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K 5601-5-1

:2006

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本塗料工業会(JPMA)/財団法人

日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 11890-2:2000,Paints and varnishes

−Determination of volatile organic compound (VOC) content−Part 2:Gas-chromatographic method を基礎として

用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

JIS K 5601-5-1

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)必要な補足情報

附属書 B(参考)ガスクロマトグラフ条件例

附属書 C(参考)ガスクロマトグラフ試験の精度

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

 
 
 
 


K 5601-5-1

:2006

(2) 

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  原理

2

5.

  装置

2

5.1

  ガスクロマトグラフ

2

5.2

  サンプル導入部

2

5.3

  カラム槽 

3

5.4

  検出器

3

5.5

  キャピラリーカラム

3

5.6

  定性分析に供する装置 

3

5.7

  注入シリンジ 

4

5.8

  チャート式記録計

4

5.9

  インテグレータ

4

5.10

  サンプル容器 

4

5.11

  ガスフィルタ 

4

5.12

  ガス

4

6.

  試薬

4

6.1

  内標準

4

6.2

  校正用化合物 

4

6.3

  希釈溶媒 

4

7.

  サンプリング 

4

8.

  操作

4

8.1

  密度

4

8.2

  含水量

4

8.3

  ガスクロマトグラフ条件 

5

8.4

  製品の定性分析

5

8.5

  校正

5

8.6

  サンプル調製 

5

8.7

  化合物含有量の定量測定 

5

9.

  計算

6

9.1

  方法 1

6

9.2

  方法 2

6

9.3

  方法 3

6


K 5601-5-1

:2006

(3) 

9.4

  方法 4

7

10.

  結果の表示 

7

11.

  試験報告

7

附属書 A(規定)必要な補足情報 

9

附属書 B(参考)ガスクロマトグラフ条件例 

10

附属書 C(参考)ガスクロマトグラフ試験の精度

12

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

13

 


     

日本工業規格

JIS

 K

5601-5-1

:2006

塗料成分試験方法−

第 5 部:塗料中の揮発性有機化合物(VOC)の測定

−第 1 節:ガスクロマトグラフ法

Testing methods for paint components

Part 5:Determination of volatile

organic compound (VOC) content in paints

Section 1:Gas-chromatographic

method

序文  この規格は,2000 年に第 1 版として発行された ISO 11890-2,Paints and varnishes−Determination of

volatile organic compound (VOC) content

−Part 2:Gas-chromatographic method を翻訳し,技術的内容を一部変

更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

警告  この規格の利用者は,通常の実験室の作業に精通しているものとする。この規格は,その利用に関

連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自

の責任において,安全で健康な作業の確保及び関連する全ての法律を遵守しなければならない。

1. 

適用範囲  この規格は,塗料,ワニス及びそれらの原料の揮発性有機化合物(以下,VOC という。)

含有量の測定方法について規定する。この規格では,予想される VOC 含有量が質量で 0.1  %を超え,約

15

%未満の場合に用いる。

備考1.  この方法は,揮発性物質が水又は有機性であることを想定している。しかしながら,他の揮

発性無機化合物も存在し得るので,他の適切な方法で定量し,計算式に用いてもよい。

2. 

この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 11890-2:2000

,Paints and varnishes−Determination of volatile organic compound (VOC)

content

−Part 2:Gas-chromatographic method (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。


2

K 5601-5-1

:2006

     

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

備考 ISO 

760:1978

Determination of water

−Karl Fischer method (General method)

からの引用事項は,この

規格の該当事項と同等である。

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 5500

  塗料用語

備考 ISO 

4618-1:1998

,Paints and varnishes−Terms and definitions for coating materials−Part 1:

General terms

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 5600-1-2

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 1 節:サンプリング

備考 ISO 

15528:2000

,Paints,  varnishes and raw materials for paints and varnishes−Sampling からの

引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 5600-1-3

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 3 節:試験用試料の検分及び調整

備考 ISO 

1513:1992

,Paints and varnishes−Examination and preparation of samples for testing からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 5600-2-4

  塗料一般試験方法−第 2 部:塗料の性状・安定性−第 4 節:密度

備考 ISO 2811-1-4:1997,Paints and varnishes−Determination of density−Part 1: Pyknometer method,

Paints and varnishes

−Determination of density−Part 2: Immersed body (plummet) method,Paints

and varnishes

−Determination of density−Part 3: Oscillation method 及び Paints and varnishes−

Determination of density

−Part 4: Pressure cup method からの引用事項は,この規格の該当事項

と同等である。

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 5500 及び JIS K 0114 によるほか,次による。

3.1 

対象外化合物(exempt compound)  大気中で光化学反応に関与しない有機化合物。

参考  ASTM D 3960:1998 に規定された大気中で光化学活性な化合物を除く化合物。

3.2 

既調合状態(ready for use)  指定された方法での塗装ができるように,製造業者の仕様に従って正

規の比率で混合し,必要によって正規のシンナーを使って希釈した製品の状態。 

4. 

原理  サンプルを調製後,VOC 類をガスクロマトグラフ法によって分離する。化合物が特定された後,

内標準を用いてピーク面積から個々の VOC を定量する。使用する装備によっては,水分含有量もこの方

法で測定できる。この結果に基づき,サンプルの VOC 含有量を算出する。

備考  サンプルの種類によって,コールド注入方式を選択することができる。

5. 

装置

5.1 

ガスクロマトグラフ  装置は,スプリット方式でキャピラリーカラムを用いる。装置は,製造業者

の指示に従って設定し,使用しなければならない。試料に接するすべての装備部品は,試料に対して耐性

があり,化学変化させない材質(例,ガラス)のものでなければならない。

5.2 

サンプル導入部

5.2.1 

通則  5.2.2 及び 5.2.3 に規定した 2 種のうち,いずれかを用いる。


3

K 5601-5-1

:2006

     

5.2.2 

ホット導入部方式  通常は,この方式が推奨される。スプリット注入部は温度可変であり,注入温

度は,1  ℃の精度で設定できるものとする。スプリット比は,調整及び監視可能でなければならない。ス

プリット注入器は,不揮発性成分を捕そく(捉)するためのシラン処理ガラスウールをもち,樹脂及び顔

料の残さ(渣)による誤差(すなわち,化合物の吸着)をなくすため,必要に応じて洗浄,新規ガラスウ

ールの装着又は取替えが可能なものであること。吸着が起こるとピークのテーリングが発生し,特に低揮

発性成分において顕著である。

参考  この方式は,JIS K 0114 に規定する方式のうち,スプリット注入法のことである。

5.2.3 

コールド導入部方式  コールド導入部方式(温度プログラム気化法)は,40∼300  ℃までの加熱プ

ログラムを備え,ガラスのような不活性材料でできたサンプルスプリッタを備えている。サンプルスプリ

ッタは,シラン処理ガラスウールを備え,5.2.2 のとおり保守維持される。スプリット比は,調整及び監視

ができるものとする。

参考  この方式は,JIS K 0114 に規定するコールド導入部方式のうち,温度プログラム気化法のこと

である。

5.2.4 

サンプル導入方式の選択  ホット導入方式及びコールド導入方式の選択は,試験する製品のタイプ

による。測定を妨害する物質を高温で放出する製品には,コールド導入方式を用いる必要がある。分裂又

は分解反応の知見は,サンプル導入温度をいろいろ変えることで,クロマトグラムの変化(例えば,異常

ピークの生成又はピークサイズの増減)を調べることによって得られる。ホット導入方式は,揮発性の構

成成分,化合物,バインダー及び添加剤の分解生成物のすべてが対象となる。製品の構成成分と分解生成

物とが同一となる場合には,コールド導入方式を用いれば,分解成分の溶離が後で起こるので,プログラ

ム昇温の結果として分離できる。

備考  試験方法の精度は,導入方式,特にホット導入方式を自動注入器と組み合わせることで向上す

る。自動注入器を用いるときは,製造業者の指示に従う。

5.3 

カラム槽  カラム槽は,40∼300  ℃の間で等温的に,かつ,プログラム化した温度制御のもとに加

熱でき,炉温は 1  ℃以内で設定できるものとする。温度プログラムの最終温度は,カラムの使用可能温度

を超えてはならない(5.5 参照)

5.4 

検出器  次の 3 種の検出器のいずれも使用できる。

5.4.1 

水素炎イオン化検出器 (FID)  水素炎イオン化検出器は,温度 300  ℃まで使用できるものとする。

凝縮を避けるため,検出器温度は,最高カラム槽温度より少なくとも 10  ℃高いものであること。検出器

へのガス供給,注入容量,スプリット比及びゲイン設定は,算出に用いるシグナル(ピーク面積)が,物

質の量と比例するよう最適化する。

5.4.2 

質量分析計  質量分析計の概要は,JIS K 0114 による。

5.4.3 

フーリエ変換赤外線分光光度計(FTIR 分光光度計)  フーリエ変換赤外線分光光度計の概要は,

JIS K 0117

による。

5.5 

キャピラリーカラム  キャピラリーカラムは,化学的に安定な材質のもので,揮発物を分離するの

に十分な長さで最大内径 0.32 mm であり,ポリジメチルシロキサン又はポリエチレングリコールで適切な

膜厚で被覆され,良好なピーク分離をすると分かっているものとする。固定相及びカラム長は,特定のも

のの分離に適するよう選択する(

附属書 の例参照)。

備考  カラムの長さ及び径は,受渡当事者間の合意のもとに別途取り決めることができる。

5.6 

定性分析に供する装置  試料中の未知の有機化合物を同定する必要がある場合に必要とする装置。

ガスクロマトグラフ装置に質量分析計又は FT-IR 分光光度計を接続する。操作は製造業者の指示に従う。


4

K 5601-5-1

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5.7 

注入シリンジ  注入シリンジは,ガスクロマトグラフに注入されるサンプルの少なくとも二倍の容

量をもつもの。

5.8 

チャート式記録計  ガスクロマトグラムをプロットするには,補償型チャート式記録計が適してい

る。

5.9 

インテグレータ  ピーク面積をはかるには,電子式データ処理方式(積分機又はコンピュータ)を

用いる。校正及び分析に用いるファクタは,同一とする。

5.10 

サンプル容器  化学的に不活性な材料(例,ガラス)でできた容器とし,適切な隔膜キャップ(例,

ポリテトラフルオロエチレンで被覆されたゴム製)でシールできる容器を用いる。

5.11 

ガスフィルタ  ガス中の残留不純物を吸着するため,ガスクロマトグラフ接続管中にフィルタを装

着する(5.12 参照)

5.12 

ガス

5.12.1 

キャリヤーガス  キャリヤーガスは,酸素を含まない乾燥したヘリウム,窒素又は水素で,容量で

少なくとも 99.996  %純度のもの。

5.12.2 

燃料ガス及び助燃ガス  燃料ガス及び助燃ガスは,容量で少なくとも 99.999  %純度の水素及び空

気であり,有機化合物を含まないもの。

5.12.3 

付加ガス  付加ガスは,キャリヤーガスと同品質の窒素又はヘリウムとする。

6. 

試薬

6.1 

内標準  内標準は,サンプル中に存在せず,クロマトグラム中で他の成分と完全に分離する化合物

を選定する。さらに,サンプル中の成分と反応せず,所要の温度範囲で安定であり,純度既知のもの。2-

メチル-1-プロパノール(イソブタノール)

,ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの化合物が適切

である。

6.2 

校正用化合物  校正に用いる化合物は,その純度が少なくとも 99  %(質量)又は純度既知のもの。

6.3 

希釈溶媒  サンプル希釈に適した有機溶媒を用いる。その純度は,少なくとも 99  %(質量)又は純

度既知であり,例えば,クロマトグラムでピークの重なりを生じるような測定を妨害する物質を一切含有

しないもの。不純物の存在及び妨害ピークの可能性を見るため,希釈溶媒単独での試験を行う。特に微量

分析時には,常に実施する。

参考  メタノール,テトラヒドロフランなどの溶媒が適切である。 

7. 

サンプリング  試験に供する製品(又は多層塗装系の場合は,それぞれの製品)の代表サンプルを,

JIS K 5600-1-2

の規定によって採取する。各サンプルを“既調合”状態の試験用最終サンプルに調製して,

JIS K 5600-1-3

の規定によって検分及び調整を行う。

8. 

操作

8.1 

密度  VOC 含有量の計算に密度が必要なときは(9.29.4 参照),サンプルのタイプによって最善の

精度を得るため,JIS K 5600-2-4 に規定するいずれかを用いてサンプルの密度を測定する。密度は,23  ℃

で測定する。

8.2 

含水量  JIS K 0068 によって,サンプルに含まれる化合物からの妨害がないように試薬を選び,含

水量を質量%として測定する。化合物が未知の場合は,それらを定性的に測定する(8.4 参照)

参考1.  妨害を起こしそうな典型的な化合物は,ケトン類及びアルデヒド類である。試薬製造業者は,


5

K 5601-5-1

:2006

     

正しい試薬選定の手引き用文書を通常発行している。

2. 

試験する製品の特性がよく分かり,含水していないことが分かっているときは,含水量の測

定は不要で,ゼロと想定してもよい。

8.3 

ガスクロマトグラフ条件  ガスクロマトグラフ条件は,次による。

a) 

ガスクロマトグラフの使用条件は,分析する製品に依存し,その都度,既知の校正用混合物を用いて

最適化しなければならない。ホット導入部及びコールド導入部の各方式の条件例については,

附属書

B

を参照する。

b) 

注入量及びスプリット比は,カラムの容量を超えず,検知器の直線性が保たれる範囲内に調節する。

非対称ピークは,ガスクロマトグラフシステムへの過負荷を示す。

8.4 

製品の定性分析  製品中の有機化合物が未知の場合,定性分析を行う。ガスクロマトグラフを質量

分析計又は FT-IR 分光光度計と組み合わせ(5.6

,クロマトグラフのプログラムを 8.3 と同じ条件に設定す

る。

8.5 

校正

8.5.1 

化合物が同定できる場合  適正な化合物が市販品で得られるなら,ファクタは次の手法を用いて決

める。

a) 

サンプル容器(5.10)中に,8.4 で同定した化合物のそれぞれの市販品を 0.1 mg までの精度ではかり

とる。その量は,試験する製品中に含まれる量と同程度とする。同様の量の内標準(6.1)を,そのサ

ンプル容器にはかりとり,混合物を希釈溶媒(6.3)で希釈して,それを試験サンプルに用いるのと同

じ条件で注入する。

b) 

装置パラメータを 8.3 に指示したように最適化する。

c) 

校正用混合物の適量を,ガスクロマトグラフに再び注入する。それぞれの化合物についてのファクタ

を,式(1)を用いて算出する。

A ci

m

Ais

m ci

r i

×

=

×

is

 (1)

ここに,

r

i

化合物 のファクタ

m

is

校正用混合物中の内標準の質量(mg)

m

ci

校正用混合物中の化合物 の質量(mg)

A

is

内標準のピーク面積

A

ci

化合物 のピーク面積

8.5.2 

化合物が同定できない場合  同定できないピークが認められた場合又は適正な化合物が市販品で

手に入らない場合には,ファクタは 1.0 を想定する。

8.6 

サンプル調製  1∼3 g の間のサンプルと,それに含まれる VOC と同量程度の内標準とを,0.1 mg の

精度でサンプル容器にはかりとる。試験サンプルを適切な量の希釈溶媒で希釈し,容器を密封して内容物

を均質化する。

備考  容量法で同程度の精度が確保できる場合には,計量は容量で行うことができる。

参考  顔料入り,その他扱い難いサンプルは,遠心分離で処理してもよい。

8.7 

化合物含有量の定量測定  化合物含有量の定量測定は,次による。

a) 

装置パラメータを,校正時に最適化した条件に設定する。


6

K 5601-5-1

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b) 

試験サンプル 0.1∼1 µl をガスクロマトグラフに注入し,クロマトグラムを記録する。それぞれの化合

物のピーク面積を測定し,塗料中にあるそれぞれの化合物の質量を,式(2)を用いて算出する。

A

m

m

Ac i

r i

m i

is

s

is

×

×

×

=

 (2)

ここに,

m

i

試験サンプル 1g 中の化合物 の質量(g)

r

i

化合物 のファクタ[8.5.1 c)参照]

A

ci

化合物 のピーク面積

A

is

内標準のピーク面積

m

is

試験サンプル中の内標準の質量(g)

8.6 参照)

m

s

試験サンプルの質量(g)

8.6 参照)

参考  ナフサなどのある種の溶媒は,一連のピークとして溶出する。ほとんどの記録積分計では,こ

の区間で同時溶出する他の化合物がないものとして,全面積を合計して一つのピークとして扱

う。

9. 

計算  次に規定する方法によって,VOC 含有量は式(3)∼式(6)を用いて計算する。特定の方法が規定

されていないときは,方法 1 によって VOC 含有量を計算する。方法 1 は,密度の測定(VOC含有量に

密度の測定誤差が影響する可能性がある)を含まないので精度がよいため,望ましい計算方法である。

9.1 

方法 1  既調合製品の質量%表示での VOC 含有量は,式(3)を用いて算出する。

100

1

×

=

=

=

n

i

i

m i

VOC

 (3)

ここに,

VOC

既調合製品の質量%表示での VOC 含有量

m

i

試験サンプル 1 g 中の化合物 の質量(g)

8.7 b)

参照]

9.2 

方法 2  既調合製品のリットル当たりグラム数表示での VOC 含有量は,式(4)を用いて算出する。

000

1

s

1

×

×

=

=

=

ρ

n

i

i

m i

VOC

 (4)

ここに,

VOC

既調合製品のリットル当たりグラム数表示での
VOC

含有量

m

i

試験サンプル 1 g 中の化合物 の質量(g)

8.7 b)

参照]

ρ

s

23

℃での試験サンプルの密度(8.1 参照)

1 000

変換ファクタ

9.3 

方法 3  既調合製品のリットル当たりグラム数表示での水分を除外した場合の VOC 含有量は,式(5)

を用いて算出する。


7

K 5601-5-1

:2006

     

000

1

s

w

-

s

1

1

lw

×

×

×

=

=

=

ρ

ρ

ρ

w

m

n

i

i

m i

VOC

 (5)

ここに,

VOC

lw

既調合製品のリットル当たりグラム数表示での水
分を除外した場合の VOC 含有量

m

i

試験サンプル 1g 中の化合物 の質量(g)

8.7 b)

参照]

m

w

試験サンプル 1 g 中の水分の質量(g)

8.2 参照)

ρ

s

23

℃での試験サンプル密度(8.1 参照)

ρ

w

23

℃での水分の密度(=0.997 537 g/ml)

1 000

変換ファクタ

9.4 

方法 4  既調合製品のリットル当たりグラム数表示での水分及び対象外化合物抜き VOC 含有量(国

の規制がある場合に適用)は,式(6)を用いて算出する。

000

1

s

1

ec

ec

s

w

w

s

1

1

lwe

×

×

=

=

×

×

=

=

=

ρ

ρ

ρ

ρ

ρ

n

i

i

i

m

i

m

n

i

i

m i

VOC

 (6)

ここに,

VOC

lwe

既調合製品のリットル当たりグラム数表示での
水分及び対象外化合物抜き VOC 含有量

m

i

試験サンプル 1 g 中の化合物 の質量(g)

8.7 b)

参照]

m

w

試験サンプル 1 g 中の水分の質量(g)

8.2 参照)

m

eci

試験サンプル 1 g 中の対象外化合物 の質量(g)

ρ

s

23

℃での試験サンプルの密度(8.1 参照)

ρ

w

23

℃での水分の密度(=0.997 537 g/ml)

ρ

eci

対象外化合物 の密度

1 000

変換ファクタ

10. 

結果の表示  サンプリング及び調整を含む操作を 2 回繰返す。二つの結果(繰返し)の差が,附属書

C

(参考)附属書表 の変動の繰返し性係数に表示された値より大きい場合は,操作を繰り返す。有効な

二つの結果(反復)の平均値を計算する。質量で 1  %を超える値の場合は 0.1  %まで,1  %以下の値につ

いては 0.01  %までの精度で報告する。

11. 

試験報告  試験報告には,次の事項を記載する。ただし,受渡当事者間の協定によって,記載する事

項を選択することができる。

a) 

この規格(JIS K 5601-5-1

b) 

試験した製品を確認するのに必要なすべての事項(製造業者,商品名,ロット又はバッチナンバなど)

c) 

附属書 に規定する補足情報

d) c)

で引用した情報を提供する国際標準,国家標準,製品規格又はその他の引用事項

e) 9.

に示す試験結果及び採用した計算方法(9.19.29.3 又は 9.4


8

K 5601-5-1

:2006

     

f) 

規定された試験方法と異なる事項

g) 

試験年月日

関連規格  ISO 5725-1:1994  Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results−Part

1:General principles and definitions

ISO 5725-2

:1994

  Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results−Part

2:Basic method for the determination of repeatability and reproducibility of a standard

measurement method

ISO 11890-1

:2000

  Determination of volatile organic compound (VOC) content−Part 1:Difference

method

ASTM D 3960

:1998

  Practice for Determining Volatile Organic Compound (VOC) Content of Paint

and Related Coatings


9

K 5601-5-1

:2006

     

附属書 A(規定)  必要な補足情報

1. 

適用範囲  この附属書に規定する補足情報は,試験報告(本体 11.参照)に記載する事項のほかに,試

験を適切に実行するために必要となる補足事項について規定する。

2. 

必要な補足情報  必要な情報については,受渡当事者間の協定によることが望ましく,国際規格,国

家規格又はその他製品に関する情報から,全体的又は部分的に引用してもよい。

a) 

測定する有機化合物(本体 8.参照)

b) 

採用する試験条件(本体 8.参照)

c) a)

の有機化合物中,対象外化合物


10

K 5601-5-1

:2006

     

附属書 B(参考)  ガスクロマトグラフ条件例

この附属書に記載する条件例は,測定を適切に実施するための一つの具体例であり,必ずしもこの条件

にはこだわらず,受渡当事者間で最適な条件を協定によって取り決めてもよい。

この附属書は,本体及び附属書に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1. 

水希釈性製品のホット導入部方式

試料導入部温度

   250

スプリット比

1

:40

注入量

0 5 l

,自動注入

カラム槽温度プログラム

初期温度:70  ℃

等温保持時間:3 分

昇温速度:10  ℃/分

最終温度:200  ℃

等温保持時間:15 分

検出器温度

   260

キャリヤーガス

ヘリウム

ガス圧:100 kPa

カラム

長さ:25 m

内径:0.2 mm

ポリエチレングリコール被覆  膜厚 0.2 µm

2. 

水希釈性製品のコールド導入部方式

試料導入部温度

4

スプリット比

1

:20

注入量

0 5 l

コールド導入システム温度プログラム

昇温速度:5  ℃/秒

第 1 保持温度:100  ℃

保持時間:10 秒

昇温速度:5  ℃/秒

第 2 保持温度:260  ℃

保持時間:240 秒

カラム槽温度プログラム

初期温度:50  ℃

等温保持時間:4 分

昇温速度:8  ℃/分

最終温度:240  ℃

等温保持時間:10 分

検出器温度

   280

キャリヤーガス

水素


11

K 5601-5-1

:2006

     

ガス圧:150 kPa

カラム

長さ:50 m

内径:0.32 mm

ポリジメチルシロキサン被覆  膜厚 1.0 µm

3. 

非含水性製品のホット導入部方式

試料導入部温度

   250

スプリット比

1

:100

注入量

0 5 l

,自動注入

カラム槽温度プログラム

初期温度:40  ℃

昇温速度:3  ℃/分

最終温度:175  ℃

等温保持時間:15 分

検出器温度

   260

キャリヤーガス

ヘリウム

ガス圧:170 kPa

カラム

長さ:50 m

内径:0.2 mm

ポリジメチルシロキサン被覆  膜厚 0.25 µm

4. 

非含水性製品のコールド導入部方式

試料導入部温度

4

スプリット比

1

:100

注入量

0 5 l

昇温速度:5  ℃/秒

第 1 保持温度:100℃

保持時間:10 秒

昇温速度:5  ℃/秒

第 2 保持温度:250  ℃

保持時間:200 秒

カラム槽温度プログラム

初期温度:40  ℃

昇温速度:3  ℃/分

最終温度:175  ℃

等温保持時間:10 分

検出器温度

   260

キャリヤーガス

ヘリウム

ガス圧:170 kPa

カラム

長さ:50 m

内径:0.32 mm

ポリジメチルシロキサン被覆  膜厚 0.25 µm


12

K 5601-5-1

:2006

     

附属書 C(参考)  ガスクロマトグラフ試験の精度

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1. 

通則  試験方法の精度は,ISO 5725-1 及び ISO 5725-2 に従い 4 種の異なる材料を 5∼7 か所の試験機

関で試験した。一部の結果は,この規格の適用範囲に入らないため[

附属書表 の注(

1

)

参照]精度計算時

に対象外とした。それらの VOC 含有量は,質量で 15  %を超えていたが,それらは ISO 11890-1 の精度と

比較するために試験したものである。

2. 

繰返し許容差

r

  繰返し許容差

r

は,同一の材料について,同一の作業者によって,一つの試験機関

で,短期間内に,標準化された試験方法を用いて行われた繰返し実験において,単独試験結果間の絶対値

差と繰返しの平均値との比として見込まれる値である。この試験方法を用いて得られた 5 回の繰返し測定

において,変動の繰返し係数は,1  %と 8  %との間にある。

3. 

再現許容差 R  再現許容差 は,同一の材料について,異なる試験機関の作業者達によって,標準化

された試験方法を用いて行われた再現実験において,二つの試験結果間の絶対値差と平均値との比として

見込まれる値である。この試験方法の再現性は,変動の再現性係数として表したとき 2  %と 11  %との間

にある。

附属書表  1  試験機関間試験の結果

変数

分散形塗料

カチオン電着塗料

水性塗料

2

液ワニス(

1

)

試験機関数

      5

                7

      5

              6

繰返し測定数

      5

                5

      5

              5

質量%での平均値

      0.36

              11.68

    11.83

            43.36

再現性標準偏差

      0.04

                0.24

      1.22

              4.73

変動の再現性係数

    10.4

                2.0

    10.3

            10.9

繰返し性標準偏差

      0.01

                0.17

      0.88

              0.64

変動の繰返し性係数

   2.6

        1.5

   7.4

       1.5

(

1

)

平均値が質量で 15  %を超えるため精度に組み込まない。 


13

K 5601-5-1

:2006

附属書 1(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 5601-5-1

:2005  塗料成分試験方法−第 5 部:塗料中の揮発性有機化合物(VOC)

の測定−第 1 節:ガスクロマトグラフ法

ISO 11890-2

:2000,塗料及びワニス−揮発性有機化合物(VOC)の定量−

第 2 部:ガスクロマトグラフ法

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

項目

番号

内容

(

Ⅱ)  国際規格番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

1.

適用範囲

塗料,ワニス及びそ

れ ら の 原 料 の 揮 発
性 有 機 化 合 物
(VOC)の含有量を

規定する。この規格
で は , 予 想 さ れ る

VOC

含 有 量 が

0.1

% を 超 え , 約

15

%未満の場合に

用いる。

ISO 11890-2 

1

JIS

に同じ

IDT

2.

引用規格

JIS K 0068

JIS K 0114

JIS K 0117

JIS K 5500

JIS K 5600-1-2

JIS K 5600-1-3

JIS K 5600-2-4

2

ISO 760

ISO 4618-1

ISO 15528

ISO 1513

ISO 2811-1

-4

ISO 5725-1

ISO 5725-2

ISO 11890-1

ASTM D 3960 

IDT

MOD/

追加

MOD/

追加

IDT

IDT

IDT

IDT

MOD/

削除

MOD/

削除

MOD/

削除

MOD/

削除

用語の日本語表現

用語の日本語表現

− 

− 

JIS

では関連規格とした。

JIS

では関連規格とした。

JIS

では関連規格とした。

JIS

では関連規格とした。

JIS K 0114

の整合化を待つ。

JIS K 0117

の整合化を待つ。

− 

− 

参考の附属書で用いられてるた

め,関連規格とした。


14

K 5601-5-1

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線

項目 
番号 

内容

(

Ⅱ)  国際規格番

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

3.

定義

JIS K 5500

塗料用語

JIS K 0114

ガスクロマトグラフ
用語

ISO 11890-2 

3 VOC

,VOC content の

定義を具体的に記述。

MOD/

削除

MOD/

追加

ISO 4618

に整合してい

る JIS K 5500 を引用し

た。 
用語の日本語表現

改正時に提案する。

JIS K 0114

の整合化を待つ。

4.

原理

ガスクロマトグラフ
法によって VOC を測

定する方法。

 4

JIS

に同じ

IDT

5

必要な補足事項 MOD/削除

附属書 A と重複する。

改正時に提案する。

5.

装置

5.1

∼5.4.1

装置の説明及び試料

導入方法の説明。

6.1

∼6.4

JIS

に同じ IDT

5.4.2

5.4.3

質量分析計

フーリエ変換赤外線
分光光度計

JIS

に同じ MOD/追加

機器の JIS を追加した。

JIS

では,使用者の利便を図るた

め,機器を明確にした。 
技術的差異はない。

5.5

キ ャ ピ

ラリーカラ

カラムは化学的に安
定な材質のもの。

 6.5

カ ラ ム は ガ ラ ス 製 又
は 石 英 ガ ラ ス 製 と す
る。

MOD/

変更

ステンレス製などが実用
化されている。

改正時に提案する。

5.6

∼5.12

分析装置及びガスに
ついて規定。

6.6

6.12

JIS

に同じ IDT

6.

試薬

試薬について規定。

7

JIS

に同じ IDT

7.

サ ン プ リ

ング

JIS K 5600-1-2

を引

用。

8

JIS

に同じ IDT

JIS K 5600-1-2

は ISO 15528 と整

合している。

8.

操作

8.1

∼8.5

試料の密度,含水量及
びガスクロマトグラ
フ操作条件について

規定。

9

9.1

9.5

JIS

に同じ 

IDT


15

K 5601-5-1

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

項目 
番号 

内容 

(

Ⅱ)  国際規格番

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

8.6

サ ン プ

ル調製

備考  容量法で同程度
の精度が確保できる

場合には,計量は容量
で行うことができる。

ISO 11890-2 

9.6

 

MOD/

追加

実用上マイクロシリンジ
による方法が利便性が高

い。

改正時に提案する。

8.7

化 合 物

含有量の定
量測定

定量計算式の説明。

9.7

JIS

に同じ 

IDT

9.

計算

計算式の提示。

10

JIS

に同じ 

IDT

10.

結果の表

結果の表示について

規定。

11

JIS

に同じ 

IDT

11.

試験報告  報告に記述する項目

を規定。

13

す べ て の 項 目 の 記 述

を指定。

MOD/

追加

記述する項目は受渡当事

者の合意によって選択可
とする。

附属書 A

(規定)

必要な補足情報

Anne

x A

項目は JIS に同じ。 MOD/追加

適用範囲を追加。

附属書 B

(参考)

ガスクロマトグラフ

の操作条件例。

Anne

x B

項目は JIS に同じ。 

MOD/

変更

注入量,昇温速度など国

内で実施可能な範囲を記
述。

附属書 C

(参考)

試験の精度。

12

精度について規定。 MOD/削除

精度の検証に参加してい

ないため規定とせず,附
属書(参考)とした。

次回のクロスチェック時に日本

も参加する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD


16

K 5601-5-1

:2006

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

―  IDT………………技術的差異がない。

―  MOD/削除………国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
―  MOD/追加………国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
―  MOD/変更………国際規格にない規定項目又は規定内容を変更している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

―  MOD……………国際規格を修正している。