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日本工業規格

JIS

 K3901

-1992

くつクリーム

Shoe polish

1.

適用範囲  この規格は,天然の皮を  なめした  つやのある革を甲用材料とした一般歩行用の革ぐつに

用いる  くつクリーム(以下,くつクリームという。

)について規定する。

備考1.  別名,くつ墨という。

2.

この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7411

  ガラス製棒状温度計(全浸没)

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 5400

  塗料一般試験方法

JIS K 6551

  くつ用革

JIS K 8937

  リグロイン(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8102

  物体色の色名

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

JIS Z 8741

  鏡面光沢度測定方法

JIS Z 8802

  pH 測定方法

2.

種類及び性状  くつクリームの種類及び性状は,表 のとおりとする。

表 1  種類及び性状

種類

性状

成分など

油性

ワックスと有機溶剤を主成分としたもの。

乳化性

ペースト状

ワックスと有機溶剤の混合物を水と乳化しペースト状としたもので,

容器を横に傾けたとき容易に中身が流出しないもの。

液状

ワックスと有機溶剤の混合物を水と乳化し液状としたもので,容器を

横に傾けたとき直ちに中身が流出するもの。

3.

品質  くつクリームの品質は,4.によって試験したとき,表 のとおりとする。


2

K3901-1992

表 2  品質

種類及び性状

油性

乳化性

項目

ペースト状

液状

高温安定性

⎟⎟

⎜⎜

±

h

2

2

38

容器を横に傾けたとき中

身が流出しないこと。

容器を横に傾けたとき中

身が流出しないこと。

流動性を失わないこと。

性  低温安定性

⎟⎟

⎜⎜

⎛ ±

h

2

2

5

容器を横に傾けたとき中

身が流出しないこと。

容器を横に傾けたとき中

身が流出しないこと。

さら

に,指先で触れてみて著し

く堅くなく,容易に採取で

きること。

流動性を失わないこと。

光沢増加度

10.0

以上 6.0 以上 10.0 以上

pH

4.0

以上 10.0 未満 4.0 以上 10.0 未満 4.0 以上 10.0 未満

不揮発分  %

20

以上 15 以上

5

以上

不揮発分の溶け始

めの温度  ℃

60

以上 50 以上 50 以上

4.

試験方法

4.1

一般事項  試験において共通する一般事項は,JIS K 0050 による。

4.2

試料採取方法  試料の採取方法は,JIS K 5400 の 2.(3)(採取個数)による。

4.3

試験場所の標準状態  試験場所の標準状態は,JIS Z 8703 に規定する常温 (20±15℃)  ,常湿 [(65

±20) %]  とする。

4.4

安定性

4.4.1

要旨  試料を容器ごと高温及び低温中で保持した後,中身の状態を調べる。

4.4.2

装置  恒温槽  温度を 38±2℃及び 5±2℃に保つことができるもの。

4.4.3

操作  操作は,次のとおり行う。

(1)

高温安定性  試料の製品容器を,ふたをしたまま 38±2℃に保った恒温槽に入れ,2 時間後に取り出し

て直ちに中身の状態を調べる。

(2)

低温安定性  試料の製品容器を,ふたをしたまま 5±2℃に保った恒温槽に入れ,2 時間後に取り出し

て直ちに中身の状態を調べる。

4.5

光沢増加度

4.5.1

要旨  牛革(甲革)の試料塗布前と試料塗布後の光沢度を光沢度計を用い測定し,その光沢度の差

から求める。

4.5.2

装置及び材料  装置及び材料は,次のとおりとする。

(1)

光沢度計  JIS Z 8741 に規定する装置で 45°鏡面光沢度を測定できるもの。

(2)

試験片  JIS K 6551 に規定する牛革(甲革)でつやのあるものを用い,寸法は約 60×120mm とし,

リグロイン処理後の鏡面光沢度は 7.0±3.0 の範囲に入るものを使用する。

(3)

ガーゼ  日本薬局方に規定するタイプ I 又は II。

(4)

リグロイン  JIS K 8937 に規定するもの。

4.5.3

操作  操作は,次のとおり行う。

(1)

試験片の表面をリグロインを含ませたガーゼでふき,乾燥した後,光沢度計を用い,中央部分の異な

る 4 か所の光沢度を測定し,平均値を求める。


3

K3901-1992

(2)  (1)

の試験片に試料約 0.1g を均一に塗布して 5 分間放置する。

(3)  (2)

の試験片の表面をガーゼを用い,20 秒間軽くこすりつやを出す。この面を再び光沢度計を用いて(1)

と同じ 4 か所を測定し,試料塗布後の光沢度平均値を求める。

4.5.4

計算  光沢度増加度は,次の式によって算出する。

GGBGA

ここに,  ⊿G

光沢度増加度

GA

試料塗布前のリグロイン処理後の光沢度平均値

GB

試料塗布後の光沢度平均値

4.6

pH

4.6.1

要旨  試料に水を加え,加熱して溶かし,放冷後ろ過して得られた  ろ液について,pH 計を用いて

pH

値を求める。

4.6.2

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(1)  pH

計  JIS Z 8802 に規定する形式 II,又はこれと同等以上のもの。

(2)

ビーカー  JIS R 3503 に規定するもの。

(3)

ろ紙  JIS P 3801 に規定する 5 種 A。

4.6.3

操作  操作は,次のとおり行う。

(1)

試料約 5g をビーカーに量り取り,水 100ml をかき混ぜながら加える。

(2)

ワックスが完全に溶融状態を保つように 10 分間かき混ぜながら加熱し,25℃まで放冷した後,ろ紙を

用いてろ過する。

(3)

得られた水溶液の pH 値を JIS Z 8802 の 7.2(測定方法)によって測定し,2 回の平均値を pH 値とす

る。

4.7

不揮発分

4.7.1

要旨  試料を乾燥器で乾燥し,その前後の質量差から不揮発分を求める。

4.7.2

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(1)

平形はかり瓶  60×30mm

(2)

乾燥器  温度 110±2℃に保つことができるもの。

(3)

デシケーター  シリカゲルなどの乾燥剤を入れたもの。

4.7.3

操作  操作は,次のとおり行う。

(1)

試料 3∼5g を質量既知の平形はかり瓶 2 個に手早くふたをして,

それぞれ 10mg のけたまで量り取る。

(2)

ふたを取り,110±2℃の乾燥器に入れ,4 時間乾燥する。

(3)

乾燥器から取り出し,デシケーター中で 1 時間放冷した後,ふたをしてその質量を 10mg のけたまで

量る。

4.7.4

計算  不揮発分は,次の式によって算出し,2 回の平均値を不揮発分とする。

100

×

WA

WB

R

ここに,

R

不揮発分 (%)

WA

試料の質量 (g)

WB

乾燥後の試料の質量 (g)

4.8

不揮発分の溶け始める温度


4

K3901-1992

4.8.1

要旨  試料を入れた細管を水中に浸し加熱したとき,試料が溶け始めて細管中で試料が浮上すると

きの温度を測定し,不揮発分の溶け始める温度として求める。

4.8.2

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(1)

温度計  JIS B 7411 に規定する 100 度温度計又はこれと同等のもので,校正をしたもの。

(2)

ビーカー  100ml 及び 1l

(3)

細管  内径 1mm,外径 2mm 以下及ぴ長さ 50∼80mm で両端が開いているもの。

4.8.3

操作  操作は,次のとおり行う。

(1)

  4.7.3

で得た不揮発分をビーカー100ml に移し取り,注意しながらできるだけ低温で融解する。

(2)

融解した試料を細管中に吸い上げ,約 10mm の高さとする。

(3)

細管から試料が流出しないように保ち,

10

℃以下に 24 時間放置するか又は少なくとも 1 時間氷冷する。

(4)

細管中の試料の層の中央が温度計の水銀球の中央外側にくるように輪ゴムで取り付ける。

(5)

これをビーカー1に取った約 800ml の水の中に浸し,温度計の下端を水面下約 30mm の深さに置く。

(6)

ビーカーの水をかき混ぜながら最初は 1 分間に 2℃ずつ上昇するように加熱し,予想できる溶け始め

る温度より 10℃低い温度に達したときは 1 分間に 0.5℃上昇するよう加熱する。

(7)

試料が細管中で上昇し始める温度を読み取り,不揮発分の溶け始める温度とする。ただし,この場合

2

回の平均値とする。

4.9

試験結果の数値の表し方  4.54.8 の試験結果は,規定の数値より 1 けた下の位まで求め,JIS Z 8401

によって丸める。

5.

検査  4.によって試験し,表 の規定に適合しなければならない。

6.

容器  容器は,くつクリームの乾燥を防止することのできるものを用いる。

7.

表示  容器ごとに,次の事項を表示しなければならない。ただし,極めて小さい容器で表示が困難な

場合は,(1)(2)及び(4)については最小包装単位でもよい。

表示は,容器のふた,キャップなどの見やすい箇所に印刷又は証紙によって表示する。色名は,JIS Z 8102

に従って表示する。ただし,JIS Z 8102 で規定していない色名のものについてはこの限りでない。

(1)

種類及び性状

(2)

製造業者名又はその略号

(3)

製造番号又はロット番号

(4)

正味質量又は正味容量

(5)

色名(色名の色及び色名を示す文字)

参考  “くつ墨”については,家庭用品品質表示法で表示が規制されている。


5

K3901-1992

化学製品部会  せっけん・洗剤・油脂専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

楢  崎  英  男

新技術開発事業団

橋  本  哲太郎

社団法人日本油化学協会

中  島  邦  推

通商産業省基礎産業局

細  川  幹  夫

工業技術院標準部

石  毛  和  之

通商産業省通商産業検査所

浅  原  照  三

東京大学名誉教授

丹  野  博  実

財団法人化学品検査協会

天  野  立  爾

国民生活センター

松  岡  万里野

財団法人日本消費者協会

吉  岡  初  子

主婦連合会

馬  替      泰

日本石油洗剤株式会社

八  木  祐四郎

社団法人全国ビルメンテナンス協会

廣  江      利

東都製靴工業協同組合

樽  谷  忠  則

株式会社リンレイ

齊  藤  友  尚

ユシロ化学株式会社

坂  平  和  博

コニシ株式会社

若  杉  若次郎

株式会社コロンブス

品  川  次  郎

株式会社品川油化研究所

谷  口  嘉  清

株式会社谷口化学工業所

(事務局)

高  橋      潔

工業技術院標準部繊維化学規格課

平  塚  智  章

工業技術院標準部繊維化学規格課

JIS K 3901

  改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

橋  本  哲太郎

千葉工業大学

寺  西  大三郎

通商産業省基礎産業局化学製品課

細  川  幹  夫

工業技術院繊維化学規格課

須  藤  和  義

通商産業省通商産業検査所

若  杉  若次郎

株式会社コロンブス

伊  藤  政  夫

サンエッチ株式会社

品  川  次  郎

株式会社品川油化研究所

栗  原  正  平

株式会社ジュエル

谷  口  嘉  郎

株式会社谷口化学工業所

青  木  茂  治

株式会社ライカ

河  野  嘉  徳

日新理化産業株式会社

谷  中  俊  憲

日本靴塗料工業会

(事務局)

阪  本  公  昭

通商産業省通商産業検査所

吉  田  敏  昭

通商産業省通商産業検査所