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K 5582

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本塗料

工業会 (JPMA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ

によって JIS K 5582 : 2002 は改正され,この規格に置き換えられる。


K 5582

:2003

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  種類

2

5.

  品質

2

6.

  見本品

3

7.

  試験方法

3

7.1

  サンプリング

4

7.2

  試験用試料の検分及び調整

4

7.3

  試験の一般条件

4

7.4

  容器の中での状態

4

7.5

  塗装作業性

4

7.6

  乾燥時間

4

7.7

  塗膜の外観

4

7.8

  隠ぺい率

4

7.9

  にじみ

5

7.10

  耐屈曲性

5

7.11

  耐衝撃性

5

7.12

  塗膜の加熱安定性

5

7.13

  耐水性

5

7.14

  耐アルカリ性

6

7.15

  耐揮発油性

6

7.16

  耐湿潤冷熱繰返し性

6

7.17

  加熱残分

6

7.18

  樹脂分中の塩素の定性

6

7.19

  促進耐候性

7

7.20

  屋外暴露耐候性

8

7.21

  試験の実施及び管理

8

8.

  検査

8

9.

  表示

8


日本工業規格

JIS

 K

5582

:2003

塩化ビニル樹脂エナメル

Vinyl chloride resin enamel

1.

適用範囲  この規格は,コンクリート・モルタル・スレート・木材などの塗装に用いる塩化ビニル樹

脂エナメル(以下,エナメルという。

)について規定する。

備考  エナメルには,ホルムアルデヒド系防腐剤,ユリア系樹脂,フェノール系樹脂及びメラミン系

樹脂のいずれをも含まないものとする。

参考  エナメルは,液状・有彩・不透明・揮発乾燥性の塗料でポリ塩化ビニル樹脂を主な塗膜形成要

素とし,はけ塗り又は吹付け塗りで用い,自然乾燥で短時間に塗膜を形成するようにしたもの

である。エナメルはポリ塩化ビニル樹脂に可塑剤を加え,溶剤に溶かして作ったビヒクルに顔

料を分散して作る。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 5430

  繊維強化セメント板

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 3303

  ぶりき及びぶりき原板

JIS K 2235

  石油ワックス

JIS K 5500

  塗料用語

JIS K 5600-1-1

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 1 節:試験一般(条件及び方法)

JIS K 5600-1-2

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 2 節:サンプリング

JIS K 5600-1-3

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 3 節:試験用試料の検分及び調整

JIS K 5600-1-4

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 4 節:試験用標準試験板

JIS K 5600-1-5

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 5 節:試験板の塗装(はけ塗り)

JIS K 5600-1-6

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 6 節:養生並びに試験の温度及び湿度

JIS K 5600-1-8

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 8 節:見本品

JIS K 5600-2-2

  塗料一般試験方法−第 2 部:塗料の性状・安定性−第 2 節:粘度

JIS K 5600-3-3

  塗料一般試験方法−第 3 部:塗膜の形成機能−第 3 節:硬化乾燥性

JIS K 5600-4-1

  塗料一般試験方法−第 4 部:塗膜の視覚特性−第 1 節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)

JIS K 5600-4-3

  塗料一般試験方法−第 4 部:塗膜の視覚特性−第 3 節:色の目視比較

JIS K 5600-4-7

  塗料一般試験方法−第 4 部:塗膜の視覚特性−第 7 節:鏡面光沢度

JIS K 5600-5-1

  塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 1 節:耐屈曲性(円筒形マンドレ

ル法)

JIS K 5600-5-3

  塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 3 節:耐おもり落下性


2

K 5582

:2003

JIS K 5600-6-1

  塗料一般試験方法−第 6 部:塗膜の化学的性質−第 1 節:耐液体性(一般的方法)

JIS K 5600-6-2

  塗料一般試験方法−第 6 部:塗膜の化学的性質−第 2 節:耐液体性(水浸せき法)

JIS K 5600-6-3

  塗料一般試験方法−第 6 部:塗膜の化学的性質−第 3 節:耐加熱性

JIS K 5600-7-4

  塗料一般試験方法−第 7 部:塗膜の長期耐久性−第 4 節:耐湿潤冷熱繰返し性

JIS K 5600-7-6

  塗料一般試験方法−第 7 部:塗膜の長期耐久性−第 6 節:屋外暴露耐候性

JIS K 5600-7-7

  塗料一般試験方法−第 7 部:塗膜の長期耐久性−第 7 節:促進耐候性(キセノンラン

プ法)

JIS K 5600-8-6

  塗料一般試験方法−第 8 部:塗膜劣化の評価−第 6 節:白亜化の等級

JIS K 5601-1-1

  塗料成分試験方法−第 1 部:通則−第 1 節:試験一般(条件及び方法)

JIS K 5601-1-2

  塗料成分試験方法−第 1 部:通則−第 2 節:加熱残分

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8575

  水酸化カルシウム(試薬)

JIS K 8593

  石油エーテル(試薬)

JIS K 8594

  石油ベンジン(試薬)

JIS K 8680

  トルエン(試薬)

JIS K 8937

  リグロイン(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8721

  色の表示方法−三属性による表示

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 5500 による。

4.

種類  種類は,次とする。

a)

1

種  主に,屋内に用いる。

b)  2

種  主に,屋外に用いる。

5.

品質  品質は,7.によって試験し,表 を満足しなければならない。


3

K 5582

:2003

表 1  品質

種類

項目

1

2

容器の中での状態

かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になるものとする。

塗装作業性

はけ塗りで塗装作業に支障があってはならない。

乾燥時間(硬化乾燥性)

2

時間以内

にじみ(

1

)

(白は除く)

にじみがあってはならない。

塗膜の外観

塗膜の外観が正常であるものとする。

隠ぺい率(白及び淡彩)(

2

)

  % 93 以上 90 以上

耐屈曲性

直径 3mm の折り曲げに耐えるものとす

る。

耐衝撃性

衝撃による変形で,割れ・はがれができ

ないものとする。

塗膜の加熱安定性

2

時間加熱したとき黒変してはならない。

耐水性 144 時間浸せきしたとき異常があってはならない。

耐アルカリ性 144 時間浸せきしたとき異常があってはならない。

耐揮発油性 24 時間浸せきしたとき異常があってはならない。

耐湿潤冷熱燥返し性

湿潤冷熱繰返しに耐えるものとする。

加熱残分  %

白及び淡彩(

2

) 40

以上 37 以上

その他の色 30 以上 25 以上

樹脂分中の塩素の定性

塩素が存在するものとする。

促進耐候性

通算 720 時間の照射で,膨れ・はがれ・
割れがなく見本品に比べて色とつやの変
化の程度が大きくなく,光沢保持率 70%

以上,白亜化の等級が 3 以下とする。

屋外暴露耐候性

12

か月の試験で,膨れ・はがれ・割れが

なく,見本品に比べて色とつやの変化の
程度が大きくなく,白亜化の等級が 3 以
下とする。

(

1

)

受渡当事者間の協定によって,にじみのある顔料を用いた場合には,にじみの項を除くことができる。ただし,
その場合には除いたことを 9.g)に従って表示する。

(

2

)

淡彩とは,白エナメルを主成分として作った塗料の塗膜に現れる灰色・桃色・クリーム色・うすい緑・水色な
どのようなうすい色で,JIS Z 8721 による明度 が 6 以上 9 未満のものをいう。

6.

見本品  見本品は,JIS K 5600-1-8 の区分によって,表 による。

表 2  見本品

見本品の区分

試験項目

観察項目

形態

設定方式

品質水準

色・つや

塗料見本

社内見本品

中心見本品

塗膜の外観

色むら・つやむら・はけ目・流れ・

しわ

促進耐候性

色及びつやの変化

屋外暴露耐候性  色及びつやの変化

限度見本品

7.

試験方法

参考  この規格の品質の規定に示した項目の試験に必要な試験板の材質,寸法及び枚数並びに試験日

数は,

参考表 による。また,この試験には,試料が約 500ml 必要である。


4

K 5582

:2003

7.1

サンプリング  サンプリングは,JIS K 5600-1-2 による。

7.2

試験用試料の検分及び調整  試験用試料の検分及び調整は,JIS K 5600-1-3 による。

7.3

試験の一般条件  試験の一般条件は,JIS K 5600-1-1JIS K 5600-1-6 及び JIS K 5601-1-1 によるほ

か,次による。

7.3.1

試験の場所

a)

養生及び試験の場所は,ほかに規定がない場合は,JIS K 5600-1-6 の 4.1(標準条件)で,直射日光を

受けず,養生及び試験に影響を与えるガス・蒸気・ほこりなどがなく,通風の少ない室内とする。

b)

拡散昼光は,JIS K 5600-4-3 の 5.2(自然昼光照明)とする。ただし,JIS K 5600-4-3 の 5.3(色観察ブ

ースの人工照明)に規定する色観察ブースを用いても差し支えない。

7.3.2

試験片の作製

7.3.2.1

試験板  試験板は,JIS K 5600-1-4 による。

備考  ほかに規定がない場合は,溶剤洗浄によって調整した鋼板とする。鋼板は,JIS G 3141 に規定

する SPCC-SB とする。大きさは,150×70×0.8mm とする。

7.3.2.2

試料の薄め方  試料の薄め方は,その製品に規定された薄め液を用い,JIS K 5600-2-2 の 3.(フ

ローカップ法)に規定する (4mm) カップによって,流下時間が,その製品に規定された秒数になるよう

に薄め液の量を調整する。

7.3.2.3

試料の塗り方  試料の塗り方は,1 種は,はけ塗りとし,JIS K 5600-1-5 によって行い,2 種は吹

付け塗りで 2 回塗る。このときの重ね塗りの間隔は 2 時間とする。塗付け量は 2 回塗り終了後,一般状態

に 2 時間おいた後,50±2℃に保った恒温器に入れて 2 時間加熱し,取り出して一般状態に 1 時間おいた後

に測定した塗膜の厚さが 40∼50

µm となる量とする。7.137.147.167.197.20 の試験では,試験片の

裏面及び周辺を事前に同種塗料で 2∼3 回塗り包んでおく。

7.3.2.4

乾燥方法  乾燥方法は,ほかに規定がない場合は,自然乾燥とする。

なお,塗り終わってからの試験片の保持は,JIS K 5600-1-1 の 3.3.6 

表 による。

7.4

容器の中での状態  容器の中での状態の試験は,JIS K 5600-1-1 の 4.1.2a)(液状塗料の場合)による。

7.5

塗装作業性  塗装作業性の試験は,JIS K 5600-1-1 の 4.2.3b)(2 回塗りの場合)による。ただし,試

験板は溶剤洗浄によって調整した鋼板 (500×200×1mm)  とし,7.3.2 によって,試験板の片面に規定の塗

付け量になるようにする。

7.6

乾燥時間  乾燥時間の試験は,JIS K 5600-3-3 による。ただし,試験板は,溶剤洗浄で調整した鋼板

(200

×100×0.8mm)  とし,試料の塗り方は 1 回塗りとし,塗付け量は塗り付けが終わってから一般状態に

2

時間おいた後,50±2℃に保った恒温器に入れて 2 時間加熱し,取り出して一般状態に 1 時間おいた後に

測定した塗膜の厚さが 20∼25

µm となる量とする。

7.7

塗膜の外観  塗膜の外観の試験は,JIS K 5600-1-1 の 4.4(塗膜の外観)による。ただし,試験板は

7.5

の終わったものを用い塗ってから 48 時間乾燥する。判定は,膨れ・割れ・はがれを認めず,試料と見

本品とを比べて,塗膜の色・つやの差異が少なく,レベリングが良好であるときは,

“塗膜の外観が正常で

ある。

”とする。

7.8

隠ぺい率  隠ぺい率の試験は,JIS K 5600-4-1 の 4.1.2[方法 B(隠ぺい率試験紙)]によるほか,次

による。

7.8.1

試験片の作製  隠ぺい率試験紙を平らなガラス板の上に水平に固定し,その上にすき間 150±4

µm

のフィルムアプリケータを用いて薄めない試料を塗り,

塗面を上向きに水平にして標準状態で 48 時間乾燥

したものを試験片とする。試験片は 2 枚作製する。


5

K 5582

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7.8.2

操作  試険片の白地と黒地の上の塗膜の各 4 か所以上について,三刺激値 を測定し,それぞれの

平均値 Y

w

(白地上)と Y

в

(黒地上)を求める。

7.8.3

計算  平均値 Y

w

と Y

в

から,2 枚の試験片の隠ぺい率 Y

в

/Y

w

を百分率で計算し,その平均値を計算

し,JIS Z 8401 によって整数 2 けたに丸める。

7.9

にじみ

7.9.1

試験片の作製  試験板は,7.3.2.1 に規定する鋼板とし,片面の約半分に 7.6 と同じ方法によって 1

回塗り,標準状態で 24 時間乾燥する。

7.9.2

操作  上塗りに用いる塗料は,試料と同じ製造所で作製した同種のエナメル白とし,7.6 と同じ方

法によって試験片の上に,1 回塗り重ね,標準状態で 2 時間乾燥する。

7.9.3

評価  試験片の白塗料を塗り重ねた部分に,にじみによる変色が認められないときは,“にじみが

ない。

”とする。

7.10

耐屈曲性  耐屈曲性試験は,JIS K 5600-5-1 によるほか,次による。

7.10.1

試験片の作製  試料を 7.3.2 によって,JIS K 5600-1-4 のぶりき板 (150×50×0.3mm) 2 枚に塗り付

け,一般状態に 2 時間おいた後,50±2℃に保った恒温器に入れて 2 時間加熱し,取り出して一般状態に 1

時間おいたものを試験片とする。

備考  ぶりき板は,JIS G 3303 に規定する電気めっきぶりきの SPTE5.6/5.6 T2 とする。

7.10.2

試験装置  JIS K 5600-5-1 の 3.1.2(タイプ 1 の試験装置)を使用し,心棒の直径は 3mm とする。

7.10.3

判定  折り曲げ終了後,試験片を装置からはずさず目視で検分し,試験片 2 枚に,割れ・はがれを

認めないときは,

“直径 3mm の折り曲げに耐える。

”とする。試験片の端から 10mm 以内の部分は評価の

対象外とする。

7.11

耐衝撃性  耐衝撃性試験は,JIS K 5600-5-3 によるほか,次による。

7.11.1

試験片の作製  試料を 7.3.2 によって試験板 2 枚に塗り付け,一般状態に 2 時間おいた後,50±2℃

に保った恒温器に入れて 2 時間加熱し,取り出して一般状態に 1 時間おいたものを試験片とする。

7.11.2

試験装置  JIS K 5600-5-3 の 6.(デュポン式)を使用し,おもりは 500±1g,おもりを落とす高さ

は 500mm とする。

7.11.3

判定  目視で検分し,試験片 2 枚に,割れ・はがれを認めないときは,“衝撃による変形で割れ・

はがれができない。

”とする。

7.12

塗膜の加熱安定性  塗膜の加熱安定性試験は,JIS K 5600-6-3 によるほか,次による。

7.12.1

試験片の作製  試料を 7.3.2 によって試験板 2 枚に塗り付け,一般状態に 48 時間おいたものを試験

片とする。そのうちの 1 枚について試験を行い,残りの 1 枚は原状試験片とする。

7.12.2

操作  115∼120℃に保った恒温器に入れて 2 時間加熱し,取り出して一般状態に 1 時間おいた後,

塗膜を調べる。

7.12.3

判定  原状試験片と目視で比較して,塗膜の黒変の程度が大きくないときは,“2 時間加熱したと

き黒変しない。

”とする。

7.13

耐水性  耐水性の試験は,JIS K 5600-6-2 によるほか,次による。

7.13.1

試験片の作製  1 種は,JIS K 5600-1-4 の繊維強化セメント板 (150×70×3mm),2 種は鋼板 (150

×70×0.8mm)  をそれぞれ 3 枚用いる。試験板の片面に,試料を 7.3.2 によって塗り付け,一般状態で 7 日

間乾燥した後,そのうちの 2 枚について裏面及び周辺を融解したパラフィン(

3

)

(又はそれに代わる物)で

被覆したものを試験片とする。残りの 1 枚は原状試験片とする。

注(

3

)  JIS K 2235

に規定するパラフィンワックスで融点 55∼65℃のものとする。


6

K 5582

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備考  繊維強化セメント試験板は,JIS A 5430 に規定するフレキシブル板とする。

7.13.2

試験条件  浸せき温度は 23±2℃,浸せき時間は 144 時間とする。

7.13.3

判定  試験片 2 枚の塗膜に,しわ・膨れ・割れ・はがれを認めず,更に 24 時間放置した後,原状

試験片と比べて,つやの変化・くもり・白化・変色の程度が大きくないときは,

“144 時間浸したとき異常

がない。

”とする。

7.14

耐アルカリ性  耐アルカリ性の試験は,JIS K 5600-6-1 の 7.[方法 1(浸せき法)]によるほか,次

による。

7.14.1

試験片の作製  7.13.1 によって作製する。そのうちの 2 枚について試験を行い,残りの 1 枚は原状

試験片とする。

7.14.2

試験条件  アルカリ溶液は水酸化カルシウム(

4

)

飽和溶液を用い,浸せき温度は 23±2℃,浸せき時

間は 144 時間とする。

注(

4

)  JIS K 8575

に規定する水酸化カルシウム(試薬)を用いて調整する。

7.14.3

判定  試験片を取り出し,直ちに水で静かに洗い,一般状態に 2 時間放置した後,試験片 2 枚の塗

膜に,膨れ・割れ・はがれ・軟化を認めず,更に,浸せき溶液の着色やにごりがなく,原状試験片と比べ

て,色やつやの変化の程度が大きくないときは,

“144 時間浸したとき異常がない。

”とする。

7.15

耐揮発油性  耐揮発油性の試験は,JIS K 5600-6-1 の 7.によるほか,次による。

7.15.1

試験片の作製  7.13.1 によって作製する。そのうちの 2 枚について試験を行い,残りの 1 枚は原状

試験片とする。

7.15.2

試験条件  試験液は,JIS K 8594 を用い,浸せき温度は 23±2℃,浸せき時間は 24 時間とする。

7.15.3

判定  試験片 2 枚の塗膜に,しわ・膨れ・割れ・はがれを認めず,更に,浸せき溶液の着色やにご

りが著しくなく,原状試験片と比べて,変色・軟化・つやの変化の程度が大きくないときは,

“24 時間浸

したとき異常がない。

”とする。

7.16

耐湿潤冷熱繰返し性  耐湿潤冷熱燥返し性の試験は,JIS K 5600-7-4 によるほか,次による。

7.16.1

試験片の作製  7.13.1 によって作製する。そのうちの 2 枚について試験を行い,残りの 1 枚は原状

試験片とする。

7.16.2

試験条件  試験片を 23±2℃の水中に 18 時間浸せき後,直ちに−20±3℃に保った恒温器で 3 時間

冷却し,次に 50±3℃に保った別の恒温器で 3 時間加熱する。この操作を 10 回繰り返す(

5

)

注(

5

)

繰返しの途中で試験を中断する場合は,50±3℃で 3 時間加熱した後とし,試験期間は 3 週間を

超えてはならない。

7.16.3

判定  試験片 2 枚の塗膜に,膨れ・割れ・はがれを認めず,原状試験片と比べて白化が認められな

いときは,

“耐湿潤冷熱繰返しに耐える。

”とする。

7.17

加熱残分  加熱残分の試験は,JIS K 5601-1-2 による。ただし,試験条件は,加熱温度 105±2℃,

加熱時間 1 時間とする。

7.18

樹脂分中の塩素の定性  樹脂分中の塩素の定性は,次による。

7.18.1

試料の調整  顔料を含む試料については,a)∼d)の操作で顔料を分離した後,e)以下の操作を行う。

また,顔料を含まない試料は e)の操作から行う。

a)

遠心分離器用の沈殿管に試料約 5g を取り,JIS K 8034 に規定するアセトン(試薬)を沈殿管容量の

80

%まで加え,よくかき混ぜて均一にする。

b)

沈殿管を遠心分離器に取り付け,約 10 000rpm で約 20 分間分離して固形物を沈ませた後,上澄み液を

蒸発皿に移す。


7

K 5582

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c)

水浴上で温めて約 5ml に濃縮し,別の沈殿管に移す。

d)

蒸発皿を,JIS K 8680 に規定するトルエン(試薬)で洗い,濃縮液を入れた沈殿管に洗液を加え,か

き混ぜて均一にする。

e)

激しくかき混ぜながら,JIS K 8937 に規定するリグロイン(試薬)30ml を徐々に加えて樹脂を析出す

る。

f)

沈殿管を遠心分離器に取り付け,5 000∼6 000rpm で約 20 分間分離して樹脂分を沈ませた後,上澄み

液を流し出して沈殿管の中に樹脂分を残す。

g)

沈殿管にアセトンとトルエンとの等量混合液(容積比)10ml を加え,水浴上で 40∼50℃に加熱しな

がらかき混ぜて樹脂分を溶解する。

h)  e)

と同様な方法でリグロインを徐々に加えて樹脂を析出,沈殿させて残し,更に 2 回溶解,析出,沈

殿を繰り返す。

i)

沈殿管の中の樹脂分を,JIS K 8593 に規定する石油エーテルで 2 回洗い,蒸発皿の底に広げ,温度約

80

℃に保持した恒温器の中で 2 時間加熱し,デシケータに入れて放冷した後,塩素の定性に用いる。

7.18.2

操作  調整した試料約 0.2∼0.5g を図 の装置の試験管に取り,バーナーで除々に加熱し分解する。

別の試験管  (

φ

15mm)

に約 0.1mol/L 硝酸銀 (I) 溶液(

6

)

約 5ml と硝酸 (1+1)(

7

)

約 1ml を入れ.ガラス管によ

って分解ガスを導入する。加熱はバーナーを調整しながら,試料がほぼ炭化するまで続けた後,硝酸銀溶

液を入れた試験管を振り混ぜる。

図 1  試験装置の例

注(

6

) 1mol/L

硝酸銀  JIS K 8550 に規定する硝酸銀(試薬)を 17g とり,水に溶かして 1L とし,褐

色瓶に入れて保管する。

(

7

)

硝酸 (1+1)    JIS K 8541 に規定する硝酸(試薬)を用いて調整する。

7.18.3

判定  白濁又は白色沈殿が明らかに認められたときは,“塩素が存在する。”とする。

7.19

促進耐候性  促進耐候性の試験は,JIS K 5600-7-7 によるほか,次による。

7.19.1

試験片の作製  試料及び見本品を,JIS K 5600-1-4 の繊維強化セメント板 (150×70×3mm)  の片面

に 3 回塗り重ね,一般状態で 7 日間乾燥する。塗り重ねの間隔は 2 時間とし,塗付け量は塗膜の厚さが 60

∼80

µm となる量とする。試験片の枚数は試料と見本品ともに 2 枚ずつとし,そのうちの 1 枚について試

験を行い,残りの 1 枚は原状試験片とする。

7.19.2

試験条件  JIS K 5600-7-7 の 6.(装置)の表 1(方法 1)によって,9.(手順)の表 のサイクル A

によって行い,照射時間は 720 時間とする。ただし,乾燥期間中の相対湿度は (50±5)  %とする。

7.19.3

評価項目及び評価方法

a)

白亜化の等級は,JIS K 5600-8-6 によって測定する。

b)

光沢保持率は,白亜化の等級試験の終了試験片を清浄(

8

)

にして,JIS K 5600-4-7 によって測定する。


8

K 5582

:2003

注(

8

)

水に浸して十分柔らかくしたビスコーススポンジなどで試験片の全面をこする。こするときは

常に水を流しかけて付着物などで表面にきずが付かないようにし,付着物を取り除く。洗い終

わった後,試験片は室内の清浄な場所に立てかけて乾かす。

c)

色の変化は,促進耐候試験片と原状試験片を JIS K 5600-4-3 によって目視で調べ,促進耐候試験によ

って生じた色の変化を知り,次に見本品について同様に比べ,更に試料と見本品とにおける変化の大

小を比べる。

d)

膨れ・割れ・はがれは,促進耐候試験片と原状試験片を目視で調べる。

7.19.4

判定  白亜化の等級が 3 以下,光沢保持率 70%以上で,膨れ・割れ・はがれがなく,色の変化の

程度が見本品に比べて大きくないとき,促進耐候性に適合するものとする。

7.20

屋外暴露耐候性  屋外暴露耐候性の試験は,JIS K 5600-7-6 によるほか,次による。

7.20.1

試験片の作製  試料及び見本品を,JIS K 5600-1-4 の繊維強化セメント板 (300×150×4mm)  の片

面に 3 回塗り重ね,一般状態で 7 日間乾燥する。塗り重ねの間隔は 2 時間とし,塗付け量は塗膜の厚さが

60

∼80

µm となる量とする。試験片の枚数は試料と見本品ともに 4 枚ずつとし,4 枚のうち 3 枚について耐

候試験を行い,残りの 1 枚は原状試験片とする。ただし,耐候試験片ごとの試験成績にばらつきが少ない

ことが分かっているときは,耐候試験片は 1 枚としてもよい。

7.20.2

試験条件

a)

試験の開始時期は,4 月又は 10 月とする。

b)

試験の期間は,12 か月とする。

7.20.3

評価項目及び評価方法

a)

白亜化の等級は,JIS K 5600-8-6 によって測定する。

b)

色の変化は,耐候試験片と原状試験片を JIS K 5600-4-3 によって目視で調べ,耐候試験によって生じ

た色の変化を知り,次に見本品について同様に比べ,更に試料と見本品とにおける変化の大小を比べ

る。

c)

膨れ・割れ・はがれは,耐候試験片と原状試験片を目視で調べる。

7.20.4

判定  試験期間が 12 か月に達した試験片の白亜化の等級が 3 以下で,膨れ・割れ・はがれがなく,

色の変化の程度が見本品に比べて大きくないとき,耐候性に適合するものとする。

7.20.5

記録の保存期間  5 年間とする。

7.21

試験の実施及び管理  試験の実施及び管理は,JIS K 5600-7-6 の附属書 1(耐候試験の実施及び管理)

による。ただし,塗料製造業者による試験の実施及び公共試験機関への試験の委託は,製品の過去におけ

る成績と使用実績に基づいて適切な時期を選んで行うが,少なくとも 5 年間に 1 回以上,製品を公共の試

験機関に送って試験を委託する。

なお,記録の保存期間は 5 年間とする。

8.

検査  検査は,7.によって試験し,表 に適合しなければならない。ただし,耐候性は,過去に生産

された製品について JIS K 5600-7-6 

附属書 によって品質の長期管理が行われ,その耐候性試験の成績

が適切であるときは,現在の製品が適合するものとする。

9.

表示  エナメルの容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。

a)

名称

b)

種類


9

K 5582

:2003

c)

正味質量又は正味容量

d)

製造業者名又はその略号

e)

製造年月又はその略号

f)

製造番号又はロット番号

g)

受渡当事者間の協定によって

表 の注(

1

)

を適用する場合には,

“にじみの試験を除く。

”と表示する。

h)

ホルムアルデヒド放散等級分類記号(F☆☆☆☆)

参考  F☆☆☆☆は,塗装から7日後における JIS K 5601-4-1 の 3.(デシケータ法)による放散量が

0.12mg/L

以下であることを示す。


10

K 5582

:2003

参考表 1  塩化ビニル樹脂エナメル

材質

寸法(㎜)

枚数(枚)

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

1

以降

7.4

容器の中での
状態

7.5

塗装作業性

鋼板

500

×200×1

試料 ・見本

計 2

7.6

乾燥時間

鋼板

200

×100×0.8

1

7.7

塗膜の外観

7.8

隠ぺい率

隠ぺい率試験紙

170

×144

1

7.9

にじみ

鋼板

150

×70×0.8

1

7.10

耐屈曲性

ぶりき板

150

×50×0.3

3

7.11

耐衝撃性

鋼板

150

×70×0.8

2

7.12

塗膜の加熱
安定性

鋼板

150

×70×0.8

1

7.13

耐水性

フレキシブル板

鋼板

150

×70×0.3

150

×70×0.8

3

   1 種

3

  2 種

7.14

耐アルカリ性

フレキシブル板

鋼板

150

×70×0.3

150

×70×0.8

3

   1 種

3

  2 種

7.15

耐揮発油性

フレキシブル板

鋼板

150

×70×0.3

150

×70×0.8

3

   1 種

3

   2 種

7.16

耐湿潤冷熱
繰返し性

鋼板

150

×70×0.8

3

7.17

加熱残分

7.18

樹脂分中の塩
素の定性

7.19

促進耐候性

フレキシブル板

150

×70×3

試料

 2 ・見本 2

計 4

7.20

屋外暴露耐候性 フレキシブル板

300

×150×4

試料

 4 ・見本 4

計 8

  

備考1. 記号の説明    : 試料の採取,   : 塗り付け,   : 判定,    : 放置,   : 加熱,    : 試験片の共用,   : その他の操作

    2. 試験日数欄の数字は,時間(h)を示す。

項目
番号

項  目

試 験 日 数 (日)

試 験 板

48

3

2

2

48

2

48

10日

144

24

7日

1

2

2

2

24

2

2

2

2

2 1

2

2

2 1

2

2

144

7日

2

2

7日

18

2

3

7日

720

2

7日

1

2

12か月

2

7日

サンプリング,

10

K 5582


2003

10

K 5582


2003