>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 5110 : 2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本無機薬品協会

(JICIA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 5110:2000 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 3711:1990,Lead chromate pigments

and lead chromate

−molybdate pigments−Specifications and methods of test を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS K 5110

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


K 5110

:2005

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  種類

3

4.

  品質

3

5.

  サンプリング 

4

6.

  全鉛含有量の定量

4

6.1

  容量法(電気分解分離を用いる

4

7.

  可溶性鉛含有量の定量

6

7.1

  可溶性鉛の抽出

6

7.2

  可溶性鉛の定量

7

8.

  試験結果の記録 

8

9.

  表示

8

附属書 1(規定)水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法 

10

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

11


日本工業規格

JIS

 K

5110

:2005

黄鉛(顔料)及びモリブデートオレンジ(顔料)

Chrome yellow pigments and molybdate orange pigments -Specifications and

methods of test

序文  この規格は,1990 年に第 2 版として発行された ISO 3711,Lead chromate pigments and lead chromate

−molybdate pigments−Specifications and methods of test を元に,技術的内容を変更して作成した日本工業規

格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 に示す。

1.

適用範囲  この規格は,カラーインデックス番号として,ピグメントオレンジ 21,ピグメントイエロ

ー34(黄鉛)及びピグメントレッド 104(モリブデートオレンジ)に属し,はん(汎)用用途に適用する顔料の種

類,品質及び試験方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 3711:1990

,Lead chromate pigments and lead chromate-molybdate pigments−Specifications and

methods of test (MOD)

参考  カラーインデックス番号は,次の 2 か所で発行されている。

−  The society of Dyers and Colourists,PO Box 244,Perkin House,82 Grattan Road,Bradford,West

Yorkshire BD1 2JB

,United Kingdom

−  The American Association of Textile Chemists and Colorists,National Headquarters,Box 12215,

Research Triangle Park

,NC 27709,USA

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 5101-1-2

  顔料試験方法−第 1 部:分散性評価のための分散方法−第 2 節:ペイントコンディシ

ョナ形振とう機

備考 ISO 

8780-2:1990

,Pigments and extenders−Methods of dispersion for assessment of dispersion

characteristics

−Part2:Dispersion using an oscillatory shaking machine からの引用事項は,この規

格の該当事項と同等である。

JIS K 5101-1-5

  顔料試験方法−第 1 部:分散性評価のための分散方法−第 5 節:フーバーマラー


2

K 5110

:2005

JIS K 5101-2-1

  顔料試験方法−第 2 部:色の比較−第 1 節:目視法

備考 ISO 

787-1:1982

,General methods of test for pigments and extenders−Part1:Comparison of colour

of pigments

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 5101-3-1

  顔料試験方法−第 3 部:着色力−第 1 節:有色顔料の相対着色力及び淡色の測定(目

視比較法)

備考 ISO 

787-16:1986

,General methods of test for pigments and extenders−Part16:Determination of

relative tinting strength (or equivalent colouring value) and colour on reduction of coloured pigments

−Visual comparison method  からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 5101-5-2

  顔料試験方法−第 5 部:分散性の評価方法−第 2 節:分散度の変化による評価

JIS K 5101-9

  顔料試験方法−第 9 部:耐光性

備考 ISO 

787-15:1986

,General methods of test for pigments and extenders−Part15:Comparison of

resistance to light of coloured pigments of similar tipes

が,この規格と一致している。

JIS K 5101-13-1

  顔料試験方法−第 13 部:吸油量−第 1 節:精製あまに油法

備考 ISO 

787-5:1980

,General methods of test for pigments and extenders−Part5:Determination of oil

absorption value

が,この規格と一致している。

JIS K 5101-13-2

  顔料試験方法−第 13 部:吸油量−第 2 節:煮あまに油法

JIS K 5101-14-1

  顔料試験方法−第 14 部:ふるい残分−第 1 節:湿式法(手動法)

JIS K 5101-15-1

  顔料試験方法−第 15 部:加熱減量−第 1 節:105  ℃揮発性物質

備考 ISO 

787-2:1981

,General methods of test for pigments and extenders−Part2:Determination of matter

volatile at 105 degrees C

が,この規格と一致している。

JIS K 5101-16-1

  顔料試験方法−第 16 部:水溶分−第 1 節:煮沸抽出法

JIS K 5101-16-2

  顔料試験方法−第 16 部:水溶分−第 2 節:常温抽出法

JIS K 5101-17-2

  顔料試験方法−第 17 部:pH 値−第 2 節:常温抽出法

備考 ISO 

787-9:1981

,General methods of test for pigments and extenders−Part9:Determination of pH

value of aqueous suspension

が,この規格と一致している。

JIS K 5600-1-2

  塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 2 節:サンプリング

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8107

  エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム二水和物(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8230

  過酸化水素(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8574

  水酸化カリウム(試薬)

JIS K 8731

  尿素(試薬)

JIS K 8847

  ヘキサメチレンテトラミン(試薬)

JIS K 8896

  メチルレッド(試薬)

JIS K 9563

  キシレノールオレンジ(試薬)

JIS R 3505

  ガラス製体積計

備考 ISO 

385-1:1984

,Laboratory glassware-Burettes−Part1:General requirements,ISO 1042:1983


3

K 5110

:2005

Laboratory glassware

−One mark volumetric flasks からの引用事項は,この規格の該当事項と同

等である。

ISO 787-4:1981

,General methods of test for pigments and extenders−Part4:Determination of acidity or

alkalinity of aqueous extract

ISO 3696:1987

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

ISO 3856-1:1984

,Paints and varnishes−Determination of soluble metal content−Part1:Determination of lead

content

−Flame atomic absorption spectrometric method and dithizone spectrometric method

ISO 6713:1984

,Paints and varnishes−Preparation of acid extracts from paints liquid or powder form

3.

種類  種類は,表 による。

  1  種類

顔料の種類

顔料の色

カラーインデックス番号

化学種

緑 み の 黄 色 及 び
レモン色

ピグメントイエロー34

2

部,77603 参照

硫酸クロム酸鉛(Ⅱ)

黄色

ピグメントイエロー34

2

部,77600 参照

クロム酸鉛(Ⅱ)

黄鉛

だいだい色

ピグメントオレンジ 21

2

部,77601 参照

塩基性クロム酸鉛(Ⅱ)

モリブデートオ
レンジ

だ い だ い 色 か ら

ピグメントレッド 104

2

部,77605 参照

硫酸クロム酸鉛(Ⅱ)−モ
リブデン酸鉛(Ⅱ)

参考  黄鉛(顔料)及びモリブデートオレンジ(顔料)は,更に次の二つに区分する。

−  一般形(タイプ 1):クロム酸鉛(Ⅱ)又は塩基性クロム酸鉛(Ⅱ)からなる黄色又は赤の顔料。このクロム

酸鉛には,硫酸鉛(Ⅱ)及び/又はモリブデン酸鉛(Ⅱ)若しくはその他の水不溶性共沈化合物を含む場合

と含まない場合とがある。この一般形の顔料は,有機着色剤及び体質顔料を含まない。

なお,カラーインデックス番号が,ピグメントイエロー34 及びピグメントレッド 104 に相当する顔

料は,顔料の結晶構造の調整に必要な場合に限り,例えば,アルミニウム及び/又はけい酸塩の共沈

化合物を含ませることができる。

−  安定形(タイプ 2):  クロム酸鉛(Ⅱ)又は塩基性クロム酸鉛(Ⅱ)からなる黄色又は赤の顔料。このクロム

酸鉛(Ⅱ)には,硫酸鉛(Ⅱ)及び/又はモリブデン酸鉛(Ⅱ)若しくはその他の水不溶性共沈化合物を含む

場合と含まない場合とがある。この安定形の顔料は,有機着色剤及び体質顔料を含まない。

これらの顔料には,ある種の顔料特性を改善する目的で,製造工程中に他の材料を特別に含ませる

ことができる。  他の材料にはカプセル化のための不定形シリカも含まれる。安定形の場合には,購入

者は販売者に対して他の材料の使用によって改善される特性及び全鉛含有量の最低申告値の掲示を求

めることができる。

4.

品質

a)

黄鉛(顔料)及びモリブデートオレンジ(顔料)は,

表 に規定する品質及び表 に示す条件付品質に適

合しなければならない。条件付品質は,  受渡当事者間の合意によって規定する。

b)

合意した比較顔料は,

表 の品質に適合するものでなければならない。

  2  品質


4

K 5110

:2005

品質項目

単位

規格値

試験方法

加熱減量

%(質量分率) 1 以下

JIS K 5101-15-1

による。

水溶分(常温抽出法)

%(質量分率) 2 以下

JIS K 5101-16-2

による。

試料採取量は 20 g とする。

水抽出液の酸度又は
アルカリ度

顔料 100 g 当たりの 0.1

mol/L

溶液の量 mL

20

以下

附属書 による。試料採取量は 20 g と
する。

pH

値(常温法)

4

∼8

JIS K 5101-17-2

による。

ふるい残分(45

µm)

%(質量分率) 0.3 以下

JIS K 5101-14-1

による。

  3  条件付品質

品質項目

単位

規格値

試験方法

JIS K 5101-2-1

による。

うすめ色

着色力

受渡当事者間で合意した許容差
の範囲内で受渡当事者間で合意
した比較顔料[4.b)による。]と比

べて同等である。

JIS K 5101-3-1

による。

分散性

JIS K 5101-1-2

JIS K 5101-1-5  又は JIS K 

5101-5-2

による。

耐光性

受渡当事者間で合意した比較顔

料[4.b)による。]と比べて劣らな
い。

JIS K 5101-9

による。

吸油量 mL/100

g

受渡当事者間で合意した値から

15

%以上相違してはならない。

JIS K 5101-13-1

又は JIS K 5101-13-2 によ

る。

全 鉛 含 有

(Pb)

%(質量分
率)

受渡当事者間で合意した値から

3

%(質量分率)以上相違しては

ならない。

6.

による。

可溶性鉛

(Pb)

%(質量分
率)

必要な場合には,受渡当事者間
で合意した値を取り決める。

7.

による。

5.

サンプリング  JIS K 5600-1-2 に従って,試験する製品から代表サンプルを採取する。

6.

全鉛含有量の定量

6.1

容量法(電気分解分離を用いる)

6.1.1

原理  試料を硝酸に溶かし,電気分解によって,鉛を酸化鉛(Ⅳ)として析出分離する。析出した酸

化鉛(Ⅳ)を硝酸及び過酸化水素に溶かし,エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム二水和物溶液による

キレート滴定で全鉛含有量を求める。

6.1.2

試薬  試薬は,すべて分析用等級に適合するものだけを使用する。水は, ISO 3696 に規定された

等級 3 以上の純度のものを使用しなければならない。

参考1.  ISO 3696 には,化学分析用水の要求品質及び試験方法が規定されている。規定されている等

級 3 は,次のとおりである。

25

℃における pH 値(許容範囲)

5.0

∼7.5

25

℃における電気伝導率 mS/m(最大値)

0.5

被酸化性物質(酸素相当含有量) mg/L(最大値) 0.4

110

℃加熱蒸発残分 mg/kg(最大値)

2

2.

JIS K 0557

に規定されている A3 の水は,ISO 3696 に規定されている等級 3 の要求品質を満

たしている。

警告  試薬の使用に当たっては,法令及び職場の安全衛生規則に従わなければならない。


5

K 5110

:2005

a) 

硝酸  JIS K 8541 に規定するもの。

b) 

過酸化水素  JIS K 8230 に規定するもの。

c) 

尿素  JIS K 8731 に規定するもの。

d) 

硝酸銅()

e) 

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

f) 0.025mol/L 

EDTA

溶液  JIS K 8107 に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム二水和物

9.306 3 g

を全量フラスコ 1 000 mL にとり,水に溶かし,水を標線まで加えて十分に振り混ぜる。

g) 

キシレノールオレンジ混合物  JIS K 9563 に規定するキシレノールオレンジ 1 g と JIS K 8150 に規定

する塩化ナトリウム 100 g とを十分に混合する。

h) 

ヘキサメチレンテトラミン  JIS K 8847 に規定するもの。

6.1.3

装置及び器具  通常の実験室用器具のほか,次の装置及び器具を使用する。

a) 

電気分解装置

b) 

白金電極

6.1.4

操作  操作は,次のとおりとし,2 回行う。

a) 

試料  5.によって採取した試料約 0.25 g を 1 mg のけたまではかりとり,250 mL トールビーカー中に

入れる。

b) 

試料溶液の調製  試料に硝酸 10 mL,水 10 mL 及び硝酸銅(Ⅱ)少量を加える。加熱して試料を溶かし,

過酸化水素 10 滴を加え,緩やかに煮沸する。水 50 mL を加えて希釈し,硝酸 5 mL 及び尿素少量を添

加し,加熱して煮沸する。

備考  この操作段階で,少量の不溶解物が残っても定量には支障がない。

c) 

電気分解による酸化鉛()としての鉛の分離  白金電極(陽極)をアセトンに浸して,脂肪分を完全

に除去した後,電気分解装置によって白金電極に酸化鉛(Ⅳ)を析出させる。電気分解終了後,電解電

圧を変更せずに電極を静かに溶液の上に持ち上げ,洗浄瓶からの水流で洗浄する。

参考  電気分解の最適電圧は,使用する装置によって決まり,通常 1.6∼2.8 V である。したがって,

使用する装置の最適電圧を求める目的で,鉛含有既知のクロム酸鉛(Ⅱ)による予備試験を行う

必要がある。最適電圧では顕著な気体の発生が起こらず,酸化鉛(Ⅳ)が完全に析出する。電気

分解の条件の一例を示す。

かき混ぜないで,2 V で電気分解を開始する。数秒間後,析出が認められたときに電圧を 1.6

∼1.7 V に下げる。緩やかにかき混ぜながら 80  ℃で 30 分間電気分解を継続する。30 分間経過

後,ビーカーを 1∼2 cm 高く持ち上げて,さらに 15 分間電気分解を続ける。次いで,ビーカー

を元の位置に戻して,このとき露出した電極に酸化鉛(Ⅳ)の析出があるか否かを目視で観察す

る。もし,析出が起こっていたならば,電気分解を更に 15 分間継続し,電気分解を終了する。

d) 

キレート滴定による鉛の定量  酸化鉛(Ⅳ)の析出した白金電極を,水 150 mL,硝酸 3 mL 及び過酸化

水素 2 mL を入れた 250 mL ビーカーに 15 分間浸し,析出した鉛を速やかに溶解させる。溶液から白

金電極を取り去り,同時に電極を水洗する。溶液が 50 mL となるまで蒸発し,残留する過酸化水素を

完全に分解する。次に,水 100 mL を加え,キシレノールオレンジ混合物 0.1 g を加えた後,黄色から

桃色に変色するまで,ヘキサメチレンテトラミン少量を添加する。次に,ヘキサメチレンテトラミン

0.4

∼0.5 g を追加して加える。かき混ぜながら,0.025 mol/L EDTA 溶液で,黄色に変色するまで滴定す

る。

6.1.5

計算及び結果の表し方


6

K 5110

:2005

a) 

計算  顔料の全鉛含有量 w(Pb)は,次の式によって算出し,質量分率として表示する。

100

518

00

.

0

)

Pb

(

2

×

×

=

m

V

w

ここに,

w

(Pb)

全鉛含有量(%)

m

2

試料の質量(g)

V

0.025 mol/L EDTA

溶液の消費量(mL)

0.005 18

0.025 mol/L EDTA

溶液 1 mL に相当する鉛(Pb)の質量

(g)

全鉛含有量を酸化鉛(Ⅱ)として表示する場合には,次の式による。

100

558

00

.

0

)

PbO

(

2

×

×

=

m

V

w

ここに,

w

(PbO)

酸化鉛(Ⅱ)の質量分率として表示した顔料の全鉛含
有量(%)

m

2

試料の質量(g)

V

0.025 mol/L EDTA

溶液の消費量(mL)

0.005 58

0.025 mol/L EDTA

溶液 1 mL に相当する酸化鉛

(

Ⅱ)(PbO)の質量(g)

b) 

分析結果の記録  分析結果の記録は,次のとおりとする。

2

回の分析の結果,得られた全鉛含有量[w(Pb)]の差が 0.8  %(質量分率)以下の場合は,二つの分析結果

の平均値を計算し,その結果を 0.1  %のけたまで記録する。差が 0.8  %(質量分率)を超える場合は,6.1.4

の操作を繰り返す。

参考  分析精度

−  繰返し精度(r):同一試料を,同一分析者が,同一分析室で同一器具を使用し,標準化された

試験方法によって,短時間内に 2 回,定量を繰り返した結果の差異は,確率 95  %で,0.85  %

以内と期待される。

−  再現精度(R):同一試料を,異なる分析室の分析者によって,標準化された試験方法で定量し

た二点の結果の差異は,確率 95  %で,2.0  %以内と期待される。

7.

可溶性鉛含有量の定量

7.1

可溶性鉛の抽出

備考  ここに規定する抽出法は,ISO 6713 の 7.1 に基づくものである。

7.1.1

試薬  試薬は,分析用等級に適合するものだけを使用する。水は,ISO 3696 に規定された等級 3

以上の純度のものを使用しなければならない。

参考  水については,6.1.2 の参考を参照。

警告  試薬の使用に当たっては,法令及び職場の安全衛生規則に従わなければならない。

a) 

塩酸  c(HCl)=(0.07 mol/L)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製したもの。


7

K 5110

:2005

b) 

塩酸(1+1)  JIS K 8180 に規定する塩酸 1 容に,水 1 容を加える。

7.1.2

装置及び器具  通常の実験室用器具のほか,次の装置及び器具を使用する。

a) 

適切な機械式かくはん機

b) pH

計  電極を備える pH 計。

c) 

ろ過膜及びろ過器  ろ過膜の孔径は,0.15

µm のもの。7.1.3 の b)の操作で澄明なろ液が得られるもの。

d) 

水浴  23  ℃±2  ℃に維持可能なもの。

7.1.3

操作  操作は,次のとおり行う。

a) 

試料  6.で得られた全鉛含有量から,次の式によって可溶性鉛含有量の定量に用いる試料の質量 m

3

算出する。

5

.

0

)

Pb

(

60

3

×

=

w

m

ここに,

m

3

可溶性鉛含有量の定量に用いる試料の質量(g)

w

(Pb)

顔料の全鉛含有量[%(質量分率)]

60

代表的な黄鉛の平均鉛含有量[%(質量分率)]

b)

抽出  抽出は,次のとおり行い,2 回実施する。

試料(m

3

)

を 1 mg のけたまではかりとり,清浄で乾燥した 1 000 mL ビーカー中に入れる。ビーカー

をかくはん機にセットし,

あらかじめ水浴で 23  ℃±2  ℃に調節した塩酸(0.07 mol/L)500 mL を加える。

ビーカーを水浴に入れ,直ちにかき混ぜを開始する。pH 計の電極を懸濁液中に浸し,必要があれば,

塩酸(1+1)によって pH 値を調節する。抽出の全期間を通して,かき混ぜの強さは,顔料が均一な懸濁

液となるように調節し,かつ,飛散しないように注意する。かき混ぜは 60±1 分間継続し,全期間を

通して懸濁液が 23  ℃±2  ℃を保つように調節する。懸濁液の pH 値は,塩酸(1+1)を注意深く添加し

て一定に保つ。かき混ぜが終了した後,懸濁液を更に 60±1 分間,23  ℃±2  ℃に静置する。懸濁液を

傾斜法でろ過する。最初の 10 分間に得られたろ液を適切なガラス容器にとり,直ちに栓をする。ろ液

の可溶性鉛の定量は,可能な限り速やかに行い,抽出液調製後 4 時間以内に定量を行わなければなら

ない。

7.2

可溶性鉛の定量  可溶性鉛の定量は,フレーム原子吸光法(AAS 法)による。ただし,受渡当事者間

の合意によって,これ以外の定量法を用いてもよい。

参考  フレーム原子吸光法による測定には,JIS K 0102 の 54.1(フレーム原子吸光法)による方法もあ

る。

7.2.1 

フレーム原子吸光法

a)

検量線の作成  ISO 3856-1 の 3.4.1 に規定する方法によって作成する。

b)

定量  7.1 によって調製したろ液を用い,ISO 3856-1 の 3.4.3 に規定する方法によって定量する。

c)

計算及び結果の表し方  顔料の可溶性鉛含有量 w(Pb)s は,次の式によって算出し,質量分率として表

示する。

2

6

3

10

10

)

Pb

(

500

Pb)s

(

×

×

×

×

=

m

F

w

ρ

ここに,

w(Pb)s

可溶性鉛含有量[%(質量分率)]

ρ(Pb):

検量線から求めた試料溶液中の鉛濃度(

µg/mL)

F

ISO 3856-1

の 3.4.3 による希釈係数

m

3

7.1.3a)

による試料の質量(g)


8

K 5110

:2005

8.

試験結果の記録  試験結果の記録には,少なくとも次の事項を記載する

a) 

試験を行った製品の識別に必要とする詳細な資料

b) 

この規格の適用

c) 

可溶性鉛の定量に用いた試験方法

d) 

試験結果及び試験した製品が,この規格の規定に適合するか否か

e) 

この規格で規定する試験手順との相違点

f)

試験年月日

9. 

表示  製品の包装の外面に,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格の名称

b)

種類

c)

正味質量

d)

製造年月又はその略号

e)

製造番号又はロット番号

f)

製造業者名又はその略号


9

K 5110

:2005

附属書 1(規定)  水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法

序文  この附属書は,1981 年に第 1 版として発行された ISO 787-4 の必要箇所を翻訳し,作成したもので

ある。

1. 

適用範囲  この附属書は,本体の表 に規定する水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法に適用す

る。

2. 

試薬  試薬は,次のとおりとする。

分析には,すべて分析用と認められた試薬だけを使用する。水は,ISO 3696 に規定する等級 3 以上の純

度のものを使用しなければならない。

参考  水については,本体の 6.1.2 の参考を参照。

a) 

塩酸(0.05mol/L)  JIS K 8001 の 4.5(5.5)によって調製したもの。

b) 

水酸化ナトリウム(又は水酸化カリウム)溶液(0.05mol/L)  JIS K 8001 の 4.5(19.5)によって調製したも

の,

又は JIS K 8574 に規定する水酸化カリウムを用いて JIS K 8001 の 4.5(19.5)に従って調製したもの。

c) 

メチルレッド溶液  JIS K 8896 に規定するメチルレッドをエタノール体積分率 60  %に溶かして 1 g/L

としたもの。

3. 

装置及び器具  通常の実験室用器具のほか,次の装置及び器具を使用する。

a) 

ビュレット  JIS R 3505 に規定する容量 50 mL のもの。

b) pH

計  校正済みのもので,pH 値 0.1 まで測定可能なもの。

4. 

操作  操作は,次のとおりとし,4.2 の a)又は b)の測定を 2 回行う。

4.1 

試料溶液の調製  JIS K 5101-16-1 に従って完全に透明なろ液を調製する。

備考  受渡当事者間の合意のある場合には,JIS K 5101-16-2 に従ってもよい。

4.2 

定量

a) 

指示薬法(A )  試料溶液 100 mL に指示薬としてメチルレッド溶液 5 滴を加える。このとき,溶液が

レンジ色であれば中性と認める。

溶液が黄色(アルカリ性)の場合には,0.05 mol/L 塩酸でオレンジ色の終点となるまで滴定する。溶液

が赤(酸性)の場合には,0.05 mol/L 水酸化ナトリウム又はカリウム溶液でオレンジ色の終点になるまで

滴定する。

備考1.  指示薬法(A 法)は,試料溶液が着色している場合には使用できないので,電位差測定法(B 法)

を用いる。

2. 

受渡当事者間の合意によって,メチルレッド以外の指示薬を用いてもよい。

b) 

電位差滴定法(B )  試料溶液 100 mL に pH 計の電極を浸し,pH 値を読み取る。

pH

値が,4∼8 の場合には,中性と認める。

pH

値が,

8

を超える(アルカリ性)場合には,

0.05 mol/L

塩酸で pH 値が 8 未満となる点まで滴定する。

pH

値が,4 未満(酸性)の場合には,0.05 mol/L 水酸化ナトリウム又はカリウム溶液で pH 値が 4 を超


10

K 5110

:2005

えるまで滴定する。

c) 

繰り返し測定  2 回の測定結果が,5  %を超えて相違する場合は,改めて 4.の操作を繰り返さなけれ

ばならない。

5. 

結果の表し方及び記録

a) 

計算  酸度(アルカリ度)は,次の式によって算出する。

m

V

m

V

A

125

2

100

5

.

2

=

×

×

×

=

ここに,

A

:  製品 100 g の抽出液を中和するのに要した 0.1 mol/L のア

ルカリ(塩酸)溶液の容量(mL)で表示する酸度(アルカリ
度)

m

:  試料溶液の調製に用いた試料の質量(g)

V

:  水酸化ナトリウム(又は水酸化カリウム)溶液又は塩酸の

消費量(mL)

b) 

結果の記録  抽出液が中性の場合には,“中性”と記録する。抽出液が酸性又はアルカリ性で,滴定を

行った場合には,確定した二つの値の平均値を記録する。


11

K 5110

:2005

附属書 2(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 5110:2005

  黄鉛(顔料)及びモリブデートオレンジ(顔料)

ISO 3711:1990

  黄鉛(顔料)及びモリブデートオ

レンジ(顔料)−規格及び試験方法

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びそ
の内容 
表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実
線の側線

項目番号

内容

(

Ⅱ)

国際 
規格 
番号

項目
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内

(

Ⅴ)JIS と国際

規 格 と の 技 術
的 差 異 の 理 由
及 び 今 後 の 対

1.

適用範囲

ISO 

3711 

1

IDT

2.

引用規格

JIS K 5101-2-1

JIS K 5101-3-1

JIS K 5101-14-1

JIS R 3505

JIS K 5101-1-2

JIS K 5101-9

JIS K 5101-13-1

JIS K 5101-15-1

JIS K 5101-16-2

JIS K 5101-17-2

JIS K 5600-1-2

ISO 787-4

ISO 3696

ISO 3856-1

JIS K 5101-13-2

JIS K 5101-16-1

JIS K 8001

JIS K 8034

JIS K 8107

JIS K 8150

JIS K 8180

JIS K 8230

JIS K 8541

JIS K 8574

JIS K 8731

JIS K 8847

JIS K 8896

JIS K 9563

ISO 6713

2

ISO 787-1

ISO 787-16

ISO 385-1

ISO 1042

ISO 8780-2

ISO 787-15

ISO 787-5

ISO 787-2

ISO 787-8

ISO 787-9

ISO 787-4

ISO 3696 

ISO 3856-1 

ISO 648

ISO 787-7

ISO 787-20

ISO 842

ISO 4793 

MOD/

変更

MOD/

追加

国 際 規 格 は 古

く,最新の ISO
を引用していな
いため,これに

対 応 す る 最 新

JIS

を引用した。

実 質 な 技 術 的

差異はないが,
国 際 規 格 の 見
直しの際,提案

を行う。


12

K 5110

:2005

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びそ

の内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線又は実

線の側線

項目番号

内容

(

Ⅱ)

国際

規格 
番号

項 目
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内

(

Ⅴ)JIS と国際

規 格 と の 技 術

的 差 異 の 理 由
及 び 今 後 の 対

3.

種類

黄鉛とモリブデー
トオレンジの 2 種

類に分類

3

種類

JIS

と ほ ぼ 同

じ。 

MOD/

変更

タイプⅠ及びⅡ
を参考とした。

ISO

見 直 し 時

に提案を検討 

4.

品質

4

表 3 
 

MOD/

選択

吸油量の試験方
法に煮あまに油

法を追加(

表 3)

し,2 法の選択
とした。

ISO

規 格 で 規

定 さ れ て い る

精 製 あ ま に 油
は,国内で入手
が困難なため。

ISO

へ 提 案 す

る。

5.

サ ン プ リ

ング

JIS K 5600-1-2

よる。 

5

ISO 842 

MOD/

変更

引用規格の変更

ISO 842

は ISO 

1512

と統合さ

れ ISO 15528 

し て 発 行 さ れ
て い る た め こ
れ に 対 応 す る

JIS

に 変 更 し

た。

6.1

重量法

MOD/

削除

重量法を削除

6.

全 鉛 含 有

量の定量

6.1

  容量法

6.2

容量法

IDT

重量法は,問題

が 生 じ た と き
の 基 準 と な る
方法であるが,

有 毒 な 硫 化 水
素 を 使 用 し て
おり,また,国

内 で 使 用 さ れ
て い な い た め
削除。TBT 協定

の 適 用 除 外 条
項に該当する。

7.1

  可 溶 性 鉛 の

抽出

7.1

可 溶 性 鉛 の 抽

IDT

7.

可 溶 性 鉛

含有量の定

7.2

  可 溶 性 鉛 の

定量

AAS

法による。

7.2

可 溶 性 鉛 の 定

AAS

法又はジ

チ ゾ ン 吸 光 高
度法による。 

MOD/

削除

ジチゾン吸光高
度法を削除。

こ の 試 験 方 法
は,有害なシア
ン 化 カ リ ウ ム

を 用 い る こ と
から削除した。

TBT

協 定 の 適

用 除 外 条 項 に
該当。

8.

試 験 結 果

の記録

8

IDT


13

K 5110

:2005

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びそ

の内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線又は実

線の側線

項目番号

内容

(

Ⅱ)国

際 規

格 番

項 目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内

(

Ⅴ)JIS と国際

規 格 と の 技 術

的 差 異 の 理 由
及 び 今 後 の 対

9.

表示

製品に表示すべき
項目を規定。

− MOD/追加

JIS

認証制度に

対応するため追

加。

附属書 1(規

定 ) 水 抽 出
液の酸度又
はアルカリ

度の試験方

ISO 787-4

の試験

方法を規定(抜粋)

表 2

− MOD/変更

試験方法を規定

ISO

で は 試 験

方 法 と し て 規
格 を 引 用 し て
い る だ け で あ

り,これに対応
す る 試 験 方 法
が JIS 化されて

い な い た め 利
用 者 の 利 便 性
を 考 慮 し て 追

加した。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。

    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。


14

K 5110

:2005

関連規格  JIS K 0102  工場排水試験方法

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水