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K 4822 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。


日本工業規格

JIS

 K

4822

: 2001

火薬類安定度試験用試薬類

Reagents for stability tests of explosives

1.

適用範囲  この規格は,火薬類の安定度試験に用いる試薬類について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7507

  ノギス

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0970

  プッシュボタン式液体用微量体積計

JIS K 4800

  火薬用語

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8295

  グリセリン(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

3.

定義  この規格で用いられる主な用語の定義は,JIS K 4800 によるほか,次による。

a)

比較試験用よう化カリウムでんぷん紙  5.1 に規定する品質に適合したもので,未検査のよう化カリウ

ムでんぷん紙及び精製滑石粉の鋭敏度試験に用いるもの。ただし,密封容器に収納し適正な管理のも

とに暗所に保管されたもの。

b)

比較試験用標準色紙  6.1 に規定する品質に適合したもので,未検査のよう化カリウムでんぷん紙及び

精製滑石粉の鋭敏度試験に用いるもの。ただし,密封容器に収納し適正な管理のもとに暗所に保管さ

れたもの。

c)

比較試験用精製滑石粉  7.1 に規定する品質に適合したもので,未検査のよう化カリウムでんぷん紙及

び精製滑石粉の鋭敏度試験に用いるもの。ただし,密封容器に収納し適正な管理のもとに暗所に保管

されたもの。

d)

耐熱試験時間  試料の入った耐熱試験用試験管を恒温槽に挿入してから,よう化カリウムでんぷん紙

の乾湿境界部が標準色紙と同一濃度の色に変色するまでの時間。

e)

製品原紙  同一ロットの未検査染色済み原紙であり,製造後少なくとも 1 か月以上経過し,四辺を 30

∼50mm の幅で除去したもの。

4.

種類  火薬類の安定度試験に用いる試薬の種類は,次による。

a)

火薬類安定度試験用よう化カリウムでんぷん紙

b)

火薬類安定度試験用標準色紙

c)

火薬類安定度試験用精製滑石粉


2

K 4822 : 2001

d)

火薬類安定度試験用青色リトマス試験紙

5.

火薬類安定度試験用よう化カリウムでんぷん紙

5.1

品質  品質は,5.2 によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 1  品質

品質項目

規格

外観

白色で,きず,汚れがない。

鋭敏度 65±0.5℃での耐熱試験時間 T′(秒)は,次の

範囲内とする。

T

′=T±0.05T

ここに,T:  比較試験用よう化カリウ

ムでんぷん紙の耐熱試験
時間(秒)

5.2

試験方法

5.2.1

材料  材料は,次による。

a)

比較試験用よう化カリウムでんぷん紙

b)

比較試験用標準色紙

c)

比較試験用精製滑石粉

d)

桜ダイナマイト  次の組成のもの

ニトログリセリン 60.0%

ニトログリコールを含まないもの

ニトロセルロース 2.3%

乾綿で窒素量: (12.1±0.2) %のもの

硝酸カリウム 29.2%

純度  99.0%以上のもの

木粉 8.5%

水分  15%以下のもの

e)

50%

グリセリン溶液  次の方法で調製し,気密容器に保存したもの。

JIS K 8295

に規定するグリセリン 20mL に,JIS K 8001 の 3.6(2)(水)に規定する水 20mL を加えて

混合する。

5.2.2

装置及び器具

a)

恒温槽  図 に示す構造のもので,65±0.5℃の恒温を保てるもの。

b)

耐熱試験用試験管  図 に示すもの。

c)

ストップウオッチ

d)

ノギス  JIS B 7507 による。

e)

乳鉢  メノウ製又は磁製

f)

乳棒  メノウ製,木製又はエボナイト製

g)

マイクロピペット  JIS K 0970 に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計で,0∼10

µL のもの。

h)

ガラス板又はエボナイト板


3

K 4822 : 2001

図 1  恒温槽の一例

図 2  耐熱試験用試験管

5.2.3

試料の採取方法  試料の採取方法は,次による。

a)

外観  外観試験は,製品原紙全数を試料とする。

b)

鋭敏度  鋭敏度試験は,製品原紙 1 枚ごとに任意の箇所から所定の寸法(縦 25mm×横 10mm)に裁

断したものを 2 枚以上採取し試料とする。

5.2.4

操作  操作は,次による。

a)

外観  外観は,目視によって製品原紙全数を試験する。

b)

鋭敏度

1)

ガラス板又はエボナイト板上で米粒大に切った桜ダイナマイト 3.5g を乳鉢にとり,比較試験用精製


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K 4822 : 2001

滑石粉 7g を加え,乳棒で静かに軽く擦り混ぜ粉末状にする。

2)

上記粉末を耐熱試験用試験管の刻線−1 まで入れ,それぞれ縦に二分した試料及び比較試験用よう

化カリウムでんぷん紙 1 枚ずつを,ゴム栓に付けたつりかぎにそれらの面が横一線にそろうように

つるし,それらの上部をマイクロピペットを用いて 50%グリセリン溶液で湿らし,試験管口をゴム

栓で軽く覆う。

3)

恒温槽を 65±0.5℃に保ち,試験管を湯に浸す刻線−2 の深さまで差し入れ,約 10 秒後にゴム栓で

試験管口を密栓し,試料及び比較試験用よう化カリウムでんぶん紙を規定の位置に保つ。

4)

比較試験用標準色紙は,同質の他の試験管に入れ,試料と同一高さの見やすい位置に置く。

5)

試料の入った試験管を恒温槽に差し入れたときから,試料及び比較試験用よう化カリウムでんぷん

紙の乾湿境界部が,比較試験用標準色紙と同一濃度に着色するまでのそれぞれの耐熱試験時間 T

及び をはかる。

6)

T

が 10 分未満又は 17 分以上のときは,桜ダイナマイトを取り替えて行う。

5.3

判定方法  外観試験結果及び鋭敏度試験結果に基づき,製品原紙 1 枚ごとに適合,不適合の判定を

行う。

a)

外観  製品原紙 1 枚ごとに,規格を満足するものは,適合と判定する。

b)

鋭敏度

1)

試料 2 枚の測定結果が 2 枚とも規格を満足する場合,それに対応する製品原紙は適合と判定する。

2)

試料 2 枚のうち 1 枚が規格を満足しない場合は,試料 1 枚について追加試験を実施し,累計試験枚

数 3 枚のうち 2 枚が規格を満足した場合を適合と判定する。

5.4

容器及び表示  容器及び表示は,次による。

a)

適合品は,遮光した気密容器に収納する。

b)

容器には,次の項目を表示する。

1)

品名

2)

製造年月日及び有効期間,又は製造番号及び有効期限

3)

製造業者名

4)

数量

6.

火薬類安定度試験用標準色紙

6.1

品質  品質は,6.2 によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 2  品質

品質項目

規格

外観

白色で,きず,汚れがない。

2

長辺の中心を通って標準色線を引いたも

のとする。

標準色線  標準色線は,幅約 0.5±0.1mm の黄褐色で比

較試験用標準色紙の色調・濃度と差がない。

6.2

試験方法

6.2.1

材料  比較試験用標準色紙

6.2.2

器具  ノギス JIS B 7507 による。

6.2.3

試料の採取方法  外観試験及び標準色線試験は,全数を試験する。

6.2.4

操作  操作は,次による。


5

K 4822 : 2001

a)

外観  外観は,目視によって試料全数を試験する。

b)

標準色線

1)

試料の標準色線の幅をノギスで 0.1mm まではかる。

2)

白い紙を背景とし,目視で試料の標準色線の色調・濃度を比較試験用標準色紙のそれと比較する。

6.3

判定方法  外観試験結果及び標準色線試験結果に基づき,試料 1 枚ごとに適合,不適合の判定を行

う。

a)

外観  規格を満足するものは適合と判定する。

b)

標準色線  規格を満足するものは適合と判定する。

6.4

容器及び表示

a)

適合品は,遮光した気密容器に収納する。

b)

容器には,次の項目を表示する(

1

)

1)

品名

2)

製造年月日及び有効期間,又は製造番号及び有効期限

3)

製造業者名

4)

数量

(

1

)

適合品は,よう化カリウムでんぷん紙の容器中に同封する場合,よう化カリウムでんぷん

紙と共通して表示してもよい。

7.

火薬類安定度試験用精製滑石粉

7.1

品質  品質は,7.2 によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 3  品質

品質項目

規格

外観

白い粉末で,異物の混入がない。

乾燥減量 (105℃)

0.3%

以下

可溶性アルカリ量

CaCO

3

として 0.1%以下

鋭敏度

65

±0.5℃での耐熱試験時間 T′(秒)は,

次の範囲内とする。

T

′=T±0.05T

ここに,T:  比較試験用精製滑

石粉の耐熱試験時
間(秒)

7.2

試験方法

7.2.1

材料  材料は,次による。

a)

比較試験用滑石粉

b)

比較試験用標準色紙

c)

比較試験用よう化カリウムでんぷん紙

d)

桜ダイナマイト  5.2.1d)に規定するもの。

e)

50%

グリセリン溶液  5.2.1e)に規定するもの。

f)

ブロモフェノールブルー溶液  JIS K 8001 の 4.4(指示薬)に規定するもの。

g)

0.1mol/L

塩酸

7.2.2

装置及び器具

a)

恒温槽及び試験管  5.2.2a)及び b)に規定するもの。


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K 4822 : 2001

b)

平形はかり瓶

c)

乾燥器

d)

全量フラスコ 500mL

e)

ろ過器

f)

ろ紙  JIS P 3801 の 5 種 B

g)

滴定装置

7.2.3

試料の採取方法  外観試験(異物)の試料は,同一生産単位の製品全数とする。外観試験(異物)

以外の試料は,外観試験(異物)に適合した製品から必要量を採取する。

7.2.4

操作  操作は,次による。

a)

外観  色は,JIS K 8001 の 5.1(1)(固体試料の場合)による。異物の混入は,無色透明な容器によっ

て内容物を少しずつ移動させて調べる。

b)

乾燥減量  試料 5g を平形はかり瓶にとり,JIS K 0067 の 4.1.4(1)第 1 法による。この場合,105℃で 5

時間乾燥する。

c)

可溶性アルカリ量  試料 10g に JIS K 8001 の 3.6(3)(二酸化炭素を含まない水)に規定する水,約 250mL

を加え 1 分間煮沸し冷却した後,全量フラスコ 500mL に入れ,炭酸を含まない水を標線まで加える。

これを乾いたろ紙でろ過し,初めのろ液約 25mL を捨てた後,ろ液 10mL をとりブロモフェノールブ

ルー溶液を指示薬として,0.1mol/L 塩酸(

2

)

で滴定する。

(

2

) 0.1mol/L

塩酸1mL は,CaCO

3

0.005 0g

に相当する。

d)

鋭敏度  5.2.4. b)に示す方法による。

7.3

判定方法  外観試験,乾燥減量試験,可溶性アルカリ試験及び鋭敏度試験結果に基づき,製品の適

合,不適合の判定を行う。

a)

外観  色は,JIS K 8001 の 5.1(1)(固体試料の場合)による。異物は,規格を満足するものを適合と

判定する。

b)

乾燥減量,可溶性アルカリ及び鋭敏度  各品質項目ごとにそれぞれ 2 回の測定結果が 2 回とも規格を

満足する場合,適合と判定する。

7.4

容器及び表示

a)

適合品は,遮光した気密容器に収納する。

b)

容器には,次の項目を表示する。

1)

品名

2)

製造年月日

3)

製造業者名

4)

内容量

8.

火薬類安定度試験用青色リトマス試験紙

8.1

品質  品質は,8.2 によって試験し,表 に適合しなければならない。

表 4  品質

品質項目

規格

外観

青色で,きず,むらがない。

鋭敏度 pH5.0 及び 6.0 の緩衝液に浸したとき,pH5.0

で赤,pH6.0 で赤紫に均一に変色する。


7

K 4822 : 2001

8.2

試験方法

8.2.1

材料  緩衝液(pH5.0 及び pH6.0):JIS K 8001 の 5.28(1)(緩衝液の調製)の表 14  緩衝液調製用

溶液及び

表 17  フタル酸水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液による。

8.2.2

試料の採取方法  試料の採取方法は,次による。

a)

外観  外観試験は,製品原紙全数を試料とする。

b)

鋭敏度  鋭敏度試験は,製品原紙 1 枚ごとに,任意の箇所から試料として所定の寸法(縦 40mm×横

10mm

)に裁断したものから 4 枚以上採取し,試料とする。

8.2.3

操作  操作は,次による。

a)

外観  外観は,目視によって製品原紙全数を試験する。

b)

鋭敏度  それぞれの緩衝液を時計皿などにとり,試料 2 枚ずつをそれらの液中に約 2 秒間全浸した後,

取り出し,目視によって鋭敏度を試験する。

8.3

判定方法  外観試験結果及び鋭敏度試験結果に基づき,適合,不適合の判定を行う。

a)

外観  製品原紙 1 枚ごとに規格を満足するものは,対応する製品原紙を適合と判定する。

b)

鋭敏度  緩衝液ごとの試料 2 枚の判定結果が 2 枚とも規格を満足する場合,それに対応する製品原紙

を適合と判定する。

8.4

容器及び表示

a)

適合品は,遮光した気密容器に収納する。

b)

容器には,次の項目を表示する。

1)

品名

2)

製造年月日

3)

製造業者名

4)

数量

関連規格  JIS K 4801  産業爆薬

JIS K 4809

  火薬類分析試験方法

JIS K 4810

  火薬類性能試験方法


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K 4822 : 2001

火薬類 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

山  下  忠  孝

東洋大学名誉教授

(主査)

北  島  英  二

中国化薬株式会社

塚  田  裕  久

通商産業省製品評価技術センター

横  田  秀  樹

通商産業省環境立地局保安課

鴨志田  直  史

工業技術院標準部標準業務課

中  村      順

警察庁科学警察研究所

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

坂  上      威

日本火薬工業会

井  川      潤

東洋濾紙株式会社

南  山  卓  彦

日本火薬卸売業会

沼  倉  隆  治

社団法人日本火薬銃砲商組合連合会

橋  爪      清

日本化薬株式会社

金  澤  輝  男

日本油脂株式会社

一  宮      稔

旭化成工業株式会社

(事務局)

佐  藤  孝  幸

日本火薬工業会

比  嘉      清

日本火薬工業会