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K 5600-8-1:2014  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

1A 引用規格 ······················································································································ 1 

2 表示システムの一般原則 ···································································································· 2 

3 欠陥の量,大きさ及び変化の程度の評価 ··············································································· 2 

3.1 一般原則 ······················································································································ 2 

3.2 塗膜変化の程度の表示 ···································································································· 2 

3.3 欠陥の量の表示 ············································································································· 2 

3.4 欠陥の大きさの表示 ······································································································· 3 

4 等級表示の他の節との関係 ································································································· 3 

5 結果の表示 ······················································································································ 4 

6 試験報告························································································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

K 5600-8-1:2014  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

塗料工業会(JPMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS K 5600-8-1:1999は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 5600の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 5600-1 第1部:通則 

JIS K 5600-2 第2部:塗料の性状・安定性 

JIS K 5600-3 第3部:塗膜の形成機能 

JIS K 5600-4 第4部:塗膜の視覚特性 

JIS K 5600-5 第5部:塗膜の機械的性質 

JIS K 5600-6 第6部:塗膜の化学的性質 

JIS K 5600-7 第7部:塗膜の長期耐久性 

JIS K 5600-8 第8部:塗膜劣化の評価−欠陥の量,大きさ及び外観の変化に関する表示 

JIS K 5600-9 第9部:粉体塗料 

JIS K 5600-8は,塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−欠陥の量,大きさ及び外観の変化に関

する表示に関する試験方法として,次の各節によって構成する。 

JIS K 5600-8-1 第1節:一般原則及び等級 

JIS K 5600-8-2 第2節:膨れの等級 

JIS K 5600-8-3 第3節:さびの等級 

JIS K 5600-8-4 第4節:割れの等級 

JIS K 5600-8-5 第5節:はがれの等級 

JIS K 5600-8-6 第6節:白亜化の等級(テープ法) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 5600-8-1:2014 

塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価− 

欠陥の量,大きさ及び外観の変化に関する表示− 

第1節:一般原則及び等級 

Testing methods for paints-Part 8: Evaluation of  

degradation of coatings-Designation of quantity and size of defects,  

and of intensity of uniform changes in appearance- 

Section 1: General principles and rating schemes 

序文 

この規格は,2003年に第3版として発行されたISO 4628-1を基に,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,塗膜欠陥の量,大きさ及び均一な外観の変化の程度を表示するシステム並びにJIS K 5600-8

を通じて用いるシステムの一般原則について規定する。 

注記1 このシステムは,特に老化及び風化に起因する欠陥及び均一な色変化(例えば,黄変)を評

価することを目的としている。JIS K 5600-8の他の節は,基準図版又は特定の種類の欠陥を

評価する方法について規定している。このシステムは,できる限り,既に存在する評価方法

と対応を図っている。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 4628-1:2003,Paints and varnishes−Evaluation of degradation of coatings−Designation of 

quantity and size of defects, and of intensity of uniform changes in appearance−Part 1: General 

introduction and designation system(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

1A 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 5600-8-2 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第2節:膨れの等級 

JIS K 5600-8-3 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第3節:さびの等級 

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K 5600-8-1:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 5600-8-4 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第4節:割れの等級 

JIS K 5600-8-5 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第5節:はがれの等級 

JIS K 5600-8-6 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−欠陥の量,大きさ及び外観の変化に関

する表示−第6節:白亜化の等級(テープ法) 

表示システムの一般原則 

表示システムは,塗膜欠陥の量,大きさ及び変化の程度を,0から5までの数値で表す。“0”は欠陥,

変化などがないことを示し,“5”は非常に著しい欠陥,変化などがあることを示す。また,0〜5の間を最

適に区分するように1,2,3及び4等級に細分する。 

観察された欠陥及び変化を,より詳細に報告するため,受渡当事者間の取り決めがあれば,中間的な等

級を加えることができる。等級に加えて,評価対象の面積又は全体に占める割合を百分率で表示する。 

注記1 試験部全体に散在している小欠陥の量は,格子法によって評価する方法がある。詳細は,ISO 

4540:1980,Metallic coatings−Coatings cathodic to the substrate−Rating of electroplated test 

specimens subjected to corrosion tests参照。 

注記2 JIS K 5600-8規格群で規定する等級は,ほかの規格で用いている等級と異なることがある。

例えば,JIS K 5600-8-2によるさびの等級の場合,ASTM D 610,Standard Practice for Evaluating 

Degree of Rusting on Painted Steel Surfacesでのさび等級の評価は10〜1で,10は変化がなく,

1が最大の変化であることを示す。 

欠陥の量,大きさ及び変化の程度の評価 

3.1 

一般原則 

評価は,欠陥又は外観変化が確認できる程度の明るい照明のもとで行う。 

3.2 

塗膜変化の程度の表示 

塗膜の色相変化(例えば,黄変)及び白亜化のような,塗膜面が一様に変化するものの程度の表示は,

表1による。ほかに受渡当事者間の協定がなければ,等級は整数で示す(箇条2参照)。 

表1−変化の程度を表示するための等級表 

等級 

変化の程度 






無変化(すなわち,認められるような変化がない。) 
極めて僅か(すなわち,かろうじて認められる程度の変化。) 
僅か(すなわち,明らかに認められる変化。) 
中程度(すなわち,非常にはっきりと認められる変化。) 
重大(すなわち,相当な変化。) 
非常に著しい変化。 

3.3 

欠陥の量の表示 

ほぼ同じようなパターンで試験面に散在している欠陥(塗膜の連続性を損なう欠陥)の量の表示は,表

2による。ただし,受渡当事者間の協定があれば,等級は整数でなくてもよい(箇条2参照)。 

background image

K 5600-8-1:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−欠陥の量を表示するための等級表 

等級 

欠陥の量a)(1〜2 dm2の試験表面に関して) 






なし(すなわち,判別できるような欠陥がない。) 
極めて僅か(すなわち,かろうじて観察できる程度の欠陥がある。) 
僅か(すなわち,小さいが判別できる量の欠陥がある。) 
中程度の量の欠陥がある。 
相当な量の欠陥がある。 
著しい量の欠陥がある。 

注a) 欠陥が“膨れ”の場合は,JIS K 5600-8-2を参照。欠陥が“割れ”の場合は,JIS K 

5600-8-4を参照。 

3.4 

欠陥の大きさの表示 

欠陥の平均的な大きさがどの程度のものかを具体的に示す必要があるときは,表3による。 

表3−欠陥の大きさを表示するための等級表 

等級 

欠陥の大きさa) 






10倍に拡大しても視認できない。 
10倍に拡大してようやく視認できる。 
正常に補正された視力でやっと視認できる。 
正常に補正された視力ではっきり視認できる(0.5 mm以下)。 
0.5〜5 mm 
5 mm以上 

注a) 次の記述に該当しなければ,この表の表示を用いる。 

色々な大きさの欠陥が試験面にある場合,その試験面を量的に代表する最も大き

な欠陥を,評価の等級としなければならない。その場合の欠陥表示は,Snを用い
て報告する。ここで,Sは大きさを意味し,nは等級を示す。例えば,正常に補正
された視力でようやく視認できる欠陥はS2と表示する。 

等級表示の他の節との関係 

この規格は,表4のように,この規格と第2節〜第6節とを組み合わせて用いる。 

表4−等級表示の関係 

規格番号 

JIS K 5600-8-1(一般原則及び等級) 

各該当規格の図表 

表1 

変化の程度 

表2 

欠陥の量 

表3 

欠陥の大きさ 

JIS K 5600-8-2(膨れ) 

○ 

○ 

表B.1(この規格とASTM D 714の等級表
との関係) 

JIS K 5600-8-3(さび) 

○ 

表1(さびの等級及び面積) 

JIS K 5600-8-4(割れ) 

○ 

表1(割れの大きさの表示のための等級
表) 

JIS K 5600-8-5(はがれ) 

○ 

○ 

表1(はがれの量の表示のための等級表)
及び表2(はがれによって露出したほぼ平
均の大きさの表示のための等級表) 

JIS K 5600-8-6(白亜化) 

○ 

図1(黒い背景面上での1〜5の数値によ
る白亜化の判定標準写真) 

K 5600-8-1:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例 さび;Ri 3(S4)はさびの面積が等級でRi 3(面積で1 %)を表し,量的に代表する最も大きなさ

び膨れの大きさが,表3の等級4(0.5〜5 mm)であることを表す。 

結果の表示 

変化の程度(表1参照)は,次の例のように表示する。 

例1 白亜化:4 

なお,評価対象のおよその面積又は全体の面積のうち,評価した面積の割合(百分率)を付記する。 

欠陥の量(表2参照)及び欠陥の大きさ(表3参照)は,次の例のように表示する。 

例2 膨れ:2(S2) 

剝がれ:3(S2) 

なお,評価対象のおよその面積,又は全体の面積のうち評価した面積の割合(百分率)を付記する。 

必要があれば,試験結果に“端部に限定”,“上塗から中塗に達する膨れ”などのように補足してもよい。 

試験報告 

試験報告には,次の事項を含んでいなければならない。 

a) 試験した塗膜についての必要な全ての明細 

b) この規格番号(JIS K 5600-8-1) 

c) 評価した面積及び位置 

d) 箇条5による評価結果 

e) 評価を実施した場所の照明 

f) 

評価中に気付いた特別な事柄 

g) 試験年月日 

background image

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 5600-8-1:2014 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−欠陥の量,大
きさ及び外観の変化に関する表示−第1節:一般原則及び等級 

ISO 4628-1:2003 Paints and varnishes−Evaluation of degradation of coatings−
Designation of quantity and size of defects,and of intensity of uniform changes in 
appearance−Part 1: General introduction and designation system 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

追加 

この規格では引用規格への適
応説明を残した。 

JISでは,箇条4(等級表示の他
の節との関係)の表4を残し,他
の引用規格との対応を維持する。
技術的な差異はない。 

1A 引用
規格 

2 表示シ
ステムの
一般原則 

中間的等級表現として,
0.5の数値使用を規定し
ている。 

変更 

JISでは0.5の数値使用を原則
は認めない。受渡当事者間の取
り決め事項とした。 

0.5の数値使用はかえって,客観
性を損ねると考えられる。技術的
な差異はない。 

3.2 塗膜
変化の程
度の表示 

表1−変化の程度を
表示するための等
級表 

3.2 

表1−欠陥の量を表示す
るための等級表 

変更 

JISでは,表1をISO規格の表
3と入れ替えた。 

JISでは,箇条4(等級表示の他
の節との関係)の表4を残し,他
の引用規格との対応を維持する。
技術的な差異はない。 

3.3 欠陥
の量の表
示 

表2−欠陥の量を表
示するための等級
表 

3.3 

表2−欠陥の大きさを表
示するための等級表 

変更 

JISでは,表2をISO規格の表
1と入れ替えた。 

JISでは,箇条4(等級表示の他
の節との関係)の表4を残し,他
の引用規格との対応を維持する。
技術的な差異はない。 

3.4 欠陥
の大きさ
の表示 

表3−欠陥の大きさ
を表示するための
等級表 

3.4 

表3−変化の程度を表示
するための等級表 

変更 

JISでは,表3をISO規格の表
2と入れ替えた。 

JISでは,箇条4(等級表示の他
の節との関係)の表4を残し,他
の引用規格との対応を維持する。
技術的な差異はない。 

3

K

 5

6

0

0

-8

-1

2

0

1

4

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

4 等級表
示の他の
節との関
係 

表4−等級表示の関
係 

− 

− 

追加 

旧JISでは,JIS K 5600-8-1と
これを引用するJIS K 5600-8-2
〜-8-6の引用関係表を追加し
ている。 

JISでは,箇条4(等級表示の他
の節との関係)の表4を残し,他
の引用規格との対応を維持する。
技術的な差異はない。 

5 結果の
表示 

4 結果の
表示 

変更 

JISでは,箇条3で表の入替え
を行っているので,表現を整合
させた。 

JISでは,箇条4(等級表示の他
の節との関係)の表4を残し,他
の引用規格との対応を維持する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4628-1:2003,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

3

K

 5

6

0

0

-8

-1

2

0

1

4

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。