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K 4801:2006 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本火薬工業会/

財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 4801:1994は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。 

K 4801:2006  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 種類 ······························································································································ 1 

5. 品質 ······························································································································ 1 

6. サンプリング方法 ············································································································ 2 

7. 試験方法 ························································································································ 2 

8. 記録 ······························································································································ 4 

9. 包装 ······························································································································ 4 

10. 表示 ···························································································································· 5 

11. 安全取扱い上の注意事項 ·································································································· 5 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 4801:2006 

産業爆薬 

Industrial explosives 

序文 この規格は,今回,JIS K 4801の,品質,試験方法,包装などを改正した規格である。 

なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。 

1. 適用範囲 この規格は,産業爆薬について規定する。ただし,含水爆薬を除く。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 5706 硬質塩化ビニル雨どい 

JIS K 4800 火薬用語 

JIS K 4806 工業雷管及び電気雷管 

JIS K 4809 火薬類分析試験方法 

JIS K 4810 火薬類性能試験方法 

JIS K 4820 導爆線 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 4800によるほか,次による。 

a) あかつきダイナマイト ニトロゲルを基剤とし,坑外専用で,主として硝酸アンモニウムを含み,こ

う(膠)質状のもの。 

b) 黒カーリット 過塩素酸塩を基剤とし,けい(珪)素鉄を含み,坑外専用の粉状のもの。 

c) 青カーリット 過塩素酸塩を基剤とし,硝酸アンモニウム及び硝酸ナトリウムを含み,後ガスを特に

考慮した粉状のもの。 

d) あかつきカーリット 過塩素酸塩を基剤とし,硝酸アンモニウムを含む粉状のもの。 

4. 種類 産業爆薬の種類は,表1及び表2による。 

備考 産業爆薬の分析試験を行う場合には,JIS K 4809による。 

5. 品質 産業爆薬は,7.によって試験したとき,次の品質に適合しなければならない。 

a) 耐熱 表1のダイナマイト及びニトロゲル含有量が質量分率6 %以下のアンモン爆薬は,65 ℃でよ

う化カリウムでんぷん紙が標準色紙と同じ色に変色するまでの時間(耐熱時間)が,8分以上でなけ

ればならない。 

参考 火薬類取締法施行規則の耐熱試験合格基準と同じである。 

b) 性能 硝安油剤爆薬を除く産業爆薬は,製造直後に表1の性能に,硝安油剤爆薬は,表2の性能に適

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

合しなければならない。 

表 1 産業爆薬の性能(硝安油剤爆薬は除く。) 

種類 

落つい感度 

級 

爆速 

m/s 

RWS 

% 

殉爆度 

仮比重(1) 
(参考) 

ダ 
イ 

ナ 
マ 
イ 
ト 

松ダイナマイト 

3〜4 

6 500〜7 500 

100 

2以上 

1.55〜1.60 

桜ダイナマイト 

4〜5 

5 000〜6 500 

55〜90 

3以上 

1.45〜1.55 

桐ダイナマイト 

4〜7 

5 000〜7 000 

55〜90 

3以上 

1.30〜1.50 

えのき(榎)ダイナマイト 

4〜7 

5 000〜6 500 

55〜85 

3以上 

1.30〜1.45 

あかつきダイナマイト 

4〜7 

5 000〜5 500 

55〜85 

2以上 

1.15〜1.30 

カ 

| 
リ 
ッ 
ト 

黒カーリット 

4〜5 

3 500〜4 500 

85〜95 

3以上 

1.10〜1.15 

青カーリット 

5〜6 

3 700〜4 200 

70〜85 

2以上 

1.05〜1.10 

あかつきカーリット 

5〜6 

4 000〜4 500 

70〜85 

3以上 

1.00〜1.05 

アンモン爆薬 

5〜8 

3 500〜5 000 

65〜85 

2以上 

0.95〜1.05 

TNT系爆薬 

5〜8 

3 500〜5 500 

65〜85 

2以上 

1.00〜1.20 

注(1) 仮比重は,規定項目(爆薬の感度及び威力)ではないので,参考値である。 

なお、仮比重の測定は,JIS K 4810の5.7(仮比重)を参照。 

表 2 硝安油剤爆薬の性能 

種類 

起爆感度 

爆速 (2) 

(参考)m/s 

硝安油剤爆薬 

7. b) 5.2)の起爆感度試験方法A法において,導爆線が3回とも
爆発しない。又は,7. b) 5.3)の起爆感度試験方法B法において,
3回とも漏斗孔を生じない。 

1 500以上 

注(2) 爆速は,爆薬の用途の多様性に応じて各種爆速の製品が用いられ,規定項目ではないので,参考値である。 

6. サンプリング方法 品質が同一とみなすことができる1ロットの製品から,代表的な試料を採取する。 

なお,ロットサイズの設定,サンプリングの時期及び場所については,必要に応じて,受渡当事者間の

協定によってもよい。 

7. 試験方法 試験方法は,次による。 

a) 耐熱試験 耐熱試験は,JIS K 4810の5.1.1(耐熱試験)による。 

b) 性能試験 性能試験は,次による。 

1) 落つい感度 JIS K 4810の5.2.1(落つい感度試験)による。 

2) 爆速 JIS K 4810の5.5(爆速試験)による。 

3) RWS JIS K 4810の5.6.1(弾動きゅう砲試験)による。 

4) 殉爆 JIS K 4810の5.2.2(砂上殉爆試験)による。 

5) 硝安油剤爆薬の起爆感度 硝安油剤爆薬の起爆感度試験は,次による。 

5.1) 一般 硝安油剤爆薬の起爆感度試験は,硬質塩化ビニル雨どい又はカートン紙筒に硝安油剤爆薬

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K 4801:2005   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を詰め,これを電気雷管で起爆して,その爆発の有無をみる。試験方法は,次に示す試験方法A

法又はB法によるものとし,試験は3回行うものとする。 

なお,できるだけ,A法によることが望ましい。 

5.2) 起爆感度試験方法A法 起爆感度試験方法A法は,次による。 

5.2.1) 装置及び器具 試料の容器は,JIS A 5706に規定する呼び60(外径60±2.0 mm),長さ130±20 

mmの硬質塩化ビニル雨どい(以下,管という。)とし,その一端の管口をクラフト紙でふさぎ,

粘着テープなどによって管に取り付けたもの。図1に試験装置の概要を示す。 

単位 mm 

図 1 起爆感度試験方法 A法の装置の概要 

5.2.2) 操作 操作は,次による。 

− 管の開口端から試料を入れ,軽く3,4回たたいて管の上端まで詰めて管口をクラフト紙でふさ

ぎ粘着テープなどによって管に取り付ける。 

− 管の一端の中心に,JIS K 4806に規定する電気雷管を,その雷管体の上端が管の端と同一面に

なるまで挿入する。 

− 管の他端の中心に,JIS K 4820に規定する長さ150〜300 mmの50グレイン導爆線を管の端か

ら30 mm挿入する。 

− 土又は砂の上に横に置いて雷管を爆発させ, 導爆線が爆発するかどうかを確認する。以上を更

に2回繰り返す。 

5.3) 起爆感度試験方法B法 起爆感度試験方法B法は,次による。 

5.3.1) 装置及び器具 試料の容器は,容量約950 ml,内径85 mmのふた付きカートン紙筒とする。 

ふた付きカートン紙筒の材質はカップ原紙とし,構造は,次のとおりとする。 

− 本体 深さ約165 mm,内径約85 mmの紙筒。側面厚さ約0.4 mmのらせん状二重巻,底厚さ約

0.7 mm。 

− ふた 深さ約15 mmの紙筒でふたをしたとき,本体と密着するような内径とする。側面厚さ約 

0.32 mmのらせん状二重巻,上面厚さ約0.45 mm。 

ふた(クラフト紙をのり又は粘着テープ

   などで管に接着させる。) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 仕上げ 本体,ふたとも全面プラスチックコーティング仕上げとする。 

図2にふた(蓋)付きカートン紙筒の概要を示す。 

単位 mm 

1.紙質 

  カップ紙 

2.紙の厚さ 

      側面 0.4×2枚 

 a)本体 

      底面 0.7×1枚 

      側面 0.32×2枚 

 b)ふた 

      上面 0.45×1枚 

3.側面の巻き方らせん状二重巻 

4.全面プラスチックコーティング 

図 2 ふた(蓋)付きのカートン紙筒の概要 

5.3.2) 操作 カートン紙筒に硝安油剤爆薬を通常の包装状態と同様の仮比重で上端まで詰める。雷管を

挿入してふたをし,軟らかな土又は砂の上に直立させて雷管を爆発させる。さらに2回繰り返す。 

c) 判定 7.a)及び7.b)の結果が,5.に適合する場合は“適合”,適合しない場合は“不適合”とする。 

8. 記録 試験方法(規格番号),試験実施日,試験実施者,試験環境,試験結果,その他必要な事項を記

録する。 

9. 包装 産業爆薬の包装は,次によるほか,法令の定めるところによる。 

包装は,成分が浸出せず,かつ,防湿性の薬包で包む。 

参考 薬包の径,1本の薬量及び1箱の本数については,表3に参考値を示す。平成10年通商産業省

告示第149号(火薬類の容器包装の基準を定める告示)で,火薬類の種類ごとに,容器包装の

技術上の基準が定められている。 

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K 4801:2005   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 3 薬径,薬量及び本数(参考) 

薬包の径 

mm 

1本の薬量 

1箱の本数 

本 

ダイナマイト 

カーリット 

アンモン 

爆薬 

TNT系 

爆薬 

硝安油剤

爆薬 

25 

    100 

   225 

○ 

− 

○ 

− 

− 

30 

    100 

   225 

○ 

○ 

○ 

− 

− 

30 

    200 

   120 

○ 

○ 

− 

− 

− 

40 

    500 

    45 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

50 

    750 

    30 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

50 

   1 000 

    20 

− 

− 

− 

− 

○ 

備考 表3中の“○”は市場に流通しており,“−”は市場に流通していないことを示す。 

10. 表示 産業爆薬の外装の表示は,次による。 

a) 種類 

b) 数量(薬量) 

c) 製造所名 

d) 製造年月日 

11. 安全取扱い上の注意事項 産業爆薬には,火気,衝撃,摩擦などを与えないほか,取扱いについては

関連法令による。 

参考 関連法令には,火薬類取締法,鉱山保安法,労働安全衛生法などがある。