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K 4800 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本火薬工業会 

(JEIA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,

JIS K 4800 : 1985は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,近年の技術進歩,国際規格関係用語及び需要の多様化に合わせて,用語の追加などに

ついて,改正を行った。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 4800 : 2000 

火薬用語 

Technical terms for explosives 

1. 適用範囲 この規格は,火薬関係で用いる主な用語とその定義について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 4806 工業雷管及び電気雷管 

JIS K 4828-1 火薬類危険区分判定試験方法−第1部 試験シリーズ5 

JIS K 4828-3 火薬類危険区分判定試験方法−第3部 試験シリーズ7 

JIS K 4829 火薬類の容器包装性能試験方法 

3. 分類 用語の分類は,次による。 

a) 種類・名称 

1) 一般 

2) 火薬・爆薬 

3) 火工品 

b) 製造 

1) 原料・半成品 

2) 製造技術・製造方法・製造装置 

c) 性能・試験方法 

1) 性能 

2) 試験方法 

d) 保安 

e) 消費 

1) 発破 

2) 爆発加工 

3) 発射・推進 

f) 

煙火(花火) 

4. 番号,用語及び定義 番号,用語及び定義は,次による。 

なお,参考のために,対応英語及び同義語(又は慣用語)を示す。 

備考 用語の一部に大括弧“[ ]”を付けてあるものは,大括弧の中の用字を含めた用語と,大括弧

の中の用字を省略した用語の二通りの用語を用いてよいことを示している。 

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K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 種類・名称 

1) 一般 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

11001 

爆発物 

打撃,摩擦,熱などの外的刺激によって爆発反応を起

こし得る単一物質又は混合物。 

explosive substance 

11002 

爆発性物質 

a) 

爆発物と同義語。 

b) 

危険物の輸送に関する国連勧告の用語explosive 

substanceの和訳で,火薬,爆薬及び火工剤を総称

する用語。爆発性物品に対する用語。 

explosive substance 

爆発物, 

爆発物質 

11003 

爆発性物品 

危険物の輸送に関する国連勧告の用語explosive article

の和訳で,火工品と同義語。 

爆発性物質に対する用語。 

explosive article 

火工品 

11004 

危険物 

危害を生じるおそれのある物質で,日本では消防法に

指定されているものをいう。 

危険物の輸送に関する国連勧告では,危険物として9

分類のものが示されているが,これは消防法の規定よ

りも範囲が広い。 

dangerous goods,  

hazardous material 

11005 

火薬類 

利用価値のある爆発物で,火薬,爆薬及び火工品に分

けられる。 

explosives 

火薬 

11006 

化合火薬類 

単一化合物である火薬類。 

混合火薬類に対する用語。 

explosive compounds 

11007 

混合火薬類 

二種以上の物質を混合して製造された火薬類。 

化合火薬類に対する用語。 

explosive mixtures 

11008 

産業火薬類 

建設業,鉱業,採石業などで使用される火薬類。 

武器用火薬類に対する用語。 

industrial explosives,  

commercial explosives 

11009 

武器用火薬類 

武器用の火薬類のことで弾薬ともいう。 

産業火薬類に対する用語。 

military explosives 

軍用火薬類, 

弾薬 

11010 

火薬 

a) 

火薬類のうち燃焼反応を利用するもの。 

爆薬に対する用語。 

a) low explosive,  

deflagrating 

 explosive 

b) 

広く火薬類の同義語として用いられることもあ

る。 

b) explosives 

b)火薬類 

11011 

爆薬 

火薬類のうち爆ごう(轟)反応を利用するもの。火薬

に対する用語。 

high explosive,  

detonating explosive 

11012 

火工品 

火薬又は爆薬を使用目的に応じて加工したもの。 

explosive article,  

pyrotechnics,  

explosive device 

爆発性物品 

11013 

EIDS 

(いーあいでぃー

えす) 

“危険物の輸送に関する国連勧告”の附属書“試験方

法及び判定基準のマニュアル第2改訂版”並びにこれ

を元に作成されたJIS K 4828-3において用いられる

用語であって,極度に鈍感な物質のことをいう。 

extremely insensitive 

 detonating 

 substance 

11014 

発射薬 

燃焼によって発生するガス圧で物体を発射するため

の火薬。 

固体発射薬,液体発射薬,ハイブリッド発射薬などが

ある。 

火薬類取締法の火薬類でない物質で,同じ目的に使用

するものもこれに含めることがある。 

gun powder,  

gun propellant,  

propellant 

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K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

11015 

液体発射薬 

液体状の発射薬で,戦車砲やりゅう(榴)弾砲に使用

される。 

代表的なものとして,ヒドロキシルアンモニウムナイ

トレート (HAN) やトリエタノールアンモニウムナイ

トレート (TEAN) の水溶液があるが,これらは火薬類

取締法の火薬類ではない。 

liquid gun powder,  

liquid gun propellant 

11016 

ハイブリッド発射
薬 

液体[ヒドロキシルアンモニウムナイトレート (HAN) 

水溶液など]と固体(シングルベース発射薬など)を

混合した発射薬。 

hybrid gun powder,  

hybrid gun propellant 

11017 

推進薬 

燃焼によって発生するガスをロケットノズルから噴

射させ,その反動を利用して物体を推進するための火

薬。 

固体,液体及び両者の組み合わせがあり,一般にはロ

ケット推進のために用いられる。 

火薬類取締法の火薬類でない物質で,同じ目的に使用

するものもこれに含めることがある。 

propellant,  

rocket propellant 

ロケット推進

薬, 

推薬 

11018 

固体推進薬 

酸化剤と燃料成分が一体となった固体状の推進薬。ダ

ブルベース推進薬のような均質系のものと,コンポジ

ット推進薬のような不均質系のものがある。 

solid propellant 

11019 

液体推進薬 

液体状の推進薬。 

一元推進薬(無水ヒドラジンのようにそれ自体で分解

して,又はニトロメタンのように燃焼して高温・高圧

ガスを発生する推進薬),二元推進薬(液体酸素,四

酸化二窒素などの液体酸化剤と液体水素,ケロシンな

どの液体燃料との組み合わせで用いられる推進薬),

三元推進薬(二元推進薬の燃料成分に金属粉,金属水

素化物などを添加した推進薬)などがある。 

 なお,ここに例示したものは火薬類取締法の火薬類

ではない。 

liquid propellant 

11020 

ハイブリッド推進

薬 

固体燃料と液体酸化剤から構成される推進薬。 

hybrid propellant 

11021 

産業爆薬 

建設業,鉱業,採石業などで使用される爆薬。武器用

爆薬に対する用語。 

industrial explosive,  

commercial explosive 

工業爆薬, 

産業火薬類 

11022 

武器用爆薬 

武器用の爆薬。 

産業爆薬に対する用語。 

military explosive 

軍用爆薬 

11023 

さく(炸)薬 

砲弾,地雷,爆弾などに充てんされた爆薬。 

bursting charge 

11024 

液体爆薬 

ニトログリセリン,ニトログリコールなど常温で液体

状の爆薬。 

liquid explosive 

11025 

気体爆薬 

常温で気体状の爆薬。 

gas explosive 

11026 

可塑性爆薬 

HMX,ペンスリット,RDXその他の爆薬(摂氏25度

で蒸気圧が0.000 1Pa未満のものに限る。)のうち,一

種類以上の爆薬とその爆薬を結合させるための物質

との混合物であって,室温で展性又は可とう性をもつ

もの。 

plastic explosives 

11027 

起爆薬 

わずかな打撃,摩擦,熱などの外的刺激で容易に爆ご

う(轟)する爆薬。 

primary explosive,  

initiating explosive 

一次爆薬 

11028 

二次爆薬 

雷管で起爆できる爆薬。 

secondary explosive 

11029 

三次爆薬 

硝安油剤爆薬のように伝爆薬を用いなければ起爆で

きない爆薬。 

tertiary explosive 

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K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

11030 

爆破薬 

発破作業に用いる火薬又は爆薬。 

blasting explosive 

11031 

爆破剤 

blasting agentの和訳で,鈍感な爆破薬。 

blasting agent 

11032 

火工剤 

照明,信号,えい(曳)光,延期,標示,発音などの

目的に使用する薬剤で,酸化剤,可燃剤,添加剤など

を配合した混合物。 

pyrotechnics,  

pyrotechnic substance,  

pyrotechnic material 

火工物質, 

料薬 

11033 

検定爆薬 

鉱山坑内用品検定規則の種類別検定試験に合格した

爆破薬で,可燃性の坑内ガス又は炭じん(塵)の存在

する炭鉱坑内において使用できるもの。 

検定爆薬の安全度による区分は,次のとおり。 

a) 

400g 検定爆薬 

b) 

600g 検定爆薬 

c) 

EqS-I 爆薬 

d) 

EqS-II爆薬 

permitted explosive 

11034 

検定火工品 

鉱山坑内用品検定規則の型式検定試験に合格した火

工品で,可燃性の坑内ガス又は炭じん(塵)の存在す

る炭鉱坑内において使用できるもの。 

検定火工品の種類は,a)導火線,b)電気導火線,c)工

業雷管,d)電気雷管,e)導爆線となっているが現在使

用されているのは,電気雷管だけである。 

permitted explosive article 

11035 

検定雷管 

鉱山坑内用品検定規則の型式検定試験に合格した雷

管で,可燃性の坑内ガス又は炭じん(塵)の存在する

炭鉱坑内において使用できるもの。 

現在使用されているのは,電気雷管だけである。 

permitted blasting  

cap,  

permitted detonator 

11036 

点火薬 

火薬類に点火するための薬剤。 

ignition charge 

11037 

伝火薬 

本体の火薬類の着火を確実にするため,点火薬と本体

火薬類との中間に配置される薬剤。 

transfer charge 

11038 

点火系列 

発射薬又は推進薬に点火し,弾丸若しくはロケットを

発射するための系列。 

発射薬に対する点火系列としては, 

a) 

小火器弾薬:雷管→発射薬 

b) 

固定弾及び半固定弾:火管(雷管→点火薬)→発

射薬 

c) 

大口径火砲弾薬:火管(雷管→点火薬)→点火薬

包→発射薬 

推進薬に対する点火系列としては, 

a) 

小型ロケット:イグナイタ(スクイブ→点火薬)

→推進薬 

b) 

大型ロケット:イニシエータ→パイロダインイグ

ナイタ→推進薬 

 なお,信号弾,照明弾などの場合には,燃焼系列と

呼ばれることもある。 

igniter train,  

burning train 

background image

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

11039 

火薬系列 

発射薬,推進薬,爆破薬,さく(炸)薬を確実に点火

又は点爆するために,その性能に応じて順次配列した

火薬類の系列。発射薬,推進薬に対する系列は点火系

列ともいう。 

爆破薬に対する系列としては, 

a) 

導火線→工業雷管(起爆薬→添装薬)→[伝爆薬]

→爆破薬 

b) 

電気雷管(点火薬→[延時薬]→起爆薬→添装薬)

→[伝爆薬]→爆破薬 

さく薬に対する系列としては, 

起爆筒(起爆薬→添装薬)→伝爆薬→さく薬 

explosive train 

11040 

プライマ 

a) 

点火雷管 

b) 

火管 

c) 

発破における親ダイ(管付薬包) 

primer 

11041 

伝爆薬 

本体の爆薬を確実に爆ごう(轟)させるため,起爆用

の雷管類と本体爆薬との中間に配置される爆薬。 

booster 

ブースタ 

11042 

ブースタ 

a) 

伝爆薬と同義語。 

b) 

ロケット発射時に大推力を発生させるために用

いられるロケットモータ,又は同一ロケットモー

タ内に組み込まれた大推力発生用推進薬。 

booster 

a)伝爆薬 

11043 

装薬 

a) 

発破孔などに詰めた火薬類。 

b) 

火薬類を発破孔などに詰めること。 

c) 

薬きょう(莢)又は薬のう(嚢)に収納されてい

る発射薬。 

a) charge, load 
b) charging, 

loading 

c) charge 

11044 

薬包 

産業爆薬を薬包紙で巻き,又は紙筒,合成樹脂などに

充てんしたもの。 

cartridge 

11045 

危険物の輸送に関
する国連勧告 

国連経済社会理事会・危険物輸送専門家委員会によっ

て策定された勧告。 

各種危険物の国際的輸送に対する規制の世界的な整

合を図ることを目的として,その分類,包装,標示な

どに関する基本的事項について勧告したもので,火薬

類はその中でクラス1に分類されている。 

この勧告は,国連から “Recommendations on the 

Transport of Dangerous Goods” として刊行されている

が,その表紙がオレンジ色であることからこれをオレ

ンジブック (Orange Book) とも呼ぶ。また,この勧告

をもとに,火薬類取締法においては火薬類の容器包装

基準が定められており,火薬類危険区分判定方法及び
火薬類の容器包装性能試験方法に関するJIS K 4829

が制定されている。 

UN Recommendations on 

the Transport of 

Dangerous Goods 

2) 火薬・爆薬 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12001 

黒色火薬 

硝酸カリウム,硫黄及び木炭の3種混合の火薬。 

黒色鉱山火薬,黒色小粒火薬,黒色粉火薬などがある。 

black powder,  

gun powder 

12002 

黒色鉱山火薬 

球状に造粒して粒径を2〜6mmとし,黒鉛光沢を行っ

た黒色火薬。 

石材採取に用いられる。 

blasting powder 

background image

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12003 

黒色小粒火薬 

小粒状に造粒して粒径を0.4〜1.2mmとした黒色火薬。 

推進薬,発射薬の点火薬,煙火,捕鯨もり(銛)先用

火薬などに用いられる。 

grain black powder 

12004 

黒色粉火薬 

粉状の黒色火薬。 

導火線用心薬として用いられる。 

mealed black powder 

12005 

無煙火薬 

発煙量の少ないニトロセルロースを主とする発射薬

及び推進薬の総称。 

シングルベース火薬,ダブルベース火薬,トリプルベ

ース火薬,マルチベース火薬などがある。 

smokeless powder,  

smokeless gun propellant,  

smokeless propellant 

12006 

シングルベース発
射薬 

ニトロセルロースを基剤とする無煙火薬。 

エーテル・アルコール混合液を用いて成形する。 

発射薬に用いられる。 

single base powder,  

single base gun propellant 

一基性火薬 

12007 

ダブルベース発射
薬 

ニトロセルロースとニトログリセリン,トリメチロー

ルエタントリナイトレート (TMETN) などを基剤と

する無煙火薬。 

アセトン・アルコール混合液などの溶剤を成形に用い

る揮発性溶剤火薬と,ジエチルフタレート,トリアセ

チンなどを用いる不揮発性溶剤火薬とがある。 

発射薬,ロケット推進薬などに用いられる。 

double base powder,  

double base gun propellant 

二基性火薬 

12008 

トリプルベース発
射薬 

ニトロセルロース,ニトログリセリン及びニトログア

ニジンを基剤とする無煙火薬。 

アセトン・アルコール混合液などの溶剤を用いて成形

する。 

燃焼温度が低く,焼食が少ない特徴がある。 

発射薬として用いられる。 

triple base powder,  

triple base gun propellant 

12009 

マルチベース発射
薬 

ダブルベース火薬を基材とし,結晶性高エネルギー物

質,例えばニトラミン(HMX,RDXなど),トリアミ

ノグアニジンナイトレート (TAGN) などを添加した

3成分以上の多成分系無煙火薬。 

発射薬として用いられる。 

multi-base powder,  

multi-base gun propellant 

12010 

揮発性溶剤火薬 

アセトン・アルコールなどの揮発性溶剤を用いて圧伸

成形した後,溶剤を揮発させた無煙火薬。 

発射薬又はグレインキャストダブルベース推進薬の

固体成分(キャスティングパウダ)として用いられる。 

不揮発性溶剤火薬に対する用語。 

solvent powder 

溶剤火薬 

12011 

不揮発性溶剤火薬 

ニトロセルロースとニトログリセリンを基剤とし,ジ

エチルフタレート,トリアセチンなどの不揮発性溶剤

を用いた無煙火薬。 

発射薬,ロケット推進薬として用いられる。 

揮発性溶剤火薬に対する用語。 

non-volatile solvent 

powder,  

solventless powder 

無溶剤火薬 

12012 

コルダイト 

英国で開発された古いタイプのひも状の発射薬で,強

綿薬,ニトログリセリン及びミネラルゼリーから成る

ダブルベース火薬。 

cordite 

12013 

散弾銃用火薬 

散弾銃用実砲に用いる発射薬。 

一般に速燃性の無煙火薬で,まれに狩猟用として黒色

火薬が用いられる。 

propelling powder for 

shotgun cartridge,  

shotgun powder 

background image

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12014 

コンポジット発射
薬 

トリアミノグアニジンナイトレート (TAGN),エチレ

ンジニトラミン (EDNA),ニトラミンなどとニトロセ

ルロース,グリシジルアジドポリマ (GAP) などの活

性バインダから成る発射薬。 

同じ燃焼温度において,無煙火薬よりも高いエネルギ

ーをもつ。 

composite gun propellant 

12015 

LOVA発射薬 

低ぜい(脆)弱性弾薬用発射薬のことで,LOVAはlow 

vulnerability ammunitionの略称。 

ニトラミン化合物と高分子バインダを基剤とする発

射薬で,被弾,火災などによる着火,燃焼及び爆ごう

(轟)を起こし難くしたもの。 

LOVA powder,  

LOVA gun propellant 

12016 

無煙性推進薬 

燃焼生成物中に煙の原因となる炭素,ハロゲン化水

素,金属酸化物などを含まない推進薬。 

ダブルベース推進薬は代表的な無煙性推進薬である。 

smokeless propellant 

12017 

希煙性推進薬 

コンポジット推進薬で,燃焼生成物としてハロゲン化

水素を生成する成分を基剤として含むが,金属酸化物

など固体粒子を生成する成分を含まないもの。 

minimum smoke 

propellant 

12018 

ダブルベース推進

薬 

ニトロセルロースとニトログリセリン又はトリメチ

ロールエタントリナイトレート (TMETN) などを基

剤とする推進薬。 

double base propellant 

12019 

コンポジット推進
薬 

酸化剤と燃料としての機能をもつバインダとを混合

硬化させた推進薬。 

一般に酸化剤として過塩素酸アンモニウム,燃料兼バ

インダとして合成ゴムなど高分子物質が用いられる。

高性能化のためにアルミニウムなどの金属粉末が添

加される。希煙性推進薬とするためには金属粉末の添

加を抑える。 

composite propellant 

12020 

CDB推進薬 

ダブルベース推進薬に高分子バインダを加えて粘弾

性特性を改善した推進薬。 

CDBはcomposite double baseの略語。 

composite double base 

propellant,  

XLDB (crosslinked 

double base) propellant 

XLDB推進薬 

12021 

CMDB推進薬 

ダブルベース推進薬に酸化剤,金属燃料,ニトロアミ

ンなどの固体充てん剤を加えて高性能化を図った推

進薬。 

CMDBはcomposite modified double baseの略語。 

composite modified 

double base propellant 

12022 

無溶剤圧伸式ダブ
ルベース推進薬 

ニトロセルロース,ニトログリセリン及び不揮発性溶

剤を基剤とし,圧伸成形した推進薬。 

solventless extruded 

double base propellant 

12023 

無溶剤圧延式ダブ
ルベース推進薬 

ニトロセルロース,ニトログリセリン及び不揮発性溶

剤を基剤とし圧延成形した推進薬。 

solventless rolled double 

base propellant 

12024 

スラリキャストダ
ブルベース推進薬 

ニトロセルロースを基剤とする微小球状粉体を,ニト

ログリセリン及び可塑剤を基剤とする液体と混合,注

型によって成形したダブルベース推進薬。 

slurry cast double base 

propellant 

12025 

グレインキャスト

ダブルベース推進
薬 

ニトロセルロースとニトログリセリンを主成分とす

るキャスティングパウダに,ニトログリセリンと可塑

剤を主成分とするキャスティングソルベントを浸透,

こう(膠)化させて成形したダブルベース推進薬。 

grain cast double base 

propellant 

12026 

ニトラミン推進薬 

ニトラミン化合物(HMX,RDXなど)を高エネルギ

ー成分物質として含む低火炎温度推進薬。 

nitramine propellant 

ニトロアミ

ン推進薬 

background image

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12027 

アジドポリマ推進
薬 

バインダにグリシジルアジドポリマ (GAP) など高エ

ネルギーのアジドポリマを用いた推進薬。 

azide polymer propellant 

12028 

温度不感型推進薬 

燃焼速度が推進薬の温度に依存することが少ない推

進薬。 

例えば,鉛塩,銅塩などを添加した推進薬。 

temperature insensitive 

propellant 

12029 

圧力不感型推進薬 

燃焼速度が雰囲気圧力に依存することが少ない推進

薬。 

例えば,鉛塩,銅塩などを添加した推進薬。 

platonized propellant 

プラト燃焼

推進薬 

12030 

高燃焼速度推進薬 

添加剤に酸化鉄,ほう素化合物など化学的に燃焼反応

を促進する物質を用い,又は金属銀などの高熱伝導度

細線を混入し,燃焼速度の増大を図った推進薬。 

high burning rate 

propellant 

12031 

延期薬 

延期管(延時管),延期点火管などに使用する目的で,

所望の燃焼秒時が得られるように設計し,管体に圧て

んする黒色火薬又は無ガス系薬剤(酸化剤と還元剤の

組合せ)。 

delay charge 

延時薬 

12032 

放出薬 

発煙缶などの容器を放出する目的で,弾底放出式弾薬

の中に充てんする黒色火薬,その他の装薬。 

expelling charge 

12033 

硝酸エステル 

アルコール類と硝酸が反応し,水を分離して生成する

化合物。 

ROH+HNO3→ RONO2+H2O 

アルコール類 硝酸 硝酸エステル 水 

一般に自然分解の傾向がある。 

nitric ester,  

nitrate,  

O-nitro-compounds 

O-ニトロ化

合物 

12034 

ニトロセルロース 

セルロースを硫硝混酸で処理して得られる白色繊維

状物質。 

示性式:(C6H7O2)n (OH)3n−x (ONO2)x 

ダイナマイト,発射薬,推進薬などに用いられる。 

nitrocellulose,  

cellulose nitrate 

硝酸セルロ

ース, 

硝酸繊維素, 

綿[火]薬, 

硝化綿 

12035 

強綿薬 

窒素量が13%以上のニトロセルロース。 

無煙火薬の基剤として,弱綿薬と配合して用いられ

る。 

エーテル・アルコール混合液に不溶。 

gun cotton 

12036 

弱綿薬 

窒素量が12.0〜12.7%のニトロセルロース。 

窒素量が約12.0%のコロジオンコットン,約12.6%の

パイロコットンがある。 

無煙火薬,ダイナマイトなどの基剤として用いられ

る。エーテル・アルコール混合液に可溶。 

collodion cotton 

12037 

ニトログリセリン 

グリセリンの三硝酸エステル。 

示性式:C3H5 (ONO2)3 

常温において液体状の高性能爆薬。 

ダイナマイト,無煙火薬などの基剤として用いられ

る。 

nitroglycerine,  

glycerine trinitrate 

12038 

ニトログリコール 

グリコール(エチレングリコール)の二硝酸エステル。 

示性式:C2H4 (ONO2)2 

常温において液体状でニトログリセリンによく似た

性能をもつ。 

ダイナマイトの基剤の一つとして用いられる。 

nitroglycol,  

ethyleneglycol  

dinitrate 

background image

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12039 

ペンスリット 

ペンタエリスリットの四硝酸エステルの呼び名。 

示性式:C (CH2ONO2)4 

導爆線の心薬,雷管の添装薬などに用いられる。 

penthrite,  

pentaerythritol 

tetranitrate,  

PETN 

ペントリッ

ト 

12040 

ニトロ化合物 

a) 

炭素原子に結合したニトロ基 (NO2) をもつ化合

物。 

b) 

a)のニトロ化合物のほか,硝酸エステル,ニトラ

ミンをも含めて,ニトロ基 (NO2) をもつ化合物

の総称として用いられることもある。 

nitrocompounds,  

C-nitro-compounds 

a) C-ニトロ

化合物 

12041 

ニトラミン 

窒素原子に結合したニトロ基 (NO2) をもつ化合物。 

nitramine,  

N-nitro-compounds 

ニトロアミ

ン, 

N-ニトロ化

合物 

12042 

TNT 

トリニトロトルエンのこと。 

示性式:C6H2CH3 (NO2)3 

さく(炸)薬,産業爆薬の成分などとして用いられる。 

TNT,  

trinitrotoluene,  

trotyl 

トロチル 

12043 

ピクリン酸 

トリニトロフェノールの呼び名。 

示性式:C6H2OH (NO2)3 

金属(Al,Snを除く)と作用し,鋭敏なピクリン酸塩

を作る欠点がある。 

picric acid,  

trinitrophenol 

12044 

DATB 

ジアミノトリニトロベンゼンのこと。 

示性式:C6H (NH2)2 (NO2)3 

発火点が高く,高温環境での使用に適している。 

混合爆薬PBXの中にはこれを主成分とするものがあ

る。 

DATB,  

diaminotrinitrobenzene 

12045 

TATB 

トリアミノトリニトロベンゼンのこと。 

示性式:C6 (NH2)3 (NO2)3 

耐熱性に優れている。 

TATB,  

triaminotrinitrobenzene 

12046 

HNS 

ヘキサニトロスチルベンのこと。 

示性式:C6H2 (NO2) 3CH・CHC6H2 (NO2) 3 

発火点が高く,高温環境下での使用に適している。 

ロケット用火工品などに用いられる。 

HNS,  

hexanitrostilbene 

12047 

ヘキサニトロジフ
ェニルアミン 

示性式:C6H2 (NO2)3NH・C6H2 (NO2)3 

TNTとテトリルの中間的特性をもつ爆薬で,特に耐熱

性に優れている。 

hexanitrodiphenylamine,  

hexyl,  

hexite 

ヘキシル, 

ヘキサイト 

12048 

テトリル 

トリニトロフェニルメチルニトラミンの呼び名。 

示性式:C6H2 (NO2)3CH3NNO2 

感度が高く,破壊力が大きい爆薬。 

伝爆薬,小口径砲弾のさく(炸)薬又は雷管の添装薬

として用いられる。 

tetryl,  

trinitrophenylmethyl-nitra

mine,  

tetranitromethylaniline 

テトラニト

ロメチルア

ニリン 

12049 

RDX 

シクロトリメチレントリニトラミンの呼び名。 

示性式: (CH2)3 (NNO2)3 

高性能爆薬。 

伝爆薬,さく(炸)薬及び推進薬の一成分などとして

用いられる。 

RDX,  

hexogen,  

cyclotrimethylenetri-nitra

mine,  

cyclonite 

ヘキソーゲ

ン, 

シクロナイ

ト 

background image

10 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12050 

HMX 

シクロテトラメチレンテトラニトラミンの呼び名。 

示性式: (CH2)4 (NNO2)4 

高性能耐熱爆薬。高融点で,現存する爆薬中最高爆速

をもつ。 

伝爆薬,さく(炸)薬及び推進薬の一成分などとして

用いられる。 

high melting point explosiveの略称。 

HMX,  

cyclotetramethylene-tetran

itramine,  

octogen 

オクトーゲ

ン 

12051 

アンモナール 

硝酸アンモニウム,TNT及びアルミニウムの配合比が

22/67/11の混合爆薬。 

主に砲弾,爆弾のさく(炸)薬として用いられる。 

ammonal 

12052 

アマトール 

硝酸アンモニウムとTNTとの配合比が40/60,50/50,

80/20などの混合爆薬。 

さく(炸)薬などに用いられる。 

amatol 

12053 

トリトナール 

TNTとアルミニウムとの配合比が80/20の混合爆薬。 

爆風威力が大きく,爆弾などのさく(炸)薬として用

いられる。 

tritonal 

12054 

テトリトール 

テトリルとTNTとの混合爆薬。 

配合比が80/20,75/25,70/30,65/35などがある。 

溶てん可能で,さく(炸)薬として用いられる。 

tetrytol 

12055 

ペントライト 

ペンスリットとTNTとの混合爆薬。 

配合比が50/50などがある。 

雷管の添装薬,伝爆薬,成形爆薬などに用いられる。 

pentolite 

12056 

サイクロトール 

RDXとTNTとの混合爆薬。 

配合比が75/25,70/30,65/35,60/40などがある。 

溶てん可能で,さく(炸)薬として用いられる。 

cyclotol 

12057 

オクトール 

HMXとTNTとの混合爆薬。 

配合比が75/25,70/30などがある。 

威力が大きく,溶てん可能で,さく(炸)薬として用

いられる。 

octol 

12058 

バラトール 

硝酸バリウムとTNTとの配合比が67/33の混合爆薬。 

着色発煙弾のさく(炸)薬筒などに用いられる。 

baratol 

12059 

コンポジションA 

RDXとワックスとの混合爆薬。 

配合比によって次のものがある。 

A-3:RDX91%,ワックス9% 

A-4:RDX97%,ワックス3% 

主に圧てんさく(炸)薬として用いられる。 

composition A 

12060 

コンポジションB 

RDX,TNT及びワックスの混合比が60/40/1(外割)

の混合爆薬。 

ワックスを含まないコンポジションB-3もある。 

主に溶てんして砲弾,ミサイルなどのさく(炸)薬と

して用いられる。 

composition B 

12061 

コンポジションC

‐4 

RDXと可塑剤との配合比が91/9の混合爆薬。 

可塑性があり,主に爆破薬,地雷などに用いられる。 

composition C-4 

12062 

HBX 

TNTやRDXを主成分とし,これに薄片状又は粉状の

アルミニウムなどを混合し爆発効果を増大させた爆

薬。 

ミサイル,魚雷,機雷などのさく(炸)薬として用い

られる。 

high blasting explosiveの略称。 

HBX 

background image

11 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12063 

PBX 

RDX,HMX,DATBなどの爆薬に結合剤として合成樹

脂を使用し,成形後の機械的強度が大きく耐熱性のあ

る爆薬。 

ミサイル,水中武器などのさく(炸)薬として用いら

れる。 

plastic bonded explosiveの略称。 

PBX 

12064 

H-6 

RDX,TNT,アルミニウム及び添加剤(ワックス,ニ

トロセルロース,レシチン,塩化カルシウムなど)の

配合比が44/29/21/6の混合爆薬。 

溶てんして,ミサイル,魚雷などのさく(炸)薬とし

て用いられる。 

H-6 

12065 

MOX 

金属粉末と酸化剤の混合物を主とし,これにRDXな

どの爆薬を添加した混合爆薬。 

対空砲弾などのさく(炸)薬として用いられる。 

metal oxidizer explosiveの略称。 

MOX 

12066 

LOVA爆薬 

低ぜい(脆)弱性爆薬のことで,LOVAはlow 

vulner-ability ammunitionの略称。 

ニトロ化合物,ニトラミンに高分子バインダを混合硬

化するなどによって,被弾,火災などによる着火,燃

焼及び爆ごう(轟)を起こり難くしたもので,低ぜい

弱性のさく(炸)薬として用いられる。 

LOVA explosive 

12067 

DDNP 

ジアゾジニトロフェノールのこと。 

示性式:C6H2 (NO2)2ON2 

起爆薬。 

工業雷管,電気雷管の起爆薬又は電気雷管の点火薬と

して用いられる。 

DDNP,  

diazodinitrophenol 

12068 

アジ化鉛 

鉛のアジ化物。 

示性式:Pb (N3)2 

起爆薬として用いられる。 

銅と化合して非常に鋭敏なアジ化銅を生成する欠点

がある。 

lead azide 

12069 

アジ化銀 

銀のアジ化物。 

示性式:AgN3 

起爆薬。 

起爆力は優秀であるが,摩擦に対して極めて鋭敏など

の問題点もあり,用途は限定される。 

silver azide 

12070 

雷こう(汞) 

雷酸水銀の呼び名。 

示性式:Hg (ONC)2 

起爆薬。 

塩素酸カリウムと混合して,工業雷管,電気雷管など

の起爆薬として広く用いられたが,現在は原料の水銀

の入手難及び環境問題からほとんど使用されなくな

った。 

mercury fulminate 

background image

12 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12071 

テトラセン 

テトラゾリルグアニルテトラセンハイドレートの呼

び名。 

構造式:

起爆薬であるが,それ自体の起爆力は弱い。 

打撃感度を向上させるために,トリシネートなどと混

合し銃用雷管のぼうふん(爆粉)として用いる。 

tetracene,  

tetrazolylguanyltetrazene 

hydrate 

12072 

トリシネート 

トリニトロレゾルシン鉛の呼び名。 

示性式:C6H (NO2)3O2Pb 

起爆薬。 

銃用雷管及びアジ化鉛雷管の起爆薬又は電気雷管の

点火薬として用いられる。 

tricinate,  

lead  

trinitroresorcinate,  

lead styphnate 

スチフニン

酸鉛 

12073 

ぼうふん(爆粉) 

雷管類に用いられる混合起爆薬。 

12074 

ダイナマイト 

6%を超えるニトロゲルを含有する爆薬の総称。 

dynamite 

12075 

ストレートダイナ
マイト 

ニトログリセリンを硝酸ナトリウムや木粉などの活

性吸収剤に吸収させたダイナマイトで,ニトロセルロ

ースを含まない。 

ニトロゲルを基剤とするダイナマイトに比べ,感度が

高く,ニトログリセリン浸出の可能性が高い。 

straight dynamite 

12076 

アンモニアダイナ

マイト 

ストレートダイナマイトの硝酸ナトリウムの一部を

硝酸アンモニウムで置換したダイナマイト。ストレー

トダイナマイトに比べ威力はかなり大きいが,同じよ

うに感度は高く,ニトログリセリン浸出の可能性が高

い。 

ammonia dynamite 

12077 

こう(膠)質ダイ

ナマイト 

ニトロゲルの含有量が比較的高く,可塑性のダイナマ

イト。 

gelatine dynamite 

12078 

粉状ダイナマイト 

ニトロゲルの含有量が比較的低く,粉状又は半こう

(膠)質状のダイナマイト。 

semi-gelatine 

 dynamite 

12079 

松ダイナマイト 

ほとんどがニトロゲルだけでできている威力最大の

こう(膠)質ダイナマイト。 

blasting gelatine 

12080 

桜ダイナマイト 

硝酸カリウム又は硝酸ナトリウムを酸素供給剤とす

るこう(膠)質ダイナマイト。 

gelatine dynamite 

12081 

きり(桐)ダイナ
マイト 

主に硝酸アンモニウムを酸素供給剤とするこう(膠)

質ダイナマイト。 

ammonia gelatine 

dynamite 

12082 

えのき(榎)ダイ

ナマイト 

硝酸アンモニウムのほかに硝酸カリウム又は硝酸ナ

トリウムを酸素供給剤とし,後ガスを特に考慮したこ

う(膠)質ダイナマイト。 

12083 

梅ダイナマイト 

検定爆薬。 

きり(桐)ダイナマイトに減熱消炎剤を配合した,こ

う(膠)質ダイナマイト。 

permitted ammonia 

gelatine dynamite 

12084 

硝安ダイナマイト 

検定爆薬。 

主に硝酸アンモニウムを酸素供給剤とし,減熱消炎剤

を含有する粉状ダイナマイト。 

permitted  

semigelatine dynamite 

12085 

粉状爆薬 

粉状の爆薬の総称。 

粉状ダイナマイト,硝安爆薬,カーリットなどがある。 

powdery explosive 

12086 

カーリット 

過塩素酸塩を基剤とし,その含有量が10%を超える粉

状爆薬。 

carlit 

12087 

TNT系爆薬 

TNTを基剤とし,その含有量が10%を超える粉状又は

固形の爆薬。 

background image

13 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

12088 

アンモン爆薬 

硝酸アンモニウムを基剤とする粉状爆薬で,検定爆薬

を除いたもの。 

12089 

硝安爆薬 

硝酸アンモニウムを基剤とする粉状の検定爆薬。 

広義には硝酸アンモニウムを基剤とする粉状爆薬を

総称するときもある。 

ammonium nitrate  

explosive 

12090 

EqS 

(いーきゅうえ

す)爆薬 

安全被筒付爆薬と同等の安全度をもつ爆薬という意

味で,高安全度の検定爆薬。 

Eq.S. [explosive],  

equivalent to sheathed 

explosive 

12091 

硝安油剤爆薬 

硝酸アンモニウム及び油剤(引火点50℃以上)から成

り,他の火薬,爆薬,又は鋭感剤となる金属粉などを

含まない爆薬で,工業雷管又は電気雷管で起爆しない

もの。 

ammonium nitrate  

fuel oil explosive,  

ANFO 

ANFO, 

アンホ[爆

薬], 

硝油爆薬 

12092 

含水爆薬 

成分として5%以上の水を含有し,比較的安全な爆薬。 

スラリ爆薬とエマルション爆薬に大別できる。 

12093 

スラリ爆薬 

微粉状のアルミニウム又は水溶性のモノメチルアミ

ンナイトレートなどを鋭感剤とし,硝酸アンモニウム

などの硝酸塩などを酸化剤とする泥状又はゲル状の

含水爆薬。 

slurry explosive 

12094 

エマルション爆薬 

油を連続相とし,硝酸アンモニウムなどの酸化剤の溶

液を分散相とした油中水型エマルションから成るゲ

ル状の含水爆薬。 

emulsion explosive 

12095 

液体酸素爆薬 

液体酸素を木炭,すすなどの可燃剤に吸収させた爆

薬。 

現在はほとんど使用されていない。 

liquid oxygen 

 explosive 

12096 

成形爆薬 

爆薬薬包の底部にくぼみを作り,そこに金属などのラ

イナを装着し,起爆によって一定方向に衝撃波及びラ

イナの破砕小片を集中させるように成形した爆薬。 

岩石の小割発破,鋼板の打抜き,切断などに用いる。 

shaped charge 

12097 

シート爆薬 

ペンスリット,RDXなどを主成分とする板状の可塑性

をもつ爆薬。 

爆発圧着,爆発接合など爆発加工に用いる。 

sheet explosive 

3) 火工品 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13001 

雷管 

火薬又は爆薬を爆発させるために,点火薬若しくは起

爆薬を管体に装てんした火工品。 

点火雷管,起爆雷管がある。 

cap,  

detonator 

13002 

点火雷管 

比較的小さくて敏感な発火部品で,打撃,通電による

加熱などによって発火し,起爆雷管,発射薬などに点

火するのに用いられる。 

銃用雷管,火管などがある。 

primer,  

primer cap 

13003 

起爆雷管 

撃針の刺突による打撃,通電による加熱,点火雷管の

作用などで発火,爆ごう(轟)して,次の爆薬に爆ご

うを伝える火工品。 

工業雷管,電気雷管などがある。 

detonator 

起爆筒, 

起爆管, 

デトネータ 

13004 

工業雷管 

金属管体(外径約6.5mm)に起爆薬と添装薬とを装て

んした火工品。 

導火線を用いて点火し,爆薬を起爆するのに用いられ

る。 

plain detonator,  

blasting cap 

background image

14 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13005 

電気雷管 

金属管体(外径約6.5mm)に起爆薬と添装薬とを装て

んし,電気点火装置又は電気点火装置と延時装置とを

施した火工品。 

通電による抵抗線の発熱を利用して点火し,爆薬を起

爆させるのに用いられる。 

electric detonator,  

electric blasting cap 

13006 

耐静電気雷管 

耐静電気性能に優れた電気雷管。 

構造上,絶縁型と放電型とがある。 

2000pF,8kVの放電で発火しない性能をもつ。 

anti-static electric 

detonator,  

anti-static electric blasting 

cap 

13007 

標準雷管 

0.40g (±0.01g) のPETNを添装薬とする雷管で,JIS 

K 4806に規定する雷管又は欧州型標準雷管,アメリ

カNo.8雷管をいう。各種起爆感度試験の起爆に用い

る。 

standard cap 

13008 

瞬発電気雷管 

延時装置がなく,直流電源で1.0Aの回路電流を通電

したとき,通電開始から添装薬の爆発までの時間が

3ms未満の電気雷管。 

例 

instantaneous elecric 

detonator,  

instantaneous electric 

blasting cap 

13009 

段発電気雷管 

電気点火装置と起爆薬との間に延時装置を施し通電

してから一定時間後に爆発する電気雷管。 

段発発破に用いる。 

例 

delay electric detonator,  

delay electric blasting cap 

13010 

MS[段発]電気雷

管 

原則として,次の表に示す延時秒時をもつ段発電気雷管。 

MS delay electric 

detonator,  

MS delay electric blasting 

cap 

段別 

10 

延時秒時 

(ms) 

25 

50 

75 

100 

130 

160 

200 

250 

300 

13011 

DS[段発]電気雷

管 

原則として,次の表に示す延時秒時をもつ段発電気雷管。 

DS delay electric 

detonator,  

DS delay electric blasting 

cap 

段別 

10 

延時秒時 (s) 

0.25 

0.50 

0.75 

1.00 

1.25 

1.50 

1.75 

2.00 

2.30 

13012 

IC電気雷管 

IC(半導体集積回路)を応用した電気的タイマを組み

込んだ段発電気雷管。 

延時秒時を,最大数秒以内の範囲で,自由にそして最

短1msきざみで設定することができ,かつ,その秒時

精度が極めて高いという特徴をもつ。 

火薬類取締法施行規則では,これを“半導体集積回路

を組み込んだ電気雷管”と表現している。 

background image

15 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13013 

地震探鉱用電気雷
管 

基本的には瞬発電気雷管と同じ構造であるが,地震探

鉱において爆薬の爆発によって発生させた人工地震

波が反射又は屈折して戻ってくる時間を正確に把握

する必要上,電橋の切断と装薬の爆発との秒時差を

0.1ms以下になるように造られている。 

13014 

非電気式起爆シス
テム 

非電気式発破を行うために必要な一連の火薬類及び

諸器材の体系。電気発破を用いたのでは,静電気,迷

走電流などによる不時の起爆事故が懸念される場合

などに用いられる。 

従来用いられてきたものとしては, 

例えば, 

導火線発破システム:点火具−導火線−工業雷管−

[伝爆薬]−爆破薬 

導爆線発破システム:点火具−導火線−工業雷管−導

爆線−[伝爆薬]−爆破薬 

があり,また近年開発されたものとしては,導火管シ

ステムがある。 

13015 

導火管システム 

導火管を爆ごう(轟)の伝ぱ(播)に用いることを特

徴とする起爆システム。 

次のものから構成される。 

導火管:外径約3mmの中空プラスチック管で,内壁

に爆薬(HMXとアルミニウム粉との混合物)が塗布

されており,起爆すると約2 000m/sの速度で爆ごうを

伝ぱする。 

爆破薬起爆用雷管:導火管を組み込んだ段発雷管で,

導火管内を伝ぱする爆ごう火炎によって起爆される。 

コネクタ:導火管を連結又は分岐するための器具で,

伝ぱを確実にするために低装薬量の雷管が組み込ま

れている。 

なお,火薬類取締法施行規則では,上記の爆破薬起爆

用雷管及びコネクタ内蔵の雷管は導火管付雷管と呼

称されている。 

13016 

銃用雷管 

ライフル銃用又は散弾銃用の実包及び空包に用い,発

射薬に点火するための雷管。 

percussion cap 

13017 

信号雷管 

銃用雷管,紙雷管などと発音剤とを組み合わせ,プラ

スチックの容器に入れ,鉛の帯を付けたもので鉛の帯

で鉄道のレールの上に取り付け,車輪の踏圧によって

爆音を発して非常信号に供する雷管。 

signal detonator 

13018 

導火線 

黒色火薬を心薬とし,これに被覆を施したひも状(普

通は外径4.6mm強)の火工品。 

燃焼を伝ぱ(播)する。 

工業雷管の点火に用いる。 

safety fuse,  

fuse 

13019 

導爆線 

ペンスリットなどの爆薬を心薬とし,これに被覆を施

したひも状(普通は外径3.5〜5.5mm)の火工品。 

爆ごう(轟)を伝ぱ(播)する。 

雷管で起爆し,爆薬の起爆に用いる。 

detonating fuse,  

detonating cord 

background image

16 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13020 

制御発破用コード 

ペンスリットを心薬とし,これに被覆を施したひも状

の火工品。 

基本的な構造は導爆線と全く同じであるが,1m当た

りの薬量が100gで通常の導爆線の最大20gを大きく

上回ること,またその主用途がプレスプリッティング

を主とする制御発破であることが違う。 

13021 

V型成形爆薬 

細長い銅製容器又は銅管にRDX,HMXなどの爆薬を

装てんした火工品。 

linear shaped charge 

銅製容器又は銅管には,図に示すように,全長にわた

ってV字型の溝が造られており,そのために爆薬が爆

発した後,ノイマン効果によって一定の方向の切断効

果が集中的に大きくなる。 

例 

主として金属などの平面の切断に用いられるが,円

形,その他の形状に対するものも造られている。 

13022 

緩衝導爆線 

導爆線の一種で,心薬の調整,原料及び被覆強化によ

って,伝爆機能を低下させずに側方への破壊効果を著

しく減少させたもの。 

mild detonating fuse,  

mild detonating cord 

MDF, 

MDC, 

小径導爆線, 

低減力導爆

線 

13023 

密閉導爆線 

細い導爆線をガラス繊維などで被覆することによっ

て,発火後本体からの燃焼ガス漏れを少なくし,周辺

の機器に損傷を与えることなく爆ごう(轟)を伝える

ことのできる導爆線。 

高密封導爆線 (shield confined detonating fuse, SDFC) 

は,密閉導爆線の外周に更にプラスチック被覆などを

重ねて,燃焼ガスの漏れを防止したもの。 

金属被覆密閉導爆線 (shield metal detonating fuse, 

SMDC) は,外周にステンレスチューブを用いたもの。 

confined detonating fuse,  

confined detonating cord 

CDF, 

密封型導爆

線 

13024 

コンクリート破砕
器 

音響,振動,飛び石などを抑えてコンクリートや岩盤

を破砕するのに用いられる火工品。 

薬筒と点火具とからなる。 

concrete cracker 

13025 

実包 

銃用雷管を装着した薬きょう(莢)に,弾丸又は散弾

を装着又は装てんし,さらに,発射薬を装てんした火

工品。 

cartridge 

13026 

ライフル銃用実包 

ライフル銃用の実包。 

雷管の形態によって,センターファイア(撃針で雷管

底の中心部を刺突して発火させる方式)とリムファイ

ア(撃針で雷管底の縁辺部を刺突して発火させる方

式)とがある。 

rifle cartridge 

13027 

散弾銃用実包 

散弾銃用の実包。 

狩猟用と標的射撃用とがある。 

shotgun cartridge,  

shotshell 

background image

17 

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番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13028 

空包 

銃用雷管に装着した薬きょう(莢)に,発射薬だけを

装てんした火工品。 

実包に対する用語。 

blank cartridge 

13029 

建設用びょう(鋲)
打ち銃用空包 

建設用びょう打ち銃に用いられる空包。 

blank cartridge for powder 

actuated [fastening] 

tool 

13030 

爆発びょう(鋲) 

火薬類の爆発エネルギーを用いてびょうの固定をす

る火工品。 

爆薬を内蔵するびょうをリベット孔に挿入し,びょう

頭を加熱すると,爆薬が爆発してびょうが広がり固定

される。 

explosive rivet 

13031 

信管 

弾薬の種類及び用途に応じて,所望の時期と場所とで

弾薬を爆発又は発火させるための火工品。安全機能,

安全解除機能及び発火又は爆発機能をもつ。 

fuze 

13032 

無延期信管 

弾着時の慣性によって撃針が起爆薬を刺突し発火さ

せる信管。 

目標を完全に侵徹する前にさく(炸)裂させる場合に

使用する。 

nondelay fuze,  

inertia fuze 

慣性信管 

13033 

火管 

発射薬などに点火するための火工品で点火雷管の一

つ。雷管,点火薬などから成る。 

撃発火管,摩擦火管,電気火管などがある。 

primer 

13034 

撃発火管 

火管の一つで,撃針の打撃によって発火する雷管,点

火薬などから成る火工品。 

percussion primer 

13035 

摩擦火管 

火管の一つで,摩擦発火部,点火薬などから成る火工

品。 

friction primer 

13036 

電気火管 

火管の一つで,電気発火部,点火薬などから成る火工

品。 

electric primer 

13037 

焼尽薬きょう(莢)  ニトロセルロース,クラフトパルプなどをスラリに

し,吸引成型した後,加圧して製品としたもの。 

防水加工を施すこともある。金属薬きょうの代替品。 

13038 

信号えん(焔)管 

紙筒などに光剤を詰め。その炎を信号とする火工品。 

signal flare 

13039 

信号火せん(箭) 

火薬のロケット作用によって打ち揚げられ,高所で爆

発し,信号用の星などを残すように組み立てられた火

工品。 

signal rocket 

13040 

煙火 

火薬の燃焼,爆発などに際して発生する光,音又は煙

の現象を利用し,鑑賞,娯楽,信号,救難,模擬,試

験などの目的に使用するように造られた火工品。主に

法律用語として用いられる。 

fireworks 

13041 

がん具煙火 

法で規定された少量の火薬,爆薬を用いた煙火。 

がん具として用いられる煙火(がん具花火),模型飛

行機又は模型ロケット用噴射推進器,火災警報用又は

盗難防止用の煙火,気密試験用発煙火工品,緊急保安

炎筒など。 

13042 

緊急保安炎筒 

赤色炎を発して危険を知らせるための火工品。 

国内のほとんどの自動車に装備されている。燃焼時間

は約5分。 

法的には“がん具煙火”に含まれる。 

signal flare for emergency,  

red fusee,  

emergency fusee 

background image

18 

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番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13043 

電気点火装置 

電気的刺激によって点火し,隣接する火薬類を燃焼又

は爆ごう(轟)させる雷管,スクイブ,イニシエータ,

パワーカートリッジなどの総称。 

EED,  

electroexplosive device 

13044 

点火玉 

点火電橋線の回りに少量の点火薬(ロダン酸鉛と塩素

酸カリウムの等量混合物にニトロセルロースを溶剤

に溶かしたバインダを加えたもの,DDNPを主剤にバ

インダを加えたものなど)を小球状に付着させ,更に

摩擦による発火防止及び防湿のため難燃性樹脂で被

覆したもの。 

通電によって発火し,電気雷管,スクイブ,イニシエ

ータなどの電気点火装置として用いられる。 

fuse head,  

electric match 

13045 

スクイブ 

点火薬に伝火薬(黒色火薬,ほう素‐硝石など)を配

置し,アルミニウムケースなどで包んだ点火用火工品

で,点火雷管の一つ。 

squib,  

electric squib 

点火具 

13046 

イニシエータ 

点火玉に伝火薬,場合によっては更に第二の伝火薬

(黒色火薬ペレット,無煙火薬グレイン,ほう素‐硝

石ペレットなど)を配置し,金属ケースに装てんした

点火用火工品で,点火雷管の一つ。 

ほぼ同じ構造で,点火用ではなく専ら圧力発生用に造

られている火工品をパワーカートリッジ (power 

cartridge) 又はプレッシャカートリッジ (pressure 

cartridge) という。 

広義には点火玉,スクイブ,イグナイタ,起爆管など

もイニシエータという。 

initiator 

13047 

隔壁付イニシエー
タ 

緩衝導爆線や密閉によって起爆された金属管内部の

励爆薬の爆ごう(轟)を,金属隔壁を破壊しないで受

爆薬に伝える起爆管。 

through bulk head 

initiator,  

TBI 

隔壁型起爆

管 

13048 

イグナイタ 

ロケット推進薬の点火装置。 

スクイブと点火薬とを組み合わせて,プラスチックケ

ース又は金属ケースに組み込んだ火工品。小型ロケッ

トモータの点火に用いる。 

igniter 

点火具, 

缶型点火具, 

発火具 

13049 

パイロジェンイグ
ナイタ 

小型ロケットモータと類似の構造をしたイグナイタ。 

大型ロケットモータの点火に用いる。 

pyrogen igniter 

イグモータ 

13050 

パイロダインイグ

ナイタ 

ペレット状,管状の点火薬を金属製又はFRP製バスケ

ットに装てんしたイグナイタ。 

比較的大きなロケットモータの点火に用いられる。 

pyrodyne igniter 

background image

19 

K 4800 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13051 

ジェットタッパ 

ノイマン効果を応用した火工品で,炉から溶融した鋼

を出す湯口をあけるために用いる。現在使用されてい

るのは,コンポジションB約50gを銅の円すい形ライ

ナをもつベークライト製ケースに溶てんしたもの。 

jet tapper 

爆発せん

(穿)孔器 

13052 

ケーブルカッタ 

パワーカートリッジとピストン・ブレード(刃)を組

み合わせた火工品。 

パワーカートリッジから発生するガス圧によってピ

ストン・ブレードを急速に移動させてケーブルなどを

切断する。 

cable cutter,  

wire cutter 

ワイヤカッ

タ 

13053 

カッタロード 

全周にV型ライナをつけた円盤状容器に,爆薬(RDX

にアルミニウム粉末,ステアリン酸バリウムを配合し

た爆薬など)を充てんした,ノイマン効果を応用した

火工品。 

石油採掘井などの不要になったパイプを適当なとこ

ろで輪切りにし必要部分を回収するのに用いる。 

cutter load 

13054 

爆着栓 

一端を閉じた長さ数cm〜10数cmの中空円柱状の金

属栓の内部に爆薬を組み込んだ火工品。 

化学工場や発電所などで使用されている熱交換器内

の多数の金属管のうち損傷したものが生じたとき,そ

の両端を閉そく(塞)して流体が流れないようにする

のに用いる。爆着栓を金属管に差し込み爆薬を起爆す

ると,発生するガス圧によって拡張して金属管内に固

定される。 

13055 

じん(腎)結石破

砕装置用圧力発生
具 

アジ化銀10mgを充てんしたカップを20個連結して,

プラスチック製カートリッジに組み立て,電気点火に

よって連発できるようにした火工品。 

水中にある回転だ円体の一部からなる反射筒内の第

一焦点でカートリッジを爆発させると,生成した衝撃

波が反射筒に反射して水中を伝わり,第二焦点に集ま

るので,第二焦点に結石が位置するようにしておけ

ば,集中した衝撃波によって破砕される。これによっ

て外科手術をすることなくじん結石の排除ができる。 

background image

20 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13056 

ぼうこう(膀胱)
結石破砕器 

数mgのアジ化鉛を3mmのステンレス鋼管に圧てん

し,カテーテル付きの電気発火部を取り付けた火工

品。 

尿路に生成した結石を直接微量の爆薬で破砕し,開腹

手術をしないで,結石を取り出すのに用いる。 

直径30mm以上の大きな結石は,ドリルでせん(穿)

孔してから破砕器を挿入し,点火,破砕する。 

直径30mm以下の結石には,はりつけ法が用いられる。 

13057 

せん(閃)絡表示
器 

コイル,表示布及び抵抗線式電気発火装置を収納した

ケース並びにふたから成る火工品。 

落雷電流が流れると,その周囲に磁力線が発生し,表

示器のコイルに電圧を誘起し,発火装置を作動する。

発火装置から生じたガスはふたを飛ばし,表示布を垂

れ下げさせて事故点を表示する。 

lightning indicator 

13058 

分岐管取付器 

イニシエータ,ピストン,ブレードを分岐管取付器具

と組み合わせた火工品。 

これを元管にボルトで固定し,分岐管を取り付けてか

ら点火すると,内蔵するピストンブレードが作動して

元管の一部を切り取り,分岐管がつながるようになっ

ている。 

水道管,ガス管などの管から分岐をとるのに使用する

火工品で,管内の流体を止めることなく,迅速簡単に

分岐管の取付けができる。 

branch pipe 

 connector,  

pipe connector 

13059 

ガス解放用せん
(穿)孔器 

イニシエータ,ピストン,せん孔きりを組み込んだ火

工品。 

点火すると,火薬の燃焼生成ガスの圧力によって,内

蔵するピストン,せん孔きりが作動し,ガスボンベの

封板をせん孔してガスを放出させる。消火器に組み込

んで,火災センサの感知によって,若しくは手動によ

って通電して作動させ,ガスを噴出させて消火した

り,又は救命胴衣に組み込んで,海水電池若しくは手

動によって通電して作動させ,ガスを放出させて胴衣

を急速に膨張させるなどの利用例がある。 

perforator for gas  

release 

13060 

エアバッグガス発
生器 

点火具,点火薬,ガス発生剤(アジ化ナトリウム,過

塩素酸カリウム,二酸化マンガンなどを混合,ペレッ

トとしたものなど)フィルタ,冷却剤などを金属ケー

スに組み込んだ火工品で,自動車のエアバッグシステ

ムに使用される。 

自動車が衝突したときの加速度を感知して作動し,発

生したクリーンで冷却された窒素ガスによってナイ

ロン袋を急速に膨張させ,乗員に対する衝撃をやわら

げる。 

gas-generator for air  

bag 

インフレー

タ 

13061 

シートベルト引張
固定器 

点火具,ガス発生剤(1g程度の無煙火薬),ピストン

を組み合わせた火工品。 

自動車が衝突したときの加速度をセンサで感知して

点火具に通電,点火し,急速にガスを発生させてピス

トンを作動,連結されているシートベルトを急速に約

50〜100mm程度引き込み,乗員を拘束し保護する。 

tensioner of seat belt 

background image

21 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13062 

爆発ナット 

ナットを縦方向に数分割し,それをハウジング(枠)

で保持してナットとしての機能を維持させたものに

パワーカートリッジとピストンを取り付けた火工品。 

パワーカートリッジに点火すると,発生する圧力でピ

ストンが動き,ハウジングを外してナットのボルト保

持を解除させる。 

explosive nut,  

separation nut 

分離ナット 

13063 

爆発ボルト 

ボルトに電気雷管,爆薬を内蔵させたもの。 

爆薬の爆発力でボルトを切断して分離する。 

パワーカートリッジ,ピストンをボルトに取り付け,

発生するガス圧でピストンを動かし,それによってボ

ルトをせん(剪)断して分離する方式もある。 

explosive bolt,  

separation bolt 

分離ボルト 

13064 

JATO 

航空機の離陸を助けるために使用される,一定の燃焼

時間と推力をもつ補助推進ロケット。 

jet assisted takeoffの略称。 

jet assisted takeoff,  

JATO,  

JATO unit 

ジャトー 

13065 

火砲弾薬 

口径20mm以上の火砲に使用される弾薬。 

13066 

砲弾 

口径20mm以上の火砲から発射される弾丸。 

基本的には,弾体,さく(炸)薬,信管,弾帯から成

り,目的によってりゅう(榴)弾,徹甲弾,照明弾な

どがある。 

shell 

13067 

弾頭 

ロケット弾,誘導弾などの一部分を構成し,弾かくに

さく(炸)薬などを充てんして目標に対し最後に効力

を発揮する部分。 

warhead 

ウォーヘッ

ド 

13068 

カートリッジ 

a) 

火器に一動作で装てんできるように,各部品を一

体に組み立てた弾薬。通常,弾丸,薬きょう(莢),

雷管又は火管及び発射薬から成る。 

b) 

空包のように音を出したり,てき(擲)弾発射薬

筒のように別個の発射体を打ち出すための弾薬。 

また,11044薬包,13025実包,13070薬筒は,いず

れも上記a)と同様,そのまま装てん,装着されるよう

に加工され又は組み立てられたもので,英語の

cartridgeに由来する用語であるので,これらもカート

リッジと表記されることがある。 

cartridge 

13069 

薬のう(嚢) 

火砲用発射薬を充てんした袋。 

cartridge bag,  

powder bag,  

propellant bag 

装薬のう

(嚢) 

13070 

薬筒 

薬きょう(莢)の内部に火管又は雷管と火薬とを組み

込んだ火工品。 

火薬ガスを発生し,薬筒式始動装置などに用いる。 

cartridge 

13071 

火薬作動装置 

火薬の燃焼によって発生する高圧ガスによって種々

の機械的作動をさせる装置。 

explosive actuated device,  

propellant actuated device 

13072 

手りゅう(榴)弾 

手で投げるように設計されたてき(擲)弾。 

主として近接戦闘における小火器の補助として使用

される。 

hand grenade 

13073 

誘導弾 

推進装置と目標を破壊するためのウォーヘッドをも

つ無人の飛しょう(翔)弾丸。 

内蔵する誘導装置又は外部からの指令信号によって

操だ(舵)しながら目標に接近,命中するよう飛しょ

う経路を修正することができるような仕掛けをもっ

ている。 

guided missile,  

GM 

GM 

background image

22 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

13074 

りゅう(榴)弾 

弾体内部にさく(炸)薬を充てんした弾薬又は弾丸。  high explosive projectile,  

HE projectile,  

HE 

HE 

13075 

てき(擲)弾 

さく(炸)薬を充てんした小口径の飛しょう(翔)体。 

手で投げるか又は小銃に取り付けたてき弾発射薬筒

から発射される弾薬。 

grenade 

13076 

ロケット弾 

ロケットを使用した飛しょう(翔)弾薬。 

通常,弾頭,信管及びロケットモータから成る。 

rocket 

13077 

徹甲弾 

弾丸のもつ運動エネルギーによって,装甲又は堅固な

目標を貫通するのを目的とする弾薬又は弾丸。 

armorpiercing projectile,  

AP 

AP 

13078 

照明弾 

銃砲又は発射機から打ち出して,目標区域を照明する

ために用いる火工品。 

illuminating 

 projectile,  

illuminating cartridge 

13079 

発煙弾 

銃砲又は発射機から打ち出して,煙幕の構成若しくは

目標の指示に用いる火工品。 

smoke projectile,  

smoke shell 

13080 

信号弾 

銃砲又は発射機から打ち出して,照明,煙,音若しく

はそれらの組合せによって識別,警告,位置の表示な

どに用いる火工品。 

signal 

信号筒 

13081 

地雷 

さく(炸)薬を充てんし,これを地上又は地中に敷設

して踏むと爆発するように仕掛け,その上を通る車両

などを破壊したり,人員を殺傷したりすることを目的

とする弾薬。 

mine,  

land mine 

13082 

爆弾 

さく(炸)薬を充てんし,これを航空機から投下する

などしてから爆発させ,施設などを破壊したり,人員

を殺傷したりすることを目的とする弾薬。 

bomb,  

bomb shell 

13083 

水雷 

さく(炸)薬を充てんし,これを水中で爆発させて艦

船を破壊することを目的とする爆弾。魚雷及び機雷が

ある。 

場合によっては,爆雷をも含めて水中破壊用弾薬の総

称として使われることもある。 

torpedo,  

mine 

13084 

魚雷 

魚形水雷の略称。 

魚に似た形の水雷で,艦艇や航空機から発射され,水

中を自走して目標の艦船に命中爆発し,これを破壊す

る弾薬。 

torpedo 

13085 

機雷 

機械水雷の略称。 

水面下に敷設,係留し,艦船の接触若しくは近接を感

知して,又は遠隔操作によって爆発し,その艦船を破

壊する弾薬。 

mine 

13086 

爆雷 

潜航中の潜水艦攻撃用の弾薬。 

爆薬を充てんし,艦艇又は航空機から投下して一定の

深度に達したとき,若しくは潜水艦による磁気に感応

して爆発する。 

depth bomb 

13087 

ベースブリード弾 

弾底部に造られた装てん室内で火薬を燃焼させ,その

生成ガスの流れによって弾底抵抗(全抵抗の30〜

40%)を減少させるようにした火砲弾薬。 

命中精度は多少よくなり,射程は10〜25%増大する。 

base bleed projectile 

13088 

RAP弾 

弾底部にロケットモータを組み込んだ火砲弾薬。 

発射後ロケットモータによって増速される。rocket 

assisted projectileの略称。 

rocket assisted projectile 

background image

23 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 製造 

1) 原料・半成品 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

21001 

硝化酸 

硝化に使用するため,配合比又は濃度を調製した酸。 

硝酸単独の場合と,硫酸と硝酸との混酸の場合とがあ

る。 

nitrating acid 

21002 

混酸 

普通は硝酸と硫酸との混合物。この場合,硫硝混酸と

もいう。 

強力な硝化剤 

mixed acid 

21003 

廃酸 

硝酸エステル,ニトロ化合物などの硝化後の酸。 

工業的には,全部又は一部の廃酸に混酸若しくは硝酸

を添加して,硝化酸として再使用することがある。こ

の場合の廃酸を古酸ということもある。 

waste acid 

21004 

酸素バランス 

火薬類の爆発に際して,成分中の可燃成分が完全燃焼

するための酸素の過不足量。 

oxygen balance 

21005 

酸化剤 

可燃剤を酸化し高温の燃焼ガスを発生させるために,

火薬類に混合される酸化性物質。 

酸化剤としては酸素などを多量に含有しており,か

つ,反応熱が大きいことが望ましい。 

硝酸アンモニウム,過塩素酸アンモニウムなどが用い

られる。 

oxidizer 

酸素供給材 

21006 

鋭感剤 

火薬類の感度を高めさせるために配合する添加物。 

硝安爆薬におけるTNTやDNTなど。 

sensitizer 

21007 

可燃剤 

酸化剤から酸素を得て容易に燃焼して,ガスの発生量

を多くし温度を高める物質。 

同時に薬質,仮比重を調整するなど,爆薬の成形に重

要な役割を果たすものもある。 

木粉,でんぷん,小麦粉,けい素鉄,アルミニウム粉

などが用いられる。 

fuel,  

combustibles 

燃料 

21008 

鈍感剤 

火薬類の感度を低めるために配合する添加物。 

鈍性爆薬試験体のタルクなど。 

phlegmatizer,  

desensitizer 

鈍化剤 

21009 

発熱剤 

火薬類に混合して,燃焼又は爆発の際,顕著な発熱作

用を示す物質。 

推進薬や含水爆薬中のアルミニウムなど。 

exothermic agent 

21010 

減熱消炎剤 

検定爆薬の成分として,爆発温度を低くし,爆炎を抑

制するために配合する物質。 

塩化ナトリウム,塩化カリウムなど。 

cooling agent,  

flame coolant 

21011 

固化防止剤 

硝酸アンモニウムなどの固化を防止するために添加

し,表面を物理的又は化学的に被覆する物質。 

けい藻土,各種界面活性剤など。 

anti-caking agent 

21012 

粘ちゅう(稠)剤 

含水爆薬の薬質を整え,微小気泡を安定させるために

添加する物質。 

グアガム,CMC,でんぷんなど。 

thickener 

21013 

架橋剤 

粘ちゅう(稠)剤を架橋させて粘ちゅう化を進め,粘

ちゅう剤の効果をより高めるために用いる物質。 

ほう酸塩,重クロム酸塩など。 

crosslinking agent 

21014 

安定剤 

火薬類の自然分解を抑制するために配合する物質。 

無煙火薬におけるジフェニルアミン,エチルセントラ

リットなど。 

stabilizer 

background image

24 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

21015 

消炎剤 

発射薬の使用時に発生する銃口炎又は砲口炎を除去

又は減少するため,発射薬に添加する物質。 

硫酸カリウム,硝酸カリウムなど。 

flash reducing agent 

21016 

レストリクタ 

固体推進薬の表面の一部に施し,燃焼を抑制するも

の。 

燃焼面積の調節のためのもので,酢酸セルロース,エ

チルセルロースなどの合成樹脂で不燃性又は難燃性

の高分子物質が用いられる。 

restrictor 

インヒビタ 

21017 

こう(膠)化剤 

ダブルベース推進薬は,加温こう化によって成形する

場合があるがこのこう化反応を促進したり,調整する

ために用いる物質をいう。 

ジエチルフタレート,トリアセチンなど。 

gelatinizing agent 

21018 

可塑剤 

推進薬,発射薬及び爆薬に可塑性を付与するために添

加する物質。 

ジエチルフタレート,トリアセチンなど。 

plasticizer 

21019 

硬化剤 

推進薬バインダのような高分子物質を形成するため,

すなわち,末端に官能基をもつ低分子量のプレポリマ

を重合させ高分子化するために添加する物質。 

末端カルボキシル基ポリブタジエンにはエポキシ系

硬化剤を,末端水酸基ポリブタジエンにはイソシアネ

ート系硬化剤などが用いられる。 

curing agent 

21020 

光沢剤 

火薬表面の導電性をよくし帯電を防止するため,また

すべりをよくし装てんしやすくするために光沢処理

を施すのに用いる物質。 

黒鉛など。 

glazing 

21021 

表面こう(膠)化
剤 

燃焼初期のこう(腔)圧上昇を防ぐために用いられる

発射薬の燃焼抑制物質。 

セントラリット,ジブチルフタレート,しょうのう,

DNTなど。 

deterrent 

表こう剤 

21022 

燃焼速度調節剤 

固体推進薬において,燃焼速度を調節する物質。鉛塩,

銅塩,酸化鉄など。 

ballistic modifier 

燃焼触媒 

21023 

焼食抑制剤 

射撃によって砲こう(腔)が損耗するのを防ぐために

発射薬組成中に添加する物質。 

一般にDL-アラニン,ピログルタミン酸カルシウムな

どが用いられている。その他酸化亜鉛,硫化亜鉛,酸

化チタンなどの金属化合物やタルクなどを発射薬中

に添加したり,各種のプラスチック,ペイント,ワッ

クス,レーヨン,絹織布などの物質を1種又はそれ以

上組み合わせて薬きょう(莢)内部にシートとして用

いる方法がある。 

wear reducing  

additive 

21024 

減熱剤 

発射薬の燃焼温度を下げ,射撃による砲こう(腔)の

損耗を減少させる目的で使用する物質。 

ピログルタミン酸カルシウムなど。 

coolant 

クーラント 

21025 

ボンディング剤 

コンポジット推進薬の物性はバインダの性質による

ほか,バインダと固体成分の結合度合によって左右さ

れるので,両者間のより強固な結合を助けるために添

加する物質。 

アジリジン化合物など。 

bonding agent 

background image

25 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

21026 

除銅剤 

砲身内面に付着した銅を除去するため,発射薬中に添

加するか又は発射薬に添えて使用する物質。 

すずなど。 

decoppering agent 

21027 

発煙剤 

煙を発生する物質。 

色素が化学変化を起こさずに微細な粒子に分散して

できる物理煙と,色素が混入しておらず物質の燃焼に

よって生じる化学煙とがある。色によって成分を分類

すると,例えば,次のとおり。 

 白色:六塩化エタン・亜鉛粉末系など 

 黒色:アンスラセン,ナフタリンなど 

 赤色:ローダミンB,パラレッドなど 

 青色:メチレンブルー,インジゴピュアなど 

smoke powder 

煙薬 

21028 

硝酸塩 

硝酸HNO3の水素イオンが金属などの陽イオンで置換

されて生じる塩。 

硝酸アンモニウムは産業爆薬の主成分として最も重

要な硝酸塩である。その他硝酸カリウム,硝酸ナトリ

ウムなども火薬原料として使用されている。 

nitrate 

21029 

塩素酸塩 

塩素酸HClO3の水素イオンが金属などの陽イオンで置

換されて生じる塩。 

火薬原料としては塩素酸カリウムがあり,酸化剤とし

てマッチ,花火,爆薬の原料として使用される。しか

し塩素酸カリ爆薬は感度が鋭敏のため,日本では使用

されていない。 

chlorate 

21030 

過塩素酸塩 

過塩素酸HClO4の水素イオンが金属などの陽イオンで

置換されて生じる塩。 

代表的な例として,コンポジット推進薬や産業爆薬の

カーリットに使用されている過塩素酸アンモニウム

がある。過塩素酸カリウムも用いられることがある。 

perchlorate 

21031 

ピクリン酸塩 

ピクリン酸C6H2OH (NO2)3の水素イオンが金属などの

陽イオンで置換されて生じる塩。 

ピクリン酸は重金属と化合して鋭敏な金属塩をつく

る。その中でもピクリン酸鉛は特に鋭敏である。コン

ポジット推進薬の原料としてピクリン酸アンモニウ

ムを用いることがある。 

picrate 

21032 

ニトロゲル 

ニトログリセリン,ニトログリコール又はこれらの混

合物をニトロセルロースでこう(膠)化したもの。 

21033 

DEGN 

ジエチレングリコールジナイトレートのこと。 

示性式:C4H8O (ONO2)2 

ダブルベース発射薬の原料として使用することがあ

る。 

diethyleneglycol dinitrate 

21034 

DNT 

ジニトロトルエンのこと。 

示性式:C6H3 (CH3) (NO2)2 

硝安爆薬,こう(膠)質ダイナマイトなどの鋭感剤と

して使用される。数種の異性体があるが,爆薬原料と

しては,2, 6-と2, 4-の混合物が主として用いられる。 

ジニトロキシレンなどとの共融体で用いられること

もある。またシングルベース発射薬の表面こう(膠)

化剤としても使用される。 

dinitrotoluene 

background image

26 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

21035 

DNX 

ジニトロキシレンのこと。 

示性式:C6H2 (CH3)2 (NO2)2 

2, 4-m-,3, 4-o-及び2, 5-p-の異性体がある。 

DNTとの共融体として爆薬原料に使用される。 

dinitroxylene 

21036 

MMAN 

モノメチルアミンナイトレートのこと。 

示性式:CH3NH2・HNO3 

含水爆薬の鋭感剤の一つ。 

monomethylamine nitrate 

硝酸モノメ

チルアミン 

21037 

硝酸ヒドラジン 

示性式:NH2NH2・HNO3 

含水爆薬の鋭感剤の一つ。 

hydrazine nitrate 

21038 

ニトログアニジン 

示性式:HNC (NH2) NHNO2 

主としてトリプルベース発射薬の主成分として用い

られる。燃焼温度が低いわりに生成ガス量が多い発射

薬を得ることができる。 

nitroguanidine 

21039 

ドープ 

ダイナマイトの原材料のうち,ニトロゲル以外のも

の。すなわち,硝酸アンモニウム,木粉,でんぷんな

どの混合物。 

dope 

21040 

微小中空粒子 

含水爆薬中に微小気泡として存在させるために加え

る物質。 

微小気泡は,ホットスポットを形成し起爆感度を高め

伝爆性を確保する役割をする。 

ガラス製微小中空粒子,パーライトなど。 

microballoon 

21041 

薬包紙 

産業爆薬の薬包を作るのに用いられる包装紙。 

wrapper,  

wrapping paper 

21042 

ロダン酸鉛 

チオシアン酸鉛のこと。 

示性式:Pb (SCN)2 

塩素酸カリウムと混合して,点火薬などに用いる。 

lead rhodanate,  

lead thiocyanate 

ロダン鉛 

21043 

延時薬 

段発電気雷管などで,所定の作動遅れを得るために用

いる燃焼性混合物。 

delay charge,  

delay powder 

21044 

添装薬 

電気雷管などの威力増強のため,起爆薬の下部に装て

んする爆薬。 

ペンスリット,RDX,テトリルなど。 

base charge 

21045 

管体 

雷管において起爆薬や添装薬などを装てんする筒。 

材質は,工業雷管,電気雷管などでは銅,アルミニウ

ム又は鉄を,銃用雷管では黄銅を用いる。 

shell,  

capsule 

21046 

内管 

工業雷管,電気雷管の起爆薬の上部に,起爆薬圧さく

(搾)時に挿入する管。 

起爆薬の脱落を防ぎ爆力を補強するために用いる。 

inner capsule 

21047 

脚線 

電気雷管に電流を流すために,取り付けた金属線。 

一般には,直径0.45mm程度の心線にビニル被覆をし

たもので,心線の材質には銅が一般に用いられる。 

leg wire,  

leading wire 

21048 

そく(塞)栓 

電気雷管の管体と点火装置を結合し,密封するために

用いる部品。 

ゴム又は合成樹脂製。 

plug 

21049 

電橋 

電気点火装置の2本の脚線の先端に取り付けた発熱用

抵抗線。白金イリジウム合金,ニクロムなどが用いら

れる。 

bridge wire 

21050 

発火金 

爆粉を抑え,撃針の衝撃による発火を助けるために,

銃砲用雷管の内部に挿入する金属製小片。花片形,六

稜形など種々の形がある。 

anvil 

background image

27 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

21051 

心薬 

導火線又は導爆線の中心に被覆され,燃焼若しくは爆

ごう(轟)を伝ぱ(播)する火薬又は爆薬。 

core charge,  

powder core 

21052 

インシュレーショ
ン 

ロケットモータのケース若しくは構成物を高温の燃

焼ガスから防護する作用又はそのための材料。 

insulation 

インシュレ

ータ 

21053 

ライナ 

a) 

一般に火工品のケースなどの内面に,密閉,接着

性能向上などのために施す内張り。 

例えば,ロケットチャンバ内面に適当な合成ゴム

等を塗布し,チャンバと推進薬の密着性と断熱性

とを向上させるなど。 

b) 

成形爆薬の端面に置き,ジェット形成を目的とす

る金属成形体。 

liner 

21054 

薬べい(餅) 

無煙火薬でねっか(捏和)を終わった薬のこと。 

dough 

ねつべい 

21055 

乾べい(餅) 

無煙火薬製造工程中の,水を含まないニトロセルロー

ス・ニトログリセリン混合物。 

dry paste 

21056 

湿べい(餅) 

無煙火薬製造工程中の,水を含むニトロセルロース・

ニトログリセリン混合物。 

wet paste 

21057 

混べい(餅) 

無煙火薬製造工程で,添加剤が混合された湿べいのこ

と。 

21058 

キャスティングパ
ウダ 

グレインキャストダブルベース推進薬は,ニトロセル

ロース又はニトロセルロースとニトログリセリンを

主成分とした粒状火薬にニトログリセリン及び可塑

剤を主成分とした混合液を浸透させ,加熱こう(膠)

化させて成形したものである。このニトロセルロース

又はニトロセルロースとニトログリセリンを主成分

とした粒状火薬をキャスティングパウダという。 

casting powder 

ベースグレ

ィン 

21059 

キャスティングソ
ルベント 

グレインキャストダブルベース推進薬製造工程にお

いて,キャスティングパウダに浸透させるニトログリ

セリン及び可塑剤を主成分とした混合液。 

casting solvent 

21060 

球状ニトロセルロ
ース 

ニトロセルロースを微粒球状化したもの。キャストダ

ブルベース推進薬の原料として用いられる。 

spherical nitrocellulose 

21061 

バインダ 

コンポジット推進薬において固体成分を結合するの

に使用する合成ゴム。多くの場合燃料の機能をも兼ね

る。 

ポリブタジエンなどがある。 

binder 

結合剤, 

粘結剤 

21062 

エチルセントラリ
ット 

ジエチルジフェニルウレアのこと。 

示性式:CO [N (C6H5) C2H5]2 

無煙火薬に添加される安定剤兼こう(膠)化剤の一種。 

ethylcentralite 

ECL 

21063 

ジフェニルアミン 

示性式:(C6H5)2NH 

無煙火薬に添加される安定剤の一種。 

diphenylamine 

DPA,  

DA 

21064 

コーン 

成形爆薬の構成部品であって,円すい(錐)形のライ

ナ。通常,銅製が使用される。 

cone 

21065 

薬きょう(莢) 

発射薬を装てんする容器。鉄,黄銅,紙,プラスチッ

ク製又は焼尽性材料製のものがある。 

cartridge case 

2) 製造技術・製造方法・製造装置 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

22001 

硝化 

硝酸エステル,ニトロ化合物又はニトラミンの生成反

応。 

nitration 

ニトロ化 

background image

28 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

22002 

後硝化 

(あとしょうか) 

硝化工程において,原料を仕込み終わってから後の硝

化。 

一定温度で反応を完結させる。 

after-nitration,  

post-nitration 

22003 

後分離 

(あとぶんり) 

ナサン式グリセリン硝化で,廃酸中に存在するニトロ

グリセリンを浮遊分離させること。 

after-separation,  

post-separation 

22004 

廃酸分離 

硝化後,硝化物と廃酸とを分離すること。 

遠心分離,静置分離,ろ過分離などの方法がある。 

22005 

脱硝 

廃酸から硝酸分を除去すること。 

denitration 

22006 

配合 

a) 

ダイナマイトの製造においてニトログリセリン,

ニトログリコール又はこれらの混合物にニトロ

セルロースを混合する作業。 

a) blending 

b) 

無煙火薬の製造において窒素量の違うニトロセ

ルロースを混合する作業。 

b) blending 

c) 

原料を単に混ぜ合わせる作業。 

c) mixing 

22007 

こう(膠)化 

ダイナマイトの製造において,ニトログリセリン,ニ

トログリコール又はこれらの混合物にニトロセルロ

ースを配合し,ゲル状にすること。 

gelatinization 

22008 

しん(滲)出 

ダイナマイトの貯蔵中,ニトログリセリン(ニトログ

リコールを含むことがある。)が分離して,薬包の表

面ににじみ出る現象。 

exudation 

あせかき 

 (sweating)  

22009 

ねっか(捏和) 

ダイナマイト及び無煙火薬の製造において,原料を混

和して練り合わせる作業。 

kneading 

22010 

混和 

(こんわ) 

(こんか) 

火薬類の製造において,数種の成分を混ぜ合わせる作

業。 

mixing 

22011 

圧伸 

a) 

無煙火薬において,ねっか(捏和)又は圧延した

後で希望の薬径になるように圧出成形すること。 

b) 

ねっか後のダイナマイトを薬包状にするため,ら

(螺)軸の作用で一定の口金から押し出すこと。 

extruding 

22012 

てん薬 

a) 

粉状ダイナマイト又は粉状爆薬を紙筒若しくは

プラスチック筒に詰めること。 

b) 

火工品の製造において火薬類を所定の容器に詰

めること。 

loading 

22013 

てん圧 

爆薬を圧さく(搾)装てんすること。 

loading,  

pressing 

22014 

装てん 

製造工程において,火薬又は爆薬を所定の容器に詰め

ること。 

loading,  

charging 

充てん(填) 

22015 

そ(梳)解 

ニトロセルロース製造時,硝化作業の前に,からみ合

っている原綿をといて密度を均一にすること。 

carding,  

teasing 

22016 

煮洗 

(しゃせん) 

(にあらい) 

硝化後のニトロセルロースから酸を除去するため,熱

湯で煮沸すること。 

boiling 

22017 

細断 

煮洗後のニトロセルロースを細かく切断すること。繊

維内に潜在する酸類を完全に除去するために行う。 

beating,  

pulping 

22018 

精洗 

ニトロセルロースを細断後,温水で洗浄し,酸を完全

に除去すること。 

poaching 

22019 

風乾 

大気中で火薬類を自然乾燥すること。 

air-drying 

22020 

しふん(篩分) 

火薬又は爆薬を一定の粒度になるようにふるい分け

ること。 

sieving,  

screening 

ふるい分け 

background image

29 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

22021 

二味混和 

(にみこんわ) 

(にみこんか) 

黒色火薬の製造において,木炭と硫黄とを混和するこ

と。 

22022 

三味混和 

(さんみこんわ) 

(さんみこんか) 

黒色火薬の製造において,二味混和した木炭と硫黄の

混合物に硝酸カリウムを加えること。 

22023 

圧磨 

黒色火薬の製造において,比重を上げるために,三味

混和した後,エッジランナによって加圧混和するこ

と。 

22024 

造粒 

a) 

粉状火薬を粒状にすること。 

例 黒色鉱山火薬,爆粉 

b) 

圧さく(搾)又は溶融後冷却した塊状の火薬類を

粒状に粉砕すること。 

a) corning,  

granulating 

b) crushing 

22025 

水圧 

黒色小粒火薬などの製造において,破砕と造粒の工程

で,破砕薬を木枠に盛り,油圧機でゆっくり加圧し,

比重を高める工程。 

22026 

破砕 

a) 

圧磨後の黒色火薬を粉砕すること。 

b) 

駆水機にかけたニトロセルロースの塊をときほ

ぐすこと。 

a) crushing 

22027 

[黒鉛]光沢 

黒色火薬又は無煙火薬の表面に黒鉛を付着させるこ

と。電導性をよくして帯電を防止し,装てん性をよく

する。 

glazing,  

graphiting 

22028 

払しき(拭) 

起爆薬製造工程の一つで,乾燥後,運搬用小容器に収

納する作業。 

22029 

かん(嵌)着 

a) 

銃用雷管の製造において,雷管に発火金を装着す

ること。 

b) 

薬きょう(莢)に雷管を装着すること。 

22030 

かん着 

電気雷管の脚線の先端に電橋線を結合すること。 

bridge welding 

電橋付け 

22031 

含薬 

導火線又は導爆線の製造において,心薬を麻糸,綿糸,

紙テープ,プラスチックなどで覆うこと。 

spinning 

22032 

[アルコール]駆
水 

無煙火薬の原料のニトロセルロースの製造において,

水分をアルコールによって置換させて除去すること。 

dehydrating,  

alcoholizing 

22033 

温洗 

揮発性溶剤火薬の製造において,溶剤を回収した後,

薬粒に残った溶剤及び水溶性塩類を温水内で溶出す

ること。 

soaking 

22034 

圧ろ(濾) 

無煙火薬の製造において,未こう(膠)化物及び異物

の除去とこう化の促進のために,ねっか(捏和)薬を

加圧し,金網と多孔板とを通して強制ろ過させるこ

と。 

blocking 

22035 

圧延 

a) 

ダブルベース推進薬の製造において,ねっか(捏

和)薬をロールを通し厚さを薄く均一にして完全

にこう(膠)化させること。 

b) 

不整形球状薬の製造において,球状火薬をロール

を通して扁平状に加工すること。 

rolling 

22036 

表面こう(膠)化 

シングルベース発射薬の初期燃焼を抑えるため,火薬

の表面にジニトロトルエン,ジブチルフタレートなど

の緩燃剤を塗布すること。 

coating 

22037 

薬厚 

(やくこう) 

発射薬及び推進薬の燃焼方向での最小寸法。 

web,  

web thickness 

background image

30 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

22038 

注型 

推進薬の製造において,未硬化薬などを鋳型又はモー

タケースに注入すること。 

casting 

22039 

硬化 

推進薬などの製造において,注型後加温して樹脂成分

などを硬化させること。 

curing 

22040 

離型 

注型,硬化を終了した推進薬を鋳型,なかご(中子)

などと分離すること。 

22041 

風せい(晒) 

無煙火薬の製造において,大気中に放置して水分及び

溶剤の調整を行うこと。 

weathering 

22042 

混同 

無煙火薬の製造において,ロット間のばらつきを小さ

くするために複数のロットを混ぜ合わせること。 

blending 

22043 

溶てん 

固体の火薬類を加熱溶融し,弾丸などに注入し,固化

させて充てんすること。 

cast loading,  

casting 

鋳てん 

22044 

圧てん 

粒状又は粉状の火薬類を,圧力を加えて弾丸などに充

てんすること。 

22045 

乾べい(餅)混和 

乾べい(餅)の製造において,ニトロセルロースとニ

トログリセリンを混合すること。 

22046 

混練 

(こんれん) 

ダブルベース火薬において,圧伸裁断後の乾べい(餅)

薬にくず薬を加えてねっか(捏和)機で練り直すこと。

くず薬に溶剤を加えてしばらくねっかしてから乾べ

い薬を仕込む。 

remixing 

22047 

湿べい(餅)混和 

湿べい(餅)の製造において,ニトロセルロースとニ

トログリセリンを水中で混合すること。 

22048 

熟成 

無煙火薬の製造において,混べい(餅)薬のこう(膠)

化及び均質化のため数週間静置すること。 

aging 

22049 

ねつ(捏)延 

ダブルベース推進薬の製造において,混べい(餅)薬

をロールに通して厚さ2〜3mmの薬板にすること。ロ

ール内筒に熱湯又は水蒸気を通し,二つのロールの回

転数を異にしておくとき,混べい薬は回転数の早いロ

ールに張りついて回転しながら遅いロールで練成さ

れる。 

rolling 

22050 

カーペット巻き 

圧延した薬板を圧伸機に仕込むためにカーペットロ

ール状に巻くこと。 

carpet roll 

22051 

切削 

推進薬を,所定の寸法・形状に切断加工すること。 

cutting,  

trimming 

22052 

レストリクタ加工 

推進薬の燃焼面を制限するために,難燃性又は不燃性

の材料を推進薬に接着させること。 

restricting 

22053 

脱泡 

推進薬中に気泡が存在すると不均一燃焼の原因とな

るため,推進薬混和工程の最終段階で真空にし,推進

薬中から残存空気を取り除くこと。 

deaerating 

22054 

浸透 

グレインキャストダブルベース推進薬の製造におい

て,鋳型に充てんしたベースグレイン中に鋳型下方か

ら圧力をかけてキャスティングソルベントを注入し

浸みとおすこと。 

permeation 

22055 

ライニング 

ロケットモータケース内面に液状のライナ材料を塗

布し加熱硬化させること。 

lining 

22056 

試製 

火薬類を試験的に製造すること。 

test production 

22057 

廃薬 

a) 

不要になり,又は性能が変化して使用できない火

薬類。 

b) 

火薬類を処分すること。 

a) waste explosives 
b) disposal of waste 

explosives 

background image

31 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 性能・試験方法 

1) 性能 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

31001 

爆発 

急激なガス圧力の発生又は解放によって,爆発音を伴

ってガスが膨張する現象。 

explosion 

31002 

化学的爆発 

化学変化(化学反応)に基づく爆発。 

火薬類の爆発,ガス爆発,粉塵爆発など。 

chemical explosion 

31003 

物理的爆発 

物理変化に基づく爆発。 

核爆発,水蒸気爆発など。 

physical explosion 

31004 

爆ごう(轟) 

衝撃波を伴った燃焼反応。 

detonation 

デトネーシ

ョン 

31005 

爆燃 

爆発的燃焼のことをいい,数百m/sの速さで伝わる粒

子表面の伝火によって生じる燃焼現象で,反応には衝

撃波を伴わない。 

deflagration 

デフラグレ

ーション 

31006 

燃焼 

物質の酸化還元によって光と熱を生じる現象。 

combustion,  

burning 

31007 

完全燃焼 

燃焼が平衡に達している状態。 

complete combustion 

31008 

不完全燃焼 

完全燃焼に対比して,燃焼が平衡に達していない状

態。 

incomplete  

combustion 

31009 

発火 

物質の燃焼の開始。 

ignition 

着火 

31010 

点火 

刺激を与えることによる物質の燃焼の開始。 

ignition 

31011 

伝火 

a) 

物質の局部的点火からの燃焼が粒子の表面に沿

って伝ぱすること。 

b) 

物質の燃焼が次の物質に伝ぱすること。 

a) inflammation 
b) propagation of 

combustion 

31012 

起爆 

刺激を与えることによる爆発性物質の爆ごう(轟)の

開始。 

initiation,  

priming 

31013 

伝爆 

爆発性物質の爆ごう(轟)の伝ぱ。 

爆ごうが次の爆発性物質に伝わること。 

propagation of detonation 

31014 

完爆 

爆発性物質が残薬なく完全に爆発すること。 

complete explosion 

31015 

半爆 

爆発性物質が完爆せず,一部に残薬を生じること。 

incomplete explosion 

31016 

不爆 

爆発性物質を点火又は起爆しても爆発しないこと。 

non-explosion 

31017 

衝撃波 

不連続的な圧力,温度の上昇を伴い,超音速で伝ぱす

る圧力現象で,媒体の流れを伴う。 

shock wave 

31018 

爆ごう(轟)波 

前面の衝撃波とそれに続く反応帯から成り,それらが

同じ速さで伝ぱしていく波。 

detonation wave 

31019 

希薄波 

圧力の減衰状態が伝わる波。音速で進む。 

rarefaction wave 

31020 

反応帯 

爆ごう(轟)波において,前面の衝撃波に引き続いて

起こる燃焼波の領域及び化学反応の起きる領域。 

reaction zone 

31021 

粒子速度 

衝撃波背後の媒体の流速。 

particle velocity,  

material velocity 

物質速度 

31022 

衝撃インピーダン
ス 

媒質の衝撃波伝ぱに対する抵抗定数。 

衝撃波の波面圧力を粒子速度で除した値で,衝撃波速

度と初期密度の積に等しい。 

shock impedance 

31023 

ランキン・ウゴニ

オの式 

質量,運動量,エネルギーの保存則から導かれる圧縮

性流体中を伝ぱする爆ごう(轟)波の特性を記述する

基礎式。 

Rankine-Hugoniot 

equation 

ウゴニオ式, 

R-H式, 

H式 

31024 

チャップマン・ジ
ュゲ条件 

爆ごう(轟)が定常的に伝ぱするための条件で,その

場合の爆速は理論的に可能な最小のもので,ガス流速

と媒体中の音速との和で示される。 

Chapman-Jouguet 

condition 

C‐J条件 

background image

32 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

31025 

チャップマン・ジ
ュゲ点 

ランキン・ウゴニオ曲線において最小の爆速を与える

点。 

Chapman-Jouguet point 

C‐J点 

31026 

爆ごう(轟)圧力 

爆ごう波背後の圧力。 

一般には化学平衡が成立している点(C‐J点)の圧力

で定義される。 

detonation pressure 

31027 

爆ごう(轟)温度 

爆ごう波背後の温度。 

一般には化学平衡が成立している点(C‐J点)の温度

で定義される。 

detonation temperature 

爆速 

31028 

爆ごう(轟)速度 

爆ごう波の伝ぱする速度。 

detonation velocity 

31029 

高速爆ごう(轟) 

爆薬固有の速度で進む爆ごう。 

HVD,  

high velocity detonation 

HVD 

31030 

低速爆ごう(轟) 

爆薬固有の特性及び起爆方法によって,高速爆ごうと

は別の機構によって起こる約2 000m/s以下の低速で

進む爆ごう。 

LVD,  

low velocity  

detonation 

LVD 

31031 

爆発温度 

断熱条件下で爆発が起こり,化学平衡に達したときの

温度。 

explosion temperature 

31032 

爆発熱 

断熱条件下で爆発が起こったとき発生する単位量当

たりの熱量。 

heat of explosion 

31033 

爆風 

爆発性物質の爆発や大量の燃料の火災で発生したガ

スの膨張によって,周囲の空気が圧縮されて生じる空

気中衝撃波及び圧縮波。 

blast wave,  

blast 

31034 

大量爆発 

ほぼ瞬時にほとんどすべての包装品に影響を及ぼす

ような爆発。 

mass explosion 

31035 

相似[法]則 

爆発音や衝撃波の場合には,圧力,温度,密度などの

状態変数は,それらがある特定の爆発について,爆源

からの半径の倍数で表した半径距離及び時間の関数

として与えられれば,相似常数を乗じることによっ

て,任意の爆発音や衝撃波に対する距離並びに時間の

関数としてそれらを表すことができ,これを相似法則

という。大気中爆風のほか,地中爆発,発破,トンネ

ル内爆発からの爆風や爆発音にも適用されている。 

scaling law,  

similarity law 

換算[法]則 

31036 

リューデンベルグ
相似則 

爆風のピーク過圧は,換算距離(爆薬からの距離と爆

薬質量の立方根との比)の関数で表すことができる。

すなわち,爆薬質量が異なっても,換算距離が同じで

あれば,爆風のピーク過圧は同じになる。この相似則

を一般にリューデンベルク (Rüedenberg) 相似則又は

ホプキンソン (Hopkinson) 三乗根則という。 

Rüedenberg scaling law,  

Hopkinson scaling law 

ホプキンソ

ン三乗根則 

31037 

ピーク過圧 

空気中を伝ぱ(播)する音は,音波による空気の粒子

運動によって,次々に圧力が増減するが,空気中の静

圧からの変化分を過圧という。爆発音及び衝撃波も同

じく過圧であり,その静圧部分の最大圧力をピーク過

圧と呼ぶ。 

peak overpressure 

31038 

爆風圧力 

爆風によって生じる圧力。 

blast pressure 

爆風圧 

31039 

ブラストメータ 

薄鉛板の変形を利用した爆風圧の簡易測定器。 

blastmeter 

31040 

感度 

刺激を与えることによる物質の発火,爆発などの起こ

りやすさ。刺激の種類によって異なる。 

sensitivity 

31041 

打撃感度 

物質に打撃刺激を与えたときの発火,爆発の起こりや

すさ。 

impact sensitivity 

background image

33 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

31042 

摩擦感度 

物質に摩擦刺激を与えたときの発火,爆発の起こりや

すさ。 

friction sensitivity 

31043 

静電気感度 

電気的放電エネルギーを与えたときの発火,爆発の起

こりやすさ。 

electrostatic discharge 

sensitivity,  

electrostatic  

sensitivity 

31044 

臨界爆点 

物質の発火又は爆発の確率が50%となる刺激の量。 

critical point of explosion 

50%爆点, 

限界爆点 

31045 

1/6爆点 

物質の発火又は爆発の確率が1/6となる刺激の量。 

1/6 explosion point 

31046 

アップアンドダウ
ン試験方法 

感度データの統計解析法の一つで,ある刺激レベルと

上下に等間隔のいくつかの刺激レベルを選び,反応,

無反応に応じて一つ上又は一つ下の刺激レベルと試

験を繰り返し,比較的に少ない試験数で50%反応刺激

量と標準偏差を求める方法。 

Bruceton法,Dixon and Mood法などが知られている。 

up and down test method 

昇降試験方

法 

31047 

点火電流 

電気点火装置の点火薬を点火させる電流。 

firing current 

発火電流 

31048 

延時秒時 

段発電気雷管などにおける延時薬の燃焼秒時,通電な

どの点火操作から爆発までの時間。 

delay time 

遅延時間 

31049 

点火時間 

電気的点火装置に通電してから点火するまでの時間。  ignition time 

発火時間 

31050 

最小点火電流 

電気的点火装置を一定時間で点火するのに必要な最

小の電流値。 

minimum firing current 

最小発火電

流 

31051 

最小点火エネルギ

ー 

爆発性物質を点火するために供給すべき下限界のエ

ネルギー。 

minimum ignition energy 

最小発火エ

ネルギー, 

最小着火エ

ネルギー 

31052 

起爆感度 

刺激を与えることによる爆発性物質の爆ごう(轟)の

起こりやすさ。 

initiation sensitivity 

31053 

限界薬径 

爆ごう(轟)が伝ぱし得る爆薬の最小薬径。 

critical diameter 

臨界薬径 

31054 

死圧 

爆薬を一定圧力以上に加圧したとき爆ごう(轟)が起

こらなくなる現象,又は死圧が起こる最低の圧力。 

dead pressure 

31055 

雷管非起爆性 

工業雷管又は電気雷管1本で起爆できないこと。 

cap insensitivity,  

non-cap sensitivity 

ノンキャッ

プセンシテ

ィビティ 

31056 

チャンネル効果 

孔内に薬包を装てんして一端から起爆したとき,爆薬

の爆ごう(轟)を先行する衝撃波によって,薬包が圧

縮されて爆ごう伝ぱが中断される現象。孔内径と薬包

径の比がある範囲内にあるとき発生の可能性がある。 

channel effect 

側壁効果, 

空げき(隙)

効果, 

チャネル効

果 

31057 

殉爆 

爆発性物質が,空間又は非爆発性物質を通して他の爆

発性物質の爆ごう(轟)に感応し爆ごうする現象。 

sympathetic detonation,  

gap transmission of 

detonation 

31058 

励爆薬(包) 

殉爆において,それの爆ごう(轟)によって生じたエ

ネルギーを他方の爆薬(薬包)に伝達する爆薬(薬包)。 

donor charge 

誘爆薬(包), 

第一薬包, 

ドナー 

31059 

受爆薬(包) 

殉爆において,他方の爆薬(薬包)の爆ごう(轟)に

よって生じたエネルギーを受ける爆薬(薬包)。 

acceptor charge,  

receptor charge 

感応薬(包), 

第二薬包, 

アクセプタ 

background image

34 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

31060 

殉爆感度 

爆発性物質の殉爆の起こりやすさ。 

sensitivity of sympathetic 

detonation,  

gap sensitivity 

31061 

殉爆度 

第一薬包を雷管で起爆し,第二薬包が感応して爆ごう

(轟)する最大距離s(3回連続して殉爆する最大距離

とする。)を薬包径dで割った数値n。 

n=s/d 

degree of sympathetic 

detonation 

31062 

DDT 

爆燃から爆ごう(轟)への転移。 

DDT,  

deflagration to detonation 

transition 

31063 

威力 

a) 

爆発性物質の爆発効果で,静的効果と動的効果と

がある。 

a) power of  

explosion 

a) 爆力, 

 爆発威力 

b) 

雷管においては起爆力をいう。 

b) strength of  

detonator 

31064 

静的効果 

爆発性物質の爆発で発生した高温,高圧ガスの膨張に

よる外部への仕事効果。 

動的効果に対する用語。 

quasistatic effect,  

static effect 

仕事効果 

31065 

ストレングス 

a) 

ストレートダイナマイトの威力と比較し,そのス

トレートダイナマイトの含有するニトログリセ

リンの配合比 (%) をもって表す爆薬の静的威力

の表示方法。 

表示方法,基準爆薬,試験方法など各種あり,そ

の表す内容は統一されていない。 

b) 

日本ではRWSをストレングスと呼ぶ場合があ

る。 

strength 

31066 

RWS 

relative weight strengthの略語で,基準爆薬として松ダ

イナマイトを用い,これに対する弾動きゅう砲試験の

結果の比で表した値。 

TNTを基準爆薬としたときは弾動きゅう砲比と呼び,

これを1.6で除した値をRWSとして表示することがで

きる。 

RWS 

ストレング

ス 

31067 

動的効果 

爆発性物質の爆発で発生した爆ごう(轟)波による破

壊的効果。静的効果に対する用語。 

dynamic effect 

破壊効果 

31068 

猛度 

爆発威力のうちの動的効果の表示方法の一つで,爆ご

う(轟)圧に対応する。 

brisance 

31069 

侵徹 

弾丸が目標に侵入するとき,次の三つの場合がある。 

a) 

完全侵徹 弾丸が完全に目標に侵入している場

合 (complete penetration)。 

b) 

部分侵徹 弾丸の一部だけが目標に侵入してい

る場合 (partial penetration)。 

c) 

漏斗状侵徹 弾丸が目標に当たって浅いぎざぎ

ざのあるわん状のくぼみ又は穴を作る場合 

(crater)。 

penetration 

31070 

スタンドオフ 

成形さく(炸)薬のライナの前端と,目標面との距離。  stand off,  

free space 

31071 

ジェット 

成形爆薬を爆ごう(轟)させたとき,ライナの破壊に

伴って金属の小破片及び蒸気が放出され,これが爆発

生成ガスとともに集団となって高速度で飛しょうす

る。この流れをジェットという。 

jet 

background image

35 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

31072 

ノイマン効果 

爆薬包の起爆側の反対側の円すいなどの凹所にライ

ナを取り付けて起爆すると,ライナがジェット(高速

噴流)となって高速で中心軸方向に噴出し,その方向

のせん孔効果が大となる現象。 

Neumann effect,  

Munroe effect 

モンロ効果 

31073 

ホプキンソン効果 

鋼板,コンクリート壁などの一部に爆発衝撃を与える

とその裏面がはく(剥)離する現象。 

Hopkinson effect 

31074 

キャビテーション 

さく(炸)薬又は推進薬中に空げき(隙)があること。  cavitation 

空げき(隙)

状態 

31075 

安全度 

石炭鉱山の可燃性坑内ガス及び炭じんに対する安全

性。一般には検定爆薬及び検定火工品の安全性をい

う。 

safety 

31076 

着火感度 

物質が火炎,火花又は赤熱体に接触したときの着火の

起こりやすさ。 

ignition sensitivity 

31077 

発火点 

物質の加熱による発火開始温度。 

ignition temperature 

31078 

発火待ち時間 

一定温度における発火までの時間。 

induction time,  

ignition delay 

発火遅れ 

31079 

熱感度 

物質に熱刺激を与えたときの発火,爆発の起こりやす

さ。 

heat sensitivity 

31080 

自然分解 

主に硝酸エステル類を含有する爆発性物質が,加水分

解及び酸化によって連鎖的に分解を起こす現象。自然

分解から発火,爆発に至ることもある。 

spontaneous 

decomposition 

31081 

自然発火 

a) 

主に硝酸エステル類を含有する爆発性物質が,貯

蔵中,自然分解によって,熱が蓄積され発火に至

る現象。 

b) 

可燃性物質を空気中又は酸素中で放置若しくは

加熱した場合,点火によらずに発火する現象をい

う。 

spontaneous ignition 

31082 

安定度 

貯蔵中の自然分解に対する抵抗性をいう。硝酸エステ

ルの安定度は精製度が向上すると高くなり,また温度

が上昇すると低下する。 

stability 

31083 

老化 

長時間の貯蔵によって爆発性物質の発火・爆発特性や

機械的特性などが低下する現象。 

aging,  

degradation 

31084 

燃焼温度 

断熱条件下で燃焼が起こり,化学平衡に達したときの

温度。 

combustion temperature 

31085 

燃焼熱 

断熱条件下で完全燃焼したとき発生する単位量当た

りの熱量。 

heat of combustion 

31086 

標準燃焼熱 

標準状態(摂氏0度,0.1MPa)における燃焼熱。 

standard heat of 

combustion 

31087 

燃焼速度 

燃焼の伝ぱする速度。 

burning velocity,  

burning rate 

燃速 

31088 

線燃焼速度 

燃焼面に垂直な方向における燃焼速度。 

linear burning rate,  

linear buming  

velocity,  

regression rate 

後退速度 

31089 

質量燃焼速度 

単位時間に燃焼する物質の質量。 

mass burning rate,  

mass burning velocity 

31090 

侵食燃焼 

推進薬がロケットモータ内で燃焼する場合,燃焼面に

平行なガス流の影響で推進薬が侵食されたような状

況になり,燃焼速度が増大する燃焼状態。 

erosive burning 

background image

36 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

31091 

振動燃焼 

ロケットモータ内で,推進薬の燃焼で発生する圧力振

動を伴った燃焼。 

低周波振動と高周波振動とに分けられ,推進薬の組成

や形状及び燃焼条件によって発生する。 

oscillatory burning 

31092 

プラト燃焼 

推進薬の燃焼において,圧力指数がある圧力範囲でほ

とんどゼロとなり,燃焼速度が圧力に依存しなくなる

燃焼状態。 

plateau burning 

31093 

メサ燃焼 

推進薬の燃焼において,ある狭い圧力範囲で圧力指数

が減少し,負の値をとる燃焼状態。 

mesa burning 

31094 

スピン燃焼 

ロケットモータにスピンを負荷して燃焼させること。

内面燃焼型モータでは燃焼速度の増大,圧力・推力パ

ターンの変化などの現象を伴う。 

spin firing 

31095 

加速度燃焼 

ロケットの機軸方向や,機軸に垂直な方向にかかる加

速度下での推進薬の燃焼。 

firing in acceleration field 

31096 

息つき燃焼 

ロケットモータ内の不安定燃焼の一形態で,燃焼中

断,再着火を間欠的に繰り返す現象。 

chuffing 

チャッフィ

ング 

31097 

二次燃焼 

推進薬の燃焼ガスが燃焼室から排出された後,空気と

接触して再燃焼すること。 

secondary combustion 

31098 

火薬特徴数 

1kgの爆発性物質の爆発時に生成する物質のモル数,

ガス比容,爆発熱,爆発温度,火薬の力など火薬類の

静的効果を比較するための特性値。 

characteristics of 

explosives 

火薬特数 

31099 

状態方程式 

熱平衡にある物質の状態量,例えば,温度,圧力,体

積,内部エネルギー,エントロピーなどの関係を与え

る方程式。 

equation of state 

状態式 

31100 

ビバシチ 

砲内弾道計算に使用される火薬特徴数の一つで,発射

薬の初期表面積と0.1MPaにおける線燃焼速度との積

を初期容積で除した数値。 

vivacity 

鋭性率 

31101 

ガス比容 

爆発性物質1kgが爆発したときの生成ガスが,摂氏0

度,0.1MPaの標準状態において占める容積。 

specific volume 

比容 

31102 

火薬の力 

爆発性物質の静的効果を表すもので,ガス比容と爆発

温度 (K) との積を273で除した数値。 

force of explosives,  

specific energy 

比エネルギ

ー 

31103 

コボリウム 

気体の状態方程式として知られているアーベルの式P 

(V−b) =RTのbに当たるもので,分子容積が有限で

あることによる容積の補正項(P:圧力,V:容積,T:

絶対温度,R:気体定数)。 

covolume 

31104 

仮比重 

粉状又は粒状の物質のそのままの状態での比重。真比

重に対応する用語。 

bulk density,  

metric gravity density 

見掛け比重 

31105 

装てん密度 

火薬類の質量を,それを装てんする空間の容積で除し

て得られる値。 

loading density 

31106 

窒素量 

ニトロセルロースなどの化合物中に含まれる窒素の

含有率。 

nitrogen content 

31107 

温度感度 

a) 

燃焼速度の温度感度:燃焼圧力を一定にした場合

の推進薬の温度変化に対する燃焼速度の変化量。 

b) 

燃焼圧力の温度感度:外部制約係数 (KN) を一定

した場合の推進薬の温度変化に対する燃焼圧力

の変化量。 

temperature 

 sensitivity 

31108 

外部制約係数 

推進薬の燃焼表面積Abをノズルスロート断面積Atで

除した値。通常,KNと標記し,ロケットモータ設計に

重要なパラメータである。 

nozzle area ratio 

KN 

background image

37 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

31109 

形状関数 

発射薬の薬粒(グレイン)の燃焼の進行に伴う燃焼表

面積と薬厚との変化を示す関数。 

form function 

31110 

推力 

推進薬の燃焼によって得られる推進力。Fで表され,

単位はNである。 

thrust 

31111 

比推力 

単位質量の推進薬が単位推力を何秒間発生し続けら

れるかを表す値で,Ispと表示される。ロケットモータ

の推力F (N) と推進薬質量消費率W (N/s) との比。単

位は秒 (s)。 

specific impulse 

31112 

圧力指数 

ビエイユの式の指数nのことで,燃焼速度の圧力への

依存性を示す。 

pressure exponent (of 

burning rate),  

pressure index 

31113 

初速 

発射された弾丸又は散弾の銃口における速度。 

muzzle velocity 

31114 

こう(腔)圧 

発射薬の燃焼によって,銃砲のこう内に生じる圧力。 

bore pressure 

31115 

弾道 

弾丸,ロケット,爆弾などが運動するときの重心の軌

跡。弾丸が砲口を出るまでの砲こう(腔)内の運動を

砲内弾道,砲口を出た後弾丸が弾着又は空中破裂する

までの弾丸の運動を砲外弾道という。 

trajectry 

31116 

レザールの式 

装薬の燃焼によって発生するエネルギーと弾丸のエ

ネルギーとの関係を示す式。 

p (c−bw) + (γ−1) /2・μv2=fwz 

(b:コボリウム,c:弾丸後方の容積,f:火薬の力,

p:弾丸後方の圧力,v:弾丸の速度,w:装薬量,z:

装薬の燃焼した割合,γ:比熱比,μ:弾丸の質量) 

Resalʼs equation 

31117 

ビエイユの式 

プロペラントの線燃焼速度rと燃焼圧力pとの関係を

示す式。 

r=apn 

(a:プロペラント組成と初期温度に依存する定数,

n:圧力指数) 

Vieilleʼs equation 

31118 

予混合火炎 

可燃剤成分と酸化剤成分のガスがあらかじめ混合さ

れてから反応帯に入り,そこで反応して形成される火

炎。 

premixed flame 

予混火炎, 

予混炎 

31119 

拡散火炎 

可燃剤成分と酸化剤成分のガスが拡散によって混合

し,反応して形成される火炎。 

diffusion flame 

拡散炎 

31120 

断熱火炎温度 

物質が燃焼し,断熱状態で熱平衡に達したときの温

度。 

adiabatic flame 

temperature 

31121 

有効寿命 

物質の正常な性能が保証される貯蔵期間。 

shelf life,  

service life 

貯蔵寿命 

31122 

発射薬ガス発生速
度比 

供試発射薬のガス発生速度と,標準発射薬のガス発生

速度との比。同一の密閉容器中で,同一温度及び同一

装てん密度で測定する。 

relative quickness 

31123 

慣性後退力 

火器発射時の反動によって生じる力。 

setback force 

31124 

消炎 

火器による射撃の場合に生じる銃口炎又は砲口炎を

消し若しくは小さくすること。 

flash reducing 

31125 

焼食 

高圧,高温の燃焼ガスによって生じる,銃身又は砲身

のこう(腔)面の損傷。 

erosion 

31126 

初期質量 

発射時のロケット飛しょう体の質量。通常,推進薬を

含んだロケットの全質量。 

initial mass 

31127 

遅発燃焼 

点火装置が作動した後,発射薬又は推進薬に着火する

のが異常に遅れる現象。 

hang fire 

background image

38 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

31128 

薬形係数 

薬粒の初期面積と燃焼中の表面積との比。 

form coefficient 

2) 試験方法 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

32001 

熱感度試験 

物質に熱を加えたときの発火,爆発の起こりやすさを

調べる試験。 

熱分析試験,発火点試験などがある。 

thermal sensitivity test 

32002 

熱分析試験 

少量の試料に熱を加えたときの発熱,吸熱の過程を測

定する試験。 

示差走査熱量測定 (DSC:differential scanning 

calorimetry),示差熱分析 (DTA:differential thermal 

analysis),熱重量測定 (TG:thermo-gravimetry) などが

ある。 

thermal analysis 

32003 

発火点試験 

加熱の方法によって,二つの試験法がある。 

a) 定温加熱

発火点試験, 

 クルップ

発火点試験 

b) 定速加熱

発火点試験 

a) 

定温加熱法(クルップ式発火点測定法) クルッ

プ発火点試験器を用いて試料を一定温度に加熱

し,所定の待時間(通常4秒)で発火する温度を

発火点とする熱感度試験。 

a) Krupp ignition 

temperature  

test 

b) 

定速加熱法 一定の昇温速度で試料を加熱し,発

火する温度を発火点とする感度試験。 

b) constant heating  

rate ignition 

temperature 

 test 

32004 

安定度試験 

火薬類の自然分解に対する抵抗性を調べる試験で,耐

熱試験,遊離酸試験,加熱試験,75℃安定度試験,他

に,主として発射薬などについて行われるメチルバイ

オレット試験,銀びん試験,サーベランス試験,真空

安定度試験などがある。 

stability test 

32005 

耐熱試験 

一定温度に加熱した試料から発生する分解ガスによ

って,試験管内につるしたよう化カリウムでんぷん紙

が変色するまでの時間を測定し,硝酸エステル類を含

有する爆発性物質の安定度を求める試験。 

Abel test 

アーベル耐

熱試験 

32006 

遊離酸試験 

試料から発生するガスによって試験管内に封入した

青色リトマス試験紙が全面的に赤変するまでの時間

を測定し,爆発性物質の安定度を求める試験。 

free acid test 

32007 

加熱試験 

ひょう(秤)量瓶に乾燥した試料約10gを入れ,セ氏

75度に保った試験器内に48時間試料を保持して減少

した質量を測定し,爆発性物質の安定度を求める試

験。 

thermal stability test 

32008 

75℃安定度試験 

セ氏75度の温度で48時間保持し,試料の発火,爆発,

自己発熱,減少した質量などから物品及び包装物品の

熱安定度を評価する試験。 

75℃thermal stability test,  

thermal stability test 

熱安定度試

験, 

加熱試験 

32009 

メチルバイオレッ
ト試験 

一定温度に加熱した爆発性物質の試料から発生する

分解ガスによって,試験管内に封入したメチルバイオ

レット試験紙が変色するまでの時間を測定し,安定度

を求める試験。 

methyl violet test 

background image

39 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

32010 

銀びん試験 

硝酸エステルを含有する爆発性物質の試料を所定の

銀びん内でセ氏80度に保持し,それが熱分解によっ

て,セ氏82度に上昇するまでの経過時間を測定して

安定度を求める試験。 

主として無煙火薬用に用いる。 

silver vessel test 

32011 

サーベランス試験 

硝酸エステルを含有する爆発性物質の試料を加熱し

て一定温度に保持し,褐色ガスが発生するまでの日数

から安定度を求める試験。 

主として無煙火薬用に用いる。 

surveillance test 

監視試験 

32012 

真空安定度試験 

硝酸エステルを含有する爆発性物質の試料を真空試

験管内で加熱して,一定温度に所定時間保持し,発生

する分解ガスによる圧力上昇を測定して安定度を求

める試験。 

主として無煙火薬用に用いる。 

vacuum test,  

Farmer test 

ファーマ試

験 

32013 

着火性試験 

火花,火炎,赤熱体などの点火源によって着火するか

否か,また,着火後点火源を取り除いても燃焼が持続

するか否かを調べる試験。 

セリウム−鉄火花試験,導火線試験,小ガス炎試験,

赤熱鉄棒試験などがある。 

ignitability test 

着火感度試

験, 

耐火感度試

験 

32014 

セリウム‐鉄火花
試験 

ピストル型セリウム−鉄火花ガスライタによって,不

燃性板上の試料約3mlに5mmの距離からセリウム−

鉄火花を吹きつけ,着火するか否かを調べる着火性試

験。 

celium-iron spark ignition 

test 

32015 

導火線試験 

5cmの長さの導火線の末端から吹き出す火炎で,5mm

離れて置かれている不燃性板上の試料約3mlが着火す

るか否かを調べる着火性試験。 

safety fuse test 

32016 

小ガス炎試験 

ブンゼンバーナからの長さ20mm,幅5mmの都市ガス

炎又はプロパンガス炎の先端を,不燃性板上の試料約

3mlに最大10秒間当てて,着火するか否かを調べる着

火性試験。 

small gas flame test 

32017 

赤熱鉄棒試験 

直径5mmの鉄棒をセ氏800度程度に赤熱し,不燃性

板上の試料約3mlに10秒以内接触させて,着火する

か否かを調べる着火性試験。 

red hot iron test 

32018 

落つい(槌)感度
試験 

所定質量の落ついを用い,落高を変えて円筒コロには

さんだ所定量の試料に打撃を与え,爆発するか否かを

調べる打撃感度試験。 

JIS法とBAM法がある。 

drop hammer test,  

fall hammer test 

落つい試験, 

ドロップハ

ンマ試験 

32019 

落球感度試験 

異なる質量の落球を用い,落高を変えて試料に打撃を

与え,爆発するか否かを調べる打撃感度試験。 

drop ball test 

32020 

摩擦感度試験 

物質の摩擦感度を調べる試験。現在はドイツのBAM

(連邦材料研究試験所)が開発したBAM式摩擦感度

試験機が専ら用いられている。これは磁製板上の試料

の上に磁製の摩擦棒を立ててこれに荷重を加え,次に

磁製板を水平に移動させて試料を摩擦し,その発火の

有無を調べる方法である。 

friction sensitivity test 

摩擦試験 

32021 

静電気感度試験 

ある電圧に充電したコンデンサからの放電エネルギ

ーを電極間げき(隙)においた試料物質に与えて発火

するか否かを調べ,試料物質の静電気放電に対する抵

抗性を調べる試験。 

electrostatic sensitivity 

test,  

electrostatic discharge 

sensitivity test 

電気火花感

度試験 

background image

40 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

32022 

12m落下試験 

爆発性物質の包装品(液状物質を除く。)又は爆発性

物品の包装品若しくは非包装品を12mの高さから打

撃面に自由落下させ,その打撃による発火,爆発の有

無を調べる打撃感度試験。 

twelve meter drop test for 

articles and solid 

substances 

32023 

液体用鋼管落下試
験 

液体の爆発性物質を入れた密閉鋼管(内径33mm,外

径42mm,長さ500mm)を0.25mごとに最大5mまで

の高さから鋼製のアンビル上に落下させ,その打撃に

よる発火,爆発の有無を調べる打撃感度試験。 

steel tube drop test for 

liquid substances 

32024 

起爆感度試験 

爆発性物質の爆ごう(轟)衝撃による起爆性及び爆ご

う伝ぱ性を調べる試験。 

試験方法として,雷管感度試験,弱雷管試験,ギャッ

プ試験,鋼管試験などがある。 

detonation sensitivity test 

32025 

雷管感度試験 

a) 

雷管(工業雷管又は電気雷管)の爆ごう(轟)衝

撃による起爆性及び爆ごう伝ぱ性を調べる試験。 

低温起爆感度試験のほかに,容器の種類によって,塩

ビ雨どい試験,カートン試験,雷管感度試験(国

連法)などがある。 

b) 

最小直径80mm,最小長さ160mm,最大1.5mm

の肉厚をもつボール紙筒に試験物質を入れ,標準

雷管で起爆し,証拠板又は鉛円筒の変形から激し

い機械的刺激に対する物質の感度を測定する試

験。 

cap sensitivity test 

雷管起爆試

験 

32026 

低温起爆感度試験 

含水爆薬の低温における雷管起爆感度を調べる試験。 

cap sensitivity test at low 

temperature 

低温起爆性

能試験 

32027 

弱雷管試験 

雷管(工業雷管又は電気雷管)で起爆できる比較的感

度の高い爆薬の限界の起爆力を決定するための試験。 

弱雷管は起爆薬としてDDNP0.2gと添装薬としてペン

トライト0〜0.4gから成る。 

detonation sensitivity by 

weakened cap 

32028 

鋼管試験 

鈍感な爆発性物質の爆ごう(轟)衝撃に対する起爆性

及び爆ごう伝ぱ性を調べるための試験。 

28mm鋼管試験,22mm鋼管試験,BAM50/60鋼管試験,

TNO50/70鋼管試験,国連ギャップ試験,EIDSギャッ

プ試験などがある。 

steel tube test 

鉄管試験 

32029 

国連ギャップ試験 

a) 

鋼管(外径48±2mm,肉厚4.0±0.1mm,長さ400

±5mm)内の固体又は液体の爆発性物質を160g

のRDX/ワックス (95/5) 若しくはPETN/TNT 

(50/50) ブースタと雷管で起爆して,その起爆感

度及び爆ごう(轟)伝ぱ性を調べる試験。 

b) 

EIDSギャップ試験 鋼管(外径95mm,肉厚11mm

±10%,長さ280mm)内に非常に鈍感な試料物質

を入れ,直径95mm,長さ70mmのポリメチルメ

タアクリレート棒を置き,その上に直径95mm,

長さ95mmの50/50ペントライト又は

95/5RDX/waxのペレットを置き,それを起爆し,

試料物質の爆ごうが起こるかどうかを調べ,極め

て鈍感な爆発性物質かどうかを判定する試験。 

UN gap test 

background image

41 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

32030 

BAM50/60鋼管試

験 

内径50mm,外径60mm,長さ500mmの鋼管内の爆発

性物質を所定の電気雷管で起爆させたときの起爆性

と爆ごう(轟)伝ぱ性を鋼管の破壊状況から調べる試

験で,ドイツのBAM(連邦材料研究試験所)が開発

した試験法。 

目的によって50gのRDX/ワックス (95/5) ブースタ

を用いて行うこともある。 

BAM 50/60 steel tube test 

32031 

TNO 50/70鋼管試

験 

内径50mm,外径70mm,長さ1160mm(固体用),内

径50mm,外径63mm,長さ750mm(液体用)の鋼管

内の爆発性物質を四つの50gのPETN/ワックス 

(95/5) 又はRDX/ワックス (95/5) のブースタと雷管

によって起爆し,起爆性と爆ごう(轟)伝ぱ性を鋼管

の破壊状況から調べる試験で,TNO(オランダ応用科

学研究機構)が開発した試験法。 

目的によって,ブースタとして塩化カリウム含有率の

異なるペントライト/塩化カリウム混合物を用いる

ことによって,起爆力を変えて試験することもでき

る。 

TNO 50/70 steel tube test 

32032 

殉爆試験 

励爆薬と受爆薬の間に空気,水,合成樹脂板などを介

在させて,励爆薬を起爆させたとき,受爆薬が誘爆す

る限界の長さからその起爆感度を調べる試験。 

砂上殉爆試験,密閉殉爆試験,つるし殉爆試験,カー

ドギャップ試験などがある。 

gap test 

殉爆感度試

験, 

ギャップ試
験 

32033 

ギャップ試験 

a) 

ギャップが零の場合に相当する起爆感度試験。 

b) 

ギャップが空気又は水の場合の殉爆試験。 

c) 

ギャップが不活性物質の場合はギャップ試験と

いう。 

gap test 

32034 

砂上殉爆試験 

砂上に半円形の溝を掘って,その中に2本の爆薬薬包

を一直線に並べ,第1薬包の起爆によって,第2薬包

が感応して爆ごう(轟)する最大距離から起爆感度を

調べる試験。 

gap test on sand 

32035 

カードギャップ試
験 

励爆薬と受爆薬の間に何枚かの合成樹脂板を介在さ

せて,励爆薬を起爆させたとき,それからの高温ガス,

固体飛散物などの影響を除去して受爆薬に衝撃だけ

を与えるようにし,合成樹脂板の枚数を加減して,受

爆薬が殉爆する限界の枚数からその起爆感度を調べ

る試験。 

card gap test 

32036 

水中エネルギー試
験 

爆発性物質を水中で爆発させ,生じた水中衝撃波のエ

ネルギー(動的効果に対応)を測定し,また,生成ガ

スの膨張収縮の周期からガスのもつ気泡エネルギー

(静的効果に対応)を測定する試験。 

underwater energy  

test,  

underwater explosion  

test,  

underwater test 

水中爆力試

験, 

水中威力試

験 

32037 

爆速試験 

爆発性物質の爆ごう(轟)速度を測定する試験。 

従来はドートリッシュ法が用いられていたが,現在は

光ファイバ法やイオンギャップ法などが主として用

いられている。 

detonation velocity test 

32038 

猛度試験 

爆ごう(轟)による衝撃波を金属柱又は金属板に入射

させ,それによる金属の圧縮量又は凹量を求めること

によって爆発性物質の動的効果を調べる試験。 

ヘス (Hess) 猛度試験,カスト (Kast) 猛度試験,デン

ト試験がある。 

brisance test 

background image

42 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

32039 

破片試験 

弾丸の破片効果を判定するための試験で,散飛界試験

と砂井戸試験がある。散飛界試験は,空気中で破片の

数量及び質量の分布を測定するとともに破片速度も

測定する。砂井戸試験は,砂中で破片の数量及び質量

の分布を測定する。砂の代わりに,のこくず又は水を

使用することもある。 

fragmentation test 

32040 

鉛とう試験 

鉛とうの装薬孔内で一定量の爆発性物質を爆発させ,

拡大された内容積から爆発性物質の静的効果を調べ

る試験。 

lead block test,  

Trauzl test 

トラウズル

試験 

32041 

弾動振子試験 

空洞のある質量5トンの振子にきゅう砲から一定量の

爆発性物質の爆発生成物を射ち込み,それによって生

じる振子の振れ幅から爆発性物質の静的効果を調べ

る試験。 

ballistic pendulum test 

32042 

弾動きゅう砲試験 

小型きゅう砲自体を振子とし,これに爆発性物質と平

頭弾を装てんして爆発性物質を爆発させ,きゅう砲の

後方への振れ角を測定し,爆発性物質の静的効果を調

べる試験。 

ballistic mortar test 

32043 

MKIII弾動きゅう

砲試験 

英国RARDE(英国王立兵器開発研究所)で開発され

た小型の弾動きゅう砲試験。 

MKIII ballistic mortar test 

32044 

検定試験 

石炭鉱山坑内用品の使用の可否を判定する試験。 

permissibility test 

32045 

安全度試験 

検定試験の一つで,石炭鉱山坑内用品の可燃性ガス又

は炭じんに対する安全性を調べる試験。 

safety test 

32046 

坑道試験 

爆薬の安全度試験で,模擬坑道を用いたガス試験と炭

じん試験がある。 

gallery test 

32047 

圧力容器試験 

異なる径のノズルと破裂板をもった密閉圧力容器内

で試料を加熱し,破裂板が破裂する限界ノズル径から

分解の激しさを調べる試験。 

pressure vessel test 

32048 

ケーネン試験 

鋼製容器に固体又は液体の試料を入れて,所定のオリ

フィスを取り付け,4個のプロパンのバーナで加熱し,

容器の破壊状況から強い密閉状態で激しく加熱され

たときの固体及び液体物質の感度を調べる試験。 

Koenen test 

32049 

小規模燃焼試験 

物質の火炎に対する反応性を調べる試験で,次の二つ

の方法がある。 

a) 

固体及び液体両用 試料を入れたプラスチック

ビーカを,ケロシンをしみ込ませた木粉上に置

き,木粉に着火したとき,試料が燃焼し,更に爆

発するか否かを調べる。 

b) 

固体専用 クラフト紙上に試料を円すい状のた

い積物として置き,クラフト紙の四辺に沿って置

いた数gの黒色火薬又は無煙火薬の着火によって

試料が燃焼し,更に爆発するか否かを調べる。 

small scale burning test 

32050 

時間−圧力試験 

円筒状の鋼製圧力容器に入れた5gの試料を着火剤に

よって着火爆燃させ,圧力が690kPaから2 070kPaに

達するまでの時間から密閉下における試料で達せら

れるような圧力下での着火の影響(爆燃を引き起こす

かどうか)を調べる試験。 

time-pressure test 

タイムプレ

ッシャテス

ト 

32051 

アメリカDDT試

験 

密閉鋼管容器に爆発性物質の試料を入れ,ほぼ中心に

設置した点火具(5gの黒色火薬を入れた点火薬包にニ

クロム線を取り付けたもの。)で着火させ,爆燃から

爆ごう(轟)への転移の可能性を調べる試験。 

USA DDT test,  

USA deflagration to 

detonation transition 

test 

background image

43 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

32052 

単一包装品試験 

単一包装品内での点火又は起爆が大量爆発を引き起

こすか否かを調べる試験。 

single package test 

32053 

積み重ね試験 

積み重ね状態にある爆発性物質若しくは爆発性物品

の包装品又は非包装爆発性物品について,爆発が一つ

の包装品から他の包装品へ,又は一つの非包装爆発性

物品から他の非包装爆発性物品へ瞬時に伝ぱするか

否かを調べる試験。 

stack test 

32054 

外部火災試験 

a) 

爆発性物質若しくは爆発性物品の包装品又は非

包装爆発性物品について,火災に巻き込まれた場

合に,大量爆発を引き起こすか否か,又は危険な

飛散物,放射熱,強烈な燃焼によって災害を発生

するか否か,その他何らかの危険な影響を生じる

か否かを調べる試験。 

b) 

外部火災に対する密閉時の物質の反応性を評価

するため,長さ20cm,内径45mm,肉厚4mmの

鋼管内に試料を入れ,それを火災に含まれるよう

な環境において,爆発の有無を観測する試験。 

external fire test,  

bonfire test 

ボンファイ

ア試験 

32055 

EIDS試験 

極めて鈍感な物品(危険区分1.6)かどうかを判定す

る試験。 

雷管試験,ギャップ試験,ぜい弱性試験,銃撃感度試

験,外部火災試験,低速クックオフ試験などの試験が

ある。 

EIDS test 

32056 

ぜい(脆)弱性試
験 

a) 

兵器用火薬類については,それが消費されるまで

に銃撃を受けたり,火災に遭遇したりなどの危険

性が予測されるので,それらすべてに対して安全

性が高いこと,すなわち,ぜい弱性が低いことが

求められる。それを調べるには,いくつかの試験

を組み合わせて実施し,その結果を総合して判断

する必要があるが,そのような試験群を総括して

ぜい弱性試験という。 

銃撃感度試験,フラグメント衝撃試験,成形爆薬

ジェット衝撃試験,スポール衝撃試験,低速クッ

クオフ試験などはその例である。 

b) 

EIDSぜい弱性試験 試料を150m/sの速度で鋼板

に衝突させた後に回収して,圧力−時間曲線を求

め,衝撃の影響下における劣化に対する爆発性物

質の感度を調べる試験。 

vulnerability test,  

friability test 

32057 

銃撃感度試験 

試料に銃撃による弾丸の衝撃を与えて爆発するか否

かを調べる衝撃感度試験。 

弾丸は普通平頭弾を使用するが,ぜい(脆)弱性試験

の一つとして用いる場合は,12.7mm徹甲弾を使用す

る。 

rifle bullet test,  

bullet impact test 

射撃感度試

験, 

銃撃試験 

32058 

フラグメント衝撃
試験 

高速で飛しょうする一定の形状の軟鋼(立方体等)の

衝突によって衝撃を受けた弾薬の爆発の状態を,証拠

板及び必要によって爆風圧測定によって知り,それか

ら弾薬のぜい弱性を調べる試験。 

fragment impact test 

32059 

成形爆薬ジェット
衝撃試験 

所定の成形爆薬からのジェットの衝撃を受けたとき

の弾薬の挙動からそのぜい弱性を調べる試験。 

shaped charge jet impact 

test 

32060 

スポール衝撃試験 

装甲板に成形爆薬からのジェットを当てて装甲板の

高温破片を発生させ,それを直ちに弾薬に衝突させた

ときの弾薬の挙動からそのぜい弱性を調べる試験。 

spall impact test 

background image

44 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

32061 

低速クックオフ試
験 

物品又は鋼製容器内の爆発性物質を,オーブン内でセ

氏3.3°/hrの加熱速度で加熱し,物品若しくは容器の

破壊状態やクレータから爆ごう(轟)の有無を調べる

試験。ぜい弱性試験の一つ。 

slow cook-off test 

スロークッ

クオフ試験 

32062 

スーザン試験 

爆発性物質の高速衝撃に対する感度試験の一種で,試

料を装てんした発射体を火器から発射して一定の速

度で鋼鉄板に衝突させた場合,発生する爆風過圧の最

大値を測定し,試料の爆発が起こりやすいか否か(ぜ

い弱性が高いか低いか)を調べる試験。 

Susan impact test 

32063 

雷管起爆力試験 

雷管の起爆力を調べる試験で,鈍性爆薬試験や鉛板試

験などがある。 

detonator strength test 

32064 

鈍性爆薬試験 

雷管起爆力試験の一つ。TNTとタルク粉とを混合した

鈍性爆薬を雷管で起爆し,不爆となる混合比から雷管

の起爆力を判定する。 

Haid test 

ハイド試験 

32065 

鉛板試験 

雷管起爆力試験の一つ。厚さ4mmの鉛板の中央に雷

管を直立させて起爆し,その鉛板貫通力を調べて雷管

の起爆力を判定する。 

lead plate test 

32066 

点火電流試験 

電気雷管などに所定電流を所定時間通電し,点火又は

爆発の有無を調べる試験。 

electric current sensitivity 

test 

発火電流試

験 

32067 

耐静電気試験 

高圧コンデンサ (2 000pF) を8kVに充電し,この電圧

を電気雷管の短絡した脚線と管体との間に印加した

ときの発火の有無から電気雷管の耐静電気性を調べ

る試験。 

anti-static electricity test 

for electric detonator 

32068 

燃焼秒時試験 

導火線の一端に点火し,火炎が一定距離に到達するま

での時間から燃焼秒時を調べる試験。 

burning time test 

32069 

点火力試験 

ガラス管内にある所定長さの第1導火線に点火し,そ

の終末炎が一定距離離れた第2導火線に点火するか否

かから導火線の点火力を調べる試験。 

safety fuse ignition test 

32070 

ボンブカロリメー
タ試験 

ボンブ内で試料を燃焼させ,その発熱量を求める試

験。 

bomb calorimeter test 

密閉型熱量

測定試験 

32071 

ビエイユボンブ試

験 

発射薬,推進薬を密閉ボンブ内で燃焼させ,その時間

−圧力曲線から火薬の力,コボリウム,ビバシチ及び

形状関数などを求める試験。 

Vieille bomb test,  

closed bomb test 

密閉ボンブ

試験, 

ボンブテス

ト 

32072 

静止燃焼試験 

ロケットエンジンなどをスタンドに静置した状態で

燃焼させ,推力や燃焼圧力などを測定する試験。 

static firing test 

静置燃焼試

験, 

地上燃焼試

験 

32073 

ストランド燃焼試
験 

棒状(ストランド状)の推進薬などの試料をストラン

ド燃焼器内で燃焼させ,燃焼速度,その温度感度など

の燃焼特性を調べる試験。 

strand burning test 

ストランド

バーナ試験 

32074 

スピン燃焼試験 

ロケットモータを回転させて燃焼させ,圧力,推力な

どの燃焼特性を調べる試験。 

spin firing test 

32075 

中断燃焼試験 

燃焼中のロケットモータの燃焼を中断させ,グレイン

形状などを測定して侵食燃焼,燃焼機構などを調べる

試験。 

burning interruption test 

燃焼中断試

験 

32076 

高空燃焼試験 

ロケットモータを高空を模擬した真空状態で燃焼さ

せ,着火特性及び推力,圧力などの燃焼特性を調べる

試験。 

high altitude simulation 

firing test 

真空燃焼試

験 

32077 

Tバーナ試験 

T字形の燃焼器の両端に推進薬をセットして燃焼さ

せ,異常燃焼が発生しやすいか否かを調べる試験。 

T-burner test 

background image

45 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

32078 

衝撃波管試験 

衝撃波管の低圧部端面に設置した推進薬の試料に衝

撃波をあて,その着火状況などを観測する衝撃感度試

験。 

shock tube test 

ショックチ

ューブ試験 

32079 

エロージョンボン
ブ試験 

高圧容器に小孔のある鋼片を取り付け,発射薬を燃焼

させて燃焼生成ガスを噴出させ,鋼片質量の減少を測

定することによって,銃砲身に対する発射薬の焼食性

を調べる試験。 

erosion bomb test 

d) 保安 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

41001 

火薬類取締法 

火薬類の製造,販売,貯蔵,運搬,消費その他の取扱

いを規制することによって,火薬類による災害を防止

し,公共の安全を確保することを目的とする法律。 

Explosives Control Law 

41002 

火薬類取締法施行
令 

火薬類取締法の規定に従って,火薬類取締法の施行期

日,手数料及び通商産業大臣と国家公安委員会との関

係などについて規定した政令。 

41003 

火薬類取締法施行
規則 

火薬類取締法令を施行するために通商産業大臣が制

定した規則。 

41004 

変形 

火薬類の実質に変化を加えない加工。 

例えば,爆薬包を半分にするなど。 

41005 

修理 

火薬類の実質に変化を加える加工。 

例えば,安定度の低下した無煙火薬に,安定剤を追加

して再生させるなど。 

repair 

41006 

危険区域 

危険工室,火薬類一時置場,爆発試験場,廃薬焼却場

などとこれらに関連する施設が設置されている区域。 

danger zone 

41007 

危険工室 

火薬類の製造作業を行うために設けられた建築物で

あって,爆発又は発火の危険があるもの。 

41008 

火薬類一時置場 

火薬類製造において一時的に火薬類を保管する場所。   

41009 

定員 

危険工室などに同時に立ち入ることのできる従業員

の最大員数。 

作業者,運搬者,試料採取者に分け,それぞれ一定の

限度以下で定められる。 

full strength 

41010 

停滞量 

危険工室,火薬類一時置場などに同時に存置すること

ができる火薬類の最大数量。 

41011 

保安物件 

火薬類の製造施設又は火薬庫における火薬類の爆発

若しくは燃焼による影響から,保護しなければならな

い物件。 

41012 

保安距離 

火薬庫又は火薬類製造所の危険工室などと保安物件

との間に保有すべき距離。 

safety distance,  

quantity distance 

41013 

保安間隔 

危険工室などの相互間に,又は危険工室などが製造所

内の他の施設との間に保有すべき距離。 

intraline distance 

41014 

移動式製造設備 

硝安油剤爆薬を製造するための設備であって,地盤面

に対して移動することができるもの。 

41015 

危険間隔 

移動式製造設備用工室又は移動式製造設備と製造所

内の他の施設及び発破場所との間に保有すべき距離。 

41016 

移動区域 

移動式製造設備を用いて硝安油剤爆薬を製造する区

域。 

41017 

土堤 

火薬類が爆発した際の爆風圧を遮断する土製の爆風

遮断用施設。 

mound of earth 

background image

46 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

41018 

防爆壁 

爆発の危険のある工室などと他の施設との間に設け

る爆風遮断用壁体。 

barricade 

41019 

防火壁 

発火の危険のある工室などと他の施設との間に設け

る火炎などの遮断用壁体。 

fire wall 

41020 

放爆式構造 

危険工室の壁体の三方を強固な鉄筋コンクリート製

の厚い構造として爆発力に耐えさせ,その爆発力を前

方及び上方へ解放させる構造。屋根も強固にして,爆

発力を前方だけに解放させる構造もある。また,強固

な三方の壁体の一つに出入口を設けた準放爆式構造

もある。 

41021 

火薬類危害予防規
程 

火薬類製造作業上発生する災害を防止するため,当該

製造業者が危害予防の具体的細目について定めた規

程。 

41022 

貯蔵 

火薬類をある程度長期間にわたって特定の場所に停

滞させること。 

storage 

41023 

火薬庫 

火薬類を貯蔵するために設けられた施設。 

magazine 

41024 

保安検査 

火薬類の爆発又は発火の危険のある製造施設若しく

は火薬庫について定期的に行う検査。 

safety inspection 

41025 

火薬類取扱所 

火薬類の消費場所において,火薬類の管理及び発破の

準備を行うための施設。 

41026 

火工所 

火薬類の消費場所において,薬包に工業雷管,電気雷

管などを取り付け,又はこれらを取り付けた薬包を取

り扱う作業を行う施設。 

41027 

残火薬類 

火薬類の製造業者及び販売業者がその営業を廃止し

たとき,又は消費者が消費することを要しなくなった

火薬類。 

41028 

保安教育 

火薬類の製造業者,販売業者,消費者又は運搬者がそ

の従業者に行うべき火薬類の保安に関する教育のこ

と。 

safety training 

41029 

探知剤 

可塑性爆薬の探知のために混入される高蒸気圧のニ

トロ化合物又は硝酸エステル。 

識別措置に関する条約が,1991年国際民間航空機関で

採択されている。 

指定物質:ニトログリコール,2, 3-ジメチル-2, 3-ジニ

トロブタン,o-ニトロトルエン,p-ニトロトルエン 

detection agent 

41030 

危険区分 

火薬類が実際に運搬されるときの包装及び態様にお

ける危険性の種類,程度に応じてそれを区分したも

の。 

危険物の運搬に関する国連勧告を導入した平成10年

通商産業省告示149号に基づくJIS K 4828-1に規定

した1.1〜1.6までの6区分がある。 

41031 

隔離区分 

火薬類の種類,特性に応じてそれを区分,グループ分

けをしたもの。 

危険物の運搬に関する国連勧告を導入した平成10年

通商産業省告示149号に基づくJIS K 4828-1に規定

したA,B,C,D,E,F,G,H,J,K,L,N,Sの

13区分がある。 

e) 消費 

background image

47 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 発破 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

51001 

発破 

火薬類を爆発させて岩石などの物体を破壊すること。 

blasting 

爆破, 

爆砕 

51002 

明かり発破 

土木工事,採石場,鉱山などの露天で行う発破。坑内

発破に対する用語。 

open cast blasting,  

surface blasting,  

open [pit] blasting 

露天発破 

51003 

ベンチ発破 

二つ以上の自由面を作ることによって,階段状に掘削

する発破。 

bench blasting,  

bench cut [blasting] 

ベンチカッ

ト[発破], 

階段発破 

51004 

採石発破 

骨材などの岩石を採取するために行う発破。 

quarry blasting 

51005 

盤下げ発破 

a) 

坑道などの下盤を掘削するための発破。 

b) 

広い面積のレベルを下げるため,一自由面で行う

発破。 

levelling,  

sinking blasting 

盤打ち発破 

51006 

トレンチ発破 

探査掘削,水路掘削,管敷設などの目的のため,溝を

作る発破。 

trench blasting 

溝掘り発破, 

側溝発破 

51007 

小割発破 

岩石や鉱石の大塊を積み込み可能,クラッシャなどに

よる破砕可能及び盛り立て可能な大きさにする発破。 

せん孔法,張り付け法などの方法がある。 

secondary blasting,  

secondary shot 

二次発破 

51008 

玉石(たまいし)

発破 

玉石(転石)として存在する大塊を破砕する発破。 

boulder blasting,  

boulder shot 

転石発破 

51009 

ゆるめ発破 

ブルドーザによる岩石破砕の効率を高めるため,あら

かじめ掘削位置を人工的にき裂の多い状態にする発

破。 

通常,振動,騒音,飛石などに対処するため単位体積

当たりの薬量を少なくして発破が行われる。 

loosening blasting,  

preblasting 

予備発破, 

先行発破 

51010 

ワイドスペース発
破 

多列段発発破において,せん孔径,せん孔長,せん孔

数及び1孔当たりの装薬量は変えないで,せん孔間隔

と最小抵抗線の比を4 : 1〜8 : 1程度にとり,かつせん

孔を千鳥形配列にすることによって,破砕粒径を細か

くし,かつ均一にする発破。 

wide space blasting 

51011 

坑道式発破 

坑道を掘進し,その内部に大量の爆薬を集中的に装薬

して行う発破。 

coyote blasting,  

chamber blasting 

大発破 

51012 

坑内発破 

地下掘削で用いられる発破。 

明かり発破に対する用語。 

underground blasting 

51013 

掘進発破 

坑道又はずい道において切羽面を自由面とし,その切

羽を前進させながら行う発破。 

drift round,  

drifting blasting 

トンネル発

破 

51014 

立坑掘削発破 

立坑を掘削するための発破。 

立ち上がり,切り下がり及び拡幅の発破がある。 

shaft sinking blasting,  

shaft raising blasting 

51015 

水中発破 

岩石などの発破対象物が水中にある状態で行われる

発破。 

submarine blasting,  

underwater blasting 

51016 

氷発破 

火薬類を用いて氷を破砕する発破。 

ice-hole blasting,  

ice jams blasting 

51017 

抜根発破 

樹木伐採の後,爆薬を用いて切株を除去する発破。 

stump blasting 

51018 

さく井(せい)発

破 

採取する石油などの流体の流量を増すため,さく井内

部で行う発破。 

well shooting,  

well blasting 

51019 

雪崩(なだれ)発
破 

人工的になだれを起こすための発破。 

一方向に噴出するようにした発破ガスの力,又は発破

によって発生する振動,爆風及び音によってなだれを

起こす。 

snowsliding blasting 

background image

48 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

51020 

都市発破 

市街地や工場内における構築物の解体,又は破砕除去

のための発破。 

demolition blasting,  

urban blasting 

解体発破 

51021 

制御発破 

a) 

振動,音,飛石を抑制するため,爆薬の破壊力を

制御して行う発破。 

a) cautious blasting 

b) 

破壊の程度が適度になるように,爆薬の破壊力を

制御して行う発破。 

b) controlled  

blasting  

51022 

スムースブラステ
ィング 

発破後の壁面の損傷をできるだけ少なく,かつ,その

仕上面の凹凸を小さくするための発破。 

最終段で点火される制御発破の一種。 

smooth blasting,  

contour blasting 

51023 

プレスプリッティ

ング 

発破後の壁面の損傷をできるだけ少なく,かつ,その

仕上面の凹凸を小さくするために,主発破に先立ち,

掘削線に沿って亀裂を入れるための発破。 

制御発破の一種。 

presplitting [blasting],  

preshearing [blasting] 

PSB 

51024 

クッション発破 

発破孔内の込め物と爆薬の間,爆薬と爆薬の間又は爆

薬の周囲にクッションピースなどを用いて空げき

(隙)を設けて行う発破。 

制御発破の一種。 

cushion blasting 

51025 

はりつけ発破 

破壊すべき目的物の表面に火薬類を密着させて行う

発破。 

小割発破や水中発破で応用される。 

火薬類を粘土などで覆って行う場合には,覆土発破 

(mud-cap blasting) という。 

external charge,  

plaster shooting 

外部[装薬]

発破 

51026 

根切り発破 

ベンチ発破において,ベンチ床面の掘り起こしをよく

するための発破。 

ベンチ発破と同時に行う場合と別に行う場合がある。 

toe [hole] blasting 

トウホール, 

スネークホ

ール 

51027 

長孔発破 

a) 

通常の発破に比べて長い発破孔を用いる発破。 

b) 

切羽に平行で,最小抵抗線の2倍以上の長さの発

破孔に装薬して行う発破。 

long hole blasting 

51028 

単列発破 

ベンチ発破において,自由面に対して一列だけの発破

孔で行う発破。 

single row blasting,  

single row shot 

51029 

多列発破 

ベンチ発破において二列以上の発破孔の起爆を1回の

発破作業で行う発破。 

一般的には,前段の発破によって作られた面を新自由

面とし,段発発破によって行われる。 

multiple row blasting,  

multiple row shot 

51030 

発破孔 

発破において火薬類を装てんするためにせん孔した

孔。 

borehole,  

drill hole,  

blast hole 

せん孔ボア

ホール 

51031 

心抜 

(しんぬき) 

掘進発破で切羽の中心部を最初に起爆することによ

って新しい自由面を作り,以後の発破を効果的にする

ために行う発破。 

主な心抜のパターンとしては,アングルカットとパラ

レルカットがある。 

[center] cut 

51032 

心助 

(しんすけ) 

心抜だけでは十分な自由面を形成できない場合に,心

抜のすぐ近くの外側に配置し,心抜を助ける働きをす

る発破孔。 

心抜に続いて点火し,より確実に自由面を作ることを

目的とする。 

cut spreader shot,  

loosening shot 

background image

49 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

51033 

周辺孔 

トンネル又は立孔掘削の掘削線に沿った発破孔。 

contour hole,  

trim hole,  

perimeter hole 

51034 

払い 

a) 

心抜発破によって形成された心抜孔を利用して,

所定の断面まで切り広げるために行う発破。 

b) 

二自由面を利用する発破。 

reliever shot,  

easer shot 

51035 

天盤[孔] 

(てんばんこう) 

払い孔のうち,トンネル断面の上部にある装薬孔。 

roof hole,  

back hole 

51036 

踏まえ[孔] 

a) 

トンネル発破において,トンネル断面の最下部又

はそこにせん孔した装薬孔。 

b) 

ベンチ発破において,ベンチ面と下ベンチの境界

の部分,又はそこにせん孔した装薬孔。 

floor hole,  

lifter hole,  

toe hole 

51037 

アングルカット 

心抜の一形式で,切羽に対して角度をつけたせん孔に

装薬する方法。 

angle cut 

51038 

パラレルカット 

心抜の一形式で,切羽に対して直角にせん孔し,装薬

する方法。 

parallel [hole] cut 

51039 

クレータカット 

心抜のパラレルカットの一つで,切羽面に垂直で相互

に平行な孔を近接してせん孔し,爆薬を集中的に装薬

し,岩盤をクレータ状に破砕する一自由面発破。 

crater blasting,  

VCR,  

vertical crater retreat 

51040 

バーンカット 

心抜のパラレルカットの一つで,切羽に直角かつ近接

してせん孔された複数の孔を,装薬孔及び空孔に分

け,空孔を補助的な自由面として利用して行う方法。 

大孔径の空孔を利用するものをシリンダカット 

(cylinder cut) という。 

burn cut 

51041 

ハウザーの公式 

一自由面発破において用いられる薬量算定式。標準装

薬量をL,最小抵抗線をW,爆破係数(又は発破係数)

をCとすると,L=CW3で表される。 

爆破係数(又は発破係数)Cは岩石の爆破に対する抵

抗性,爆薬の威力及びてんそく状態に関係し,岩石抗

力係数g,爆薬威力係数e,てんそく係数dを用いて,

C=g・e・dで与えられる。 

51042 

爆薬威力係数 

ハウザーの公式において用いられる係数の一つで,使

用する爆薬の威力の標準爆薬の威力に対する比の逆

数。 

51043 

岩石抗力係数 

ハウザーの公式において用いられる係数の一つで,岩

石の破砕に対する抵抗性。 

標準爆薬を用いた場合,岩石1m3を破砕するための爆

薬使用量kgで表す。 

51044 

てんそく係数 

ハウザーの公式において用いられる係数の一つで,て

んそくの程度に依存する係数。 

51045 

自由面 

破砕対象物が外界(空気又は水)と接している面。 

free face 

51046 

最小抵抗線 

装薬の中心と自由面との間の最短距離。 

burden 

荷, 

荷重 

51047 

孔間隔 

発破孔間の間隔。 

spacing 

51048 

クレータテスト 

岩盤に爆薬を装てんし,発破することによって生じる

漏斗孔の形状,大きさを比較し,爆薬の威力や岩石の

抵抗性などを調べる試験。 

crater test 

51049 

漏斗孔 

(ろうとこう) 

爆薬が爆ごうしたときに,岩盤面にできる漏斗状の

孔。 

crater 

クレータ 

background image

50 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

51050 

過装薬 

希望する破砕の程度に比べて,過度に破砕が行われる

装薬。 

飛石の原因になる。 

over charge 

51051 

弱装薬 

希望する破砕の程度に比べて,破砕の程度が低い装

薬。 

under charge 

51052 

標準装薬 

クレータテストにおいて,漏斗孔の頂角がほぼ90度

になる発破を行うことができる薬量。 

51053 

臨界深度 

爆破薬を岩石などに装てんして爆ごうさせたとき,自

由面上に何らの破壊も生じない限界の最小抵抗線。 

critical depth 

51054 

掘進長 

トンネル掘進などにおいて,掘進方向に1回の発破で

進行する長さ。 

advance 

のび 

51055 

サブドリリング 

ベンチ発破において,孔長をベンチ高さよりも余分に

せん孔すること。又は,その余分の部分。 

subdrilling 

補足せん孔 

51056 

孔尻 

a) 

発破の後,破壊されずに残った発破孔の奥の部

分。 

b) 

発破孔の奥の部分。 

c) 

発破孔の孔底。 

a),b) bootleg,  

socket, 

butt 

c) bottom 

51057 

装てん 

発破孔に爆破薬や込め物を詰めること。 

charging,  

loading 

51058 

密装てん 

爆破薬を孔内にすきまなく装てんすること。 

51059 

集中装薬 

塊状にまとめた形をした装薬。 

柱状装薬に対する用語。 

concentrated charge 

51060 

柱状装薬 

発破孔内において,切れ目なく柱状に装てんされた装

薬。 

集中装薬に対する用語。 

column charge 

51061 

デッキチャージ 

爆薬を発破孔内に連続的に装てんせず,爆薬と爆薬と

の間に込め物などをして行う装薬。 

deck charge,  

deck loading 

分散装薬 

51062 

適正装薬 

計画したとおりの発破結果が得られる装薬量。 

adequate charge 

51063 

タンピング 

a) 

込め物 

b) 

込め物を詰めること。 

stemming,  

tamping 

てんそく, 

タンパ 

51064 

親ダイ 

発破において雷管を取り付けた薬包。 

primer charge 

管付薬包プ

ライマ 

51065 

増(まし)ダイ 

装薬のうち,親ダイ以外の薬包。 

stick 

51066 

斉発[発破] 

a) 

多数の発破孔を同時に点火し,同時に起爆するこ

と。 

段発[発破]に対する用語。 

b) 

多数の発破孔を同時に点火すること。 

続いて同時に起爆するか否かは問わない。 

simultaneous shot firing 

51067 

段発[発破] 

段発電気雷管などを多用し,多数の発破孔を時間間隔

をつけて起爆すること。 

時間間隔の秒時によって,MS(ミリセコンド)発破

又はDS(デシセコンド)発破などがある。 

斉発[発破](51066斉発[発破]a)に対する用語。 

delay blasting,  

delay firing 

51068 

結線 

電気点火においては発破母線,補助母線と脚線,又は

発破母線と脚線を連結して,発破回路を作ること。 

直列,並列,及び直並列結線がある。 

導火管発破においては導火管と導爆線又は導火管と

導火管付き雷管とを連結すること。 

connection 

background image

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番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

51069 

正起爆 

発破孔内の装薬列において,主として雷管の挿入が奥

に向かう親ダイを口元側におく起爆方法。 

direct firing,  

collar firing 

口元起爆 

51070 

逆起爆 

発破孔内の装薬列において,主として雷管の挿入が口

元側に向かう親ダイを孔底におく起爆方法。 

indirect firing,  

bottom firing 

孔底起爆 

51071 

電気発破 

電気雷管を用いる発破。 

electric blasting 

51072 

電磁誘導起爆 

電気発破の起爆機構を電磁波の誘導作用によって作

動させて行う起爆方法。 

51073 

超音波起爆 

電気発破の起爆機構を超音波で作動させて行う起爆

方法。 

51074 

非電気式発破 

起爆に電気を用いない発破。 

non-electric blasting 

51075 

導火線発破 

導火線と工業雷管とを用いる発破。 

cap and fuse blasting 

51076 

雷管挿入棒 

雷管を薬包に挿入するとき,薬包に孔を開けるために

用いる棒。 

51077 

雷管口締め器 

工業雷管に導火線の端末を挿入し,工業雷管の管体を

締め,両者を固定するための締付具。 

手ばさみ(鋏)式と固定式のものがある。 

cap crimper,  

crimping tool 

51078 

キューレン 

発破孔に爆破薬を装てんする前に,発破孔内のくり粉

などをかき出すために用いる先端が耳かき状になっ

ている棒。 

scraper 

51079 

クッションピース 

クッション発破の場合,爆薬の周囲や薬包間に空げき

を作るために用いる用具。 

cushion piece,  

spacer 

スペーサ 

51080 

込め棒 

発破孔に爆破薬や,込め物の装てんを行うために用い

る棒。 

tamping rod,  

tamping pole 

てんそく棒 

51081 

込め物 

発破孔に爆破薬を装てんした後,その孔に更に発破効

果を有効にするために充てんする材料。 

粘土,砂など。 

stemming,  

tamping 

あんこ, 

てんそく 

51082 

空気装てん機 

圧縮空気によって発破孔に爆破薬を装てんする機器。 

硝安油剤爆薬のようなバルク状のものを装てんする

ものと,薬包を装てんするものとがある。 

pneumatic loading 

equipment,  

pneumatic [cartridge] 

loader,  

charger 

チャージャ 

51083 

発破母線 

電気雷管の脚線又は補助母線と発破器とをつなぐ電

線。 

shot firing cable,  

leading wire 

51084 

補助母線 

発破母線が発破による飛散物で損傷されるのを防ぐ

ため,電気雷管の脚線と発破母線との間に用いる電

線。 

connecting wire 

補助脚線 

51085 

発破器 

電気雷管に電流を通すための点火器。 

blasting machine,  

blaster,  

exploder 

電気発破器, 

発破用電気

点火器 

51086 

導通試験器 

発破回路などの電気抵抗を,微弱電流を用いて測定し

その回路の異常の有無を調べる試験器。 

circuit tester 

テスタ 

51087 

防爆マット 

発破による飛散物や音を抑えるため,発破孔上又は防

護対象物を覆うマット。 

blasting mat 

51088 

防護シート 

発破飛散物又は爆風を防ぐために被破砕物若しくは

保安物件などを覆うためのシート。 

blasting sheet 

background image

52 

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番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

51089 

デカップリング指
数 

爆薬と発破孔との相対的な関係を表す指数。 

デカップリング指数=(発破孔の直径)/(爆薬の直

径)で与えられる。 

発破孔の容積と爆薬の容積との比をとる体積デカッ

プリング指数 (volume decoupling index) も用いられ

る。 

decoupling index 

51090 

迷走電流 

各種の電気機器などから,地面,岩盤などに漏えいし

て流れる電流,金属鉱山などの自然界に発生している

電流。 

電気雷管の暴発を招くことがある。 

stray current 

漏えい電流 

51091 

奥鳴り 

発破において,漏斗孔も生じないで,鉄砲にもならな

い爆発の状況。 

blind shot 

51092 

鉄砲 

発破において,爆発ガスが岩石を破壊することに役立

たないで,あたかも鉄砲を打ったように発破孔から吹

き出すこと。 

blown-out shot 

吹き出し, 

空吹き 

51093 

逆鳴り 

(ぎゃくなり) 

段発発破において,爆発順序が逆になる現象。 

51094 

不発 

発破において,点火したにもかかわらず爆発しないこ

と。 

misfire 

不爆 

51095 

暴発 

正規の手順以外の要因で火薬類が爆発すること。 

51096 

カットオフ 

段発発破において,前段の発破によって後段の装薬の

一部が破砕岩の一部とともに切り取られること。 

cut-off 

51097 

残留薬 

発破後爆発しないままに残った装薬。 

remaining charge,  

unexploded charge 

51098 

バックブレーク 

ベンチ発破で,発破予定線の背後まで破壊されるこ

と。 

back break,  

out break,  

over break 

51099 

余掘り 

トンネル発破などにおいて,掘削予定断面以上に掘れ

ること。 

over break,  

out break 

51100 

後ガス 

発破などで火薬類の爆発によって生成したガス。 

fume 

51101 

飛石 

(とびいし) 

発破したときに異常に飛散する岩石。 

fly rock 

51102 

切羽 

(きりは) 

トンネル,坑道,又はベンチカットで掘削を行う場所。  face 

51103 

全断面掘削発破工
法 

トンネルの全断面を一度に発破をかけて掘削する工

法。 

full face blasting 

51104 

ナトム工法 

new Austrian tunnelling methodのことで,在来の鋼アー

チ支保工,矢板にかえて,地山の挙動を計測しつつ,

吹き付けコンクリートとロックボルトによって支保

を行うトンネル施工法。 

周辺孔の発破にはスムースブラスティングを行うこ

とが多い。 

NATM 

51105 

端縁(はぶち)処
理 

明り発破において急斜面上の端部から落石や転石を

生じさせないための処理方法。 

発破による方法などがある。 

51106 

静的破砕剤 

水和反応などによって生じる膨張圧を利用して,岩石

やコンクリートにき裂を発生させて破砕する石灰系

無機化合物を主体とする非火薬の粉末剤。 

non-exlosive demolition 

agent  

background image

53 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

51107 

点火器 

電気雷管及び非電気式雷管を起爆するための起爆用

器具。 

ロケット,煙火などの点火用のものもある。 

2) 爆発加工 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

52001 

爆発加工 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,金属材料に加工を

行うことの総称。 

explosive working 

52002 

爆発成形 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,金属材料を所定の

形状に変形させること。 

explosive forming 

52003 

爆発圧着 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,同種又は異種の金

属材料を張り合わせること。 

explosive cladding 

52004 

爆発溶接 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,同種又は異種の金

属を点又は線状に圧接すること。 

explosive welding 

爆発圧接 

52005 

爆発接合 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,金属管,金属棒,

金属線などをつなぎ合わせること。 

explosive jointing 

52006 

爆発拡管 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,金属管類の拡管を

行うこと。 

explosive expanding 

52007 

爆発切断 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,金属などの切断を

行うこと。 

explosive cutting 

52008 

爆発硬化 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,金属表面を硬化さ

せること。 

explosive hardening 

52009 

爆発圧さく 

火薬類の爆発エネルギーを用いて,金属の粉末を圧さ

く(搾)すること。 

explosive compaction 

爆発圧縮 

52010 

爆発合成 

爆薬の爆発効果によって得られる高温と高圧を利用

して,物質の合成を行うこと。 

平面波法と円筒法とがある。 

ダイヤモンドや窒化ほう素の製造に利用される。 

explosive synthesis 

3) 発射・推進 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

53001 

グレイン 

a) 

発射薬の粒子。 

b) 

成形された単一の推進薬。 

grain 

a) 薬粒, 

グレン 

b) 薬幹, 

グレン 

53002 

標準装薬 

銃砲弾を基準初速で発射するために必要な装薬。 

normal charge 

適正装薬, 

常装薬 

53003 

増装薬 

基準初速を超える初速で弾丸を発射するために必要

な装薬。 

proof charge,  

supercharge 

増加装薬 

53004 

減装薬 

基準初速未満の初速で弾丸を発射するのに必要な装

薬。 

reduced charge 

53005 

複合装薬 

薬包に分割して収納された装薬において,薬包によっ

て異なる薬勢の発射薬を含むもの。 

complex charge,  

dual granulation charge 

複粒装薬 

53006 

分離装薬 

弾丸装薬及び火管を別々に装てんする火砲において,

射距離に応じて装薬の量並びに組み合わせの調整が

可能なように全装薬が薬包に分割されたもの。 

separate charge 

background image

54 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

53007 

発射 

火薬の推進力を利用して弾丸やロケットを飛しょう

させること。 

fire,  

shot(弾丸の場合), 

launch(ロケットの場合) 

53008 

クレー射撃 

ピッチと石灰の混合物の皿,すなわち,クレービジョ

ン(通常,クレーという。)を種々の方向に放出させ,

これを散弾銃で射撃する競技。 

クレーの飛ばせ方を異にするトラップ射撃とスキー

ト射撃とがある。 

clay shooting 

53009 

口径 

a) 

銃砲発射口の内面の直径。 

こう(腔)旋を施したものでは山から山までの直

径をいう。 

b) 

砲身などの長さを示す単位で,内面直径の倍数で

表される。 

bore diameter,  

caliber 

53010 

番径 

散弾銃の口径[53009口径a)]の呼び名。 

銃の番径が12番とは,1ポンドの鉛を12等分しそれ

を真球にした場合の球の直径に等しい口径。 

例えば, 

12番 18.5mm 

20番 15.6mm 

gage (gauge) 

ゲージ 

53011 

ショットコロン 

散弾銃射撃において,散弾の進行方向における先頭の

弾と後尾の弾との間の散弾の散布状況。 

shot column 

ショットコ

ラム 

53012 

パターン 

散弾銃の射撃において,銃身軸の延長に対して直角な

平面上の散弾の散布状況。 

pattern 

53013 

早発 

火砲内で発射薬が所定時間前に発火すること。 

premature firing 

過早発 

53014 

内部弾道学 

弾丸が砲口を出るまでの砲こう内の物理化学変化を

取り扱う学問。 

interior ballistics 

砲内弾道学 

53015 

起動圧 

銃砲のこう内で発射薬が燃焼し圧力が高まり弾丸が

動き出すときの圧力。 

shot start pressure 

53016 

薬勢 

燃焼速度,燃焼圧力など発射薬に必要な性能。 

powder potential 

53017 

燃焼比 

発射薬において燃焼した火薬量と燃焼前の火薬量の

比。 

combustion ratio,  

fraction of propellant  

consumed,  

percent grain  

consumed 

53018 

燃焼完了点 

砲内において発射薬が完全に燃焼し終わる点。 

burn out 

53019 

砲口炎 

砲弾が砲を離脱する際に砲口に生じる炎。 

muzzle flash 

53020 

後炎 

火器の砲尾又は銃尾に発生する炎。 

breech flash 

さか火 

53021 

圧力効率 

砲こう内平均圧力を最大砲こう圧力で割った値。 

一般に圧力効率が高いときは砲こう内の弾丸の移動

に伴う圧力変化がより平らになる。 

piezometric efficiency 

ピエゾメト

リック効率 

53022 

外部弾道学 

弾丸やロケットが発射された後の運動を取り扱う学

問。 

exterior ballistics 

砲外弾道学 

53023 

存速 

(ぞんそく) 

弾道上の任意の点における飛しょう弾丸の速度。 

remaining velocity 

53024 

弾道効率 

発射薬の全エネルギーに対する弾丸の運動エネルギ

ーの比。 

ballistic efficiency 

53025 

散弾 

散弾銃用装弾上部に装てんされる鉛製の弾丸。 

shot 

53026 

砲こう 

砲身内の空洞部。 

bore 

background image

55 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

53027 

撃針 

起爆薬を点火させるために雷管を刺突又は打撃する

針。 

firing pin,  

striker 

53028 

薬室 

装薬が装てんされる銃砲内の空間。 

chamber,  

powder chamber 

53029 

気象観測ロケット 

大気圏内における気温,風向及び風速等を測定するた

めに用いられるロケット。 

必要な高度まで観測機器を運搬するのに用いる。 

meteorological sounding 

rocket 

53030 

救命索ロケット 

救命索の一端を目標地点まで投射するためのロケッ

ト。 

人力では到達困難な場所に救命索を渡す際に用いら

れる。 

line throwing rocket 

53031 

ケースボンディン

グ 

推進薬のロケットモータへの組込み方式の一つでモ

ータケースに直接てん薬し,接合する方式。 

通常は推進薬とモータケースとの間に生じる種々の

応力を緩和するためエラストマを介在させる。 

case-bonded grain 

直てん 

53032 

フリースタンディ
ング 

推進薬をロケットモータに接着固定することなく単

に保持するだけの装てん方式で,ケースボンディング

に対応する用語。 

free standing 

53033 

ブロックボンディ
ング 

推進薬ブロック同士の接合。 

推進薬が大型になり,一体成形が困難な場合,いった

ん複数ブロックを分割作成後一体化するために採ら

れる手法。 

block bonding 

53034 

セグメント 

大型のロケットモータにおいて,一体で作成が困難な

場合,複数個の部分に分割作成後,一体化されたもの

の単位部分。 

segment 

53035 

オフロード 

a) 

推進薬量を減らすこと。 

b) 

銃又は砲に込められた弾丸若しくは弾薬を抜き

取ること。 

off-load,  

unload 

アンロード 

53036 

スライバ 

ロケットモータの作動終了後に燃え残る推進薬細片。 

sliver 

53037 

全面燃焼 

内孔をもつ推進薬において両端面を燃焼抑制処理し,

内外面から同時に燃焼させること。 

内面は燃焼の進行に伴い増面燃焼に,外面は減面燃焼

となるため全体として定面燃焼に近くなる。 

internal-external burning 

53038 

内面燃焼 

筒状の推進薬又は無煙火薬において内面だけが燃焼

面となること。 

このため外面及び両端面が燃焼抑制処理される。 

internal burning 

53039 

端面燃焼 

柱状推進薬の片端面から軸方向への燃焼。 

通常,側面及び他端面に燃焼抑制処理が施され,小推

力かつ長時間作動のロケットモータに利用される燃

焼方式の一つ。 

end-burning,  

cigarette burning 

53040 

二段推力 

推力の発生方式の一つで,通常,発射加速のための短

時間大推力と飛しょうのための長時間小推力との組

合せ。 

dual thrust 

53041 

サステーナ 

ブースタによって加速されたロケットの飛しょうを

継続させるために用いられるロケットモータ,又は同

一ロケットモータ内に組み込まれた長秒時推力を発

生する推進薬。 

sustainer 

background image

56 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

53042 

再着火 

何らかの原因で燃焼が中断されたロケットモータ内

の推進薬が,ロケットモータ内部の高温部からの熱伝

達,自己分解熱などによって昇温し再燃焼すること。 

re-ignition 

再点火 

53043 

カットオフ 

作動中のロケットモータの内部圧力を鏡板,ノズルな

どを切離すことによって急激に低下させ,推進薬の燃

焼を中断させること。 

cut-off 

燃焼中断 

53044 

内部制約係数 

推進薬燃焼表面積を推進薬燃焼ガス流出断面積で除

した値で,通常,KIと標記する。 

internal area ratio 

KI 

53045 

J係数 

内面燃焼方式のロケットモータにおいて,ノズルスロ

ート断面積を推進薬燃焼ガス流出断面積で除した値。 

通常,Jと標記する。 

この逆数をH係数といい,浸食燃焼と密接な関係があ

る。 

J coefficient 

53046 

MEOP 

最大予測作動圧力のことで,ロケットの使用環境下に

おいて燃焼室内で発生し得る最大の圧力。 

MEOPはmaximum expected operation pressureの略語。 

53047 

燃焼室 

推進薬を燃焼させ,高温,高圧ガスを得る容器。 

球形,円筒形などがある。 

combustion chamber 

53048 

フリーボリューム 

ロケットの燃焼室において燃焼ガスが充満し得る空

容積。 

free volume 

53049 

特性長さ 

燃焼室と同一の容積をもち,ノズルスロート部の直径

と同一の直径をもつとした場合の直円筒の長さ。 

L*=Vc/At 

(At:ノズルスロート断面積,L*:特性長さ,Vc:燃

焼室容積) 

燃焼ガスの滞留時間を表すパラメータ。 

characteristic chamber  

length,  

L-star 

L-スター 

53050 

膨張比 

燃焼室圧力とノズル出口圧力との比。 

expansion ratio 

53051 

面積膨張比 

ノズル出口断面積Acとノズルスロート断面積Atとの

比。 

ε=Ac/At 

ε:面積膨張比 

nozzle area expansion  

ratio,  

expansion area ratio 

ノズル開口

比 

53052 

最適膨張 

ノズル出口圧力と外気圧が等しく,最大のノズル効率

を得ることができる場合の膨張状態。 

optimum expansion 

53053 

不足膨張 

ノズル出口圧力が外気圧より高い場合の膨張状態。ノ

ズル出口面から膨張波が発生する。 

under-expansion 

53054 

過膨張 

ノズル出口圧力が外気圧より低い場合の膨張状態。 

ノズル壁面から斜め衝撃波を発生し,ノズル効率は著

しく低下する。 

over-expansion 

53055 

混合比 

推進薬に使用する酸化剤と燃料成分の混合比率。 

mixture ratio 

53056 

燃焼効率 

推進薬の実際に得られる反応熱と理論反応熱との比

率。 

combustion efficiency 

53057 

排気速度 

ロケットノズル出口から外気中へ排出されるガスの

速度。 

exhaust velocity 

53058 

有効排気速度 

ロケットの推力をすべて運動量推力に換算したとき

の排気速度。 

effective exhaust velocity 

53059 

平均推力 

推進装置が作動した時間に得られた推力の平均値。次

の式で定義される。 

=

ta

ta

dt

F

F

0

/

(t:時間,ta:作動時間,F:推力,F:平均推力) 

average thrust 

background image

57 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

53060 

推力係数 

ノズルにおける運動量変換効率を表す係数。次の式で

定義される。 

thrust coefficient 

()

()

(

)

t

e

c

a

c

e

c

e

A

A

P

P

P

P

P

P

F

C

+

=

+

+

γ

γ

γ

γ

γ

γ

γ

/)1

(

)1

)(

1

(

1

2

1

2

1

2

(Pa:外気圧,Pc:燃焼室圧力,Pe:ノズル出口圧力,Ae:ノズル出口断面積,At:ノズルスロー

ト断面積,CF:推力係数,γ:排気ガスの比熱比) 

53061 

特性排気速度 

有効排気速度Cと推力係数CFとの比。 

C*=C/CF 

C*:特性排気速度 

characteristic exhaust 

velocity 

53062 

残留推力 

固体ロケットの燃焼終了後,燃焼室内圧力がある値以

下,通常,67kPa以下になった領域での推力。 

これはインシュレーションの熱分解や推進薬のスラ

イバ燃焼による発生ガスが主原因である。 

residual thrust 

53063 

スラストテイルオ
フ 

ロケットモータの燃焼末期において,推力が基準値

(通常は最大推力の10%)以下に減衰した状態。 

thrust tail off 

53064 

全燃焼時間 

ロケットモータの燃焼が開始してから燃焼の完了す

るまでの時間。 

total burning time,  

total burning duration 

53065 

作動時間 

ロケットモータにおいて,固体推進薬が燃焼を開始し

てから完了するまでの間で,燃焼室内圧力がある値

(通常は最大値の10%)以上に維持されている時間。 

action time 

53066 

有効燃焼時間 

ロケットモータの燃焼において,着火して規定された

推力値(例えば,平均推力の90%)に達する時点と,

燃焼末期に推力が降下し規定された推力値(例えば,

平均推力の80%)に達する時点間の所要時間。 

effective burning time 

53067 

総推力 

ロケットモータの発生推力を推進薬の全燃焼時間に

わたって積分した値。 

total impulse,  

total thrust 

53068 

密度比推力 

推進薬の比推力と密度の積。 

density specific  

impulse 

53069 

構造質量 

ロケットモータの全質量から,推進薬及び消費された

物質を除いた残りの質量。 

structural mass 

53070 

構造効率 

ロケットモータの全質量から消費された推進薬質量

を減じた質量を,全質量で除した値。 

structural efficiency 

53071 

質量比 

構造質量とロケットモータの全質量の比。 

mass ratio 

53072 

推進薬質量比 

ロケットモータの推進薬質量と全質量の比。 

propellant mass ratio,  

propellant mass  

fraction 

53073 

推進薬充てん率 

ロケットモータ内の推進薬体積を燃焼室容積で除し

た値。 

propellant loading density 

体積充てん

率 

53074 

二相流 

アルミニウム含有推進薬の燃焼ガスの流れのように,

固体又は液体の粒子と気体との二相から成る流れ。 

two-phase flow 

混相流 

53075 

アブレーション 

高温高速の流れの中に置かれたFRPなどの材料が気

化又は分解してガス及び炭化層を生成し熱流速を低

減する現象。 

ablation 

53076 

モータケース 

ロケットモータの主要構成品で圧力容器となる最外

側の部分。 

motor case,  

chamber 

チャンバ 

53077 

ノズル 

推進薬の燃焼によって得られる熱エネルギーを運動

エネルギーに変換する装置で,先細部,スロート部及

び膨張部とから成るラバール管形式の部分。 

nozzle 

background image

58 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

53078 

スロート 

ノズルの流路断面積が最小になる部分。 

throat,  

nozzle throat 

ノズルスロ

ート 

f) 

煙火(花火) 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

61001 

花火 

煙火 (13040) とほぼ同じであるが,主として鑑賞,

娯楽などの目的に造られたもの,又はその現象。 

fireworks 

煙火 

61002 

打揚花火 

打揚玉を打揚筒から,打揚火薬の燃焼による圧力を利

用して,所望の高さの空中に打ち揚げ,上空で玉を開

発させる花火,又はその現象。 

aerial shell 

打揚煙火 

61003 

割物 

球状に開発させることを目的とした打揚花火。 

ぽか物に対し,玉皮も厚く,はり紙も強固に厚くはら

れている。球状でなく随意な構図になるように開発さ

せる場合もある。 

warimono 

61004 

ぽか[物] 

打ち揚げた玉を上空で二つに割り,雷粒,旗物,袋物

などの内容物を放出させることを主目的として造ら

れた打揚花火。 

玉が割れるときの様子を表現した名称。 

割物に対し,玉皮,外殻はり紙も薄い構成となってい

る。 

poka [mono] 

61005 

型物 

割物とぽか物の中間的な強さの玉殻に構成されてお

り,絵や文字など様々な構図になるように開発させる

花火。 

61006 

玉 

打揚玉のこと。一般に紙で造られた外殻に和剤で造ら

れた星や,袋物などを収納した花火。 

shell 

61007 

打揚筒 

花火打揚げのための筒及び上空でいろいろな放出物

を打ち出すための筒。 

[fireworks] mortar 

発射筒, 

筒 

61008 

打揚火薬 

打揚玉又は星類を打ち揚げるために用いる黒色火薬

で,主として黒色小粒火薬が用いられる。 

lifting charge 

揚薬, 

打揚薬, 

発射薬 

61009 

小割 

打揚花火で多数の花を咲かせるために,大きい外殻の

中に入っている小さな割物。 

61010 

落し火 

打揚火薬に着火させるために,打揚筒に投げ込む着火

用の火薬片。 

シンドル, 

投込薬, 

ロービ 

61011 

雷粒 

雷薬をほぼ球状に包装して,雷みちをつけた発音体。  banger 

らっきょう 

(慣用語) 

61012 

仕掛花火 

和剤を用い,何らかの仕掛を施した花火。 

枠仕掛,連発,金魚,張り物,立火,車花火,滝,綱,

からくり物など。 

exhibition fireworks 

仕掛煙火, 

仕掛 

61013 

ランス 

色火剤を細長い紙筒に詰めたもの。 

枠仕掛の火の画像などを現すのに用いる。 

lance 

管 

61014 

音物 

笛,雷,爆竹,はちなどの音を出すことを主とした花

火の総称。 

61015 

引玉 

塩素酸カリウム,赤りん,硫黄などからなる和剤を湿

式配合し,糸に塗布して紙で巻き乾燥させた音物花火

で,糸を引くことによって発火させるもの。 

主としてクリスマスクラッカーに使われる。 

pull cap 

background image

59 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

61016 

がん具花火 

花火のうち,がん具として用いられるおもちゃ花火。 

火薬類取締法施行規則第1条の5では,第1号から第

8号までを“がん具煙火”と定義しているが,がん具

花火といわれるものは,第1号の“がん具として用い

られる煙火”を指している。 

toy fireworks 

おもちゃ花

火, 

がん具煙火 

61017 

爆竹 

小径の紙筒に発音剤を詰め,導火線で連結した音物花

火。 

導火線の一端に点火すると,次々に爆発音を発する。 

fire cracker 

61018 

平玉 

音物がん具花火の1種。 

紙又はプラスチックの台紙の上に発音剤の泥薬を半

球状にして,縦横等間隔に配列塗付し,その上に薄い

紙をはったりプラスチックパイルをかぶせたりして,

乾燥させたもの。 

専ら,おもちゃの単発式ピストルに用いる。 

paper sheet cap 

(紙の場合), 

cap 

(プラスチックの場合) 

61019 

巻玉 

平玉と同じ発音剤の粒をテープ状の紙の上に一列等

間隔に配列して塗付し,巻いたもの。 

おもちゃの連発式ピストルに用いる。 

rolled paper cap 

61020 

クラッカボール 

発音剤を小砂利にまぶし,薄い紙で包んで固め球状に

するか,又は泥状のパルプで全面を包んで球状にして

乾燥したがん具花火。 

打撃で発火し,発音する。 

cracker ball 

かんしゃく

玉, 

投げ玉 

(慣用語) 

61021 

線香花火 

黒色火薬系和剤を和紙により込んだもの。又は,いぐ

さか稲穂茎の先端部に,その和剤を泥状にして塗付し

乾燥したもの。 

燃焼すると火の玉ができ,その火の玉からしだれ柳状

の火花と松葉状の火花を出すがん具花火。 

長手牡丹 

(慣用語), 

すぼ手牡丹, 

まつばぼた

ん 

(慣用語) 

61022 

競技用紙雷管 

運動会などの合図信号に用いる音物花火。 

平玉の薬量を増やしたもの。 

sports paper cap 

61023 

流星 

(りゅうせい) 

推進薬をつめた薬筒を青竹などに取り付けて打ち揚

げる花火。 

上空で小花,煙竜を放出するものやパラシュートの絵

柄などを見せるものもある。 

がん具花火にも,同様の効果を出す小型のものがあ

り,ロケット花火ともいう。 

竜勢 

(慣用語) 

61024 

重ね玉 

1本の筒に打揚火薬を入れ,その上に玉を2個以上重

ねて入れ,それらを同時に打ち揚げる方法。 

61025 

薬紙 

(やくし) 

和紙又は比較的薄くて強度の大きい紙に,泥状に練っ

た黒色火薬などを塗付乾燥したもの。 

主として,導火(みちび)への着火又は導火への燃焼

伝ぱをよくするために用いる。 

igniting paper 

はけ紙(刷

紙) 

(慣用語) 

61026 

着火線 

泥状に練った黒色火薬などをひもに塗付乾燥したも

の。 

主として導火(みちび)への着火をよくするために用

いる。 

門線 

(もんせん) 

(慣用語) 

61027 

導火 

(みちび) 

花火に用いられる親導(おやみち),雷コード,ロン

グヒューズなどの総称。 

fuse 

みち 

background image

60 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

61028 

親導 

(おやみち) 

打揚花火の玉に用いられる緩燃導火線で,打揚火薬の

火で点火され,上空で玉が開発するまでの時間を調整

する導火線。 

main fuse 

親コード, 

玉導 

61029 

雷コード 

雷粒などの点火に用いられる緩燃導火線の一種。 

雷導(らいみ

ち) 

61030 

速火線 

(そっかせん) 

黒色火薬などを塗った綿糸をろう引きした紙製の細

長いさやに通して,火が迅速に伝わるようにしたも

の。 

quick match 

61031 

ロングヒューズ 

速火線とほとんど同じ火工品であるが,紙さやなどで

補強されている。 

打揚花火や仕掛花火の遠隔点火用に用いる。 

long fuse 

61032 

曲導 

(きょくどう) 

打揚花火の外側に取り付ける小型の花火で,玉が上昇

途中でさまざまな現象(光,音,煙)を現すもの,又

はその現象。 

rising effects  

attachments 

61033 

虎の尾 

外殻の周囲全面に黒色火薬などの引和剤を塗付した

もので,打揚げと同時に全面に着火して尾を引きなが

ら上昇する曲導の一種。 

61034 

朴 

(ぼく) 

丈夫な紙筒に打星を詰めたものを外殻の表面に取り

付けたもので,打揚げと同時に着火燃焼し,尾を引き

又は色火を発しながら上昇するように工夫されてい

る曲導の一種。 

61035 

分砲 

丈夫な紙筒の両端に打星をつめたもの。 

点火によって同時に反対方向へ星又は小玉が飛び出

す打揚花火の仕掛,若しくはその現象。 

乱発 

61036 

焼金 

(やきがね) 

帯状の鉄棒を渦巻状に巻いたもの又は鉄の多孔円板

を赤く熱して打揚筒の底に入れ,次いで打揚薬を取り

付けた玉を落とし込み,次々と打ち揚げるためのも

の。 

61037 

玉皮 

(たまがわ) 

打揚花火の原材料として用いる球状の紙製又はプラ

スチック製の容器。 

通常,球状を二つに割ったおわん状。 

shell [casing] 

外殻 

61038 

外殻 

打揚花火製造のために,星などを詰め,外側に紙をは

るなどの加工を施した玉皮。 

玉皮と混同して使われることもある。 

shell [casing] 

玉皮 

61039 

玉はり 

玉の強度を増すために,外殻に紙をはり付ける作業。   

外殻はり付

け 

61040 

日乾場 

(にっかんば) 

花火の製造中の乾燥作業を日光及び風によって行わ

せるための台を設けた作業場。 

61041 

和剤 

花火の原料用の火薬又は爆薬。 

fireworks composition 

61042 

泥薬 

(でいやく) 

和剤にのり剤などを加え,泥状(スラリー状)にした

もの。 

トロ 

(慣用語) 

61043 

割薬 

打揚花火の玉を破裂させ,内容物の星などに着火さ

せ,同時に放出させるための和剤。 

bursting charge 

61044 

火花剤 

燃焼の際,火花を出すことを目的とする和剤。 

spark-producing  

composition 

61045 

火の粉剤 

燃焼の際,火の粉を出すことを目的とする和剤。 

glitter composition 

61046 

色火剤 

燃焼の際,色彩のある光や炎を出すことを目的とする

和剤。 

color-producing  

composition 

炎色剤 

background image

61 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

61047 

光剤 

(ひかりざい) 

燃焼の際,明るい炎を出し照明,信号又は鑑賞を目的

とする和剤。 

illuminant 

発光剤, 

照明剤, 

発炎剤 

61048 

曳光剤 

(えいこうざい) 

明るい炎の尾を出して燃焼し,照明又は信号を目的と

する和剤。 

光剤の一種。 

tracer 

61049 

発音剤 

音を出すことを目的とする和剤。 

爆発音を出すものや笛音を出すものなどがある。 

音薬 

61050 

星掛け 

菜種などの実や切星,打星などを心にして,色火剤,

着火剤などの和剤を泥薬及び粉薬とし,それらを交互

に塗付し,乾燥して球形の星を造っていく作業。 

61051 

星打ち 

和剤に少量ののり剤や溶剤を混ぜて型に詰め,つちや

きねなどでたたいて成形し,打星を造る作業。 

円柱形に成形する場合が多い。 

61052 

薬より 

和剤を紙により込む作業。 

61053 

塗薬 

(とやく) 

紙や半製品,星などに和剤の泥薬やのり剤を塗付する

作業。 

塗付する泥薬などをいうこともある。 

61054 

化粧巻き 

がん具花火の薬筒に,手持ち用の柄又は筒を取り付

け,同時に商品価値を高めることを目的として化粧紙

を巻き付ける作業。 

61055 

星 

炎,火花,火の粉,光,音,煙などを発する和剤を造

粒又は成形固化したもの。 

star 

61056 

圧搾星 

(あっさくぼし) 

和剤を型に詰めて圧さくして作った星。 

pressed star 

61057 

切星 

(きりぼし) 

和剤にのり剤を加えて水などで練り,板状にした後,

半乾燥状態で切断してほぼ立方体に造った星。 

cut star 

61058 

掛星 

(かけぼし) 

星掛けをして造った星。 

61059 

打星 

(うちぼし) 

星打ちをして造った星。 

pumped star 

61060 

点滅星 

(てんめつぼし) 

強い光を間欠的に発する和剤を用いた星。 

blinker 

きらきら星 

(慣用語) 

61061 

煙剤 

煙を出すことを目的とする和剤。 

smoker composition 

発煙剤 

61062 

はち 

黒色粉火薬,黒色小粒火薬,アルミニウム粉などの配

合薬を紙筒に詰めて打げ揚げ点火させると,筒が火の

粉を噴出しながら渦巻状で,不特定方向にうなりを生

じて飛しょうする打揚花火。 

hummer 

61063 

雷薬 

点火すると爆発音を発する和剤。 

発音剤の一種。 

banger composition 

61064 

笛薬 

紙筒に詰めて燃焼させると,笛音に似た音を出す和

剤。 

whistle composition 

61065 

引き 

黒色火薬などを和剤とした星が移動して,火の粉の尾

を引く現象。 

61066 

錦 

アルミニウム粉などを含み,黄金色の火の粉を発生す

る火の粉剤,又はその現象。 

61067 

色火 

色火剤が燃焼したときの現象。 

colored flame 

61068 

色煙 

色のある煙を出す煙剤によって発生する現象。 

colored smoke 

彩煙 

(さいえん) 

background image

62 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

61069 

笛 

笛薬を紙筒に装てんして作った笛音を発するもの,又

はその現象。 

whistler 

61070 

煙幕 

煙剤を筒などに装てんして造った煙を出すもの,又は

その現象。 

screening smoke 

61071 

光露 

(こうろ) 

打揚花火の引きの最後に星がきらきら光る現象。 

露 

61072 

輝 

(てか) 

打揚花火の引きの後,星が強烈な光を放って消える現

象(光露より光度が高いものをいう。)。 

61073 

雷 

信号用に打ち揚げる音物花火,又はその現象。 

ぽか物の一種。 

report [shell] 

61074 

菊 

引きの出る和剤の星を玉に入れ,菊の花弁状に現れる

割物花火,又はその現象(引きのないものはぼたんと

いう。)。 

chrysanthemum 

61075 

ぼたん 

星に引きがない割物花火,又はその現象。 

peony 

61076 

ダリヤ 

マグネシウムなどを加えた明るい色を現す和剤を用

い,弱い割り方で割る柳に近い割物花火,又はその現

象。 

dahlia 

61077 

柳 

燃焼時間の長い引き和剤で造られた星が,多数の放物

線を描いて落下し,柳を連想させる割物花火,又はそ

の現象。 

willow 

61078 

煙菊 

(えんぎく) 

煙剤で造った星で,菊花火を表現した昼間の割物花

火,又はその現象。 

61079 

乱玉 

(らんだま) 

1本の筒から時間間隔をおいて次々と星を打ち出す仕

掛花火。 

おもちゃ花火では,連発ともいう。 

roman candle 

61080 

段咲 

(だんざき) 

玉が上昇又は下降しながら次々と開発して行くぽか

物花火,又はその現象。 

61081 

小花 

(こばな) 

玉と一緒に打ち揚げられる小さい花が開いた現象。 

small flower 

61082 

煙竜 

(えんりゅう) 

パラシュートに煙物(煙剤を用いた花火)をつるし,

空中をくるくる回りながら浮遊させ,竜が泳いでいる

ように見せる花火,又はその現象。 

61083 

やし 

柳のしだれの部分が大きく,やしの葉に似た形状を示

す花火,又はその現象。 

coconut palm 

61084 

立火仕掛 

(たちびしかけ) 

星が火の粉や尾を引きながら上昇する仕掛花火。 

61085 

水上仕掛 

川,湖,海岸などの水面を利用して行う仕掛花火の総

称。 

61086 

金魚 

紙筒に和剤を詰め,点火して水面に放出して,不規則

に遊泳させる水上仕掛。 

61087 

枠仕掛 

木でできた枠組みに,割竹で文字や絵などを構成し,

一定の間隔でランスを取り付け,速火線で連結し点火

すると,一瞬に全ランスに着火し,その予定構図を色

火で描く仕掛花火。 

lance work 

61088 

綱仕掛 

綱を張り,それを伝って,からくり人形,ケーブルカ

ーなどを,火薬の推力を利用して移動させたり回転や

踊りをさせたりする仕掛花火。 

綱火(つな

び) 

(慣用語) 

background image

63 

K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

同義語 

61089 

張物 

(はりもの) 

文字や絵を書いたり,切り抜いたりした紙を用いてち

ょうちんやあんどん状のものを造り,その中で色火や

点滅和剤を燃焼させる仕掛花火。 

61090 

スターマイン 

大小多数の打揚玉や星を多数の打揚筒から連続して

打ち揚げる仕掛花火。 

star mines 

速射連発, 

連発打揚 

61091 

滝 

火の粉剤を筒に詰めて適当な間隔でつるし,速火線で

連結して点火すると,一斉に火の粉が降下して滝を連

想させる仕掛花火。 

water fall 

ナイヤガラ 

61092 

号砲 

一発だけの音物花火。強いせん(閃)光を伴う場合が

多い。雷の一種。 

61093 

袋物 

上空で開発したとき,内蔵した風船やだるまなどの形

をした袋が膨らみ,ゆっくりと降下するぽか物花火。 

つり物花火の一種。 

61094 

噴水 

噴水状に火の粉や火花を吹き上げる仕掛花火。 

噴出力の強いものを噴火山という。 

fountain 

61095 

つり物 

上空で開発したときパラシュートが開き,種々のもの

をつって,ゆっくりと降下するぽか物花火。 

61096 

車花火 

木製の車枠に色火,火の粉剤などを詰めた薬筒を取り

付けて点火すると,その推進力で車が回転する仕掛花

火。 

火車, 

火輪 

61097 

早打ち 

1本の打揚筒の底に焼金を入れ,打揚火薬を取り付け

た玉をその筒に次々と落とし込み,連続して玉を打ち

揚げる方法。 

61098 

裏打ち 

仕掛花火の消え際に打ち揚げるスターマイン。 

back scene 

61099 

連発打揚 

打揚火薬と玉を入れた打揚筒を並べ,速火線又は電気

点火方式で,連続して打ち揚げる方法。 

star mines 

スターマイ

ン, 

速射連発 

61100 

筒ばね 

玉が発射薬の点火と同時に打揚筒の内部で開発する

現象。 

揚薬の入れ忘れや親みち取付部の欠陥によることが

多い。 

打揚筒が割れて飛散することが多く,この場合は筒割

れという。 

muzzle break 

すわれ 

61101 

黒玉 

打ち揚げられた玉が開発せずに落下してくる不着火

の玉,又はその現象。 

black shell 

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K 4800 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

火薬用語改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

田 村 昌 三 

東京大学大学院工学系研究科 

山 下 忠 孝 

東洋大学名誉教授 

藤 原 修 三 

工業技術院物質工学工業技術研究所 

西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局 

小 川 秀 樹 

通商産業省環境立地局 

八 田   勲 

工業技術院標準部 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会 

中 軸 美智雄 

社団法人全国火薬類保安協会 

坂 上   威 

日本火薬工業会 

一 宮   稔 

旭化成工業株式会社 

北 島 英 二 

中国化薬株式会社 

橋 爪   清 

日本化薬株式会社 

青 木 章 哲 

日本カーリット株式会社 

黒 田 英 司 

日本工機株式会社 

金 澤 輝 男 

日本油脂株式会社 

相 葉 昭 男 

ワイ・エス・ケー株式会社 

二 股 英 雄 

社団法人日本煙火協会 

山 崎 博 之 

石灰石鉱業協会 

(事務局) 

佐 藤 孝 幸 

日本火薬工業会 

比 嘉   清 

日本火薬工業会