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K 5421 : 2000

(1) 

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した

日本工業規格である。これによって JIS K 5421 : 1983 は改正され,この規格に置き換えられる。

  今回の改正では,対応国際規格との整合性を図った。

JIS K 5421

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)  不けん化物の測定(ジエチルエーテル法)


日本工業規格

                    JIS

 K

5421

 : 2000

ボイル油及び煮あまに油

Boiled oil and boiled linseed oil

序文  この規格は,1980 年に第 1 版として発行された ISO 150, Raw, refined and boiled linseed oil for paints

and varnishes-Specifications and methods of test

を元に作成した日本工業規格である。対応国際規格には規定

されていない規定項目(品質のうち粘度,塗膜の外観,促進黄色度,よう素価及び塩化よう素試験,見本

品,試験方法のうち粘度,塗膜の外観,促進黄色度,よう素価及び塩化よう素試験,表示)を日本工業規

格として追加した。また,対応国際規格の適用範囲の一部(生あまに油及び精製あまに油)を不採用とし

た。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,ボイル油及び煮あまに油の品質とその試験方法について規定する。

備考1.  ボイル油は,塗膜形成要素を増加する目的で,調合ペイント及び油性の塗料に混合して用い

る液状・透明・酸化乾燥性の脂肪油で,乾性油の1種類又はそれ以上を加工してドライヤーを

加えるなどして乾燥性を強めたものである。

2.

煮あまに油は,あまに油を加工したものである。

3.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 150, Raw, refined and boiled linseed oil for paints and varnishes

−Specifications and methods of

test

4.

この規格で用いる用語は,JIS K 5500(塗料用語)による。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 5102

  亜鉛華(顔料)

JIS K 5600-1-1

  塗料一般試験方法‐第 1 部:通則‐第 1 節:試験一般(条件及び方法)

JIS K 5600-1-2

  塗料一般試験方法‐第 1 部:通則‐第 2 節:試料採取方法

備考  ISO 1512 : 1991, Paints and varnishes−Sampling of products in liquid or paste form が,この規格

と一致している。

JIS K 5600-1-3

  塗料一般試験方法‐第 1 部:通則‐第 3 節:試験用試料の検分及び調整

備考  ISO 1513 : 1992, Paints and varnishes−Examination and preparation of samples for testing が,この


2

K 5421 : 2000

規格と一致している。

JIS K 5600-1-4

  塗料一般試験方法‐第 1 部:通則‐第 4 節:試験用標準試験板

備考  ISO 1514 : 1993, Paints and varnishes−Standard panels for testing が,この規格と一致している。

JIS K 5600-1-5

  塗料一般試験方法‐第 1 部:通則‐第 5 節:試験板の塗装(はけ塗り)

備考  ISO 7877 : 1984, Paints and varnishes−Coating of test panels at a specified spreading rate−Brush

application

が,この規格と一致している。

JIS K 5600-1-6

  塗料一般試験方法‐第 1 部:通則‐第 6 節:養生並びに試験の温度及び湿度

備考  ISO 3270 : 1984, Paints and varnishes and their raw materials−Temperatures and humidities for

condi tioning and testing

が,この規格と一致している。

JIS K 5600-1-8

  塗料一般試験方法‐第 1 部:通則‐第 8 節:見本品

JIS K 5600-2-2

  塗料一般試験方法‐第 2 部:塗料の性状・安定性‐第 2 節:粘度

JIS K 5600-2-4

  塗料一般試験方法‐第 2 部:塗料の性状・安定性‐第 4 節:密度

備考  ISO 2811 : 1974, Paints and varnishes−Determination of density が,この規格と一致している。

JIS K 5600-3-2

  塗料一般試験方法‐第 3 部:塗膜の形成機能‐第 2 節:表面乾燥性(バロチニ法)

備考  ISO 1517 : 1973, Paints and varnishes−Surface-drying test−Ballotini method が,この規格と一致

している。

JIS K 5600-4-3

  塗料一般試験方法‐第 4 部:塗膜の視覚特性‐第 3 節:色の目視比較

備考  ISO/FDIS 3668, Paints and varnishes−Visual comparison of the colour of paints が,この規格と一

致している。

JIS K 5601-1-1

  塗料成分試験方法‐第 1 部:通則‐第 1 節:試験一般(条件及び方法)

JIS K 5601-2-1

  塗料成分試験方法‐第 2 部:溶剤可溶物中の成分分析‐第 1 節:酸価(滴定法)

備考  ISO 3682 : 1983, Binders for paints and varnishes−Determination of acid value−Titmetric method

が,この規格と一致している。

JIS K 8102

  エタノール (95) (試薬)

JIS K 8103

  ジエチルエーテル(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)

JIS K 8403

  三塩化よう素(試薬)

JIS K 8464

  シクロヘキサン(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8637

  チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)

JIS K 8659

  でんぷん(溶性)

(試薬)

JIS K 8893

  メチルオレンジ(試薬)

JIS K 8913

  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8920

  よう素(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8962

  硫酸カリウム(試薬)

JIS K 8987

  硫酸ナトリウム(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8722

  色の測定方法‐反射及び透過物体色


3

K 5421 : 2000

3.

品質  品質は,5.によって試験したとき,表 のとおりとする。

表 1  品質

種類

備考

項目

ボイル油

煮あまに油

試験方法

色数 700 以下

5.4

粘度 23℃

C

以下

5.5

JIS K 5600-2-2 の 4.

密度 23℃

‐ 0.926∼0.948

5.6

JIS K 5600-2-4

透明性

透明であること。

5.7

乾燥時間  h 24 以内 24 以内

5.8

JIS K 5600-3-2

塗膜の外観

塗膜の外観か正常であること。

5.9

JIS K 5600-1-1 の 4.4

促進黄色度 0.15 以下

5.10

加熱減量  % 5 以下 0.3 以下

5.11

酸価

8

以下

5.12

JIS K 5601-2-1

不けん化物%

‐ 2.0 以下

5.13

[附属書 1(規定)]

よう素価 145 以上 170 以上

5.14

塩化よう素試験

白い沈殿が生じないこと。

5.15

4.

見本品  見本品は,JIS K 5600-1-8 に規定する区分によって,表 のとおりとする。

表 2  見本品

見本品の区分

試験項目

観察項目

形態

設定方式

品質水準

色数

色の明るさ

塗料見本

限度見本品

透明性

透明性

塗料見本

限度見本品

色・つや

中心見本品

塗膜の外観

はけ目・流れ・しわ

むら・膨れ・割れ 
あな・つぶ

塗料見本

社内見本品

又は

協定見本品

限度見本品

5.

試験方法

5.1

試料採取方法  試料採取方法は,JIS K 5600-1-2 の 8.1.1 又は 8.2.1 による。ただし,8.2.1 の適用に

おいては,抜き取る容器数は,当事者間で規定することができる。

5.2

検分及び試験用試料の調整  検分及び試験用試料の調整は,JIS K 5600-1-3 による。ただし,検分は

JIS K 5600-1-3

の 4.によって,調整は JIS K 5600-1-3 の 8.2 によってそれぞれ行う。

5.3

試験の一般条件  試験の一般条件は,JIS K 5600-1-1 によるほか,次のとおりとする。

5.3.1

養生及び試験の場所  養生及び試験の場所は,次のとおりとする。

a)

標準状態  標準状態の養生及び試験の場所は,JIS K 5600-1-6 の 4.1 で,直射日光を受けず,養生及び

試験に影響を与えるガス,蒸気,ほこりなどがなく,通風の少ない室内とする。

b) 

一般状態  一般状態の養生及び試験の場所は,JIS K 5600-1-1 の 3.1.1 による。

c)

拡散昼光  拡散昼光は,JIS K 5600-4-3 の 5.2 による。

5.3.2

試験板  試験板は,JIS K 5600-1-4 による。ただし,特に規定する以外は溶剤洗浄によって調整し

た鋼板 (150×70×0.8)  とする。

備考  鋼板は,JIS G 3141 に規定する SPCC-SB とする。

5.3.3

試験片の作製  試験片(

1

)

の作製は,次のとおり行う。


4

K 5421 : 2000

(

1

)

規定の処理を行った試験板に規定の方法で試料を塗って作製したものを試験片という。

a) 

試験板の前処理  試験板の前処理は,JIS K 5600-1-4 による。ただし,塗膜形成機能に関する試験及

び塗膜の視覚特性に関する試験に用いる鋼板は,溶剤洗浄による調整を行う。

b) 

試料の準備  試料は,5.2 によって調整したものを用い,試験の都度よくかき混ぜて一様にした後,直

ちに使用する。

c) 

試料の塗り方  試料の塗り方は,JIS K 5600-1-5 による。

d) 

試験片の乾燥及び養生  特に規定する以外は,塗り終わった試験片を標準状態の試験場所に移して乾

燥・養生する。このとき 0.1m

2

以上の試験片は,短辺が水平に対して約 85 度になるように立て掛け,

0.1m

2

未満の試験片は,塗面を上向きにして水平に置く。

5.4

色数  色数の試験は,次のとおり行う。

a)

要旨  ボイル油,油ワニス及びクリヤラッカーなどの色の明るさを,よう素溶液の色の明るさと比べ

て明るさの等しい溶液について 100ml 中のよう素の mg 数で表す。

b)

よう素色数標準液  よう化カリウムの 20 (w/w)  溶液(

2

)

を約 100ml 取り,JIS K 8920 に規定するよう素

を約 2g 溶かし,これを原液とし,JIS K 8637 に規定するチオ硫酸ナトリウムの 0.1mol/溶液で滴定し

て原液のよう素の濃度を決定し,密封して貯蔵する。原液全量をメスフラスコに取り,水(

2

)

で薄めて

溶液 100ml 中のよう素の含有量が 1mg のものを,よう素色数 1 の標準液と定め,含有量が nmg のも

のをよう素色数 の標準液とする。必要な色数の標準液を作るには,その色数に相当するように,よ

う素を含有する量の原液を取り,水で薄めて 100ml にする。よう素色数標準液は,試験のたびに新し

く調整する。

c)

操作  試料と b)のよう素色数標準液とを,それぞれ無色透明で,内径と肉厚とが等しい別々の試験管

15

×150mm に深さ約 100mm まで入れ,これらを接して並べ,拡散昼光のもとで側面から透かして見

て,液の層が同じ厚さの部分について色を比べる。

d)

判定  色の明るさが等しい色数標準液の 100ml 中に含まれるよう素の mg 数を,その試料のよう素色

数とする。試料の色が色数標準液の色より明るいときは“色数が小さい”とする。

(

2

)

水は,JIS K 0557に規定する A2又は A3に規定する水を用いる。

5.5

粘度  粘度の試験は,JIS K 5600-2-2 の 4.による。ただし,試験の温度は 23±0.5℃とする。

5.6

密度  密度の試験は,JIS K 5600-2-4 による。ただし,用いる比重瓶は,ゲーリュサック比重瓶とし,

試験の温度は,23±0.5℃とする。

5.7

透明性  透明性の試験は,次のとおり行う。

a)

要旨  よく混合した試料を 15∼20℃で 24 時間放置後,沈殿又はその他の不溶性物質の有無を調べる。

b)

器具  試験管  約 15×150mm の無色透明で,内径及び肉厚が等しいものを 2 本。

c)

操作  試料と見本品をそれぞれよくかき混ぜて,直ちに 2 本の試験管に深さ約 100mm まで入れ,こ

れを雰囲気温度 15∼20℃の部屋に垂直に立てて静置する。24 時間後,拡散昼光のもとでこれらを接し

て並べ,側面から透かして見て沈殿及び浮遊物の有無を調べる。

d)

判定  見本品と比べて透明性が劣らず,沈殿,浮遊物及び液相の分離を認めないときは,“透明であ

る。

”とする。

5.8

乾燥時間  乾燥時間の試験は,JIS K 5600-3-2 によるほか,次のとおりとする。

5.8.1

乾燥時間(ボイル油の場合)

a)

試験片の作製  溶剤洗浄によって調整したガラス板 (200×100×2mm)  を用い,試料と JIS K 5102 

規定する亜鉛華 1 号とを質量で 4 : 6 の割合に採り,へらで十分に練り合わせ,試験板に 100cm

2

につ


5

K 5421 : 2000

いて約 0.8g の割合ではけで 1 回塗ったものを試験片とする。

b)

操作  塗装した試験片を,標準状態で 24 時間乾燥した後に試験して,塗膜の表面を目視で調べる。

c)

判定  塗面に損傷を与えずに,すべてのバロチニがはけで除去されているとき,判定は,表面乾燥状

態にあるとし,表面乾燥時間は“24 以内”とする。

5.8.2

乾燥時間(煮あまに油の場合)

a)

試験片の作製  溶剤洗浄によって調整したガラス板 (200×100×2mm)  を用い,はけ又は指を用いて

試験板の表面全体に一様になるよう試料を塗り広げる。試験板を垂直に置いて,過剰の試料を流下さ

せて垂れ切りを行ったものを試験片とする。

b)

操作  塗装した試験片を,標準状態で 24 時間乾燥した後に試験して,塗膜の表面を目視で調べる。

c)

判定  塗面に損傷を与えずに,すべてのバロチニがはけで除去されているとき,判定は,表面乾燥状

態にあるとし,表面乾燥時間は“24 以内”とする。

5.9

塗膜の外観  塗膜の外観の試験は,JIS K 5600-1-1 の 4.4 によるほか,次のとおりとする。

5.9.1

塗膜の外観(ボイル油の場合)

a)

試験片の作製  溶剤洗浄によって調整したガラス板 (200×100×2mm)  を用い,試料と見本品とをそ

れぞれ JIS K 5102 に規定する亜鉛華 1 号とを質量で 4 : 6 の割合に採り,へらで十分に練り合わせ,試

験板に 100cm

2

について約 0.8g の割合ではけで 1 回塗り,標準状態において 48 時間乾燥させたものを

それぞれの試験片とする。

b)

操作  拡散昼光のもとで,見本品の塗面と試験片の塗面を目視で調べる。

c)

判定  見本品の塗面と比べて,色とつやとは差異が少なく,はけ目・流れ・しわ・むら・膨れ・あな・

つぶの程度が大きくないときは“塗膜の外観が正常である”とする。

5.9.2

塗膜の外観(煮あまに油の場合)

a)

試験片の作製  溶剤洗浄によって調整したガラス板 (200×100×2mm)  を用い,試料と見本品とをそ

れぞれはけ又は指を用いて試験板の表面全体に一様になるよう塗り広げる。試験板を垂直に置いて,

過剰の試料を流下させて垂れ切りを行って,標準状態で 48 時間乾燥したものをそれぞれの試験片とす

る。

b)

操作  拡散昼光のもとで,見本品の塗面と試験片の塗面を目視で調べる。

c)

判定  見本品の塗面と比べて,色とつやとは差異が少なく,しわ・むら・膨れ・あな・つぶの程度が

大きくないときは“塗膜の外観が正常である”とする。

5.10

促進黄色度  促進黄色度の試験は,次のとおり行う。

a)

要旨  白色塗料の塗膜の色が暗くて湿度の高い空気中で黄変する程度を,促進試験にかけた塗膜を測

色して色の三刺激値  (XYZ)  から計算した黄色度で表す。

b)

装置,器具及び材料  装置,器具及び材料は,次のとおりとする。

1)

分光測光器  JIS Z 8722 の 4.2 に規定するもの。

2)

光電色彩計  JIS Z 8722 の 5.2 に規定するもの。

3)

デシケーター  直径 300mm 以上のもの(

3

)

4)

硫酸カリウム  JIS K 8962 に規定するもの。

5) 

試験板  ガラス板 (200×150×5mm)。

(

3

)

デシケータは,外面全部を黒く塗って光線の入るのを防ぎ,硫酸カリウム過飽和溶液を500ml

以上入れ,液面は中段より下にくるようにする。

c)

試験片の作製  溶剤洗浄によって調整した試験板に,試料と JIS K 5102 に規定する亜鉛華 1 号とを質


6

K 5421 : 2000

量比で 4 : 6 の割合に採り,へらで十分に練り合わせ,試験板に 100cm

2

について約 0.8g の割合ではけ

で 1 回塗り,板を水平にして標準状態において 72 時間乾燥させたものを試験片とする。

d)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

硫酸カリウム過飽和溶液を入れたデシケータの中段より上に,塗面を上向きにして試験片を置き,

温度 35±1℃で 48 時間保持した後,試験片を取り出して 1 時間放置後,直ちに測色する。

2)

分光測光器を用いる場合には,JIS Z 8722 の 4.に規定する分光測色方法によって,塗膜の色の三刺

激値 XYを求める。

3)

光電色彩計を用いる場合には,JIS Z 8722 の 5.に規定する刺激値直読方法によって,塗膜の色の三

刺激値 XYを求める。

e)

計算  促進黄色度は,次の式によって算出し,小数点以下 3 けたに丸める。

Y

Z

X

D

06

.

1

28

.

1

=

ここに,

D

促進黄色度

X

YZ

色の三刺激値

5.11

加熱減量  加熱減量の試験は,次のとおり行う。

a)

装置及び器具

1)

コニカルフラスコ  JIS R 3503 の規定に適合する容量 250ml のもの。

2)

不活性ガス吹き込み装置  不活性ガスを 10l/h の流量で吹き込めるもの。

3)

加熱浴  250ml のコニカルフラスコを 105∼110℃に加熱できるもの。

4) 

はかり  1mg のけたまではかる。

b) 

操作  約 10g の試料を,あらかじめ質量を求めた三角フラスコ 250ml 中に 1mg のけたまではかり採る。

試料の表面に,乾燥した不活性ガスを 10l/h の流量で吹き込みながら,105∼110℃の加熱浴中で 30 分

間フラスコを加熱する。加熱浴からフラスコを取り出し,室温に冷却し,清浄して 1mg のけたまでは

かる。

c)

計算  加熱減量は,質量百分率で表し,次の式によって算出する。

100

0

1

0

×

=

m

m

m

A

ここに,

A

:  加熱減量 (%)

m

0

:  最初の測定試料の質量 (g)

m

1

:  加熱後の測定試料の質量 (g)

5.12

酸価  酸価の試験は,JIS K 5601-2-1 による。

5.13

不けん化物  不けん化物の試験は,この規格の附属書 1(規定)による。

5.14

よう素価  よう素価の試験は,次のとおり行う。

a)

要旨  試料をシクロヘキサンに溶かし,過剰の塩化よう素溶液を加えて試料にハロゲンを結合させ,

未結合のハロゲンをチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,空試験値との差から 100g の試料に化学結合し

たハロゲンの質量をよう素の質量 (g) に換算して表す。

b) 

試薬  試薬は,次のとおりとする。

1)

シクロヘキサン  JIS K 8464 に規定するもの。

2)

0.1mol/l

塩化よう素・酢酸溶液  JIS K 8920 に規定するよう素 8.7g を量り採る。JIS K 8355 に規定


7

K 5421 : 2000

する酢酸 500ml を水浴上で加熱しながらよう素を加えて溶かす。別に,JIS K 8403 に規定する三塩

化よう素 7.9g をはかり採り,酢酸 400ml に溶かす。両方の溶液を混合し,さらに酢酸を加えて 1l

とし,褐色瓶に入れて暗所で保存する。

3)

よう化カリウム溶液 (10W/V%)   JIS K 8913 に規定するよう化カリウムを用いて調製する。

4) 

でんぷん溶液  JIS K 8659 に規定するでんぷん 1g をはかり採り,水約 10ml を加えて混和した後,

熱水 100ml 中にかき混ぜながら加える。約 1 分間煮沸し,冷却した後,上澄み液をとるか又はろ紙

でろ過する。でんぷん溶液は,使用の都度調製する。

5)

チオ硫酸ナトリウム溶液 (24.82gNa

2

S

2

O

3

5

H

2

O/l

  JIS K 5601-1-1 の 3.3.1.13 に規定するもの。

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

共通すり合わせ三角フラスコ 500ml 又は共通すり合わせよう素フラスコ 500ml に,試料のよう素価

に応じて

表 の試料採取量を 0.1mg のけたまではかり採り,シクロヘキサン 10ml を加えて溶かす(

4

)

2)

次に,温度 20℃に保った 0.1mol/塩化よう素‐酢酸溶液 25ml を全量ピペットで加え,よう素及び

塩素の揮散を防ぐためによう化カリウム溶液 (10W/V%) で潤した栓で密栓し,静かに振り混ぜる。

よう素フラスコを用いるときは,密栓した後,漏斗部分によう化カリウム溶液 (10W/V%) を少量入

れる。

3)

温度 20∼30℃に保ちながら暗所に 1 時間(

5

)

置き,その間ときどき緩やかに振り混ぜる。

4)

よう化カリウム溶液 (10W/V%) 10∼15ml と水約 200ml を加え,緩やかに振り混ぜた後,0.1mol/

オ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。

5)

溶液の色が赤茶からうすい黄になったときに,でんぷん溶液 0.5ml を加えて滴定を続け,青から無

色になったときを終点とする。

6)

別に,空試験を行う。

表 3  試料採取量

よう素価

試料採取量 (g)

5

未満 2.0

5

以上 30 未満 1.00

30

以上 50 未満 0.60

50

以上 100 未満 0.30

100

以上 150 未満 0.20

150

以上 200 未満 0.150

200

以上

0.100

(

4

)

この試験は,加えた0.1mol/塩化よう素‐酢酸溶液の半量以上が消費されないように試料を採取

する。

(

5

)

きり油の場合は 2 時間とする。


8

K 5421 : 2000

d)

計算  よう素価は,次の式によって算出する。

(

)

100

69

012

.

0

2

1

×

×

×

=

m

F

V

V

A

ここに,

A

よう素価

V

1

空試験に要した

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液の

 (ml)

V

2

滴定に要した

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液の量

 (ml)

F

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

0.012 69

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

1ml

に相当するよう素の質量

 (g)

m

試料の質量

 (g)

5.15

塩化よう素試験  塩化よう素試験は,次のとおり行う。

a)

要旨  試料をけん化して得た石けん溶液に硫酸を加えて脂肪酸を分離させ,ジエチルエーテルで抽出

する。この脂肪酸に,塩化よう素‐酢酸溶液を加え,高度不飽和脂肪酸のハロゲン化合物の生成によ

る濁り又は細かい白い沈殿の有無を調べる。

b)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

1)

硫酸 (15)    JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製する。

2)

ジエチルエーテル  JIS K 8103 に規定するもの。

3)

メチルオレンジ溶液 (0.1W/V%)   JIS K 8893 に規定するメチルオレンジ

0.1g

をはかり採り,水に

溶かして

100ml

とし,褐色瓶に入れて保存する。

4)

塩化ナトリウム飽和溶液  JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウムを用いて調製する。

5)

硫酸ナトリウム  JIS K 8987 に規定するもの。

6)

0.5mol/l

塩化よう素‐酢酸溶液  JIS K 8920 に規定するよう素

127g

を共栓付き共通すり合わせ三角

フラスコ

1l

にはかり採り,JIS K 8355 に規定する酢酸

900ml

を加え,

80

℃に加熱しながらできるだ

けよう素を溶解した後,酢酸を加えて

1l

とする。これをよう素‐酢酸溶液とする。この溶液中では,

よう素の全量は完全には溶解しない。

この溶液を放冷した後,この中から

200ml

を分取し,別の容器に採り,残りの溶液に乾燥した塩

素を通す。塩素を通している間は,溶液をときどき振り動かして,その中に残っている固体のよう

素が塩素を通し終わる前に全部溶けるようにする。塩素は,溶液の色が暗赤紫から突然明るい赤黄

に変わる直前まで通す。塩素を過剰に通しすぎて溶液の色が赤黄に変わったときは,先に分けてお

いたよう素‐酢酸溶液を少量ずつ,赤黄が赤紫に変わるまで加える。

調製の終わった溶液

2ml

を共栓付き共通すり合わせ三角フラスコ

200ml

に正確にはかり採り,よ

う化カリウム溶液

 (10W/V%)

 (

6

)

20ml

と水

100ml

とを加え,

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液(

7

)

で滴

定する。溶液が赤茶色からうすい黄色になったときに,でんぷん溶液(

8

)

0.5ml

を加えて滴定を続け,

液が無色になったときを終点とし,次の式によって,溶液

1l

に含まれるハロゲンの量をよう素に換

算して求め,約

254g

であることを確認する。

よう素の換算量が,

254g

より著しく外れているときは,調製をやり直す。


9

K 5421 : 2000

2

000

1

69

012

.

0

×

×

×

=

F

V

A

ここに,

A

溶液

1l

に含まれる換算よう素の量

 (g)

V

滴定に要した

0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液の量

 (ml)

F

 0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

0.012 69

 0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液

1ml

に相当するよう素の質量

 (g)

(

6

)

JIS K 8913

に規定するよう化カリウムを用いて調製する。

(

7

)

5.14

の 5)に規定するもの。

(

8

)

5.14

の 4)に規定するもの。

7)

エタノール (95)   JIS K 8102 に規定するもの。

8)

水酸化カリウム (50W/V%)   JIS K 8574 に規定する水酸化カリウムを用いて調製する。

C)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料の調製

1.1)

この規格の

附属書 の試験のとき,不けん化物をジエチルエーテルで抽出除去した石けんのエタ

ノール溶液を,分液漏斗

500ml

に入れ,

pH

試験紙を用い,硫酸

 (1

5)

を加えて

pH

値を約

4

調整し,振り動かして脂肪酸を分離させる。

1.2)

300ml

とジエチルエーテル

50ml

を加えて,さらに振り動かして静置して,脂肪酸をジエチルエ

ーテル層に抽出する。

2)

定性

2.1)

分液漏斗の下層の液(水層)は捨て,上層のジエチルエーテル溶液を洗液に酸性が認められなく

なるまで,指示薬としてメチルオレンジ溶液を加えた塩化ナトリウム飽和溶液で繰り返し洗い,

最後に水を

30

40ml

用いて

1

回洗う。

2.2)

ジエチルエーテル溶液を乾燥した三角フラスコ

200ml

に入れ,硫酸ナトリウム(無水)

25

50g

を加え,フラスコに栓をして温度

25

℃以下に保ちながら,ときどき振り動かして溶液を透明にす

る。

2.3)

内容物をろ紙(定性分析用

3

種)を用いて三角フラスコ

100ml

にろ過し,三角フラスコ

200ml

はジエチルエーテル

30ml

を加えて洗い,ろ過して三角フラスコ

100ml

のろ液に加え,ジエチルエ

ーテルを蒸留して除く。

2.4)

得られた脂肪酸約

0.5g

を,三角フラスコ

100ml

に取り,ジエチルエーテル

10ml

を加えて溶かし

た後,

1mol/l

塩化よう素‐酢酸溶液

5ml

を徐々に滴下する。温度が著しく上昇するおそれがある

ときは氷で冷却する。

2.5)

加え終わった後,液をよく混合してフラスコを密栓し,温度

15

20

℃に保って

2

時間放置後,濁

り又は細かい白い沈殿の有無を目視によって調べる。

2.6)

濁り又は細かい白い沈殿を認めないとき,

“高度不飽和脂肪酸が存在しない”とする。

6.

検査  検査は 5.によって試験し,その結果が表 に適合しなければならない。


10

K 5421 : 2000

7.

表示  ボイル油及び煮あまに油の容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。

a)

規格の名称

b)

種類

c)

正味質量又は正味容量

d)

製造業者名又はその略号

e)

製造年月又はその略号

f)

製造番号又はバッチ記号

参考1.

ボイル油及び煮あまに油の取扱いなどについては,この規格に規定するほか,法令で規定さ

れており,また,公団・団体などによっても規則,注意事項などに定められている。

2.

この規格の品質の規定に示した項目の試験に必要な試験板の材質,寸法及び枚数並びに試験

日数は,

参考表 のとおりである。また,この試験には,試料が約

300ml

必要である。


11

K 5421 : 2000

附属書 1(規定)  不けん化物の測定(ジエチルエーテル法)

1.

まえがき  不けん化物は,けん化後水に不溶であるが,測定に用いる溶剤には可溶な,脂肪中に溶解

している物質として定義され,ステロール類,アルコール類及び炭化水素類などの天然産の脂質,その他

の存在する可能性のある,

100

℃で非揮発性の異質の有機物質(鉱物油)を含む。ジエチルエーテルは,一

般に石油エーテルよりもよい結果を与える溶剤として用いられる。

この方法は,すべての脂肪に適用できる。しかしながら,不けん化物の含有量の大きい,ある種の脂肪

の場合には単なる近似値が得られるにすぎない。

2.

器具

a)

フラスコ

150ml

の還流コンデンサー付きのもの。

b)

分液漏斗

500ml

c)

乾燥器

103

±

2

℃に調節できるもの。

3.

試薬

a)

28g/l

水酸化カリウム水溶液 

b)

約 112g/水酸化カリウム‐エタノール溶液

120g

の水酸化カリウムをエタノール

 (95V/V%)

に溶解

して

1l

としたもの。試薬はストローイエローより濃い色であってはならない。

c)

ジエチルエーテル  残さ(渣)のないもの

4.

手順

a)

フラスコ中に脂肪約

5g

0.01g

のけたまではかり採り,約

112g/l

水酸化カリウム‐エタノール溶液

50ml

を加え,コンデンサを取り付けて,穏やかに

1

時間煮沸する。

b)

加熱後,コンデンサを外す。フラスコの内容物を分液漏斗に移し,フラスコを(全部で

100ml

の)蒸

留水で洗う。

c) 

フラスコとコンデンサを

100ml

のジエチルエーテルで洗い,洗液を分液漏斗に入れる。密栓して,激

しく振り混ぜる。内容物がまだ多少温かいうちに,きれいに

2

層に分離するまで,分液漏斗を垂直に

立てておく。溶液の過剰なアルカリによってエマルションを形成する場合には,約

37g/l

塩酸数滴を

加える。

エタノール水溶液層をけん化に用いたフラスコの中に抜き採る。

エーテル抽出分を分液漏斗の口から

40ml

の水を入れた別の分液漏斗に移す。

d)

石けんのエタノール水溶液を,さらに

2

度,各々

100ml

のジエチルエーテルを用いて c)と同じ操作で

抽出し,

2

番目の分液漏斗にエーテル部分を集める。このエーテル溶液が懸濁する固形物を含む場合

には,注意深くろ過し,残留物とろ過器とを少量のジエチルエーテルで洗い,すべての可溶性物質を

除く。

e)

集めた抽出分と水

40ml

とを入れた分液漏斗を緩やかに回転させ,層が分離してから洗浄水層を排出

する。そのエーテル溶液を

40ml

の水で

2

回洗浄する。

2

回とも激しく振り混ぜる。その後,

28g/l

酸化カリウム水溶液

40ml

,水

40ml

,及び再び

28g/l

水酸化カリウム水溶液

40ml

で順に洗い,次いで


12

K 5421 : 2000

少なくともさらに

2

回以上水

40ml

で洗う。洗浄した水にフェノールフタレン溶液の

1

滴を加えても

赤変しなくなるまで繰り返し水で洗う。

f)

エーテル溶液は一時に少量ずつ一定量を分液漏斗の口から(洗浄には溶剤を用いる)質量既知の

200ml

のフラスコに注ぎ入れ,容量が少なくなるまで蒸発させる。

6ml

のアセトンを加え,穏やかな気流中

で,揮発性溶剤を完全に除去する。その間,そのフラスコは沸騰する水浴中にほとんど沈め,傾けて

回しながら保持する。

g)

 103

℃の乾燥器中にフラスコを水平に

15

分間置いて,完全に乾燥させる。デシケータ中で冷却した後,

質量を求める。続けて

2

回質量を求め,その間の質量減少が

0.1%

以下になるまで,引き続き

15

分間

の加熱乾燥を繰り返す。

h)

残さの質量を求めた後,

20ml

の新たに蒸留し中和したエタノール

 (95V/V%)

に残さを溶解する。フ

ェノールフタレンの存在のもとで,

c (KOH)

0.1mol/l

の水酸化カリウム‐アルコール溶液を用いて

滴定する。滴定に要する量が

0.2ml

を超える場合,測定は繰り返して行わなければならない。

5.

計算  不けん化物は,次の式によって算出する。

100

100

0

1

×

=

m

m

M

ここに,

M

不けん化物

 (%)

m

0

測定試料の質量

 (g)

m

1

残さの質量

 (g)


13

K 5421 : 2000

塗料分野の国際整合化調査研究委員会

氏名

所属

(委員長)

増  子      曻

千葉工業大学

(委員)

西  出  徹  雄

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

鴨志田  直  史

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

本  橋  健  司

建設省建築研究所

坪  井      実

職業能力開発大学校

武  井      昇

職業能力開発大学校

鈴  木  雅  洋

東京都立産業技術研究所

吉  田  豊  彦

社団法人色材協会

高  橋  孝  治

社団法人日本塗装工業会

青  木      茂

サンコウ電子研究所

福  島      稔

社団法人日本鋼橋塗装専門会

近  藤  照  夫

清水建設株式会社

(主査)

岩  井      弘

財団法人日本塗料検査協会

堀  江  建  治

関西ペイント株式会社

山  田  俊  幸

神東塗料株式会社

中  東  昭  憲

神東塗料株式会社

住  田  光  正

大日本塗料株式会社

上  寺  孝  明

中国塗料株式会社

松  井  繁  武

株式会社トウペ

更  谷      浩

日本特殊塗料株式会社

曽  我  元  昭

日本ペイント株式会社

大  澤      晃

日本油脂株式会社

高  橋      真

ロックペイント株式会社

松  平  忠  志

松平技術士事務所

長  尾      進

専門技術者

鈴  木  幹  夫

専門技術者

伊  藤  雅  人

専門技術者

小  島      務

財団法人日本塗料検査協会

常  田  和  義

大日本塗料株式会社

筒  井  晃  一

日本ペイント株式会社

(事務局)

内  田  幹  雄

社団法人日本塗料工業会

山  崎  不二雄

社団法人日本塗料工業会

文責  長尾  進