20 mL のセプタムシール瓶に入れ,密封する。


5

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c)

標準混合物未添加試験試料  クエン酸緩衝液で希釈した試料の入ったセプタムシール瓶を激しく振と

うして混合後,2 mL 使い捨てシリンジ(5.4 参照)を用いてセプタムシールに突き刺し,過剰な気体

を除去する。分析用には,各(15±3) mg の試料を精度 0.1 mg まで精ひょうし,三つのセプタムシール

瓶にはかり取り,直ちに密栓する。

注記  はじめの試料の分取量が多いと内部圧が上がるため,分析誤差の原因となる。

d)

標準混合物添加試験試料  クエン酸緩衝液で希釈した試料を四つ用意し,50

µL シリンジ(5.3 参照)

を用いて,標準混合物約 10 mg,20 mg,30 mg,40 mg をそれぞれ四つの容器に添加する。添加量は

0.1 mg

の精度まではかり,ふたをしっかりと閉めよく混合する。さらに,もう一度容器をよく振とう

した後,2 mL の使い捨てシリンジ(5.4 参照)を用いてセプタムシールに突き刺し,過剰な気体を除

去する。

分析用には,標準混合物を添加した緩衝液希釈試料約(15±3) mg を精度 0.1 mg まで精ひょうし,三

つの空のセプタムシール瓶(5.5 参照)にはかり,直ちに密閉する。

原料試料

エマルション塗料 (EP)

希釈試料

(クエン酸緩衝液で

   50

%希釈した EP)

8.2 c)

標準混合物

未添加試料

8.2 d)

標準混合物

添加試料

EP-0

10 mg

添加

EP-A10

20 mg

添加

EP-A20

30 mg

添加

EP-A30

40 mg

添加

EP-A40

8.2 c)

による

テスト試料の調製

(15

±3 mg)

8.2 d)

による調製 (15±3 mg)

8.2 d)

による調製 (15±3 mg)

EP-0-1

EP-A10-1

EP-A20-1

EP-A30-1

EP-A40-1

EP-0-2

EP-A10-2

EP-A20-2

EP-A30-2

EP-A40-2

EP-0-3

EP-A10-3

EP-A20-3

EP-A30-3

EP-A40-3

EP-0

:緩衝液で希釈した試料

EP-A10

,-A20,-A30,-A40:EP-0 に,標準混合物をそれぞれ 10 mg,20 mg,30 mg,40 mg 加えた試料。

図 1−試料調製図

8.3

分析

ヘッドスペース装置の中に,8.2 c)及び 8.2 d)で用意した試料入り容器を置く。

8.3.1

ヘッドスペースインジェクタ


6

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試料の温度は 150  ℃,移送管及び分配バルブ温度は 160  ℃,保持時間は 4 分間とする。

8.3.2

ガスクロマトグラフ

ガスクロマトグラフの条件は,装置の仕様に基づいて調整する。二つの例を次に示す。

例 1  試料ループ付きヘッドスペース装置

キャピラリカラム :長さ 30 m,内径 0.32 mm,95 %ジメチルシリコン,5 %フェニルシリコン

(膜厚約 1

µm)

温度

:注入口温度  250  ℃

カラム温度

:初期温度  100  ℃

昇温速度

:10  ℃/分

最終温度

:280  ℃

検出部温度

:300  ℃

キャリヤガス流速 :1.8 mL/分

スプリット比

:1:10

例 2  圧力バランス装置付きヘッドスペースインジェクタ

キャピラリカラム :長さ 30 m,内径 0.32 mm,95 %ジメチルシリコン,5 %フェニルシリコン

(膜厚約 1

µm)。

温度

:注入口温度  200  ℃

カラム温度

:初期温度  100  ℃

昇温速度

:10  ℃/分

最終温度

:280  ℃

検出部温度

:300  ℃

キャリヤガス流速 :1.8 mL/分

スプリット流量

:30 mL/分∼50 mL/分

8.4

積算終点の決定

テトラデカンの保持時間を確定して終了とする。これを VOC 積算の範囲とする。

9

評価

9.1

ピーク面積の計算

テトラデカンの保持時間までに得られるピークをすべて積算する。

なお,ピークを決める場合に,チャートの全域にわたって物質のピークとノイズとの比が少なくとも 5:

1

以上でなければならない。

標準添加法での測定精度は,容器にはかり取る試料の計量の精度によって決まる。気化が早すぎるため

に生じるロスを避けるために,素早く作業することが大切である。このため,試料量は 15 mg 程度が実際

上再現性のよい量であり,各試料のピークの面積を実験に供したエマルション塗料の質量で除して,エマ

ルション塗料 1 mg 当たりのピーク面積を計算しておくことが望ましい。計算式は,次による。

(

)

cb

p

p

vd

norm

m

m

m

m

A

A

×

ここに,

A

norm

: エマルション塗料 1 mg 当たりのピーク面積

(単位:面積/mg)

A

テトラデカンの保持時間までに測定されるピーク積算面積


7

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m

vd

試験に供した試料(EP-0-1∼EP-A40-3

図 参照)の質量

(mg)

m

p

エマルション塗料 (EP) の緩衝液希釈前の質量 (g)

m

cb

希釈に使用したクエン酸緩衝液の質量 (g)

9.2

VOC

濃度の計算

標準混合物を添加しない試料について,ピーク面積

A

norm

を測定する。3 回の同一試料の繰返し測定を行

い平均値を求める。エマルション塗料に標準混合物を添加した試料についても,各濃度(10 mg,20 mg,

30 mg

及び 40 mg)ごとに 3 回の測定を行い,それぞれの平均ピーク面積を求める。平均面積

Ā

norm(x)

の計

算式は,次による。

å

=

×

3

1

)

(

norm

)

(

norm

3

1

i

x

x

A

A

ここに,

Ā

norm(x)

A

norm(x)

3

回繰返し平均値

A

norm(x)

エマルション塗料

1 mg

当たりのピーク面積。標準混合物

を添加しない場合及び

10 mg

40 mg

の標準混合物をそれ

ぞれ添加した場合に対応する。試料の個々の測定計算値
(面積/

1 mg

試料)

x

添字(

0

10

20

30

40

)は,標準混合物の添加量の

mg

数を表す。

この結果を用い,計算上又はグラフ化することによって直線関係から,平均ピーク面積

Ā

norm(x)

と標準混

合物の添加量との関係を求める。縦軸との切片

A

y

とグラフのこう配

B

を求め(

図 参照)エマルション塗

料中の

VOC

濃度を計算する。計算式は,次による。

B

A

m

y

VOC

ここに,

m

VOC

VOC

 (mg)

容器内のエマルション塗料の

VOC

濃度計算式は,次による。

000

1

p

VOC

VOC

×

m

m

w

ここに,

m

p

希釈前のエマルション塗料質量 (g)

w

VOC

容器内のエマルション塗料の VOC 濃度 (mg/kg)

容器内のエマルション塗料の VOC 濃度をリットル当たりに換算するには,エマルション塗料の密度(メ

ーカデータ又は ISO 2811-1ISO 2811-4 で求める。

)を用い,次の式によって計算する。

いずれの場合にも結果として同じになる。

000

1

EP

VOC

VOC

ρ

ρ

×

w

ここに,  ρ

VOC

容器内のエマルション塗料の VOC 濃度 (g/L)

w

VOC

: 容器内のエマルション塗料の VOC 濃度 (mg/kg)

ρ

EP

希釈前のエマルション塗料の密度 (g/mL)


8

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図 2−回帰直線図

 X

:標準混合物添加量  mg

 Y

:1 mg 当たりのピーク面積

 1

:試験試料,EP-0-1∼EP-0-3(無添加)

図 参照)

 2

:試験試料,EP-A10-1∼EP-A10-3(10 mg 標準混合物添加)

図 参照)

 3

:試験試料,EP-A20-1∼EP-A20-3(20 mg 標準混合物添加)

図 参照)

 4

:試験試料,EP-A30-1∼EP-A30-3(30 mg 標準混合物添加)

図 参照)

 5

:試験試料,EP-A40-1∼EP-A40-3(40 mg 標準混合物添加)

図 参照)

A

y

:回帰直線と縦軸 との交点の値

10

測定精度

対応国際規格では,この箇条において,測定精度について規定しているが,精度については,JIS 原案

作成時に詳細な検討ができていないため,また,ISO 規格の中に精度を立証する記述及びデータがないた

め,参考として附属書に移した(内容は,

附属書 JA 参照)。

11

試験報告書

試験報告書は,少なくとも次の事項を含む。

a

)

規格番号

b

)

試験した製品の帰属に関する詳細(生産者,商品名,バッチ No.など)

c

)

分析に使用したガスクロマトグラフの条件

d

)

箇条 で求める VOC 含有量(mg/kg 又は g/L)

e

)

規定の方法と異なる場合はその内容

f

)

当事者間で取り決めた事項

g

)

試験年月日


9

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:2008

附属書 A

参考)

標準混合物質及びテトラデカンのガスクロマトグラム

X

:保持時間(分)    Y:検出強度 (mV)

1

  酢酸ビニル

5

  ジエチレングリコールモノブチルエーテル

2

  n-ブタノール

6

  アクリル酸 2-エチルヘキシル

3

  アクリル酸ブチル

7

  ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート

4

  スチレン

8

  テトラデカン

注記  テトラデカンの保持時間を単独でガスクロマトグラフ分析で測定し,確認する(8.4 参照)。

テトラデカンとともに標準物質のピークが表され,標準物質の保持時間及びテトラデカンの保持

時間が示される。

図 A.1−標準混合物及びテトラデカンのガスクロマトグラムの例


10

K 5601-5-2

:2008

附属書 JA

参考)

測定精度

JA.1

一般事項

8

か所の試験機関において,同一の試験所内の 4 人の異なる試験者による検討が行われた。

JA.2

同時テストによる繰返し精度

繰返し精度 は,同じ試験者による 2 回の繰返しの絶対誤差が予測したよりも良好であった。この規格

では確率 95 %で,繰返し精度 は 10 %である。

JA.3

複数のオペレータによる再現精度

異なる試験機関で行った再現精度の検討では,確率 95 %で,再現精度 は 30 %である。

参考文献  JIS K 0114  ガスクロマトグラフ分析通則

ISO 4618

  Paints and varnishes−Terms and definitions

ISO 11890-1

  Paints and varnishes−Determination of volatile organic compound (VOC) content−

Part 1 : Difference method

ISO 11890-2

  Paints and varnishes−Determination of volatile organic compound (VOC) content−

Part 2: Gas-chromatographic method

ASTM D 3960

  Standard Practice for Determining Volatile Organic Compound (VOC) Content of

Paints and Related Coatings

Markelov, M, Guzowski, J.P., Jr., Anal. Chem. Acta, 1993, 276, pp. 235-245


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K 5601-5-2

:2008

附属書 JB

参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS K 5601-5-2:2008

  塗料成分試験方法−第 5 部:塗料中の揮発性有機化合物(VOC)

の測定−第 2 節:水系塗料(標準添加法)

ISO 17895:2005

  Paints and varnishes − Determination of the volatile organic

compound content of low-VOC emulsion paints (in-can VOC)

(Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと

の評価及びその内容

箇 条 番 号

及び名称

内容

(

Ⅱ)

国 際
規 格
番号

箇条

番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

6

試薬類 6.4 クエン酸緩衝液に使

用する水は JIS K 0557

の A4 又は A3 を使用と
規定。

 6

使用する水は脱イオン水で

ISO 3696

に規定する grade 1

を使用する。

変更

グレードの差はあるが測定には

JIS K 0557

で十分。

JIS K 0125:1995 用水・排水中
の揮発性有機化合物試験方法で
規定する水のグレードと同等)

ISO

規格に JIS K 0557 のグレ

ードに合う規格があれば,ISO 

17895

改正時提案する。

8

操作

例 2 のキャピラリカラム
の説明の後半を削除

 8

カラムと検出器の間にメチ
ル不活性キャピラリ(1.5 m

×0.15 mm)を入れる。

削除

この記述では間違ってカラムを
接続する可能性があり,削除し

た。

ISO

規格改正時日本から提案

する。

10

測定精

規定から削除し,附属書

JA

とする。

 10

精度

削除

精度を確認していない。また,デ

ータもないため JIS では参考とし
た。

JIS

公示後国内でのデータが

多数得られた後,確認し,同等
であれば改正時規定とする。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 17895:2005:MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  変更  国際規格の規定内容を変更している。

    −  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD 国際規格を修正している。

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