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K 5113 : 2005

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本無機薬品協会

(JICIA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 5113:2000 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 2495:1995,Iron blue pigments−

Specifications and methods of test

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS K 5113

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法

附属書 2(参考)水銀を含む廃液からの水銀の除去

附属書 3(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


K 5113 : 2005

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

3.1

  紺青(顔料) 

2

4.

  品質及び許容限度

3

4.1

  組成

3

4.2

  外観

3

4.3

  その他の品質特性

3

5.

  サンプリング 

3

6.

  定性

3

6.1

  試薬

3

6.2

  装置及び器具 

4

6.3

  操作

4

6.4

  結果の判定 

4

7.

  鉄()及び鉄()イオン合計量(塩基性鉄含有量)及びヘキサシアノ鉄酸塩錯体含有量の定量 

4

7.1

  

4

7.2

  法 

7

8.

  全鉄の含有量の定量

9

8.1

  

9

8.2

  法 

10

9.

  加熱減量

11

9.1

  

11

9.2

  法 

11

10.

  分散性

11

11.

  試験結果の記録 

11

12.

  表示

12

附属書 1(規定)水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法 

13

附属書 2(参考)水銀を含む廃液からの水銀除去

15

附属書 3(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

16


1

日本工業規格

JIS

 K

5113

:2005

紺青(顔料)

Iron blue pigments-Specifications and methods of test

序文  この規格は,1995 年に第 2 版として発行された ISO 2495,Iron blue pigments−Specifications and

methods of test

を元に,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 3(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,紺青(顔料)に関する要求事項及びその試験方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 2495:1995

,Iron blue pigments−Specifications and methods of test (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 5101-1-2

  顔料試験方法−第 1 部:分散性評価のための分散方法−第 2 節:ペイントコンディシ

ョナ形振とう機

備考 ISO 

8780-2:1990

,Pigments and extenders−Methods of dispersion for assessment of dispersion

characteristics

−Part 2:Dispersion using an oscillatory shaking machine からの引用事項は,この規

格の該当事項と同等である。

JIS K 5101-2-1

  顔料試験方法−第 2 部:色の比較−第 1 節:目視法

備考 ISO 

787-1:1982

,General methods of test for pigments and extenders−Part 1:Comparison of colour

of pigments

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 5101-3-1

  顔料試験方法−第 3 部:着色力−第 1 節:有色顔料の相対着色力及び淡色の測定(目

視比較法)

備考 ISO 

787-16:1986

,General methods of test for pigments and extenders−Part 16:Determination of

relative tinting strength (or equivalent colouring value) and colour on reduction of coloured pigments

−Visual comparison method からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 5101-13-1

  顔料試験方法−第 13 部:吸油量−第 1 節:精製あまに油法

備考 ISO 

787-5:1980

,General methods of test for pigments and extenders−Part 5:Determination of oil


2

K 5113 : 2005

absorption value

が,この規格と一致している。

JIS K 5101-13-2

  顔料試験方法−第 13 部:吸油量−第 2 節:煮あまに油

JIS K 5101-15-1

  顔料試験方法−第 15 部:加熱減量−第 1 節:105  ℃揮発性物質

備考 ISO 

787-2:1981

,General methods of test for pigments and extenders−Part 2:Determination of

matter volatile at 105 degrees C

が,この規格と一致している。

JIS K 5101-16-1

  顔料試験方法−第 16 部:水溶分−第 1 節:煮沸抽出法

JIS K 5101-16-2

  顔料試験方法−第 16 部:水溶分−第 2 節:常温抽出法

JIS K 5600-1-2

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 2 節:サンプリング

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8085

  アンモニア水(試薬)

JIS K 8136

  塩化すず(Ⅱ)二水和物(試薬)

JIS K 8139

  塩化水銀(Ⅱ)(試薬)

JIS K 8159

  塩化マグネシウム六水和物(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8372

  酢酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8580

  すず(試薬)

JIS K 8659

  でんぷん(溶性)(試薬)

JIS K 8896

  メチルレッド(試薬)

JIS K 8913

  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8953

  硫酸亜鉛七水和物(試薬)

JIS K 8972

  硫酸水素カリウム(試薬)

JIS K 8997

  硫酸マンガン(Ⅱ)五水和物(試薬)

JIS K 9005

  りん酸(試薬)

JIS K 9514

  ジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム(試薬)

JIS R 3505

  ガラス製体積計

備考 ISO 

385-1:1984

,Laboratory glassware−Burettes−Part 1:General requirements,

ISO 648:1977

,Laboratory glassware−One-mark pipettes,

ISO 1042:1983

,Laboratory glassware−One-mark volumetric flasks からの引用事項は,この規格

の該当事項と同等である。

ISO 787-4:1981

,General methods of test for pigments and extenders−Part 4:Determination of acidity or

alkalinity of the aqueous extract

ISO 3696:1987

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

紺青(顔料)(iron blue pigment)  鉄塩とシアノ鉄(Ⅱ)酸又はシアノ鉄(Ⅲ)酸イオンとの反応によって

生成し,必要があれば酸化剤で処理して得られる顔料。


3

K 5113 : 2005

4.

品質及び許容限度

4.1

組成  紺青(顔料)は,9.1 の A 法によって乾燥した後,7.及び 8.に規定する試験を行い,その結果,

次の要求事項に適合しなければならない。

なお,この顔料は,6.に規定する方法によって操作したとき,着色剤の添加があってはならない。

a) 

鉄(Ⅱ)及び鉄(Ⅲ)イオンの合計量(塩基性鉄含有量)は,

[Fe(CN)

6

として表される]ヘキサシアノ鉄酸塩

錯体含有量とともに,質量分率 70  %未満であってはならない。

b)  (Fe

として表される)全鉄の含有量は,質量分率 30  %未満であってはならない。

備考  この顔料には,品質の改良若しくは作業特性又はこの両方の目的で,製造工程中に添加剤を加

えてもよい。

4.2

外観  紺青(顔料)は,軟らかい乾燥した粉末であるか,又はパレットナイフで粗砕することによって

容易に軟らかい粉末状態に戻すことができる形態でなければならない。

4.3

その他の品質特性

a) 

紺青(顔料)は,

表 に規定する品質及び表 に示す条件付品質に適合しなければならない。条件付品

質は,受渡当事者間の合意によって規定する。

b) 

合意した比較顔料は,

表 の品質に適合するものでなければならない。

  1  品質

品質項目

単位

規格値

試験方法

加熱減量[w(VM)]

%(質量分率) 2.0<w(VM)<6.0

9.

による。

水溶分(煮沸抽出法)

%(質量分率) 2 以下

JIS K 5101-16-1

による。

水抽出液の酸度又は
アルカリ度

顔 料 100 g 当 た り の 0.1

mol/L

溶液の mL

20

以下

附属書 による。

  2  条件付品質

品質項目

規格値

試験方法

JIS K 5101-2-1

による。

うすめ色

着色力

受渡当事者間で合意した許容差の範
囲内で受渡当事者間で合意した比較

顔料[4.3b)による。]と比べて同等であ
る。

JIS K 5101-3-1

による。

分散性

受 渡 当 事 者 間 で 合 意 し た 比 較 顔 料

[4.3b)

による。]と比べて劣らない。

10.

による。

吸油量

受 渡 当 事 者 間 で 合 意 し た 値 か ら ,

10

%以上相違してはならない。

JIS K 5101-13-1

又は JIS K 5101-13-2

による。

参考  分散性の試験方法には,表 によるほか,次の方法もある。

JIS K 5101-1-5

又は JIS K 5101-5-2

5.

サンプリング  JIS K 5600-1-2 によって,試験する製品から代表サンプルを採取する。

6.

定性

6.1

試薬  分析には,すべて分析用と認められた試薬だけを用い,水は, ISO 3696 に規定された等級 3

以上の純度のものを用いなければならない。

参考1. ISO 

3696

には,化学分析用水の要求品質及び試験法が規定されている。規定されている等級

3

は,次のとおりである。


4

K 5113 : 2005

25

℃における pH 値(許容範囲)   5.0∼7.5

25

℃における電気伝導率 mS/m(最大値) 0.5

被酸化性物質(酸素相当含有量) mg/L(最大値) 0.4

110

℃加熱蒸発残分 mg/kg(最大値)

2

2. 

JIS K 0557

に規定する A3 の水は,ISO 3696 に規定する等級 3 の要求品質を満たしている。

警告  試薬の使用に当たっては,労働安全衛生法に従わなければならない。

6.1.1

水酸化ナトリウム溶液(50g/L)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製したもの。

6.1.2

塩酸(1+1)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。

6.2

装置及び器具  通常の試験室用の装置及び器具を用いる。

6.3

操作  顔料約 0.1 g を,50 mL ビーカーにとり,水酸化ナトリウム溶液(6.1.1)15 mL を加える。ビー

カーを溶液が沸騰するまで加熱し,更に 5 分間加熱を継続する。照明された白の背景の下でビーカー中の

青い色が完全に分解消滅したことを確かめる。赤褐色の沈殿が生成するが,水酸化鉄(Ⅲ)の存在を示すも

のなので,無視してよい。

備考  もし,青が完全に消滅しない場合には,3.に規定する紺青以外の顔料が添加されていることを

示している。

ビーカー中の溶液を冷却し,塩酸(6.1.2)を緩やかに,リトマスが弱酸性を示すまで加える。溶液が,紺

青の特性をもった青に戻ることを記録する。

6.4

結果の判定  顔料の試料が,アルカリ処理によって完全に脱色されたか否か,及び酸性とすること

によって色が復元したか否かを記録する。

7.

()及び鉄()イオン合計量(塩基性鉄含有量)及びヘキサシアノ鉄酸塩錯体含有量の定量  塩基性

鉄イオン含有量及びヘキサシアノ鉄塩含有量の定量は,次の二つの方法による。A 法(7.1)は,問題が生じ

た場合の裁定のための方法とする。

備考  水銀は,放流廃棄する前に,排水から除去する。参考として,処理方法を附属書 に示す。

7.1

A

7.1.1

原理  試料(5.による。)に冷温の水酸化カリウム水溶液を加え,不溶性の水酸化鉄と可溶性のヘキ

サシアノ鉄(Ⅱ)酸カリウムとに分解する。

水酸化鉄を塩酸に溶かす。鉄(Ⅲ)は,塩化すず(Ⅱ)溶液で鉄(Ⅱ)に還元し,ジフェニルアミン−4−スルホ

ン酸ナトリウムを指示薬として,二クロム酸カリウム溶液で滴定する。

シアノ鉄(Ⅱ)酸カリウムは,過マンガン酸カリウム溶液によって,シアノ鉄(Ⅲ)酸塩に酸化する。次に,

よう化カリウム溶液に加え,遊離したよう素をチオ硫酸ナトリウムで滴定する。

7.1.2

試薬  分析には,すべて分析用と認められた試薬だけを用い,水は, ISO 3696 に規定する等級 3

以上の純度のものを用いなければならない。

参考  水については,6.1 の参考を参照。

警告  試薬の使用に当たっては,労働安全衛生法に従わなければならない。

7.1.2.1

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

7.1.2.2

塩酸(1+1)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。

7.1.2.3

硫酸及びりん酸混合液  JIS K 8951 に規定する硫酸 300 mL と,JIS K 9005 に規定するりん酸 250

mL

とを注意深く混合する。混合液を水約 400 mL の中に緩やかに加え,次に水で 1 000 mL に薄める。


5

K 5113 : 2005

7.1.2.4 

水酸化カリウム溶液(質量分率 10)  JIS K 8574 に規定する水酸化カリウムを用いて調製したも

の。

7.1.2.5 

よう化カリウム溶液(質量分率 10)  JIS K 8913 に規定するよう化カリウムを用いて調製したも

の。

7.1.2.6

酢酸ナトリウム溶液  JIS K 8372 に規定する酢酸ナトリウムの結晶 500 g を水 1 000 mL に溶かし

たもの。

7.1.2.7

塩化水銀()飽和溶液(60g/L100g/L)  JIS K 8139 に規定する塩化水銀(Ⅱ)を用いて調製したも

の。

7.1.2.8

塩化すず()  JIS K 8136 に規定する塩化すず(Ⅱ)二水和物 50 g を塩酸(7.1.2.1)300 mL に溶かし,

水で 500 mL に薄めたもの。

溶液は,JIS K 8580 に規定する小さい粒状のすずを入れたフラスコ中に密栓して貯蔵する。

7.1.2.9

チオ硫酸ナトリウム溶液 c(Na

2

S

2

O

3

)

0.1mol/L  JIS K 8001 の 4.5(21.2)によって調製したもの。

7.1.2.10 

過マンガン酸カリウム溶液 c(KMnO

4

)

0.02mol/L  JIS K 8001 の 4.5(7)によって調製したもの。

7.1.2.11 

二クロム酸カリウム溶液 c(K

2

Cr

2

O

7

)

1/60mol/L  JIS K 8001 の 4.5.(23)によって調製したもの。

7.1.2.12

硫酸亜鉛溶液  JIS K 8953 に規定する硫酸亜鉛七水和物 25 g を,水 100 mL に溶かしたもの。

7.1.2.13

ジフェニルアミン-4-スルホン酸ナトリウム指示薬  JIS K 9514 に規定するジフェニルアミン−4

−スルホン酸ナトリウム溶液を質量分率 0.4  %に調製し,ろ過する。

7.1.2.14

でんぷん  JIS K 8659 に規定するでんぷん(溶性)1 g を水約 5 mL に混ぜ,かき混ぜながら熱水 100

mL

中に加え,約 1 分間煮沸した後,放冷して 10 g/L  溶液とするか,又は冷水可溶性粉末でんぷん(例えば,

ズルコフスキーでんぷんとして知られているようなものは可溶性である。)を用いる。

7.1.3

装置及び器具  通常の試験室用の装置及び器具を用いる。

7.1.3.1

漏斗  操作は次のとおりとし,2回行う。

7.1.3.2

共栓付きフラスコ又は瓶  容量 1 500 mL

7.1.4

操作

7.1.4.1

試料の予備処理  なお,7.1.4.2 及び 7.1.4.3 によって定量分析は,2 回行う。

試料(5.)約 1 g を 1 mg のけたまで,ビーカー100 mL 中にはかりとる。水酸化カリウム溶液(7.1.2.4)20 mL

を加える。混合物を先端が平らなガラス棒で注意深くかき混ぜて 2 時間静置する。ときどきビーカーの底

の沈殿物をガラス棒で軽く砕く。試料がすべて完全に分解したならば,沈殿物の混合した溶液をろ紙(5 種

B)

をつけた漏斗(7.1.3.1)でろ過する。ビーカー及びガラス棒を洗浄し,沈殿物を洗浄液が無色で中性となる

まで繰り返し水で洗浄する。ろ液に洗浄液を加える。得られた沈殿物を,鉄(Ⅱ)及び鉄(Ⅲ)イオンの合計量

(

塩基性鉄含有量)の定量(7.1.4.2)に使用し,ろ液をヘキサシアノ鉄酸塩錯体含有量の定量(7.1.4.3)に用いる。

7.1.4.2

()及び鉄()イオン合計量(塩基性鉄含有量)の定量  ろ紙上の沈殿物を熱塩酸(1+1)(7.1.2.2)で

溶解抽出し,抽出液をコニカルフラスコに集め,このとき,全液量を可能な限り少なくする。

備考  もし,酸抽出液が青に着色している場合には,沈殿物の洗浄が不十分であるので,別に試料 1 g

をとり,定量をやり直さなければならない。

溶液を加熱して煮沸し,溶液が無色になるまで,塩化すず(Ⅱ)溶液(7.1.2.8)を滴加する。さらに過剰に 2

滴を加える。塩化すず(Ⅱ)の滴加中は,溶液を加熱状態に保つ。溶液を室温まで急冷し,塩化水銀(Ⅱ)飽和

溶液(7.1.2.7)5 mL を添加して十分に混合し,フラスコの器壁を冷水で洗い落とす。溶液を 1 分間静置した

後,硫酸及びりん酸混合液(7.1.2.3)40 mL を加える。鉄の含有量に応じて,溶液を水で 100 mL∼200 mL に

希釈する。ジフェニルアミン-4-スルホン酸ナトリウム指示薬(7.1.2.13)0.2 mL∼0.4 mL を加えて二クロム酸


6

K 5113 : 2005

カリウム溶液(7.1.2.11)で,溶液が無色になり始めるまで滴定する。二クロム酸カリウム溶液を滴加して安

定した紫となった点を滴定の終点とする。

滴定に要した液量から,

用いた指示薬溶液 0.1 mL 当たり 0.01 mL

を差し引く。

7.1.4.3

ヘキサシアノ鉄酸塩錯体含有量の定量  7.1.4.1 の操作で得られたろ液を共栓付きフラスコ又は瓶

(7.1.3.2)

に移し,水で 800 mL に薄め,塩酸(7.1.2.1)30 mL 及び酢酸ナトリウム溶液(7.1.2.6)90 mL を加える。

過マンガン酸カリウム溶液(7.1.2.10)を明りょうな赤褐色が得られ,最初に生成した濁りが消えるように

なるまで過剰に添加する。よう化カリウム溶液(7.1.2.5)20 mL を加え,混合液を 4 分間静置する。過剰の過

マンガン酸カリウムによって遊離したよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液(7.1.2.9)で滴定する。

溶液に塩酸(7.1.2.1)20 mL,よう化カリウム溶液(7.1.2.5)20 mL 及び硫酸亜鉛溶液(7.1.2.12)20 mL を添加し

て,

混濁した混合液を 3 分間静置する。

冷水可溶でんぷん 50 mg 又はでんぷん溶液 3∼4 滴(7.1.2.14)を加え,

遊離したよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液(7.1.2.9)で滴定する。滴定で消費したチオ硫酸ナトリウム溶液の

量を記録する(V

2

)

7.1.5

結果の表し方

7.1.5.1

()及び鉄()イオン合計量(塩基性鉄含有量)

7.1.5.1.1

計算  顔料の鉄(Ⅱ)及び鉄(Ⅲ)イオン合計量(塩基性鉄含有量)は,次の式によって算出する。

100

10

5

558

.

0

)

Fe

(

1

2

1

×

×

×

=

m

V

w

ここに,

w(Fe)

鉄(Ⅱ)及び鉄(Ⅲ)イオン合計量(塩基性鉄含有
量)[%(質量分率)]

m

1

測定試料の質量(g)

V

1

定量に消費された二クロム酸カリウム溶液の
量(mL)

0.558 5

×10

-2

二クロム酸カリウム溶液 1mL に相当する鉄(Fe)
の質量(g)

二つの分析値の平均値を求め,最終結果を質量分率 0.1  %のけたまで記録する。

7.1.5.2

ヘキサシアノ鉄酸塩錯体含有量

7.1.5.2.1

計算  顔料のヘキサシアノ鉄塩錯体含有量は,次の式によって算出する。

100

10

119

.

2

]

)

CN

(

[Fe

1

2

2

6

×

×

×

=

m

V

w

ここに,

w[Fe(CN)

6

]

ヘキサシアノ鉄酸塩錯体含有量[%(質量分率)]

m

1

測定試料の質量(g)

V

2

2

回目の滴定(次の

備考を参照)で消費したチオ

硫酸ナトリウム溶液(7.1.2.9)の量(mL)

2.119

×10

-2

チオ硫酸ナトリウム溶液 1mL に相当するヘキ
サシアノ鉄酸塩錯体[Fe(CN)

6

]

の質量(g)

備考  計算には,2 回目の滴定に要したチオ硫酸ナトリウム溶液の体積を用いる。もし,1 回目の滴定

に消費した量(すなわち,過マンガン酸カリウムの量とチオ硫酸ナトリウムの量との差し引き数


7

K 5113 : 2005

量)を用いると,微量に存在する有機物を過マンガン酸カリウムが酸化することで見掛けのヘキ

サシアノ鉄酸塩錯体含有量が高くでることがあり,真の値よりも高い計算結果が得られる可能

性がある。

1

回目の滴定で,チオ硫酸ナトリウム溶液を過剰に用いると,2 回目の滴定で上記の逆の誤差を生じる。

二つの分析値の平均値を求め,最終結果を質量分率 0.1  %のけたまで記録する。

7.2

B

7.2.1

()及び鉄()イオン合計含有量(塩基性鉄含有量)の定量

7.2.1.1

原理  試料を水酸化ナトリウム水溶液によって,不溶性の水酸化鉄の形態に分解する。水酸化鉄

を塩酸に溶かす。鉄(Ⅲ)  を塩化すず(Ⅱ)  によって,鉄(Ⅱ)に還元し,過マンガン酸カリウム溶液で滴定す

る。

7.2.1.2

試薬  分析にはすべて分析用と認められた試薬だけを用い,水は, ISO 3696 に規定された等級

3

以上の純度のものを用いなければならない。

参考  水については,6.1 の参考を参照。

警告  試薬の使用に当たっては,労働安全衛生法に従わなければならない。

7.2.1.2.1

水酸化ナトリウム約 2mol/L  溶液  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製した

もの。

7.2.1.2.2 

塩酸溶液(質量分率約 25  )  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。

7.2.1.2.3

塩化すず()  JIS K 8136 に規定する塩化すず(Ⅱ)二水和物 50 g を塩酸(7.1.2.1)30 mL に溶かし,

水で 500 mL に薄める。溶液は,JIS K 8580 に規定する小さな粒状のすずを入れたフラスコ中で密栓して

貯蔵する。

7.2.1.2.4

塩化水銀()飽和溶液(60g/L100g/L)  JIS K 8139 に規定する塩化水銀(Ⅱ)を用いて調製した

もの。

7.2.1.2.5

硫酸マンガン/硫酸/りん酸混合溶液  JIS K 8997 に規定する硫酸マンガン(Ⅱ)五水和物 50.6 g を

水に溶かす。この溶液に JIS K 9005 に規定するりん酸 138 mL 及び JIS K 8951 に規定する硫酸 130 mL を

添加し,水で 1 000 mL に薄める。

7.2.1.2.6 

過マンガン酸カリウム溶液 c(KMnO

4

)

0.02mol/L  JIS K 8001 の 4.5(7)によって調製したもの。

7.2.1.3

装置及び器具  通常の試験室用の装置及び器具を用いる。

7.2.1.4

操作  定量分析は,2 回行う。

試料(5.による)約 1 g を 100 mL ビーカー中に,1 mg のけたまではかりとる。水酸化ナトリウム溶液

(7.2.1.2.1)10 mL

を加え,加熱し,数分間煮沸を続ける。

ろ紙(ろ紙 5 種 A)でろ過し,熱水でろ紙上の沈殿物をアルカリが除かれるまで洗浄する。ろ液及び洗浄

液は捨てる。

ろ紙上の沈殿物を塩酸溶液(7.2.1.2.2)で溶かす。

溶液を加熱して沸騰させ,

塩化すず(Ⅱ)溶液(7.2.1.2.3)を,

溶液が無色となる点まで滴加する。水で薄め,約 2 分間後,塩化水銀(Ⅱ)飽和溶液(7.2.1.2.4)15 mL を加え

る。

生成した沈殿物は,白でなければならない。もし,その沈殿物が,塩化すず(Ⅱ)溶液を過剰に用いるこ

とによって塩化水銀(Ⅱ)が還元され,生成した金属水銀によって灰色又は黒となった場合は,塩化すず(Ⅱ)

の使用量をより少なくして,定量をやり直す。

沈殿物を塩酸で溶かして作った溶液を水で約 600 mL に薄め,硫酸マンガン/硫酸/りん酸混合溶液

(7.2.1.2.5)15 mL

を加える。過マンガン酸カリウム溶液(7.2.1.2.6)で滴定し,わずかな桃色を持続する点を終


8

K 5113 : 2005

点とする。

過マンガン酸カリウム溶液の消費量を記録する(V

3

)

7.2.1.5

結果の表し方

7.2.1.5.1

計算  顔料の鉄(Ⅱ)及び鉄(Ⅲ)イオン合計含有量(塩基性鉄含有量)は,次の式によって算出する。

100

10

5

558

.

0

)

Fe

(

2

2

3

×

×

×

=

m

V

w

ここに,

w(Fe)

鉄(Ⅱ)及び鉄(Ⅲ)イオン合計含有量(塩基性鉄
含有量)[%(質量分率)]

m

2

測定試料の質量(g)

V

3

定量に消費された過マンガン酸カリウム溶
液(7.2.1.2.6)の量(mL)

0.558 5

×10

-2

過マンガン酸カリウム溶液 1mL に相当する
鉄(Fe)の質量(g)

二つの分析値の平均値を計算し,最終結果を質量分率 0.1  %のけたまで記録する。

7.2.2

ヘキサシアノ鉄酸塩錯体含有量の定量

警告  この方法は,化学物質に関する知識又は訓練された作業者若しくは監督者の下で分析を行うこと

を前提としている。この方法で用いる物質及び操作は,十分な予防措置がとられない場合,健康上の障害

を起こす可能性がある。特にシアン化水素酸及びその塩による危害に注意しなければならない。

7.2.2.1

原理  試料を水酸化ナトリウム水溶液で分解し,不溶性の水酸化鉄及び可溶性のヘキサシアノ鉄

(

Ⅱ)酸ナトリウムとする。ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸ナトリウムは,次にシアン化水銀(Ⅱ),シアン化水素酸,

更にシアン化ナトリウムに変換される。シアン化ナトリウムは,よう化ナトリウムを指示薬として硝酸銀

で滴定する。

7.2.2.2

試薬  分析には,すべて分析用と認められた試薬だけを用い,水は, ISO 3696 に規定された等

級 3 以上の純度のものを用いなければならない。

参考  水については,6.1 の参考を参照。

警告  試薬の使用に当たっては,労働安全衛生法に従わなければならない。

7.2.2.2.1

水酸化ナトリウム溶液(約 2mol/L)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製した

もの。

7.2.2.2.2

水酸化ナトリウム溶液(約 8mol/L)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製した

もの。

7.2.2.2.3

塩化マグネシウム溶液(約 1.5mol/L)  JIS K 8159 に規定する塩化マグネシウム六水和物を用い

て調製したもの。

7.2.2.2.4

塩化水銀()溶液(約 0.05mol/L)  JIS K 8139 に規定する塩化水銀(Ⅱ)を用いて調製したもの。

7.2.2.2.5

硫酸溶液(約 2mol/L)  JIS K 8951 に規定する硫酸を用いて調製したもの。

7.2.2.2.6

よう化カリウム溶液(約 0.25mol/L)  JIS K 8913 に規定するよう化カリウムを用いて調製したも

の。

7.2.2.2.7

硝酸銀溶液(約 0.1mol/L)  JIS K 8001 の 4.5(14)によって調製したもの。

7.2.2.3

装置及び器具  通常の試験室用の装置及び器具を用いる。

7.2.2.3.1

蒸留フラスコ  容量 500 mL の首部すり合わせガラス付きのもの。


9

K 5113 : 2005

7.2.2.3.2

蒸留装置  すり合わせガラスの接合部をもち,滴加漏斗の付いた蒸留頭部,アリン形冷却器及

び蒸留液受部(ボルハード吸収フラスコ又は相当のフラスコ)からなるもの。

7.2.2.4

操作  定量分析は,2 回行う。

警告  当該操作は,シアン化水素の発生を伴うもので,強力な排気能力をもつドラフト内で行わなけれ

ばならない。

試料(5.)約 1 g を 1 mg のけたまではかりとり,100 mL ビーカー中に入れる。水酸化ナトリウム溶液

(7.2.2.2.1)10 mL

を加え,加熱し,数分間煮沸を続ける。

ろ紙(ろ紙 5 種 A)でろ過し,ろ紙上の沈殿物を熱水でアルカリが除かれるまで洗浄する。ろ液及び洗液

を 250 mL 全量フラスコに入れ,水を標線まで加える。

この溶液 25 mL をピペットで蒸留フラスコ(7.2.2.3.1)にとり,水酸化ナトリウム溶液(7.2.2.2.2)15 mL,熱

水 100 mL 及び塩化マグネシウム溶液(7.2.2.2.3)30 mL を添加する。

溶液(このとき水酸化マグネシウムの沈殿が生成している。)を 5 分間煮沸し,塩化水銀(Ⅱ)溶液

(7.2.2.2.4)100 mL

を加える。5∼10 分間煮沸する。これらの操作によって,ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸ナトリウ

ムは,シアン化水銀(Ⅱ)に変換される。

蒸留フラスコを蒸留装置(7.2.2.3.2)に接続する。滴加漏斗から,徐々に硫酸溶液(7.2.2.2.5)50 mL を注入す

る。蒸留し,発生するシアン化水素を水酸化ナトリウム溶液(7.2.2.2.1)の入れてある蒸留受器中にシアン化

ナトリウムとして捕集する。

蒸留受器中の溶液を,よう化カリウム溶液(7.2.2.2.6)を指示薬として 0.1 mol/L  硝酸銀溶液(7.2.2.2.7)で滴

定し,わずかに黄色がかった褐色が持続する点を終点とする。0.1 mol/L 硝酸銀溶液の消費量を記録する

(V

4

)

7.2.2.5

結果の表し方

7.2.2.5.1

計算  顔料のヘキサシアノ鉄酸塩錯体の含有量は,次の式によって算出する。

[

]

100

10

065

.

7

)

CN

(

Fe

3

2

4

6

×

×

×

=

m

V

w

ここに,

w[Fe(CN)

6

]

ヘキサシアノ鉄酸塩錯体含有量[%(質量分率)]

m

3

測定試料の質量(g)

V

4

滴定で消費された 0.1mol/L  硝酸銀溶液
(7.2.2.2.7)

の量(mL)

7.065

×10

-2

0.1mol/L

硝酸銀溶液 1mL に相当するヘキサシ

アノ鉄酸塩錯体[Fe(CN)

6

]

の質量(g)

二つの分析値の平均値を求め,最終結果を質量分率 0.1  %のけたまで記録する。

8.

全鉄の含有量の定量  全鉄の含有量の定量は,次の二つの方法による。A 法(8.1)は,問題が生じた場

合の裁定法として用いる。

8.1

A

8.1.1

原理  測定試料を約 300  ℃で焼成し,分解する。残分を塩酸に溶かす。鉄(Ⅲ)は,塩化すず(Ⅱ)溶

液で還元し,鉄(Ⅱ)を 7.1.4.2 によって二クロム酸カリウム溶液で滴定する。

8.1.2

試薬  分析には,すべて分析用と認められた試薬だけを用い,水は, ISO 3696 に規定された等級

3

以上の純度のものを用いなければならない。


10

K 5113 : 2005

参考  水については,6.1 の参考を参照。

警告  試薬の使用に当たっては,労働安全衛生法に従わなければならない。

8.1.2.1

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

8.1.2.2

塩酸  JIS K 8180 に規定するもの。

8.1.2.3

塩酸(1+1)  JIS K 8180 を用いて調製したもの。

8.1.2.4

アンモニア溶液  JIS K 8085 に規定するもの。

8.1.2.5

塩化すず()溶液  JIS K 8136 に規定する塩化すず(Ⅱ)二水和物 50 g を塩酸(8.1.2.2)300 mL に溶か

し,水で 500 mL に薄めたもの。溶液は,JIS K 8580 に規定する小さな粒状のすずを入れたフラスコ中で

密栓して貯蔵する。

8.1.3

装置及び器具  通常の試験室用の装置及び器具を用いる。

8.1.3.1

マッフル炉

8.1.4

操作  定量分析は,2 回行う。

試料(5.)約 1 g を,1 mg のけたまではかりとり,マッフル炉(8.1.3.1)中で約 300  ℃に加熱する。灰分を硝

酸(8.1.2.1)で潤し,注意深く蒸発乾固し,再び強熱してヘキサシアノ鉄酸塩錯体を完全に分解する。

残分を塩酸(8.1.2.2)約 20 mL に溶かし,溶液を水で 150 mL に薄める。硝酸 2 mL を加えて混合液を煮沸

し,鉄塩の酸化を完全にする。

アンモニア溶液(8.1.2.4)を過剰に加えて,すべての鉄を水酸化鉄(Ⅲ)として沈殿させる。沈殿物をろ紙(ろ

紙 5 種 A)でろ過し,温水でよく洗浄する。このとき全液量を可能な限り少なくする。

溶液を加熱して煮沸し,溶液が無色になるまで塩化すず(Ⅱ)溶液(8.1.2.5)を滴加する。

以後,7.1.4.2 の手順に従って操作する。

8.1.5

結果の表し方

8.1.5.1

計算  顔料の全鉄含有量は,7.1.5.1.1 の式によって,計算する。

8.2

B

8.2.1

原理  試料を硫酸水素カリウムの存在の下で強熱して分解する。融成物を水及び塩酸に溶かす。鉄

(

Ⅲ)を塩化すず(Ⅱ)によって鉄(Ⅱ)に還元し,鉄(Ⅱ)を 7.2.1.4 に規定する方法に従って過マンガン酸カリウ

ム溶液で滴定する。

8.2.2

試薬  分析には,すべて分析用と認められた試薬だけを用い,水は, ISO 3696 に規定された等級

3

以上の純度のものを用いなければならない。

参考  水については,6.1 の参考を参照。

警告  試薬の使用に当たっては,労働安全衛生法に従わなければならない。

8.2.2.1

硫酸水素カリウム  JIS K 8972 に規定するもの。

8.2.2.2 

塩酸溶液(質量分率約 25  )  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。

8.2.2.3

塩化すず()溶液  JIS K 8136 に規定された塩化すず(Ⅱ)二水和物 50 g を塩酸に溶かし,水で 500

mL

に薄めたもの。溶液は,JIS K 8580 に規定する小さい粒状のすずを入れたフラスコ中に密栓して貯蔵

する。

8.2.3

装置及び器具  通常の試験室用の装置及び器具を用いる。

8.2.4

操作  定量分析は,2 回行う。

試料(5.)約 0.5g を 1mg のけたまではかりとり,るつぼの中に入れる。硫酸水素カリウム(8.2.2.1)約 3g を

添加し,ドラフト中で小さい炎によって強熱する。放冷後,融成物を 1 000 mL ビーカー中で緩やかに加熱

しながら水に溶かし,塩酸溶液(8.2.2.2)を適量加える。


11

K 5113 : 2005

溶液を加熱して煮沸し,溶液が無色になるまで,塩化すず(Ⅱ)溶液(8.2.2.3)を滴加する。

以後,7.2.1.4 の手順に従って操作する。

8.2.5

結果の表し方

8.2.5.1

計算  顔料の全鉄の含有量は,7.2.1.5.1 の式によって,計算する。

9.

加熱減量  加熱減量の定量は,次の二つの方法による。A 法(9.1)は,問題が生じた場合の裁定法とし

て用いる。

9.1

A

法  60  ℃,16 時間による定量。

9.1.1

操作  定量分析は,2 回行う。

直径約 65 mm の平形はかり瓶に,

試料を均一な層に広げ,

このとき厚さが 5 mm を超えないようにして,

1 mg

のけたまで質量をはかる。

はかり瓶及び内容物を 60  ℃±2  ℃で,

16

時間加熱する。

シリカゲルを入れたデシケーター中で放冷し,

再び質量をはかる。

参考  国内で一般的に用いられている平形はかり瓶の内,直径約 65 mm に相当するものは,JIS R 3503

に規定する 60×30 mm のものがある。

9.1.2

結果の表し方  顔料の加熱減量は,次の式によって算出する。

100

)

VM

(

4

6

5

×

=

m

m

m

w

ここに,  w(VM):

加熱減量[%(質量分率)]

m

4

試料の質量(g)

m

5

はかり瓶及び加熱前の試料の合計質量(g)

m

6

はかり瓶及び加熱後の試料の合計質量(g)

もし,二つの分析結果の差が,高い方の値の 10  %を超えた場合には,9.1.1 の定量操作をやり直す。二

つの分析結果の差が,高い方の値の 10  %以下の場合は,その二つの値の平均値を計算し,最終結果を質

量分率 0.1  %のけたまで求める。

9.2

B

法  105  ℃,2 時間による定量。JIS K 5101-15-1 に規定する方法に従って定量する。

10.

分散性  顔料の平均分散濃度を質量分率 20  %として JIS K 5101-1-2 に規定する方法によって測定す

る。

顔料が,5

µm の分散度を得るために,30 分を超える時間を要する場合には,分散度の標準を 10  µm と

する。

11.

試験結果の記録  試験結果の記録には,少なくとも次の事項を含まなければならない。

a) 

試験を行った製品の識別に必要とする詳細な資料

b) 

この規格の適用

c) 

試験結果及び試験方法を選択できる場合には,実施した試験方法及び試験結果が,該当する規格の規

定に適合するか否か


12

K 5113 : 2005

d) 

この規格で規定する試験手順との相違点

e) 

試験の年月日

12. 

表示  製品の包装の外面に,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格の名称

b)

正味質量

c)

製造年月又はその略号

d)

製造番号又はロット番号

e)

製造業者名又はその略号


13

K 5113 : 2005

附属書 1(規定)  水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法

序文  この附属書は,1981 年に第 1 版として発行された ISO 787-4 の必要箇所を翻訳し,作成したもので

ある。

1. 

適用範囲  この附属書は,本体の表 に規定する水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法に適用す

る。

2. 

試薬  試薬は,次のとおりとする。

分析には,すべて分析用と認められた試薬だけを使用する。水は, ISO 3696 に規定する等級 3 以上の

純度のものを使用しなければならない。

参考  水については,本体の 6.1 の参考を参照。

a) 

塩酸(0.05mol/L)  JIS K 8001 の 4.5(5.5)によって調製したもの。

b) 

水酸化ナトリウム(又は水酸化カリウム)溶液(0.05mol/L)  JIS K 8001 の 4.5(19.5)によって調製した

もの,又は JIS K 8574 に規定する水酸化カリウムを用いて JIS K 8001 の 4.5(19.5)に従って調製したも

の。

c) 

メチルレッド溶液  JIS K 8896 に規定するメチルレッドをエタノール体積分率 60  %に溶かして 1 g/L

としたもの。

3. 

装置及び器具  通常の実験室用器具のほか,次の装置及び器具を使用する。

a) 

ビュレット  JIS R 3505 に規定する容量 50 mL のもの。

b) pH

計  校正済みのもので,pH 値 0.1 まで測定可能なもの。

4. 

操作  操作は,次のとおりとし,4.2 の a)又は b)の測定を 2 回行う。

4.1 

試料溶液の調製  JIS K 5101-16-1 に従って完全に透明なろ液を調製する。

備考  受渡当事者間の合意のある場合には,JIS K 5101-16-2 に従ってもよい。

4.2 

定量

a) 

指示薬法(A )  試料溶液 100 mL に指示薬としてメチルレッド溶液 5 滴を加える。このとき,溶液が

オレンジ色であれば中性と認める。

溶液が黄色(アルカリ性)の場合には,0.05 mol/L 塩酸でオレンジ色の終点となるまで滴定する。溶

液が赤(酸性)の場合には,0.05 mol/L 水酸化ナトリウム又はカリウム溶液でオレンジ色の終点になる

まで滴定する。

備考1.  指示薬法(A 法)は,試料溶液が着色している場合には使用できないので,電位差測定法(B 法)

を用いる。

2. 

受渡当事者間の合意によって,メチルレッド以外の指示薬を用いてもよい。

b) 

電位差滴定法(B )  試料溶液 100 mL に pH 計の電極を浸し,pH 値を読み取る。

pH

値が,4∼8 の場合には,中性と認める。

pH

値が,

8

を超える(アルカリ性)場合には,

0.05 mol/L

塩酸で pH 値が 8 未満となる点まで滴定する。


14

K 5113 : 2005

pH

値が,4 未満(酸性)の場合には,0.05 mol/L  水酸化ナトリウム又はカリウム溶液で pH 値が 4 を超

える点まで滴定する。

c) 

繰返し測定  2 回の測定結果が,5  %を超えて相違する場合は,改めて 4.の操作を繰り返さなければ

ならない。

5. 

結果の表し方及び記録

a) 

計算  酸度(アルカリ度)は,次の式によって算出する。

m

V

m

V

A

125

2

100

5

.

2

=

×

×

×

=

ここに,

A

:  製品 100 g の抽出液を中和するのに要した 0.1 mol/L のア

ルカリ(塩酸)溶液の容量(mL)で表示する酸度(アルカリ度)

m

:  試料溶液の調製に用いた試料の質量(g)

V

:  水酸化ナトリウム(又は水酸化カリウム)溶液又は塩酸の

消費量(mL)

b) 

結果の記録  抽出液が中性の場合には,“中性”と記録する。抽出液が酸性又はアルカリ性で,滴定を

行った場合には,確定した二つの値の平均値を記録する。


15

K 5113 : 2005

附属書 2(参考)  水銀を含む廃液からの水銀除去

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

処理法  3 個の 10 L のプラスチック容器を附属書 図 のように連結する(連結された系列のうち,付

加された最後のチャンバーは,急激な反応によって増大する圧力による危険性を最小にするためのもので

ある。

。最初の二つの容器には,水銀を還元し,沈殿させるための 3 kg のアルミニウム又は鉄の棒を入れ

る。第三の容器から排出される溶液は,最終的に廃棄する前に中間槽で処理する。蓄積した水銀のスラッ

ジは,適宜取り除き,回収工場へ送る前に傾斜法によって濃縮する。アルミニウム又は鉄の棒は,必要に

応じて交換する。

参考  文献 Ansmann W.,Arch.Eisenhuttenw.,53(10),1982,p.390

附属書   1  廃液からの水銀の除去装置


16

K 5113 : 2005

附属書 3(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 5113:2004

  紺青(顔料)

ISO 2495:1995

  紺青(顔料)−規格と試験方法

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅱ ) 国 際

規格番号

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びそ

の内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線又は側線

(

Ⅴ)JIS と国際

規 格 と の 技 術

的 差 異 の 理 由
及 び 今 後 の 対

項目番号

内容

項 目
番号

内容

項 目 ご と の
評価

技術的差異の内

1.

適用範囲

ISO 2495 

1

IDT

2.

引用規格

JIS K 5101-1-2

JIS K 5101-2-1

JIS K 5101-3-1

JIS R 3505

JIS K 5101-13-1

JIS K 5101-15-1

JIS K 5101-16-1

JIS K 5600-1-2

ISO 787-4

ISO 3936

JIS K 5101-13-2

JIS K 5101-16-2

JIS K 8001

JIS K 8085

JIS K 8136

JIS K 8139

JIS K 8159

JIS K 8180

JIS K 8372

JIS K 8541

JIS K 8574

JIS K 8576

JIS K 8580

JIS K 8659

JIS K 8896

JIS K 8913

JIS K 8951

JIS K 8953

JIS K 8972

JIS K 8997

JIS K 9005

JIS K 9514 

2

ISO 8780-2

ISO 787-1

ISO 787-16

ISO 385-1

ISO 648

ISO 1042

ISO 787-5

ISO 787-2

ISO 787-3

ISO 787-4

ISO 842

ISO 3696 

MOD/

変更,

MOD/

追加

国 際 規 格 は 古
く,最新の ISO

規格を引用して
いないため,こ
れに対応する最

新 JIS を引用し
た。

実 質 的 な 技 術
際はないが,国

際 規 格 の 見 直
しの際,提案を
行う。

3.

定義

3

IDT


17

K 5113

:2005

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅱ ) 国 際

規格番号

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びそ

の内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線又は側線

(

Ⅴ)JIS と国際

規 格 と の 技 術

的 差 異 の 理 由
及 び 今 後 の 対

項目番号

内容

項 目
番号

内容

項 目 ご と の
評価

技術的差異の内

4.

要 求 品 質

及 び 許 容 限

4.1

組成

4

4.1

IDT

4.2

外観

4.2

IDT

4.3

その他の

品質特性

4.3

MOD/

追加

吸油量の試験方
法に煮あまに油
法を追加。

ISO

規 格 で 規

定 さ れ て い る
精 製 あ ま に 油

は,国内で入手
が困難なため。

ISO

へ 提 案 す

る。

5.

サ ン プ リ

ング

JIS K 5600-1-2 

5

ISO 842 

MOD/

変更

引 用 規 格 の 変
更。 

ISO 842

は ISO 

1512

と統合さ

れ ISO 15528 
し て 発 行 さ れ
て い る た め こ

れ に 対 応 す る

JIS

に 変 更 し

た。

6.

定性 

6

IDT

7.

鉄(Ⅱ)及び

鉄 ( Ⅲ ) イ オ
ン合計量(塩
基 性 鉄 含 有

量)及びヘキ
サ シ ア ノ 鉄
酸 塩 錯 体 含

有量の定量 

7

7.1A

7.1.2.13

ジフェニルアミ

ン − 4 − ス ル ホ
ン酸ナトリウム
指示薬

7.1 7.1.2.13

ジ フ ェ ニ

ル ア ミ ン
ス ル ホ ン
酸 バ リ ウ

ム指示薬 

MOD/

変更

指示薬の種類が
異なる。

入 手 が 困 難 な
ため,ISO に提

案する。

7.2B

7.2

MOD/

変更

資格のある化学

者については,
我が国には化学
者に対する資格

制 度 が な い た
め。

ISO

見 直 し 時

に提案を検討。

8.

全 鉄 の 含

有量の定量 

8

IDT

9.

加熱減量

9

IDT


18

K 5113

:2005

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅱ ) 国 際

規格番号

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びそ
の内容

表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線又は側線

(

Ⅴ)JIS と国際

規 格 と の 技 術
的 差 異 の 理 由

及 び 今 後 の 対

項目番号

内容

項 目

番号

内容

項 目 ご と の

評価

技術的差異の内

10.

分散性

10

IDT

11.

試験結果

の記録

11

IDT

12.

表示

製品に表示すべ
き項目を規定。

MOD/

追加 JIS 認定制度に

対応するため追
加。

附属書 1(規
定)水抽出液
の 酸 度 又 は

ア ル カ リ 度
の試験方法

ISO 787-4

に規

定する試験方法
を規定。 

表 1

MOD/

変更

試 験 方 法 を 規
定。 

ISO

規 格 で は

試 験 方 法 と し
て 規 格 を 引 用

し て い る だ け
であるが,これ
に 対 応 す る 試

験方法が JIS 
さ れ て い な い
た め 利 用 者 の

利 便 性 を 考 慮
して追加した。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− IDT・・・・・・・・・・・・・・・  技術的差異がない。 
− MOD/追加・・・・・・・・・  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

− MOD/変更・・・・・・・・・  国際規格の規定内容を変更している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− MOD・・・・・・・・・・・・・  国際規格を修正している。


19

K 5113

:2005

関連規格  JIS K 0557  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 5101-1-5

  顔料試験方法−第 1 部:分散性評価のための分散方法−第 5 節:フーバーマラ

JIS K 5101-5-2

  顔料試験方法−第 5 部:分散性の評価方法−第 2 節:分散度の変化による評価

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具