>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 K

5115

-1965

沈降性硫酸バリウムおよびバライト粉

(顔料)

Precipitated Barium Sulfate and Ground Barite (Pigment)

1.

適用範囲  この規格は,沈降性硫酸バリウム(

1

)

およびバライト粉(

2

)

(硫酸バリウムを主成分とする体

質顔料)について規定する。

(

1

)

化学反応によって製造したもの

(

2

)

重晶石を粉砕して製造したもの

2.

定性試験  試料 0.5g をビーカーにとり,炭酸ナトリウム約 5g および水 50ml を加えて 10 分間煮沸し,

冷却後こす。

ロ液の一部をとり塩酸を加えて酸性とし,

塩化バリウム溶液 (10%) を加えると白濁を生する。

また,ロ紙上の沈殿を水洗後塩酸に溶かし,これに硫酸 (1+200)  を加えると白濁を生ずる。

3.

標準見本品  JIS K 5101(顔料試験方法)の 2.による。

4.

試料採取方法  JIS K 5101 の 3.による。

5.

品質  沈降性硫酸バリウムおよびバライト粉は 6.試験方法によって試験し,表 の規定に適合しなけ

ればならない。

表 1

項目

沈降性硫酸バリウム

バライト粉

 

標準見本品にくらべてほとんど差異がないこと

透明性 

標準見本品にくらべてほとんど差異がないこと

分散性 

標準見本品にくらべて差異があると認められないこと

練和性 

標準見本品にくらべてほとんど差異がないこと

吸油量 

標準見本品にくらべて大差がないこと

フルイ残分

 %

0.5

以下

水分

 %

0.5

以下

水溶分

 % 0.5

以下

遊離アルカリ 

(Na

2

O

として) %

0.05

以下

硫酸バリウム

 %

97.0

以上

塩酸不溶分

 %

− 95 以上


2

K 5115-1965

6.

試験方法

6.1

一般試験  表 による。

表 2

項目

試験方法

 

JIS K 5101

の 4.による。なお,試料 2g,ビヒクルとして印刷ワニス

0.6g

または煮アマニ油 0.6g(バライト粉の場合は 0.5g)を用い,フー

バー式マラーの練り合わせは,圧力調整分銅 3 個(荷重約 68kg)で

100

回転×3 回とする。ただしとくに指定された場合には,アラビヤ

ゴム水溶液 (10%) の指定量をビヒクルとして

甲法によって試験す

る。

透明性 

色の場合と同じペーストを用い,JIS K 5101 の 4.

乙法に準じて,

0.075

〜0.15mm のフィルムアプリケーターを用いて試験する。

分散性 JIS 

5101

の 7.による。

練和性 JIS 

5101

の 9.による。

吸油量 JIS 

5101

の 19.による。

フルイ残分 JIS 

5101

の 20.による。なお,試料は 5〜10g とする。

水分 JIS K 

5101

の 21.による。なお,試料は約 5g とする。

水溶分 JIS 

5101

の 22.による。なお,試料は約 5g とする。

6.2

遊離アルカリ  試料約 1.0g を正しくはかりとり,硬質ビーカー500ml に移し,水約 200ml を加えて

10

分間煮沸し,冷却後メスフラスコ 250ml に移し,標線まで水を加える。これを乾いたロ紙でこし,ロ液

の初めの 50ml を捨て,残りの中から 100ml をビーカー200ml に分取し,指示薬フェノールフタレイン溶液

(1%) 2

〜3 滴を加えて N/10 塩酸(

3

)

で滴定する。紅色から無色になったときを終点とし,次式によって遊離

アルカリ (%) を算出する。

100

250

100

003099

.

0

×

×

×

S

B

A

ここに

A

遊離アルカリ (%)

0.003099

N/10

塩酸 1ml に対する酸化ナトリウム相当量 (g/ml)

B

N/10

塩酸の使用量 (ml)

S

試料 (g)

(

3

)

  N/10

塩酸  塩酸約10ml に水約1を加える。

標定は,JIS K 8005(標準試薬)の炭酸ナトリウムを白金ルツボ中で 500〜650℃に 40〜50 分

間加熱し,デシケーター中で冷却し,その 1〜1.5g を正しくはかりとり,水に溶かして正しく

250ml

とする。その 20ml を分取し指示薬ブロムフェノールブルー溶液 (0.1%) 2〜3 滴を加えて

この塩酸で滴定する。終点近くで煮沸して炭酸を追出し,冷却後再び滴定をつづける。

6.3

硫酸バリウム  試料約 0.5g を白金ルツボに正しくはかりとり,炭酸カリウムナトリウム約 8g を加え

てじゅうぶんに混和して加熱し,10 分間融解状態に保つ。冷却後ルツボをビーカー300ml に移し,温水約

200ml

を加えて溶かしたのちこす。沈殿は硫酸イオンの反応を認めなくなるまで炭酸ナトリウム溶液

(0.2%)

で洗う。ロ紙上の沈殿を射水してもとのビーカーに流し落し,塩酸 5ml を加えて 5 分間煮沸し,も

とのロ紙を用いてこして洗う。

ロ液に水を加えて約 400ml として煮沸し,あらかじめあたためた硫酸 (1+200) 60ml をかきまぜながら

加え,約 30 分間水浴上で加熱したのち約 4 時間放置してこす。沈殿は塩素イオンの反応を認めなくなるま

で水で洗う。


3

K 5115-1965

沈殿はロ紙とともに磁製ルツボに入れて乾燥したのち,ルツボを傾けてじゅうぶんに空気を通じてでき

るだけ低温で灰化し,約 700℃に強熱し,冷却後硫酸 2 滴を加えて再び加熱し,約 700℃で約 30 分間強熱

してデシケーター中で冷却後,硫酸バリウムとして重さをはかり,次式によって硫酸バリウム (%) を算出

する。

100

×

S

D

C

ここに

C

:  硫酸バリウム (%)

D

:  沈殿 (g)

S

:  試料 (g)

6.4

塩酸不溶分

  試料約 1g を正しくはかりとり,ビーカー200ml に移し,塩酸 10ml および水約 100ml

を加えて 20 分間煮沸し,静置したのちこし,不溶分は温水でじゅうぶんに洗う。これを磁製ルツボに入れ

て乾燥したのち,ルツボを傾けてじゅうぶんに空気を通じてできるだけ低温で灰化し,約 700℃に強熱し,

冷却後硫酸 2 滴を加えて再び加熱し,約 700℃で約 30 分間強熱してデシケーター中で冷却後残分の重さを

はかり,次式によって塩酸不溶分 (%) を算出する。

100

×

S

G

E

ここに

E

:  塩酸不溶分 (%)

G

:  残分 (g)

S

:  試料 (g)

7.

試薬およびガラス器具

  分析に用いる試薬は,指定のない限り特級を用いる。また,分析用ガラス器

具は,日本工業規格で規定されたものを用いる。

8.

試験結果

  試験の結果は,規定の数値より 1 ケタ下の位まで求めて

JIS Z 8401

(数値の丸め方)によ

って丸める。

9.

表示

  包装の外面に,つぎの事項を表示しなければならない。

(1)

名称

(2)

種類

(3)

正味重量

(4)

製造年月

(5)

製造業者名または略号